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美容整形の相談・紹介【医師監修】

ケロイドの有効な治療法とは。ケロイドができる原因から、テープ、手術、レーザー、塗り薬などさまざま治療法を解説
2018.06.29 更新

外傷による傷跡が肌に残って凸凹のある状態になるケロイド。見た目が悪い、着たい服が着られない、かゆい、痛い……など、悩みの多い症状です。隠すことができない箇所にある場合、心にまで深い傷を負ってしまうことがあります。そんなケロイドはどのように治療するのが良いのでしょうか?
ここでは、ケロイドとはどんな症状なのか、治療方法、治療後の傷跡についてご紹介していきます。

目次

1.ケロイドができる理由と最新の治療方法

やけどや切り傷などの外傷から肌が回復していく過程でできるケロイド。肥厚性瘢痕の一種とも考えられていますが、厳密にいうとこの2つには違いがあります。まずはケロイドがどんな症状なのかを理解してから、治療方法について考えていきましょう。

1-1.傷口が治る過程

はじめに、傷口がどのようにして回復していくのか理解しておきましょう。肌に傷ができると、血液中のフィブリンと呼ばれる血液を凝固させるたんぱく質がたまり、傷口がくっつき始めます。まず、初めに肌の表面にある表皮細胞がくっついて、それより深い部分では毛細血管が作られ、皮下組織の線維(コラーゲンなど)がつくられて、1週間程度で傷口が回復していきます。

よく、外科手術の後で「1週間後に抜糸」というのは、このようにして傷口が自然に回復し、皮膚が補強されていくのを待つためなのです。

その後、普通は傷口からは少しずつ赤みがひいていき、一時的に色素沈着として残った後、徐々に色が薄くなって次第に目立たなくっていく……という過程をたどります。しかし、まれにしばらく経ってから傷口が赤く盛り上がってかゆみが出たり、みみず腫れのように目立ったりすることがあります。これがケロイド、あるいは肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)と呼ばれる症状です。

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1-2.ケロイドとは

傷跡が赤くはれて盛り上がるという点では肥厚性瘢痕とほぼ同じですが、傷の部分だけではなく正常な皮膚にまで傷跡が広がっていくのがケロイドの特徴です。カニの足のように傷跡が広がっていくことから、蟹足腫(かいそくしゅ)と呼ばれることも。

かゆみや痛みが出ることが多く、深部で感染を起こしていると排膿(膿が出ること)することもあります。このことから、症状の悪化や再発を繰り返しやすく、治療の効果も出にくい症状として知られています。正しい治療を行うことで、症状の軽減を図ることは可能です。

■ケロイドと肥厚性瘢痕の違いとは

この2つを判別するのは難しいと言われていますが、症状の違いはいくつかあります。まず、肥厚性瘢痕の場合、傷口より病変が広がっていくことはありません。また、次第に色も薄くなって、傷跡自体も柔らかくなっていくため、治療の効果もでやすいと言われています。

ケロイドは皮膚線維であるコラーゲンが増殖することで傷が盛り上がるのですが、できる場所によっては体の可動に影響がでることも。できやすい場所として挙げられるのは、前胸や顔、上腕、背中、恥骨付近など。肥厚性瘢痕は体中どこでもできる可能性があります。

1-3.ケロイドはなぜできる? ケロイド体質とは

ケロイドがなぜできるかははっきり分かっていません。傷が治るのが遅い人はケロイドにやりやすいという意見もあるようですが、治るのが早い人でもケロイドができることはあります。

また、ケロイドは30歳未満の若い人にできやすく、妊娠によって悪化することもあります。帝王切開の手術跡が重症のケロイドになってしまうケースもあります。もっとも多いのが手術跡、やけどの跡でその他にはニキビ跡やピアスの穴などからケロイドができる場合も見られます。

■ケロイド体質とは

「ケロイド体質」という言葉を聞いたことはありませんか? ケロイドは白人種にはできにくく、有色人種はできやすいと言われています。同じ日本人でも皮膚の色素量が多い人ができやすいと言われていますが、色白の方でもケロイドになることはあります。

