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毎年の夏の厳しい暑さに見舞われて、夏バテになってしまうという方も多いのではないでしょうか?
フェーン現象という言葉もよく聞くようになり、世界的にも毎年気温が上がっているようです。日本でも8〜9月の気温はいずれの地方でも近年のほうが高いところが多く、昔の気温を思い出しても、毎年高くなっていく傾向にあると予測されています。今後もまだまだ暑い日が続くため、今回は夏バテを予防、軽減するようなサプリメントについて紹介していきたいと思います!
夏バテは何が原因で起こるのか
どんな症状があると夏バテ?
暑さによって以下のような症状が現れることがあり、これらを夏バテと呼んでいます。
- ・全身の疲労感
- ・熱っぽさ
- ・食欲不振
- ・むくみ
- ・下痢、便秘
- ・立ちくらみ
- ・やる気の低下
主な原因について
このような夏バテの症状は
- ①汗により水分とミネラル、ビタミンが失われる
- ②暑さ、屋外とクーラーのきいた室内との寒暖差により、食欲や内臓の働きをコントロールする自律神経が乱れる
これらが要因となり食欲の低下を引き起こし、体力が低下することで倦怠感ややる気の低下などの症状が現れます。
上記の原因に加え、夏バテのように気温によるストレスで疲労感やだるさを生じさせている原因のひとつに活性酸素が過剰に体内に増えていることも挙げられます。
自律神経や活性酸素(酸化ストレス)と言ったワードを聞いたことがあっても詳しくは分からないという方が多いかと思うので解説していきます。
自律神経とは
交感神経、副交感神経という反対の役割があるふたつの神経のことを示します。交感神経は身体を活発に動かす時に働き、副交感神経は休める時に働き、これらが互いにバランスを取り様々な機能を調整しています。暑さによる環境的ストレスや室内と屋外の寒暖差も自律神経を乱す原因となってしまいます。自律神経のバランスが崩れることで倦怠感、下痢や便秘、立ちくらみ、やる気の低下を引き起こしてしまいます。
活性酸素とは
肉体的、精神的に疲労を感じる原因のひとつに活性酸素が過剰に発生していることが挙げられます。そもそも活性酸素とは体内に取り込まれた酸素の一部が強力な酸化力を持つよう変化したものです。
体内に過剰に活性酸素が増えると正常な細胞を障害してしまい、疲れを引き起こしたり、健康面、美容面の老化を促進させてしまいます。
夏バテの予防、軽減のために取り入れたい栄養素
ビタミンC
効果
①抗酸化作用
抗酸化作用とは酸化ストレスに抗ってくれる役割のことです。
細胞膜にある不飽和脂肪酸は酸化により過酸化脂質に変化します。過酸化脂質は細胞を障害する働きがあり、老化や生活習慣病の引き金となってしまいます。お肌の皮脂にも不飽和脂肪酸が含まれており、お肌の老化(しみ、くすみ、弾力の低下など)を引き起こすため美容の観点でも摂ってもらいたい成分になります。
②コラーゲンの合成
体内のタンパク質のうち3分の1はコラーゲンだと言われています。コラーゲンのもととなるアミノ酸にヒドロキシプロリンというものがあります。ヒドロキシプロリンを作り出す酵素はビタミンCが不足している状態では、丈夫なコラーゲンの繊維を作り出すことができなくなってしまい皮膚の弾力が低下するだけでなく、筋肉、骨の健康も損なわれてしまいます。
美容効果もご紹介
上記で紹介した抗酸化作用、コラーゲンの合成も美容にとって嬉しい効果ですが、ビタミンCにはメラニンの生成を抑える作用もあります。メラノサイトというメラニンを作り出す工場のような細胞があります。
その細胞のなかでチロシンというものが酸化されメラニンのシミやくすみの元となる色素に変わっていきます。ビタミンCはこのチロシンの酸化を抑えてくれる役割(チロシナーゼ活性阻害作用)があり、美容目的でも紫外線の強い夏場は特に取り入れていきたい成分となっています。
シミのできる仕組み、チロシナーゼ活性阻害作用について詳しく知りたい方はこちらをチェックしてみて下さい!
✏️ シミについて
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ビタミンCは美容や健康に良いイメージがありサプリメントを取り入れている方も多いのではないでしょうか?
