出典 http://gahag.net/

手軽にできるプチ整形として人気が高いヒアルロン酸注射。ほうれい線や目尻、眉間のシワやたるみを改善させてくれるほか、目の下に注入することで、ぷっくりとした涙袋を作ることもできます。

特に目の下のヒアルロン酸注射は、韓国ガールズグループの人気から火がついた涙袋を強調して目を大きく見せるオルチャンメイクを楽しむ20代の女性から目の下のたるみやシワが気になる30代以降まで幅広い世代の女性から注目されている施術です。

ヒアルロン酸は化粧品やサプリメントにも使われ、もともと人間の体内にも存在しています。また体内で吸収されてやがて元に戻ることもあり、気軽に受けられるイメージがありますが副作用が起こるリスクもゼロではありません。

特に目元に打つ場合、一歩間違えると重篤な副作用が起こることも。ここでヒアルロン酸注射を受ける前に知っておきたい効果や副作用について詳しく説明しましょう。

目次

1.ヒアルロン酸注射とは
1-1.ヒアルロン酸注射の成分
1-2.ヒアルロン酸注射の効果
1-3.ヒアルロン酸注射の価格
2.目の下ヒアルロン酸注射の副作用とは
2-1.でこぼこやしこりができる
2-2.ラインが不自然になる
2-3.痛みや内出血・腫れ
3.まとめ

1.ヒアルロン酸注射とは

メスを入れずに美しくなれるヒアルロン酸注射はダウンタイムもなく、気軽に受けられるプチ整形の代表的な施術として人気があります。雑誌やテレビでも紹介されることも多いですよね。まずはヒアルロン酸注射がどんなものなのか考えてみましょう。

1-1.ヒアルロン酸注射の成分

ヒアルロン酸とは保湿性・保水性がある肌の潤いをキープしてくれる成分です。肌や軟骨、筋肉などを構成する役割を持ち、人間の体内にもともと存在しています。アンチエイジング効果のある化粧品やサプリメント、ドリンクなどにも配合されていることからも分かるように、アレルギーを起こす心配も少なく、安全性の高い成分としても認められています。

1-2.ヒアルロン酸注射の効果

ヒアルロン酸注射の効果

出典 http://gahag.net/

ヒアルロン酸注射には以下のような効果があります。いろいろなパーツに注射でき、万能とも言える幅広い効果があるのが特徴です。 

  • シワ取り効果
  •  

    シワのラインに沿って注射することで内側から肌をふっくらさせ、シワをピンと伸ばすことができる。額や眉間、目じり、法令線、目の下のシワなど幅広いシワに対応できる。

  • ふっくら効果
  • 目の上やこめかみ、頬など加齢によってくぼんできたパーツにヒアルロン酸注射を打つことで肌がふっくらとして、たるみも軽減し若々しい見た目を取り戻すことが可能。目の下に打つとクマやたるみが改善するだけでなく、ぷっくりとした涙袋のように見せることができ、若々しく女性らしい印象を与えることもできる。

    「目のたるみクマがコンシーラーで消えないレベルなのでヒアルロン酸うちました!!!かなりフラットになりました。5歳くらい若返ります♪♪」

    出典 ガールズちゃんねる http://girlschannel.net/

    「目の下にヒアル入れました~。涙袋を作りたくて。私は直後から化粧しましたが、内出血は化粧で全然隠れますよ。良い感じです」

    出典 発言小町 http://komachi.yomiuri.co.jp/

  • アゴや鼻のラインを整える効果
  • 鼻のラインをすっと通して鼻を高くする効果やアゴに打つことでアゴを出し、シャープなフェイスラインに整えることができる。

ヒアルロン酸は次第に体内で吸収されるため、効果の持続は3~4カ月程度となっています。そのため、メスを入れるのが怖いという人や、周りに整形したことがバレるのがイヤという方にもぴったりです。またダウンタイムもほとんどなく、出血していない限り施術後すぐにメイクして帰宅することが可能です。