家族の中でケロイドができやすい人が複数見られることも多く、遺伝性の要因があるとも考えられています。これに対して、肥厚性瘢痕に遺伝的要素はないものの、高血圧の人にできやすいという臨床報告があります。したがって、高血圧になる体質が遺伝して、肥厚性瘢痕ができやすくなる……という可能性はあるでしょう。

ケロイドや肥厚性瘢痕は簡単に言ってみれば傷口が治る過程で、過剰反応が起こりコラーゲンが作られすぎることによってできるもの。このように考えると、傷口が治りやすい人の方がケロイドや肥厚性瘢痕になりやすいと考えることもできるのですが、医学的な根拠はまだ見つかっていないそうです。

1-4.ケロイドの治療方法

ケロイドの治療は大きく保存療法(手術をしない治し方)と外科手術の2種類に分けられます。保存療法の場合、治療の目的は完全にケロイドを消すことではなく、萎縮性瘢痕(小さめの傷跡)にまで目立たなくすることとなっています。

1-4-1.保存療法

  • ・ステロイド剤を塗る
  • ・ステロイド剤を注射する
  • ・圧迫固定する
  • ・液体窒素やドライアイスを使った凍結療法
  • ・内服薬
  • ・外用薬

など。ひとつひとつ見ていきましょう。

■ステロイド剤

炎症を抑えるステロイドを投与してケロイドの改善を図る方法です。一般的には吸収率が低い軟膏やクリームより、肌に張り付けるステロイドテープ剤が用いられます。ただし、皮膚から吸収できる成分の量には限りがあるため、ステロイド剤を注射するほうが効果を得られやすいと言われています。

ステロイドを直接注射する方法は、痛みがあり月に1度の注射を数カ月に渡って繰り返す必要があります。肝臓への負担も懸念される方法ですが、現時点ではケロイドの改善にはもっとも効果がある方法です。

■圧迫固定する

傷を安静にして圧迫することで、ケロイドを小さくしていく方法です。関節付近など、動きやすい箇所はケロイドが広がりやすいため、シートやスポンジなどを張り付けてケロイドに刺激を与えないようにしながら、傷口が盛り上がるのを防ぎます。

ケロイドができる場所や状態によって固定剤を使い分ける必要があります。シリコンジェルのシートやサージカルテープの他、厚みのあるスポンジを貼り付けるエアストンや近年、知名度が上がっている湿潤環境を維持して傷を治すハイドロコロイド材を用いたピタシートなどが用いられます。

■液体窒素やドライアイスを使った凍結療法

患部を凍結壊死させる方法。ケロイドを平らにする作用が強い方法ですが、医師の経験と技術が必要になるため、あまり一般的な方法ではありません。痛みを伴うので、麻酔が必要な施術です。

■内服薬

・トラニラスト(リザベン)
アレルギー性疾患の治療に用いられるトラニラスト(リザベン)には繊維芽細胞であるコラーゲンが作られる作用を抑えるはたらきがあり、ケロイドや肥厚性瘢痕の治療に用いられる内服薬です。赤みやかゆみの軽減にも役立ちます。ただし、長期間使用すると肝機能に影響を与えるため、投与は慎重に行われる必要があります。

・柴苓湯(サイレイトウ)

炎症を緩和し、水分の巡りをよくする漢方。体の免疫反応をコントロールして、炎症を和らげる効果があります。人によってはトラニラストと同程度の効果があがるケースも。

■外用薬

ヘパリン類似物質を配合したクリームやローションなどを使用することもあります。血液を固まらせないようにする血液凝固抑制作用や血行改善作用、保湿作用、繊維芽細胞増殖抑制作用(コラーゲンの増殖をおさえる)作用があります。これらは市販されている傷になりにくい薬にも用いられている成分です。

1-4-2.外科手術

ケロイド部分を切り取って、周りの正常な皮膚どうしを縫合する方法です。外科手術で切り取っても再発する可能性が高いため、安易に手術を勧める医師はあまりいません。また、傷口が再度ケロイド状になると、患部がより大きくなってしまうことも考えられます。外科手術で取り除く方法は内服薬や外用治療を合わせて慎重に行う必要があります。

また、外科手術後の再発を防ぐために放射線治療を併用することがあります。放射線治療については、この後で詳しく説明していきます。

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1-5.複数の治療法を組み合わせて行うケロイド治療

リザベンなどの内服薬や外用薬には単独でケロイドを治す力はありません。複数の治療を組み合わせることによってケロイドを小さくすることが目的なので、治療には時間を要することも理解しておきましょう。

