美容整形での麻酔(全身麻酔、局所麻酔など)の作用、副作用。麻酔科医含む医師の見解まとめです!
2017.05.27 更新

美容外科で、麻酔を伴うオペは珍しくありません。麻酔の種類(全身麻酔、局所麻酔など)や作用、リスク・副作用って気になりますよね。そこで、美容外科医・麻酔科医の見解をもとにまとめてみました。
最後に安心できるクリニック選びについても記載してありますので、ぜひ読んでみてください。

麻酔は大きく2種類

宮部先生が総院長を務めるドーズ美容外科では、麻酔についてこのように説明しています。

麻酔は、意識をなくす「全身麻酔」と、意識を保ったまま感覚をなくす「局部麻酔」に大別されます。

出典 http://www.do-s.net/

全身麻酔
全身どの部位に刺激を与えても感じなくする麻酔です。吸入麻酔薬(呼吸を通じて吸入する薬)や静脈麻酔薬(点滴からはいる薬)などを用いて意識をなくし、痛みを感じなくさせます。
手術時間に応じて麻酔の時間は自由に調節できます。

出典 http://www.do-s.net/

吸入タイプは笑気ガスとも呼ばれることも。全身麻酔としてではなく、緊張をとるためのリラックス麻酔として利用されることもあります。

局所麻酔は、文字通り部分的な麻酔ですが、その名称はクリニックによってかなり異なります。ここではよく使われる局所麻酔をピックアップしました。

表面麻酔については、高田先生が院長を務める高田歯科医院の説明が分かりやすかったです。

表面麻酔
表面麻酔は麻酔薬を粘膜表面や皮膚に塗布して麻酔を得る方法です。注射針刺入時の痛みの軽減やごく表面の処置や切開などに用います。
麻酔薬をしみ込ませた綿球、綿棒あるいはガーゼを粘膜面にあてるか局所麻酔薬ゼリーを塗布して、しばらく放置して薬液が組織の中に浸透するのを待ちます。
粘膜あるいは皮膚を通して麻酔薬を浸透させるので、深い場所までの麻酔効果は得られません。麻酔の範囲は麻酔薬を塗った部位の表層に限られます。
効果持続時間は10分程度です。

出典 http://clinic-1.jp/

表面麻酔はレーザー治療でよく使われます。ジェルまたはクリーム状であることが多いため、クリーム麻酔と呼ばれることも。またシールタイプのものもあり、これはペンレスシートと呼ばれています。

硬膜外麻酔については、うまみ美容クリニックの馬見先生の説明が分かりやすいです。

硬膜外麻酔
無痛分娩などで使われる麻酔方法です、脊椎のすぐ後ろにある硬膜外腔と呼ばれる空間に細いチューブを入れ、そこから麻酔液を入れることで、足だけとか、お腹だけに麻酔薬を効かせ痛みをとることが可能です。
麻酔には高度な技術が必要ですが、技術を持った医師が行えば安全な方法です。

出典 http://umami-bc.com/

硬膜外麻酔は、豊胸術や脂肪吸引などでよく使われます。

浸潤麻酔については、麻生先生が統括院長を務める東京美容外科のものが分かりやすく書いてありました。

浸潤麻酔
キシロカインなどの麻酔液を注射する方法で、その部分を局所的に麻痺させて痛みを除去します。美容外科では皮膚切開、縫合など体表面の処置や小手術(二重、隆鼻術、ほくろとり、傷の修正術など)の際に最もよく実施される方法です。
(中略)
歯医者の麻酔や、一般病院でも小手術・処置(気管切開、胸腔ドレナージ、中心静脈路確保など)の際に非常に頻繁に用いられている方法です。

出典 http://www.tkc110.jp/

浸潤麻酔は、薬液の注入や縫合などで使われます。

全身麻酔と局所麻酔、どっちがいいの?