1-3.ヒアルロン酸注射の価格

ヒアルロン酸注射の価格は「ヒアルロン酸の価格」「ヒアルロン酸の量」「手技料」などによって決まります。クリニックによって、すべて込みで1回75,000~100,000円程度と一律で料金を設定しているところもあれば、各パーツで価格が異なる場合もあります。

ヒアルロン酸の価格は注射1本当たり、1ccで4~7万円程度。パーツによって必要な量も違います。涙袋を作る場合は人によって異なりますが、両目で0.3~0.4ccほど必要になり、価格は3~6万円程度。30代以降のくっきりとした法令線なら1~2本程度必要となり、4~14万円程度が相場となります。

2.目の下ヒアルロン酸注射の副作用とは

目の下ヒアルロン酸注射の副作用とは

出典 http://gahag.net/

安全性が高いヒアルロン酸注射ですが、医師の技術やヒアルロン酸の質などによってトラブル、副作用が起こることもあります。特に目の下の場合、皮膚が薄いことからトラブルになりやすいと言われています。具体的に見ていきましょう。

2-1.でこぼこやしこりができる

ヒアルロン酸注射は「どんなヒアルロン酸をどこにどれだけ注射するか」が仕上がりを左右します。パーツにあったヒアルロン酸と適切な量を選ぶ必要があります。量が少なすぎる場合は問題ありませんが多すぎると、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。

「『ヒアルロン酸』は、硬いタイプのものから、柔らかいタイプのものなどがあり、製造会社によりさまざまな種類があります。硬いタイプは深いシワやプチ整形に、柔らかいタイプは目の下のシワなどのデリケートな部位に、などタイプによって適応部位や治療内容が異なります」

出典 オザキクリニック http://www.ozaki-clinic.com/

特に目の下は皮膚が薄いためヒアルロン酸を多く入れすぎると、でこぼこやミミズ腫れのようにになってしまうことがあります。またヒアルロン酸は体内で次第に吸収されていきますが、完全に消えずにしこりとして残ることがあります。こうした場合、ヒアルロニダーゼと呼ばれるヒアルロン酸を溶解する成分を注射することもできます。

「目の下の皺にそって平行にみみずばれのようになり片目が皺が2本になりました…。泣きたいです。
痛みは麻酔なしでも全然大丈夫でした。針跡や内出血も想定内…あまりの多さにびっくり(笑)みみずばれ等は後日落ち着くのでしょうか?」

出典 発言小町 http://komachi.yomiuri.co.jp

2-2.痛みや内出血・腫れ、血流障害など

ヒアルロン酸注射は針を刺すため、どうしても痛みがあります。麻酔クリームを塗ることで対処しますが、痛みが数日残ることも。また注射によって血管が傷つけられると内出血や腫れ、血流障害が起こることもあります。

内出血と腫れだけであれば、数日で引いていくので、メイクで隠すなどして対応することができます。

うまく施術できたとしても、激しい運動や熱いお湯につかるような入浴をすると内出血が起こってしまうこともあります。アフターケアについては医師の指示に従うようにしましょう。

「あくまで、針を刺して注入を行っているので、激しい運動をして、血流が良くなると、針を刺したところが、多少腫れてくることがあります。場合によっては、注射直後はほとんど腫れていなかったのに、注射した当日に激しい運動をしたことにより、内出血が生じて、青くなってくることもあります」

出典 高須クリニック http://www.takasu.co.jp/

ごくまれにですが、血管にヒアルロン酸が入ってしまい血流障害を起こすことがあります。この場合、痛みを伴い皮膚が赤や紫色に変色してきます。放置しておくと、皮膚が壊死して黒くなってしまうことも。

「この症例はお隣の国で起きた失敗例です。結局失明まで起こしてしまったようです。鼻と眼の周りにヒアルロン酸を注入したようですが、その周辺は実際はかなり血管が豊富に存在しています。

