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季節によって肌質は変化するものです。
夏にはたくさん出ていた皮脂が冬になるとほとんど出なくなってしまい、私たちの肌は乾燥が強くなり、人によっては細かい皮がむけてしまうこともあるのではないでしょうか?
そんな時、少しでも乾燥を軽減しようと普段のスキンケア品を見直して、保湿効果の高いものを選びますよね。けれど、実際どんな保湿剤を選べば、早く乾燥状態を改善できるのかよくわからない人が多くいると思います。この記事では、保湿について解説し、おすすめの成分やスキンケア品をご紹介していきます。
Contents
そもそも保湿とは?
私たちの肌は、皮膚にもともと備わっている保湿機能によって潤いを保たれています。潤いのある肌とは角質水分量がしっかりと保たれている肌のことを言います。
私たちの肌の保湿は、皮膚の中でも角層と呼ばれる0.02mmしかないラップ1枚ほどの厚さの部分で行われています。
角層では細胞間脂質とNMF(天然保湿因子)、皮脂膜によって水分の蒸発が防がれていますが、加齢による生理的変化や、湿度・温度変化、紫外線などの外界からの影響によってそのバランスが崩れてしまい、乾燥をきたすことがあります。ですから私たちは普段からスキンケアを行い、もともと持っている皮膚の保湿機能を手伝っているのです。
つまり私たちが普段スキンケアとして行う保湿とは、皮膚の水分を補ったり、水分の蒸発を防いだりして、皮膚の湿度を一定に保つことです。また、外界からさまざまな影響を受ける肌の状態を健やかに保つ手助けをすることです。
どうして保湿が必要なのか
皮膚は外界から体内へのさまざまな攻撃に対し、障壁やバリアとなって働いています。
- ・ウイルスや細菌などの侵入を防ぐ
- ・紫外線によるDNAの障害を防ぐ
- ・摩擦や接触などの物理的な外力を弱める
- ・水や化学物質などの侵入を防ぐ※体内から外界へのバリア機能でもあり、体内の水分や血漿・栄養分が体外へ出ることを防ぐ
皮膚にはこれらの働きがあり、もし何らかの理由により肌の保湿が保たれない状態になった場合はバリア機能が働かずに様々な問題が起こります。ですから保湿が必要なのですね。
保湿剤の役割
- ・角層の柔軟性の保持
- ・角層の水分保持能の向上
- ・皮膚のバリア機能の修復
肌が乾燥したら気をつけること
- ・強い洗浄力のクレンジングや洗顔料をさける
- ・熱い湯は使用せず、32〜35度程度のぬるま湯を使用する
- ・効率的に保湿をするために、保湿成分を選んで取り入れる
- ・乳液やクリーム、オイルなどの油分を多く含むスキンケア品を使用して、水分の蒸発を防ぐ
- ・1日2回は保湿をする!
