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脱毛サロンや家庭用脱毛機で行う脱毛と違って、より高い脱毛効果が期待できる医療レーザー脱毛。この中でも脱毛用レーザーのスタンダードとして使用されているのが、ダイオードレーザーです。脱毛に使われるレーザーはダイオードレーザーの他にもアレキサンドライトレーザーやヤグレーザーなどがあります。ここではダイオードレーザーがどんなものか、詳しく説明していきます。
「ダイオードレーザーってあまり聞かないけれど、どんなレーザー?」そんな疑問をお持ちの方のために、まずは、ダイオードレーザーがどんなレーザーなのか、他の脱毛レーザーとの違いなどを挙げながら説明していきます。
ダイオードレーザー(Diode Laser)とはその名の通りダイオード(半導体)をレーザーの母材として使用するレーザー治療器のこと。アレキサンドライトレーザーが宝石のアレキサンドライトを、ルビーレーザーがルビーを母材にしているのと同じようにダイオードレーザーは半導体を使用しています。
天然の宝石ではなく、人工の半導体を母材としているため、光の波長の幅が広く、高い精度で変更、調整することができるためこれまでレーザーでの脱毛が難しかった産毛やヒゲ、肌の深い部分にある体毛などに対しても脱毛効果が期待できます。
代表的な機種にはイスラエルのアルマレーザー社のソプラノシリーズやルミナス社のライトシェアデュエット、ドイツのアスクレピオン社のメディオスターシリーズなど。いずれもアメリカのFDA(食品医薬品局)が認可した安全性の高い治療機器になっています。
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ダイオードレーザーはムダ毛の黒い色であるメラニンに吸収されるレーザーで、瞬間的に毛根にエネルギーを与え、周辺の組織に影響を与えることなく、選択的に毛乳頭を破壊します。施術の頻度は4~6週間に1回のペースで1カ所につき5~6回程度施術を受けると脱毛効果が実感できるように。その他、ダイオードレーザーのメリットには以下のような点があげられます。
毛根だけにアプローチすることができるので、肌にダメージを与えることが比較的少ないです。また、脱毛後は毛穴が引き締まり、肌のキメが整って見えるように。
ダイオードレーザーは1回に照射できる範囲が広いため、施術時間が短くて済みます。
ダイオードレーザーは幅広い波長に対応しているため、ひとつの治療機器で色が薄く細い産毛や男性の太いヒゲまで処理することができるのがメリット。さらに色黒の方や日焼けした肌など、肌色の濃い方でも使用できるという汎用性の高さも従来のレーザーと異なる点と言えるでしょう。
機種によって異なりますがダイオードレーザーのマシンは皮膚を吸引しながら照射できる装置や肌に当てるヘッド部分に冷却装置がついています。これにより従来のレーザーよりも痛みが感じにくいのが特徴。お子さんでも耐えられるという声もあります。
ダイオードレーザーの脱毛について調べていて、「蓄熱式脱毛」という言葉を目にした方も多いのでは? 同じダイオードレーザーでも脱毛には「単発式」と「蓄熱式」の2種類があります。
単発式はその名の通り1発ずつ強いエネルギーを与えていくもの。蓄熱式は広い照射範囲に弱いエネルギーを何度も当てていきます。蓄熱式の方が実感する痛みは少なく、1回の施術にかかる時間も大幅に短縮されます。
この蓄熱式脱毛を採用しているのが、メディオスターシリーズ。毛根ではなく「バルジ」と呼ばれる毛根に栄養を送る発毛因子を破壊することで脱毛効果が得られるマシンです。こちらは毛根を焼き切らないので、さらに痛みが少なくなります。メディオスターシリーズは特に強い痛みを感じやすい男性のヒゲ脱毛によく用いられています。
極端に日焼けした肌の方や白髪になっている体毛には脱毛効果がないという点を除けば、ダイオードレーザー特有のデメリットはあまりありません。
ただし、蓄熱式ダイオードレーザーを使用したマシンはムダ毛が抜けるまでに時間がかかります。これは脱毛にかかる期間が長くなるという意味ではありません。
単発式のダイオードレーザーの場合、施術後数日してムダ毛がぽろっと抜ける(ポップアップと呼ばれています)のに対し、蓄熱式ダイオードレーザーは施術から1~3週間程度経ってからムダ毛が抜けます。これはダイレクトに毛根にアプローチするか、毛根に栄養を与える発毛因子であるバルジにアプローチするかの違いによるものです。
アレキサンドライトレーザーは脱毛効果が高いものの、ダイオードレーザーと比べると痛みが強くなってしまいます。また、1回に照射できる範囲も狭いため、ダイオードレーザーよりも施術時間が長めです。
ヤグレーザーは3つのレーザーの中でもっとも波長が長いレーザーです。ダイオードレーザーが810nm、アレキサンドライトレーザーが755nm、ヤグレーザーは1064nm。これは肌の深いところまでレーザーが到達するということになります。ヤグレーザーは他のレーザーでは脱毛しきれなかった太いムダ毛や肌の深い部分に毛根があるムダ毛などに適しています。ただし、その分、痛みも強くなります。
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痛みが少なく、施術時間が短いなどメリットが多いダイオードレーザーでの脱毛。ここからは実際の施術についてみていきましょう。
クリニックによっても異なりますが一般的な施術の流れは次の通りです。
・カウンセリング
レーザー脱毛について説明があります。毛周期に合わせて数回、施術を受ける必要があることや、ムダ毛の量や太さ、箇所などを確認した上、どのくらいの間隔で施術を受けるか、アフターケアなどについても説明されます。分からないことがあれば確認しましょう。なお、肌が弱いなどでテスト照射を受けてから本格的な脱毛を始めたいという方は、カウンセリングの予約を入れるときにテスト照射が可能かどうか確認するとよいでしょう。
・施術
