古いことわざに、「色白は七難隠す」というものがあります。これには、色白であれば多少の問題点があったとしても美しく見えますよ、という意味合いがあります。今も昔も、女性の憧れは白く抜けるような透明感のあるお肌であるということなのでしょう。また、時代の流れで真っ黒に日焼けした女性がもてはやされた時期もありましたが、近年では女性たちの美白に対する意識が高まり、紫外線対策や美白ケアを行う方が増えてきているようです。では、色黒になってしまったお肌を美白する方法には、どのようなものがあるのでしょうか?
色黒の理由はおもに3種類に分類することができます。
生まれつきの遺伝子が影響して、メラニン色素が生成されやすいため色黒なお肌になります。この場合では、もともとの肌色を白くすることはできませんので、ご自身のお肌の色を把握した上で美白ケアを行いましょう。また、顔や腕などは嫌でも紫外線を浴びやすく色黒になりやすい部分です。試しに、ご自身のお腹の肌色と腕の色を比較してみて下さい。お腹のほうが白ければ、それが本来の肌色です。地黒だと思っていても意外と白かったということもありますので、お腹の肌色を基準に美白を行うといいですよ。
フェイスブラシでゴシゴシを力をいれて洗顔を行ったり、メイクアップをきちんとオフしないとお肌に余分な負荷がかかったり、色素がお肌に残ったりして色黒になることがあります。洗顔はもちろんのこと、身体を洗うときも硬いナイロンタオルでゴシゴシ洗いをしないよう、十分に注意しましょう。また、クレンジングや洗顔が不十分だと色素沈着だけではなく吹き出物の原因となることがありますので、メイクは完全にオフしてから休んで下さいね。
最も多いのが紫外線によって起こる色黒でしょう。この場合、お肌のターンオーバーが正常な周期で繰り返されていれば自然に元の肌色に戻りますが、ターンオーバーの周期が乱れると紫外線を浴びた角質層がなかなか剥がれ落ちなくなり、色黒の状態が続きます。ターンオーバーの乱れは加齢で起こりやすくなりますが、無防備に紫外線を浴びてお肌に乾燥が起こった場合にも起こります。まずはお肌のターンオーバー促進のための努力を行いましょう。
美白ケアには、身体の外部から行うものと身体の内部から行う方法があります。まず、身体の外部から行う方法ですが、なにはともあれ紫外線を直接浴びてしまわないように注意しましょう。秋や冬、曇りや雨の日であっても油断はできません。紫外線は1年中私たちに降り注がれていますので、季節や天気に惑わされることなく、しっかりと紫外線対策を行って下さい。また、特に乾燥肌の方の場合ではお肌の乾燥がターンオーバーの妨げとなることが少なくありませんので、ビタミンC誘導体の化粧水でケアを行ったあとには、必ず保湿を行ってお肌を乾燥から守りましょうね。
そして、身体の内部からのケアもとても大切です。手っ取り早い方法としては、ビタミンCサプリを摂取するというものがあります。また、それに加えてビタミンCをはじめとするビタミン類を意識して摂取するようにすると、身体の内部から成分が効果を発揮し、徐々に美白へ導いてくれるはずです。
美容皮膚科では、さまざまな方法で美白を行うことができ、光治療、レーザー治療、ケミカルピーリング、美白点滴などがあります。また、美白点滴は数種類に分類され、一般的に行われるのがビタミンCやコラーゲンなどを調合した薬液を体内に取り込む方法となりますが、プラセンタ注射という方法もあり、ヒトプラセンタの注射を受けた場合には、その後に献血を行うことができなくなります。
このように、医療機関ではさまざまな方法で美白を行うことができますので、ご自身で行う美白ケアだけで満足することのできない方は、美容皮膚科に相談し、ご自身の目的や体質に合った美白ケアを行ってみてはいかがでしょうか。
色黒といっても、その原因は数種類に分類されており、ご自身がどのタイプの色黒なのかを知ることが美白への第1歩となります。また、食生活を含めた生活習慣やストレスが原因で起こる血行不良はターンオーバーの周期を乱れさせる原因となりますので、美白ケアとともに生活習慣やストレスなどにも目を向けて、身体の内外からケアを行うことを心がけましょう。
美容系ライター。エステから美容医療まで歴20年。
この記事が気に入ったら
いいね! しよう