複数の保存療法を組み合わせたり、保存療法と外科手術を組み合わせたりした方が良いこともあります。例えば、外用薬・内服薬・圧迫固定を組み合わせて治療したり、保存療法である程度ケロイドを小さくしてから、外科手術で取り除いたりすることもできます。

どのような治療が適しているかは、ケロイドの状態によっても異なります。どうしても行いたくない治療の種類がある場合は、医師に理由を説明しましょう。
ただし、ケロイドの状態によっては希望する治療が適さないこともあります。

1-6.ケロイドを自分で改善する方法ってある?

軽い傷跡ややけどによるケロイドであれば、自分で改善する方法もあります。ただし、これらは応急処置的なものであって、医療機関で行う治療ほどの効果は望めません。また、病院に行かずに治そうとするのもNG。外傷ややけどはまず病院で診てもらうようにしてください。

・アットノン

アットノン

出典 https://www.kobayashi.co.jp/

ヘパリン類似物質に抗炎症成分であるグリチルリチン酸、皮膚の再生をサポートするアラントイン配合。

・神仙太乙膏(タイツコウ軟膏)

神仙太乙膏(タイツコウ軟膏)

出典 https://melsmon.co.jp/

シャクヤク、トウキ、ダイオウ、ビャクシといった生薬を配合した軟膏。やけどやきりきず、虫刺されなどにも効果があります。

■やけどや外傷は早めに病院へ

やけどの跡は特にケロイドになりやすいと言われています。早めに治療することで、ケロイドになることを防ぐことができる場合もあるので、冷水で冷やしたあと、早めに病院の診察を受けてください。

https://twitter.com/Kjd3QbZ2tuuSr7R/status/905070739073646592

2.レーザー治療と放射線治療

レーザー治療と放射線治療

出典 http://www.photo-ac.com/

保存治療を行っても、芳しい効果が上がらない場合、レーザー治療や放射線治療が用いられることもあります。この2つの方法でも完全にケロイドを消すことは難しいのですが、かなり目立たない状態にまで導くことが可能です。

2-1.レーザー治療

保存療法で治療をしても、外科手術で治療をしても、どうしても傷跡は残ります。このような場合にうってつけなのが、レーザー治療です。でも「傷跡を目立たなくしたいなら、保存治療なしで、最初からレーザーを当てれば良いのでは?」と思いますよね。なぜ保存治療の第一選択しとして、レーザー治療が上がらないのでしょうか。

実は、レーザーで完璧にケロイドを治療するのは難しいのです。ダイオードレーザー、Vビームレーザー、YAGレーザーなどが用いられることがありますが、その効果ははっきりしておらず、まだ試行錯誤が続いている状態です。レーザー治療で効果が出る場合と効果が出ない場合があり、効果が出ない場合は、他の治療方法に変更となります。効果の出方については推測の域であり、まだきちんとは分かっていません。

またレーザーで効果があり、いったんケロイドが消えたように見えても、長い目で見るとまた再発することがあります。特定の治療法にこだわるよりも、まずは保存療法でケロイドを治すことを重視したほうが良いでしょう。

2-2.放射線療法

皮膚の繊維芽細胞の異常な増殖を放射線(電子線照射)で抑える方法。新しくできたケロイドには効果が出やすいのですが、古いケロイドには効果が低い方法です。後遺症として色素沈着や皮膚障害が起きることもあり、将来的ながんへの影響も懸念されますので、こちらも慎重に行わなければならない方法です。

ただ、ケロイドに対する放射線治療がはじまって100年以上経過していますが、ケロイド治療のための放射線治療によってガンになったと明確に証明された症例はほとんどないそうです。

3.まとめ

ケロイドには様々な治療法がありますが、どれも時間がかかり、根気よく治療を続けていく必要があります。

いったん保存治療をしてから、レーザーを当てて傷跡を目立ちにくくすることは可能ですから、まずはしっかり治療することを優先しましょう。
また、美容クリニックでもケロイドの治療が可能なところはあります。美容外科・美容皮膚科の医師に相談してみると良いでしょう。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税抜きです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

yuki

yuki

美容医療系ライター

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