韓国美容整形最新レポ。人と違わないことに重きを置く儒教からくる美の基準
2017.05.27 更新

・韓国の首都ソウルは、中国から来る医療ツーリズム患者の恩恵により、アジアにおける美容整形のメッカとなっている。
・しかし、メインの患者は韓国人である。
・韓国の美容業界では一年に40億ユーロ(約5429億円)が動き、2000人のスペシャリスト達が従事している。

「二重まぶた形成」はもはや常識。女性の20%がメスを入れる国・韓国

 26歳になるKim Jihyunさん(仮名)は、全てが順風満帆であるかに見える。有名大学を経て、一流テレビ局へ就職して現在は金融情報を扱っている。

周囲からの人気も高く、友人達からは「仲間内で一番魅力的な人物」と認識されている。しかしながら、彼女にも悩みがあった。自分の鼻が出世を阻んでいると感じているのだ。平べったく長すぎる鼻が、カメラの前に立つ機会を奪っていると……。
「手術をすれば、より鼻を高くすることができて、自分のキャリアは上向くと思っています」と語る。
美容外科医との相談の後、彼女は細かいシワを伸ばすことも決めた。「お医者様が”確かな治療法です”と言って勧めてくれて、やってみようと思いました」。

 多くの若い韓国女性が、毎年のように自分の外見を改良するために手術室へ向う。彼女はその一例だ。このようにして、ソウルは美容整形のアジアにおけるメッカとなっている。そして、一年に40億ユーロ(約5429億円)が動き、2000人のスペシャリスト達が従事している。

世界美容整形協会によると、約20%の韓国女性が美の追求のためにメスを入れていると言われている。二重まぶたにするような目もとの形成術は、もはや美容整形とみなされていないほど習慣化している。
娘の卒業祝いとして両親がその費用を負担することが普通なのだ。

カンナム通りを歩くマスクの女性は美容整形を終えた証

 カンナム通り(韓国のシンガー・Psyの曲『カンナムスタイル』で世界的に有名になった)では、毎日ある光景が見られる。数十人の若い女性がマスクをして歩いているのだ。それは、細菌に汚染された街中を表現しているハリウッド映画のワンシーンのようだ。

そのマスクは地区に点在する美容外科にて、手術を終えたばかりであることを示している。通り沿いや地下鉄の入り口には、美容整形関連の広告で溢れている。「ハイクオリティ韓国式美容整形は貴女の美しさに貢献します」「貴女の内面に隠れている美しさを引き出します」と……。
そして多くの「ビフォア&アフター」写真がこれらの広告文句の実現を約束する。

受付嬢は美しき生きた広告。”米粒”顔のクローンを量産する韓国美容外科

 大手美容外科の一つLaPrinは、目抜通りの交差点にある建物で、6フロアをおさえて営業している。そこには、スパや化粧品店もあり、50もの専門家チームを抱えている。

韓国語・英語・日本語・中国語に対応しており、そこの受付嬢は美しき生きた広告だ。卵型で色白の顔、二重まぶた、厚めの唇。完璧な作りで均一的。このように変わることを約束する存在である。

このような外見は”米粒”と言われ、韓国では美の極みとされており、ミスコンや広告で普遍的存在として扱われている。最終的に、そのような外見へ導いて、患者をアンニュイな雰囲気のクローンに仕上げていく。

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ヤミ医者も横行。規制に乗り出す韓国政府

 中国人向けの医療ツーリズムを主催するJFriends社の代表 であるJang Lianさんは、ソウルが美を求める人々の終着地となっている理由を次のように言う。

「ここへ来る女性全てが、韓国女性は美しいと思ってます。その理由が美容整形にあることも知っています。だから彼女たちと同じように手術してもらおうとここへ来ます。理想とする女優の写真を片手に……」。

 しかし、この繁栄の裏ではヤミ医者の増加という問題もある。医師であるChoさんは言う。「形成外科医だけではなく、必要な資格を持っていないエステティシャンも施術に従事して、大きな利益を得ています」。