実はビタミンCは多くの哺乳類は体内で合成できる栄養素なのですが、人は体内で作ることができません。ビタミンCは厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020年版)より大人の場合1日あたり100mg必要だと言われています。
しかし欠乏症を引き起こさないための基準だと100mgの摂取で問題ありませんが、夏バテなどの疲労回復や美容のための目的だと1000〜3000mg必要だと言われています。レモン1個のビタミンCは約20mgのため、食事だけでは十分な量を摂るのはなかなか難しいです。そのためサプリメントから摂ることがおすすめです。
ビタミンCが摂れる製品▶︎ワカサプリ、Lypo-C、シナール
※ビタミンCは水溶性であるためたくさん摂っても排泄され大きな問題はありませんが、一時的な下痢が生じる場合や腎機能障害がある方は結石のリスクが高まる可能性があります。
ビタミンE
効果
①抗酸化作用
ビタミンCと同様、ビタミンEも不飽和脂肪酸が酸化され過酸化脂質に変わる過程を抑える抗酸化作用があります。過酸化脂質は細胞を障害し、細胞の死を進めてしまうので活性酸素を抑えてくれるビタミンEを摂るようにしましょう。
②血行促進
ビタミンEは末梢血管(末端の毛細血管)を拡げる働きがあります。血管が拡がるとその分、血流が良くなるため血行が促進されます。
乱れた自律神経を整えるために血流を良くすることは重要になります。血流が悪くなると老廃物の排出が滞ってしまうため、疲労感に繋がったり、むくみやすくなってしまいます。
ビタミンEが摂れる製品▶︎ユベラ
※ビタミンEは過剰摂取による反応は起きにくいと言われています。特に持病がない場合、用法用量を守れば問題ありませんが、脂溶性のビタミンのため摂りすぎると出血しやすい傾向になります。
ビタミンB群
ビタミンB群とはB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類の栄養素のことを言います。詳細にはそれぞれ作用が異なりますが、今回はビタミンB全体的に見たときの特徴についてお話ししていきます。
効果
①代謝を助ける働き
炭水化物、脂質、タンパク質を分解してエネルギーを産生するときに必要な酵素を助けます。夏場は汗により水溶性のビタミンも排泄されてしまいます。ビタミンB群が不足している状態ではエネルギーを作り出すことが難しくなってしまうため、疲れている時は特に積極的に取り入れると良いかと思います。
②過酸化脂質の分解
ビタミンBには細胞を障害してしまう性質のある過酸化脂質を分解する働きがあります。ビタミンCやビタミンEは抗酸化作用があり不飽和脂肪酸が過酸化脂質に酸化して変わる過程を防ぎます。それに対してビタミンBは過酸化脂質を分解する酵素の働きをサポートします。
ビタミンBが摂れる製品▶︎ワカサプリ、ピドキサール
※ビタミンB1、B2、B12、パンテトン酸、ビオチンは多く摂った分は排泄されるため心配はほとんどありません。
ナイアシンを過剰摂取した場合、下痢や便秘、肝機能障害、血管が拡がることによる皮膚の赤みを引き起こす可能性があります。
ビタミンB6は過剰摂取した場合、痺れや痛みなど感覚の障害を引き起こす可能性があります。
葉酸は過剰に摂取した場合、発熱や蕁麻疹を引き起こす可能性があります。
ミネラル(亜鉛&銅)
汗によりミネラルも失われてしまいます。屋外で活動など大量に発汗した時はナトリウム(塩分)の補給も熱中症予防のため必要です。一般的な私たちの食生活ではやや摂りすぎな栄養素であり、過剰な塩分の摂取は高血圧などの生活習慣病のリスクを著しく高めてしまうため、今回は不足しがちな亜鉛と銅に絞り紹介していきます。
効果
①細胞の生成のサポート(亜鉛)
細胞分裂が行われて新しい細胞が作られます。亜鉛はタンパク質を合成する酵素の働きを助けたり、DNAの合成にも不可欠な存在です。正常な細胞分裂が行われるように働くため、炎症や傷の回復を促す作用があります。
②活性酸素の分解(銅)
銅は活性酸素を分解するスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の構成成分となっています。
亜鉛と銅は吸収される経路が同じため一緒に摂取することが重要となります。亜鉛だけ摂った場合、せっかくサプリメントを飲んで健康に気をつけていても逆に疲れやすくなってしまいます。そのため、亜鉛と銅がどちらも配合された製品を選ぶと良いかと思います。
※亜鉛のみ過剰摂取した場合、銅の吸収が阻害されるため貧血、めまい、吐き気などが引き起こされる可能性があります。
銅を過剰摂取した場合、便中に排泄されるため大きな心配はありません。
亜鉛と銅が摂れる製品▶︎ワカサプリ
コエンザイムQ10
効果
①抗酸化作用
ビタミンCやビタミンEと並ぶ抗酸化作用があり、20歳を境に年齢を重ねるごとに臓器から失われてしまう成分のひとつです。副作用が報告されていないということもコエンザイムQ10を取り入れやすい理由となっております。
②エネルギー産生に不可欠
ミトコンドリアという細胞の器官でエネルギーが作られるのですが、コエンザイムQ10はエネルギー産生に不可欠な成分となっています。コエンザイムQ10は青魚や牛肉に含まれているのですが少量しか入っていないためサプリメントで補うことが望ましいと言われています。
コエンザイムQ10が摂れる製品▶︎ワカサプリ
サプリメントと薬の違い
ここまで夏バテに効果的なサプリメントとお薬についてお話ししましたが、違いはご存知でしょうか?