オペ室の医師たち

山川先生が統括指導医を務めるTHE CLINICでは、全身麻酔と局所麻酔のメリット・デメリットをこのように紹介しています。

1.意識を残す麻酔法は負担が少ない反面、痛みや怖さを感じる可能性がある
2.静脈麻酔は、麻酔薬の改良で目覚めの悪さや吐き気などの後遺症などを解消
3.同じ麻酔法でも、手術の手技や機器によっては痛みを感じることも

出典 http://www.theclinic.jp/

続いて、タカナシクリニックの高梨先生の考え方です。

麻酔にはそれぞれ、メリット・デメリットがあります。
施術を受ける患者様の年齢や体重、既往歴や現在飲んでいる薬、必要に応じて全身状態(心臓や肺・肝臓・腎臓などの機能等)も把握しておく必要があります。
また、手術の内容や手術時間によっても麻酔の選択肢は変わってきます。
麻酔は薬です。良い所ももちろんあるのですが、不用意に使用することは身体にとって決していいことではありません。
なぜ、この施術に対してこの麻酔を使用するのかということが大切なのです。

出典 http://www.takanashi-clinic.com/

意識のある状態で手術を受けるのが怖い人向けに、全身麻酔を提案するクリニックもあります。
しかし、体調や持病などによっては、様々なリスクがあるそうです。安易に全身麻酔・局所麻酔を選ぶのではなく、自身の体調などをしっかり医師と相談したうえで決めるようにしましょう。

麻酔に伴う具体的なリスク

麻酔の副作用などについては、大阪医療センターの麻酔科で詳しく説明されています。

麻酔に伴うおもな合併症・副作用について
歯の損傷
気管へのチューブの挿入は、ふつう眠っている間にしますので苦痛は感じませんが、この操作に伴って歯に力がかかり、歯が折れる、ぐらぐらになる、抜ける、出血するなどの障害がおき、手術後に歯科処置が必要になることがあります。
歯がぐらぐらしている方、差し歯のある方、歯肉に炎症のある方は、起こる可能性が高くなります。

出典 http://www.onh.go.jp/

のどの痛み、腫れ
チューブが声帯を越えて気管にはいるので、声帯が腫れたり痛んだり、あるいは声帯を動かす神経が麻痺したりして、手術後に声がれを生じ、水などが飲みにくくなることがあります。
声帯付近の刺激による声がれはたいてい数日以内に治ります。

出典 http://www.onh.go.jp/

胃内容の逆流・気管内流入に伴う肺炎
マスクによる人工呼吸、気管挿管、抜管などの操作や胃の充満により、しばしば嘔吐が誘発されます。
麻酔中は喉頭の防御反射が失われているため、吐物は気管内に侵入しやすく、胃酸によって気管支や肺がただれるようになる肺炎がおこり、時に重症化します(誤嚥性肺炎)。

出典 http://www.onh.go.jp/

循環器系の障害
手術、全身麻酔は、身体にとって一種のストレスであり、術中だけでなく術後数日にわたってその影響が現れる可能性があります。
特に、循環器系はこのようなストレスに敏感ですが、通常は血圧や脈拍の軽度の変動がみられるだけです。
しかし、手術中に大量の出血があったり、もともと心臓や血管に異常のある方(たとえば高血圧や不整脈など)や過去に狭心症、心筋梗塞、心不全などの既往のある方はでは術中術後の循環器系の異常が顕著にあらわれやすく、既往症が再発、悪化することがあります。

出典 http://www.onh.go.jp/

呼吸器系の障害
全身麻酔のあと、自力で痰を出せるようになるまでに時間がかかり、肺に空気の入りにくい部分ができたり、肺炎の原因となる微生物が侵入しやすい状態となります。
重症化することはまれですが、喫煙者ではしばしば手術時や手術後に低酸素症がおこります。

出典 http://www.onh.go.jp/

肺梗塞
手術中および手術後のベッド上安静により、血液のうっ滞が起こり、血のかたまり(血栓)が生じやすくなります。
それは、下肢に多くみられ、安静解除後の歩行時などに、その血栓が血流にのって移動し、肺の血管につまる(肺梗塞)可能性があります。肺梗塞になると、呼吸困難や心肺停止を引き起こし、大変危険です。
予防法の1つとして、血液の流れをよくすることが効果的です。手術中から弾性ストッキングを着用することをおすすめしています。
ただし、日本では保険適応外のため、自費購入となります。(購入は強制ではありません)

