世界が注目する医療刺青師は 乳頭部を描く現代の“ダ・ビンチ”
2018.06.06 更新

世界が注目する医療刺青師は
乳頭部を描く現代の“ダ・ビンチ”

乳がんにより、乳頭部を失った女性に対し芸術的な刺青を施し乳首の『ダ・ビンチ』と呼ばれるアメリカ人が話題となっている。

元々は普通の刺青師だった

Myersさんは1991年に刺青の道へ入った。2001年には、現在のような医療的要素を取り入れた仕事を行うようになった。その時期、偶然にも彼の姉が乳がんを患っていたのだ。この個人的な出来事が、彼がアーティスト的視点の少ないこの分野に携わるようになった理由でもある。

「変化が私を見出したのさ。自分では何も見つけてない」

“芸術的か医療的か”どちらの施術に携わるべきかの葛藤を思い出してこう言った。

2010年、ついに乳がん患者への施術一本でいくと決めた。
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出典 http://www.elmundo.es/cronica/2015/02/01/54cbe805e2704e912d8b457d.html

アトリエには世界各国から女性が集う

 部屋の奥からは、ロックナンバー『スイートホーム アラバマ』が聞こえる。刺青を彫るモーター針の音がかん高く鳴り、その一方で女性たちの笑い声も聞こえる。ここは世界で最も進んだ、とあるアトリエ。メリーランド州・フリンクブルグにある刺青サロンLittle Vinnies Tattoosには、世界各国から女性たちが集まる。医療的刺青を乳頭部に入れてもらうためだ。

そして、この治療室が、乳がんの診断と予防的乳房切除術で始まった旅の終着地であり、未来の始まりの場所でもある。女性たちの笑い声はその証だ。

「乳がんに苦しんでいる女性はたくさんいます」と言う彼のカレンダーは、6月まで一杯である。既に4000もの乳頭を描いてきた。そんな彼の腕を頼り、顧客は世界中から来る。アラスカ・日本・サウジアラビア・南アフリカ・バレンシア……。

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出典 http://tattoo-parlors.com/place/little-vinnies-tattoos/

『乳首のダ・ビンチ』との異名を持つその技巧とは

施術の流れはこうだ。準備が整えられた処置室に患者さんが入ると、全ての事柄に神経が集中される。事前写真、患部の分析、身体の状態、染料の選択、タトゥー針の振動、事後の写真、患部のケア……。

施術には1~2時間費やされる。ぱっと見たところによると、5~6色の基本色素が乳頭部の適切なトーンを出すために用いられているようだが……。「人それぞれです」と強調する。どの様な外科手術を受けたかに影響を受けるし、もし片方の乳房が残っている場合には、その色に近づける必要がある。

03 :15~03:46 施術シーン
・12色以上の色素を使い描く
・外科的手術より巧妙に仕上がる
・特に健康な胸が片方残る場合には、残った乳頭部の色に合わせる

04 :05~04:31 乳頭部完成シーン
・「素晴らしい」「信じられない」「濡れたシャツで遊べるわ」と喜ぶ女性
・「赤みが取れれば完璧な乳房に見えるよ」「乳房切除を受けたように見えない」と自信を持つMyersさん

Myersさんは「仕事の中で、特別にどんなことをしていますか?」と問われると、第一に、マシーンを使う技巧能力を磨くことを挙げた。3Dの乳頭を描くために“陰の妙”を取り入れたるためだ。このことは5、6年前から、特に要求されるという。
そして多くの女性が、外科を伴う乳頭部再生よりも、3D術を支持してくれていると言う。そんなMyersさんは『乳首のダ・ビンチ』との異名を持つ。

芸術的なその腕前

両胸に施術を受けたある女性は言う。「まるで芸術家ね。緊張してここに来たけど、笑い話していたら、あっという間に終わっちゃったわ。彼と奥さんのおかげね」。この女性は高リスクの遺伝的ガンを両胸に抱えており、健康な胸の予防的切除を受けた。さらに乳頭部に病気を加速させる“腺”を内包しており、こちらも切除をしなければならなくなっていた。

Myersさんへの感謝を綴ったとある書籍にこうある。彼の刺青は顧客に完璧と思わせる力をもつ。それは鏡の前で“切断”を感じさせない……と。これに対し彼は言う

「術後の変化には感激するはずさ。女性たちは施術室に入るときに、多少不完全さは残るだろうと思っているけど、終われば必ず“職人技”を感じるよ。

僕がいつも言われることがあるんだ。“あなたの腕は完璧ね”って」。

料金は600ドル~

彼の技術料は片胸600ドル、両胸900ドルだ。高いのか、安いのか? 受ける女性の懐次第だが、術後の結果については多くの人が満足しているようだ。

スペインでは彼を招聘するクラウドファンディグも

Cova Sarasさん(33)の手帳にはLittle Vinnies Tattoosの名が大きく書かれている。Sarasさんはスペイン・マドリードにおいてCMディレクターをしている。彼女もまた2013年に右胸にガンが見つかり、その困難を乗り越えた経験を持つ。