レーザーの光から目を守るためのゴーグルを使用します。ほくろがある部分に照射すると薄くなることがあるため、消したくないほくろがある場合、テープなどで保護します。通常、麻酔は使用しません。マシンによっては冷却ジェルを使用します。クリニックによっては照射もれがないよう、マーキングをしてから施術をするところもあります。施術時間は両脇で10分程度が目安です。
・アフターケア
ジェルを使用した場合はジェルをふき取ります。クールダウンのケアや消炎剤を塗布するケースもあります。
施術後、毛穴が赤く目立つようになることがありますが、数日でおさまります。施術当日はお風呂につかるのは避け、シャワーで済ませましょう。脱毛中は肌が乾燥するので、翌日以降から保湿ケアを始め、紫外線に当たらないようにすることも大切です。
ダイオードレーザーによる脱毛の価格はクリニックによってかなり差があります。クリニックによっては両脇が1回500円とワンコインで受けられるところも。学生の皆さんはこうしたクリニックで施術を受けてみてはいかがでしょうか。
全身脱毛にすると割安になることがほとんどですが、まずは小さいパーツから施術を受けて肌に合うかどうか確認してみるのがおすすめです。
最近ではクリニックでも料金が分かりやすい「1回当たりの金額」で設定しているところもあります。例えば「全身脱毛が1回34,800円」「全身+VIOが1回44,800円」といった明確な料金を設定し、施術を受ける都度現金払いするというクリニックなら、最初に大金を貯める必要もローンを組む必要もなし。ムダ毛の濃さや毛の量は人によって異なるので、回数設定されたコースでは施術回数に過不足が出てくることも考えられます。
こうした1回ずつの金額設定のあるクリニックなら、自分が満足いくまで最小限の金額で脱毛ができることになります。「どんどん契約させられそうで心配」という方はこうしたクリニックを探してみては?
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「レーザーで永久脱毛をしたのに、数年経ってからまたムダ毛が生えてきてしまった……」そんな声を耳にすることがあります。では、ダイオードレーザーで永久脱毛することはできるのでしょうか。
ここで「永久脱毛」の定義について説明しましょう。永久脱毛はムダ毛が永遠に生えてこなくなることではありません。日本よりも脱毛に関する技術が進んでいるアメリカにおいて米国電気脱毛協会(American Electrology Association)では「最後の施術から1カ月後に再生するムダ毛が全体の20%以下」であれば、「永久脱毛」と定義しています。
永久脱毛はムダ毛を完全になくすのが目的ではなく、長い期間、減毛(ムダ毛が気にならない程度)できることを目的としているのです。
本来の意味でムダ毛が完全に生えてこなくなる方法として電気針(ニードル)脱毛がありますが
などのデメリットがあります。ダイオードレーザーでの脱毛は高い減毛効果が期待できますが、完全かつ永久にムダ毛がなくなるわけではないということも覚えておきましょう。
ダイオードレーザーの脱毛マシンで脱毛を受けた方の口コミを紹介しましょう。痛みが少ないと言われているダイオードレーザーですが、やはりパーツによっては痛みを感じることも多い様子。マシンによって痛みや抜け具合が違うという声もあります。
ソプラノ脱毛凄い!全然痛くない!痛みにさよなら!
— ぱんさん (@inp_ayapan) May 24, 2015
「私はライトシェア(デュエットではない)でやっており、ひざ、ひざ下、ひじしたは3〜4回目から産毛が減りはじめました。5回目でも産毛は十数本ほど生えてきました。顔の産毛は4回目でほとんどはえなくなりました」
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https://twitter.com/momo_xxx25/status/753158306982600704
男性の皆さんにとって深刻な悩みになる濃いヒゲ。蓄熱式ダイオードレーザーを採用したメディオスターシリーズは痛みが少ないとされていますが、実際はやはり痛みがあるようですね。ただし、回数を重ねていくうちに痛みは軽減していくという声も。
メディオスター
ヒゲ脱毛。3回目だん。
相変わらず痛い笑#イケメンになりたい— だんさー (@dancer_karaoke) June 7, 2017
クリニックでヒゲ脱毛をするなら、メディオスターって機械で施術してくれるところがガチでおすすめ。レーザーを口ヒゲに照射されると、冷や汗ダラダラで涙が出るほど痛いけど、メディオスターなら少し汗をかく程度の痛みしかない。まぁ、どっちにしろ痛いんだけどね。
— たんよし (@tanyoshis) April 23, 2017
脱毛の定番ともいえるダイオードレーザーは昔に比べて料金がかなり安くなっています。ムダ毛の濃い方が自己処理を続けていたり、ヒゲの濃い方が毎朝剃り続けたりすると肌がダメージを受けてしまうことも。ムダ毛やヒゲが気になるという方はまず、カウンセリング、テスト照射を受けて肌に合うかどうか確認してから脱毛を始めてみてはいかがでしょうか。
*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税抜きです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。
美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。
いなばクリニック
東京慈恵会医科大医学部卒業。大学病院にて経験を積み、横浜市でいなばクリニックを開院する。一般皮膚科をメインにしつつも、美容皮膚科治療も積極的に行っています。
特に、多くの機器を導入しているレーザー治療、光治療においては地域の美容かかりつけクリニックとしてリピーターが多い。HIFUテクノロジーのウルトラセルQプラスなど話題の機器も抑えています。
東京慈恵会医科大医学部卒
慈恵医大附属病院
聖路加国際病院
いなばクリニック院長
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