出典 http://www.onh.go.jp/

脳血管障害や術後の意識障害
手術中の異常高血圧、低血圧により、脳梗塞や脳出血などの障害が起こることがあります。
高齢の方、以前に脳出血や脳梗塞を起こしたことのある方、心臓に血栓のできやすい状態の方はこの危険性が高くなります。

出典 http://www.onh.go.jp/

麻酔薬によるアレルギーの誘発
麻酔薬の改良により、アレルギーのおきる頻度は減ってきましたが、特に喘息やアトピー、薬に対する過敏症など、アレルギー体質の方では、麻酔で使用する薬や、気道確保の際の咽頭、喉頭刺激などにより、喘息のような状態になったり、蕁麻疹のような発疹がでたりすることがあります。
頻度はまれですが最も激しいアナフィラキシーというタイプでは麻酔薬が身体に入った直後から全身の紅潮や血圧低下、呼吸状態の悪化などがみられます。

出典 http://www.onh.go.jp/

麻酔によって誘発される悪性高熱症
遺伝性の疾患で、全身麻酔薬、おもに吸入麻酔薬によってひきおこされる重篤な病態です。高熱、筋肉融解、不整脈、腎不全などの臓器障害がおこります。
ダントロレンという特効薬がありますが早期に使用しても劇症型では約20%が死の転帰をたどります。およその発生頻度は全身麻酔60000件に1例と報告されています。

出典 http://www.onh.go.jp/

硬膜外チューブ挿入に伴う合併症
術後の回復をたすけ早期離床をめざすために用いる硬膜外麻酔法ですが、まれに神経損傷による知覚異常や四肢麻痺、硬膜損傷による術後頭痛、刺入部からの細菌の侵入による感染などの合併症をおこすことがあります。

出典 http://www.onh.go.jp/

麻酔によるリスクって意外と多いんですね。特に、歯についてのリスクは「意外!」と驚かれた方もいるのではないでしょうか。美容整形を受ける前に、歯科治療を終わらせておいた方がよさそうです。

この他、血圧や糖尿病、喫煙など、体の状態や生活習慣によってもリスクは異なります。持病がある方や体調に不安がある方は、医師としっかり相談しましょう。「恥ずかしいから……」と隠すのはオススメできません。

安心なのは、麻酔科標榜医がいる病院

麻酔に臨む医師

東京皮膚科・形成外科の白石先生が麻酔科標準榜医について詳しく書いていました。

麻酔科標榜医とは…
麻酔科指導医のいる病院(麻酔科研修施設病院)で2年間の麻酔科専従が条件。国(厚生労働省)により認定されるもので、国家資格のひとつ。この資格がないと開業に際して麻酔科標榜ができない。また麻酔科標榜医がいない病院では麻酔科の標榜はできない。
(中略)
なぜ麻酔科だけが特別なのか?
麻酔には事故が多いからです。緊急事態が起こった場合、少し判断が遅れると直ちに命に関わるようなこともあります。

出典http://www.skin.tokyo/

確かに麻酔による事故はよく耳にします。麻酔って、医師の資格を持っていれば基本的に誰が行ってもOKなんだそう。
ですが、全身麻酔を伴う手術の際は、執刀医とは別に、麻酔の専門医がつきっきりになるというクリニックも珍しくありません。

全身麻酔を伴う美容整形を検討している場合には、麻酔科標準榜医のいるクリニックを選んだ方が安心できそうです。

まとめ

美容整形における麻酔の種類と作用、リスク・副作用などについてご紹介しました。いかがでしたか?
麻酔の基本的な使い方はどのクリニックもほぼ同じです。しかし細かい部分でこだわりがあることも少なくありません。
麻酔についてきちんと説明してくれる医師を選びたいですね。

なお、ここでご紹介した内容はあくまでも各医師の見解によるものです。人によっては当てはまらない場合もあります。
詳しくは、カウンセリングで医師にお尋ねください。

yuki

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美容医療系ライター

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