- ・保湿剤に書かれている、適正使用量を守る
クレンジングは素早く、乾燥対策の洗顔方法
洗顔時はクレンジングでマッサージをしない方が良いです。メイクを落とすために界面活性剤がある程度入っているため、マッサージ用には作られていません。長くクレンジングすることで余計に皮脂が取られてしまい、乾燥しやすい肌になってしまいます。
クレンジングは1分程度で終わらせることが望ましいです。洗顔料はしっかりと泡立てて使用し、手でお顔を擦らないよう注意しながら優しく洗いましょう。お湯の温度は32〜35度程度のぬるま湯がちょうど良いです。すすぎ残しがないように丁寧に洗い流しましょう。
熱いお風呂はNG!? 乾燥を防ぐ入浴のコツ
入浴時のお湯の温度は38度が良いとされています。健康な方が38度、42度の浴槽へそれぞれ10分間つかった場合、38度の群よりも42度の群の方が角質水分量が低下し、経皮水分蒸散量が上昇したという試験結果があります。
また、長時間入浴すると一時的な角質水分量は増えるのですが、その後の水分蒸発により角質内の水分も同時に奪われ、むしろ乾燥に傾いてしまう場合があるため、入浴後早めに保湿剤を塗布する必要があります。
おすすめの保湿成分
保湿の成分と言ってもそれぞれに性質があり、保湿の仕方が違ったりします。スキンケア品の裏に書いてある成分表示を見た際に、適切な成分を選べるようこちらにまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
保湿剤に使われる成分の性質
- ・潤いを与える(例:精製水)
- ・水分をつかむ・集める(例:アミノ酸、グリセリン)
- ・水分を抱え込む(例:ヒアルロン酸、コラーゲン)
- ・水分を挟み込む(例:セラミド、スフィンゴ脂質)
- ・水分の蒸発を防ぐためにフタをする(例:ワセリン、スクワラン)
保湿剤には多くの成分がありますが、主に5つの性質を持っています。成分によってそれぞれの働きに分類されます。
スキンケアに取り入れたい保湿成分
セラミド
皮膚の保湿因子の中でも、細胞間脂質の大部分はセラミドでできています。角層内部の水分をしっかりと挟み込みとどめる性質を持っています。セラミドをスキンケアで取り入れると、角層のラメラ構造(水分層と油分層がミルフィーユのように重なり合っている保水機構)を補修し乾燥を防いでくれます。肌が乾燥しているなと感じたら、一番最初に取り入れていただきたい成分です。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は1gで2〜6Lもの水分を抱え込むことができる成分です。肌に塗布すると角質にとどまり、多くの水分を抱え込んでふくらみます。ヒアルロン酸が配合されることでテクスチャもとろっとしたような感じになり、しっとりとした使用感が好みの方には合っている成分といえます。ヒアルロン酸には5つのタイプがあり、それぞれに油となじみやすくしたり、流れにくくしたり、浸透しやすくしたりといったような効果があります。
コラーゲン
よくコラーゲンは肌にハリを出すからいいと言ったような話を聞いて、塗るだけでなく飲んだりしている方も多くいるのではないでしょうか? スキンケア品に配合されているコラーゲンは肌表面に保護膜をつくって、水分を逃さないようにする働きがあります。
分子の大きさによって少し働きが異なり、分子が大きいコラーゲンは肌表面で水分の蒸発を防ぎ、分子が小さいコラーゲンは角層内部まで浸透し、角層の水分を保つ効果があります。
アミノ酸
アミノ酸は肌が元々持っている天然の保湿成分です。角層にあるNMF(天然保湿因子)の52%はアミノ酸でできています。水分を吸収し集める性質があります。
おすすめの医療機関取扱コスメ
保湿の重要性はわかったけれど、世の中さまざまなスキンケア品があるし結局どれを使用したらいいかわからないという方のために、医療機関で取扱いのある製品をいくつかご紹介します。筆者も現在使用しているものもあり、家族にもおすすめしています。
DRXシリーズ
ロート製薬より販売されている医療機関専売コスメです。ベースはワセリンとグリセリンで生成されており、お子様にも使用できるとても優しい保湿剤です。小児皮膚科でもおすすめされています。