そして、前出医師の見積もりによると、その数は1万人にも達する。彼らの存在は韓国政府をも動かした。不可能な”奇跡的”変化をうたう誇大広告と、無許可クリニックの規制に乗り出したのだ。

公的な組織であるVisit Medical Koreaが、外国人旅行者が適切なクリニックを見つける助言をしたり、トラブルが起きた場合には介入したりする。

”中庸”を求める儒教が画一的・平均的美を求める理由に

 韓国美容整形は、国外での人気上昇の影響だけではなく、韓国国民も、未だにその分野を活気づけている。世界美容整形協会によると、2011年には1000人あたり13の手術が実施されており、世界最高のパーセンテージを保っている。

手術をする理由は美の探求だけではなく、社会的に受け入れられようとするためでもある。前出医師は説明する。

「西洋では、人は個々人が自分を内面から定義して、そのイメージを作り上げる個人主義社会です。一方韓国では、人のイメージは外部によって作られる。つまり、社会が個々人を定義づけます」。

それは、韓国儒教の遺産である。社会が行動規範を定義して形作る。人は個人としては語らず、全体の一部として語る。家族・会社・団体の一員として……。

また、韓国社会は平均的な美を求めたがる。様々な事象の成功モデルを求めるようなものである。有名大学を卒業して、chaebolと呼ばれる韓国財閥か有名複合企業体(サムスンやヒュンダイのような)で働き始めること。結婚して子供を持つこと。貧乏すぎても裕福すぎてもいけない。

儒教の”中庸”の思想に基づき、極端な生き方をせず、平穏に過ごす。多くの人が”良い”とする生き方をすべきである。このような考え方が、韓国美容業界の繁栄の裏にはあるのだ。

世間との”差異”はストレスの原因。高自殺率が物語る同調圧力

 韓国は 世界の中で自殺率の高い国の一つであり、OECD(経済協力開発機構)諸国のなかではトップだ。その値は10万人あたり28.5人。

国民の死亡原因として第4位に挙げられている(10~30歳に限れば第1位)。国立ソウル大学のGeum-ju Kwak教授は次のように説明する。

「韓国文化はある組織に属することに基づかれています。組織の全構成員は、お互いに似たような存在であるべきだとされています」。

そして韓国社会に充満する空気について付け加える。「コミュニティへの同調圧力と、”差異”が生み出す不安感はとても大きいものなのです。これらも高自殺率の一因です」。

グローバル化により変革の兆しも

 韓国社会もグローバル化するにつれて、変化の兆しも見られ始めている。若者たちが海外(特に欧米)へ旅をして学びながら、その地で古い世代が恐れる様々な個人主義を吸収している。

そして、単調な外見を否定する若者も出てきた。前出教授は次のように言う。

「韓国社会は今、変革の時期に突入しています。『整形した顔は見掛け倒しで、イケてない』と言う若い声も聞こえ始めています。新しい考え方が確立され始めています」。

その一方で、冒頭に紹介したKim Jihyunさんは、伝統的な考え方に賭けている。新しい外見がスターダムの扉を開けることを願って……。

出典 http://elpais.com/

まとめ

 韓国において美容整形が盛んなことは、多くの日本人が知っている。しかし、その文化的背景まで理解している人は少ないだろう。
美的意識が高いだけならば、様々な美しさが存在してもおかしくないはずである。

しかし、韓国では、韓流ドラマを見てわかるように同じような顔の女優が多い。その理由が”中庸”を求める儒教にあるという医師の言葉は説得力があるものだ。

一方、日本では画一的な”成功モデル(良い大学に入り良い会社に入るなど)”はすでに過ぎ去ったものだ。”成功モデル”に夢を持てる韓国社会に対し、懐かしささえ覚えてしまう。

近い将来、個を大事にする考え方が増え、画一的を美容整形を脱した時、韓国は本当の美容大国として、日本客をも奪いかねない脅威となるだろう。

banana

マラガ・飛汁

ライター・翻訳家

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