大きな違いはサプリメントは薬ではなく「食品」扱いという点です。サプリメントは日頃不足しがちな栄養素を補う健康増進目的として使用されます。
それに対してお薬は病気や症状の治療あるいは緩和のために使用されます。
美容クリニックで取り扱いのあるシナールやユベラ、ピドキサールといったお薬はビタミン剤にあたるため、用法容量を守れば健康な方は大きな問題なく使えますが、医薬品にあたるため必ず医療機関で購入しましょう。
また、今回ご紹介したワカサプリもサプリメントではありますが、医療機関専売品となっております。その他のサプリメントでも高濃度で成分が配合されている医療機関専売品のものはしっかりと医師に相談し購入するようにして下さいね。
美容と健康のために摂っているお薬・サプリメント
美容クリニックの看護師として働く私も日々、美容と健康のためにインナーケアは大切にしております。活性酸素や各種栄養素の働きについて知ると、内服の必要性に気づいて頂けるのではないでしょうか。
夏バテに対しては今回の記事でご紹介したものがおすすめになります。細胞を障害し酸化ストレスを抑制する抗酸化物質の摂取は健康でも美容でも嬉しい効果がたくさんあります。
食事から十分にに摂れない栄養素はお薬やサプリメントで補いましょう!
※お薬やサプリメントは用法容量を守り服用をお願いします。持病や服用中のお薬がある場合、医師や薬剤師にご確認下さい。
【記事の執筆・レビューに使用した参考文献等】
記事の正確性等の確保方法及び参考文献の取り扱いについては、Call to Beautyの編集プロセスをご覧ください。
・『総合南東北病院,夏バテ対策講座 夏バテの原因 症状』(総合南東北病院)
・『熱中症ゼロへ 日本気象協会推進,日本気象協会発表!2023年の気温傾向と熱中症傾向』(一般財団法人日本気象協会)
・『厚生労働省,e-ヘルスネット(情報提供) 自律神経失調症』(厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト)
・『新しい美容皮膚科学』(2022南山堂)
日本美容皮膚科学会 監修
クイーンズスクエアメディカルセンター皮膚科 部長 尾見徳弥 編
みやた形成外科・皮ふクリニック 院長 宮田成章 編
静岡社会健康医学大学院大学 学長・理事長 宮地良樹 編
大阪医科薬科大学 教授 森脇真一 編
・『一生役立つ きちんとわかる栄養学』(2019西東社)
お茶の水女子大学大学院教授 飯田薫子 監修
関東学院大学准教授 寺本あい 監修
*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。
まいまい
都内の美容皮膚科メインで働く正看護師。新人の教育担当も経験。現在は保険診療も併設されているクリニックで勤務中。美容と保険をうまく組み合わせ患者様のお悩みを解決したいと考えている。美容について勉強したことを発信しており、Twitterでは1,000人以上のフォロワーも。医療従事者としてエビデンス(根拠)に基づいた内容を伝えることを心掛けている。
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執筆:
まいまい看護師
都内美容皮膚科、保険診療皮膚科その他形成外科などが併設しているクリニックで働く正看護師。自身がニキビで悩み、SNSや雑誌などで知った情報を試すも良くならなかった経験からお肌の状態が自信をなくしたり、QOLを下げる原因にならないよう美容看護師になる。
また誤った情報で悲しい思いをする方を減らすため根拠に基づいた美容法をSNSで紹介している。クリニックでは前職、現職でも指導者・プリセプターを担当。施術だけでなくカウンセリングも行っている経験から現実的に実践できるような手軽な美容から幅広く発信。
愛知県の大学病院(救急病棟)
都内美容皮膚科クリニック
都内美容皮膚科、保険診療皮膚科その他形成外科などが併設しているクリニック
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