モイスフュージョン技術により成分をナノ粒子化することでワセリン独特のベタつきを軽減し、比較的さらっとしたテクスチャになっています。使い心地は伸びが良く、全身に使用しやすいです。お値段も手頃で容量も多くコスパ◎。ボディー用とフェイス用があり、フェイス用は2種類のヒアルロン酸とグリチルリチン酸2K、アラントインが配合されており、ボディー用は擬似セラミドが配合されています。
AKシリーズ
洗顔でお馴染みのロゼットの会社が医療機関で専売しているスキンケア品で、健常な馬の新鮮な脊髄から抽出したウマスフィンゴ脂質を配合している敏感肌やアトピー肌の方も使用できる保湿剤シリーズです。
この天然セラミドはガラクトシルセラミドを70%以上含み、スフィンゴミエリン、ホスファチジルエタノールアミン、レシチン、コレステロールなどもバランス良く含有し、肌のバリア機能と水分保持機能を高めてくれます。
AKローションはややとろみのあるテクスチャで、肌にのせた瞬間から潤いを実感できます。同シリーズのクリームは硬めのテクスチャで、塗布した後は1層膜が増えたような手触りがします。肌のツッパリ感が一瞬で消えるため、乾燥が強くて悩んでいる方にはおすすめです。
ローションは容量が大きく、販売価格も3,200円とコスパも良いです。シリーズで販売している日焼け止めは紫外線吸収剤で一見敏感肌の方には向かないように感じますが、成分をナノカプセル化することで直接成分が肌に触れない構造になっており、敏感肌の方も安心して使用できます。もちろん日焼け止めにも保湿成分がしっかりと入っており、紫外線対策をしながら保湿もできる優れものです。
プラスリストア スキンモイストW
シミ治療時のスキンケアにおすすめのシリーズです。中でもスキンモイストWはバリア機能の強化による保湿を目指して、ポリグルコサミン誘導体を配合した保湿乳液です。ポリグルコサミン誘導体が皮膚表面に留まり擬似膜を形成し、低下したバリア機能をサポートして潤いが長時間続きます。
界面活性剤を最小限にし、pH値は中性に調整しているため敏感肌の方も問題なく使用できます。
容器から出した直後はクリーム状でコッテリしているように見えますが、伸ばすととてもみずみずしく、少し時間が経つとサラっとしながらも保湿されているなと実感できるような触り心地です。
WiQo(ワイコ)ナリシングクリーム
シアバターがふんだんに使用されておりごく少量でかなり伸びます。肌表面にヒドロリシッドフィルムを復元し、外的刺激から肌を守り、ハリを失ったお肌や加齢や外的影響を受けた肌の皮脂膜を回復させます。
また肌のヒアルロン酸の分解を抑制し、フィラーやバイオリタライジング製品の効果を高め、持ちを良くし、さらにエイジングによる老化や光老化によるダメージも軽減します。使い心地はかなりしっとりで、しばらく時間が経っても手に吸い付くような肌状態をキープしてくれます。長く愛用されている方も多い製品です。
コラージュリペアシリーズ
持田製薬が販売している医療機関取扱コスメです。コラージュリペアシリーズは浸透型セラミドを配合し、肌のバリア機能をサポートします。浸透型セラミドは肌の角層に浸透し、ラメラ構造を補って再形成することでバリア機能を回復していきます。
低刺激でアルコール無添加、ノンコメドジェニックテストも通過しており、どんな肌質の方にも安心して使用できる保湿シリーズです。有効成分としてトラネキサム酸も配合されているため、肌荒れ防止効果や美白効果も期待できます。テクスチャは、ミルクは滑らかで伸びが良く、クリームはこっくりとした手触りです。どちらも肌にのせるとスッと浸透してなじみます。
Lov me Touch(ラブミータッチ)スキンバリアナノミルクリッチ
THE ONE.の上原恵理医師が開発に関わっている医療機関取扱コスメです。ラブミータッチシリーズの中で、最も保湿に優れている製品がスキンバリアナノミルクリッチです。
9種類のセラミドを15%高濃度配合しています。また、HA4、エクトインを配合して水分を集め肌へ潤いを与えてくれます。高圧ナノ乳化しているためサラッとしたテクスチャです。冬は湿度が低いことやエアコンの使用などによって、日中の肌が乾燥を感じることがあると思います。このスキンナノバリアミルクはメイクの上から馴染ませて使用することができます。
NOVシリーズ
ドラックストアなどでも目にすることがあるNOVシリーズ。NOVはニキビケア、エイジングケア、敏感肌のスキンケアなどいくつかシリーズがあり、その中でもⅢシリーズは特に保湿に特化しているため、乾燥肌に悩んでいる方はまずはこちらのスキンケアを手にとることをお勧めします。