また、皮膚のすぐ下には目の周りに血液を送りこむ太めの血管が存在します。十分な医学知識を持たない経験の浅い医師によって引き起こされたトラブルと予想されます」

出典 五本木クリニック美容皮膚科 http://www.gohongi-beauty.jp/

こうした血流障害は日本ではほとんど例がありませんが、海外では知識や技術が十分でない医師の施術を受けたことで、目の近くの血管が圧迫されて失明につながったケースもあるのです。皮膚がうすく、血管の多い目周辺への注射は特に慎重に施術を行わなければならないパーツです。万が一、異常を感じたら、すぐに施術を受けたクリニックを受診しましょう。

また下眼瞼や涙袋のヒアルロン酸注入ですが、「チンダル現象」といって、薄い皮膚からヒアルロン酸が透けて赤~青紫にみえることも問題となることがあります。
また、涙袋形成のヒアルロン酸や下眼瞼の膨らみを軽減するヒアルロン酸注入ではやや多めに使用するため、ヒアルロン酸が溶解せず残存することがあります。上記のチンダル現象を伴うことが多く、奇異な印象をきたすことがあります。
いずれにしてもヒアルロニダーゼでほとんど溶解させることが可能です。ヒアルロニダーゼは1万人に1人程度の確率で、アレルギーを来すことがありますのでヒアルロニダーゼの注射後には経過をしばらく見る必要があるでしょう。

2-3.ヒアルロン酸注射のクリニック選びは慎重に

注射に用いられるヒアルロン酸の種類はいくつかありますが、容量については多くが1本あたり1ccとなっています。目の下の涙袋など少量の注入で済む場合、1ccを使いきれないこともあります。クリニックによっては残ったヒアルロン酸を別の気になるパーツに注射してくれるところもありますが、たいていは破棄することになってしまいます。

「聖心では1本単位で料金設定しています。≪1本を他人に使い回す≫事で安い料金設定にしているクリニックがあるようですが、衛生上問題のある行為です。当院では使い回しはせず、1本単位で安心なキレイをお届けしています」

出典 聖心美容クリニック http://www.biyougeka.com/

ヒアルロン酸注射の価格を調べていると、他のクリニックと比較して驚くほど低価格なところがありますが、こうしたクリニックはヒアルロン酸を使いまわしている可能性があります。また残った分を保管してくれるところもあるようですが、ヒアルロン酸が変質したり感染症を起こしたりするリスクも考えられます。

またプチ整形と呼ばれ、手軽にできるイメージがあるヒアルロン酸注射ですが、どこにどれだけ注射するか慎重なカウンセリングやていねいなマーキング(どこに注入するかの目印)をしていく必要があります。適量を判断するための経験や血管を傷つけないようにする技術や知識のある医師の施術を受ける必要があることは言うまでもありません。

低価格で施術が受けられる海外で鼻に大量のヒアルロン酸を注入されて、皮膚が壊死してしまった……という例もあります。

3.まとめ

雑誌やテレビでも取り上げられているヒアルロン酸注射。体内にある成分とは言え、副作用がないわけではありません。価格の安さだけで判断せず、信頼のできるクリニックを選ぶことが副作用を防ぐ重要なポイントと言えるでしょう。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。施術の金額については、変わる可能性があります。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

Emiri

Emiri

美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。

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監修:

依田拓之医師

よだ形成外科クリニック

東邦大学医学部卒業。形成外科医として経験を積み、美容外科院長を歴任。宮城県仙台市に2010年よだ形成外科クリニックを開業。2020年で開院10周年。
日本形成外科学会認定専門医の資格を持ち、現在では少なくなった総合的な美容医療を地域に提供しています。目元、鼻などの美容外科治療はもちろん、エイジングケア、美肌、男性・女性のAGA、男性診療まで幅広いメニューは安心してかかりつけ医にできそうです。

東邦大学医学部卒
東京警察病院形成外科入局
美容外科クリニック院長
よだ形成外科クリニック院長

アンチエイジング、美肌治療が受けられるクリニック

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