「治療に入るときに、すぐ乳首の再生のことを教えられたの。でも“チェリーパイでも乗せるの”って答えたわ。時がきたらまた考えようと思っていて……。その後に彼の仕事を知ったの。素晴らしいと思って、すぐにアメリカへ行く計画を立てた。その後、思いついたの。この刺青師の仕事をスペインの医療界にも広めるために、彼をここへ連れてきたいなって……」。

 3カ月後、すぐにSarasさんは、夫と元上司と共に『乳房を失った女性の会』を立ち上げた。最初の活動は10000ユーロ(約135万円)の寄付を募ること。集まったお金は、Myersさんをスペインへ呼び、Sarasさんを含め4人の女性が刺青を入れることの他、講演会や研修会開催にも充てられことになった。

キャンペーンは「チェリーパイ運動」と名付けられた。その後、寄付金はわずか20日で集まり、最高の腕を持つ乳頭刺青師が2月22~25日にマドリードへ来ることになった。スペインでは毎年、22,000人が乳がんと診断される。多くの場合、乳頭部の切除を伴う。「乳房にはシリコンを入れられますが、乳首はそうはいきません。だから、乳頭部切除のほうが、ダメージが大きいのです」と前出のSarasさんは言う。

スペインにおいて、この分野は未発達である。それゆえに『乳房を失った女性の会』は、Myersさんの訪問がきっかけとなり、職業としての“乳頭部刺青師”育成がスタートすることを期待している。

以上、文章部分は全てスペイン紙『エルムンド』から引用

出典 http://www.elmundo.es/cronica/2015/02/01/54cbe805e2704e912d8b457d.html

日本にMyersさんを呼ぶことは可能なのか?

 日本において、刺青を用いて乳頭部再生施術を行うことはできるのであろうか? 明確に言えることは、医療機関では可能だ。しかし、Myersさんのような刺青師がアメリカでのように、医療機関と連携して、公に活動できるかといえば、今の法整備では難しいと言えそうだ。

まず「刺青」が医師法17条における「医療行為」と見なすならば、アートメイク(眉やまぶたに入れる)を含む全ての刺青は医師以外行うことができないと解釈され、刺青師の出番は消える。これに対し、厚生労働省の政令(医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱について 平成13年11月8日医政医発第105号)では、アートメークは「医療行為」なので、医療機関以外は施術できないと規定し「趣味としての刺青」とのすみ分けを定義してきた。

もしも乳頭部に入れる刺青が、アートメークと同様の行為と認定されるならば、こちらもMyersさんのような刺青師を日本へ呼ぶことは不可能になる。アートメークが「医療行為」と見なされるならば、当然乳頭部もそう捉えるのが自然だ。そして、このような不安定な法体系のもとでは、乳頭部に特化した刺青師が生まれることはないだろう。

現状の日本において望めることは、4000もの乳頭を描いてきた『ダ・ビンチ』の腕を盗んでくれるような医師が現れるのを待つしかない。Myersさんは言う。「私はアートのバックボーンによって、彼ら(医療関係者)の求める仕事よりイイものを残す腕があります」。

この自信に満ちた技術が伝承されれば、乳頭部再生の美的レベルは確実に上がるだろう。そして「私の一番の使命は乳がんで傷を負った女性たちを助けること」(出典 前出エルムンド)と医師と同じ信念も持っている。
彼に師事し、日本人第一者となる乳頭部『ダ・ビンチ』医師が現れることを切に願う。

日本における乳頭部への施術

日本における乳頭部再生施術は、主に2種類ある。健康な片方の乳頭部を移す移植法と、皮膚と軟骨を用いて乳頭部を再生する方法に分かれる。前者の場合、健康な乳首を犠牲にする必要があり、当然片方の乳頭部が残っている必要がある。また見た目でも左右に差異が生じる場合がある。

Myersさんの場合は、後者施術後に刺青を施している。日本においても、実施している医療機関はあるが非常に少ないのが現状だ。

banana

マラガ・飛汁

ライター・翻訳家

豊胸術が受けられるクリニック

形成外科 美容外科 美容皮膚科
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休診日:
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