アトピー肌や乾皮症の方も使用可能です。医療機関取扱コスメではありますが、わざわざ医療機関に行かなくても購入できるメリットがあり手にとりやすいかと思います。
NOVは皮膚のバリア機能を補う成分を多く含み、保湿の三大因子にそれぞれ対応するものを配合しています。
皮脂膜にはスクワラン、NMFにはアミノ酸、細胞間脂質に対してはセラミドが使用されており、またグリセリルグルコシドがバリア機能を高めてくれます。使用感にもバリエーションがあり、化粧水はテクスチャの違うものが3種類用意されているため、さっぱりめが好きな人もしっとりが好きな人も好みのものを選ぶことができます。特にEXローションは最もトロッとしたテクスチャで、乾燥している肌をやさしく保湿してくれるためおすすめです。
トゥベール
主にネットで販売が行われているスキンケアブランドです。VC誘導体やレチノール製品など、人気の成分を使用している商品を多く取り扱っていますが、その中でセラミドを使用している乳液がとても優秀です。
ナノエマルジョン、ナノエマルジョンディープ、ナノエマルジョンプラスと3種類展開しており、それぞれ高濃度のセラミドが配合されています。保湿感はしっかりありますが、さらっとしたテクスチャです。ナノサイズの粒子が素早く浸透してインナードライ対策ができます。どれもセラミドがふんだんに配合されていますが、若干成分の違いがあり、保湿力が最も高いのはナノエマルジョンディープです。
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おわりに
お肌の乾燥はバリア機能を低下させるため、結果としてさまざま肌荒れや肌悩みに繋がっていきます。肌の乾燥が辛い時は、一度スキンケア品を見直してみると良いでしょう。その際には成分から気にして自分の肌に必要なものを選んでみてください。何を購入したら良いか分からない方も、この記事で紹介したスキンケア品を購入すればまず間違いないと思います!
【記事の執筆・レビューに使用した参考文献等】
記事の正確性等の確保方法及び参考文献の取り扱いについては、Call to Beautyの編集プロセスをご覧ください。
・『WiQo:GPO Srl社パンフレット』
・『Dr.BEAUTOPIA produced by ERI UEHARA』株式会社NIKU
・『ノブ公式オンラインショップ』常磐薬品工業株式会社(ノエビアグループ)
・『美容成分キャラ図鑑』(2019西東社)
小西さやか 著
*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。
YuNi
都内で働くフリーランス美容ナース。美容皮膚科、脱毛専門、痩身クリニックにて勤務経験あり。クリニックの立ち上げに関わり、師長を務めていたことも。現在はいくつかの美容皮膚科にて勤務しており美容皮膚施術とアートメイクを担当している。Twitterでは同名義で4000人以上のフォロワーがおり、正しい美容医療の知識の普及に努めている。飛鳥塾という講習会にて講師を務め、美容看護師の知識や技術の向上に尽力している。
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執筆:
YuNi看護師
都内で働くフリーランス美容ナース。美容皮膚科、脱毛専門、痩身クリニックにて勤務経験あり。クリニックの立ち上げに関わり、師長を務めていたことも。現在はいくつかの美容皮膚科にて勤務しており美容皮膚施術とアートメイクを担当している。
X(旧Twitter)では同名義で4,000人以上のフォロワーがおり、正しい美容医療の知識の普及に努めている。飛鳥塾という講習会にて講師を務め、美容看護師の知識や技術の向上に尽力している。
大学病院勤務(血液内科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科勤務)
大手美容皮膚科
個人美容皮膚科
大手脱毛専門クリニック
脱毛専門クリニック
脱毛専門クリニック立ち上げ協力
個人美容皮膚科(保険診療込み)
バイト勤務含め10院以上のクリニック勤務経験あり
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