美容整形手術のなかでも気軽に行うことができるイメージがある二重埋没法。切らずにぱっちりとした二重になれる魔法のような方法と考えられがちですが、実は二重埋没法で思うような二重にならなかったいうケースも少なくありません。ここで二重埋没法の失敗例を挙げながら、失敗しないために覚えておきたいことについて詳しくお話していきます。

目次

  • 1.二重埋没法の失敗例ってどんなもの?
  • 1-1.二重埋没法、留める場所による瞼板法、挙筋法とは
  • 1-2.手術後すぐにとれて元に戻るケース
  • 1-3.二重埋没法で思ったような二重にならないケース
  • 1-4.二重埋没法で糸が露出して目を痛みがあり、傷めるケース
  • 1-5.二重埋没法で眼瞼下垂を起こすケース
  • 1-6.ダウンタイムが少ないってほんと!? 腫れがなかなか引かないケース
  • 2.二重埋没法で失敗しないためのポイント
  • 2-1.カウンセリング内容を重視する
  • 2-2.留める点数を増やす(一点留めなどは避ける)
  • 2-3.安い価格にこだわらない。保証制度があるクリニックを選ぶ
  • 3.まとめ

1.二重埋没法の失敗例ってどんなもの?

痛みや腫れが少なく、ダウンタイムも短い埋没法は人気の高い方法です。切開法に見られるような明らかな失敗例はそれほど多くありませんが、手軽であるがゆえのデメリットがあります。

1-1.二重埋没法、留める場所による瞼板法、挙筋法とは

二重埋没法とはまぶたに数か所穴をあけて医療用の糸を通し、まぶたの内側から止めて二重まぶたを作る方法です。切開はしないものの、まぶたに針で穴を空けるのでまったく皮膚に傷がつかないわけではありません。
ただし、まぶたに空いた穴は手術後ほとんどわからなくなります。二重埋没法には瞼板法(けんばんほう)と挙筋法(きょきんほう)の2種類があります。

・瞼板法

まぶたの内側にある瞼板で糸を結ぶ方法。まぶたの裏側に結び目が出るが、糸をループ状に止めてまぶたの裏側に糸が出ないようにしているクリニックが多い

・挙筋法

まぶたを持ち上げる筋肉である挙筋で糸を結ぶ方法。まぶたの裏側に糸が出ないため、眼球を傷つけない方法と言われているが、糸が奥深い部分にあるため万が一、元に戻したいときに糸を探しだすのが難しい

「瞼板法は結膜側に糸が出るから目に悪い」「挙筋法は柔らかい筋肉に留めるので糸がゆるんで元に戻りやすい」など、それぞれデメリットがあると言われていますが、クリニックによって、これらのデメリットをカバーするオリジナルの方法を採用しているところもあります。

1-2.手術後すぐにとれて元に戻るケース

二重埋没法の失敗例として、最も多いのが「手術後、すぐに元に戻ってしまった」という例です。もともとまぶたの皮膚が厚い人、まぶたの脂肪が多い人などは特に戻りやすいようです。また、まぶたを開ける力がもともと弱い眼瞼下垂の方も埋没法だけで二重にした場合、元に戻ってしまうことがあります。

また、外側から受ける刺激が原因になることもあります。アレルギーなどで目元をよくこすったり、何かが目に当たったりするなど、強い衝撃を受けた場合などがこれに当たります。

1-3.二重埋没法で思ったような二重にならないケース

「幅広の二重や平行二重にしたかったのに、奥二重っぽくなってしまった」「二重の幅が狭すぎる」。二重埋没法の手術を受けた人からこんな声を聞くことがよくあります。こうしたケースはまぶたの脂肪が多い方や皮膚が厚い人などには特に起こりやすくなっています。

1-4.埋没法で糸が露出して目に痛みがあり、傷めてしまうケース

埋没法で糸が露出して目に痛みがあり、傷めてしまうケース

二重埋没法の失敗例の中で速やかに対処する必要があるのが、糸が露出して目に当たっているケースです。まぶた側に糸が出ているだけの場合、それほど慌てる必要はありませんが、まぶた側に糸がでて痛みがある場合、早急に抜糸を行う必要があります。眼球に傷がついていることが多いので、抜糸後、眼科の診察を受けるべきでしょう。

1-5.二重埋没法で眼瞼下垂を起こすケース

まぶたを開ける力が弱くなって、眠そうな目元になる眼瞼下垂。二重埋没法の手術をすることで、この眼瞼下垂を引き起こすことがあるということをご存知でしょうか。

埋没法のうち、挙筋法はまぶたを持ち上げる筋肉である眼瞼挙筋に糸をかけて二重を作る方法です。この留め方が強すぎると、まぶたを開けづらくなって眼瞼下垂の症状が出ることもあるのです。もともと眼瞼下垂がない場合、抜糸すれば元に戻ることが多い症状です。

1-6.ダウンタイムが少ないってほんと!? 腫れがなかなか引かないケース

埋没法を「ダウンタイムがない」「全く腫れない」と考えている方がいますが、針で穴をあけて糸を通している以上、術後3日くらいはまぶたが腫れます。一般的には瞼板法よりも挙筋法のほうが元に戻りにくいものの腫れが起こりやすいと言われています。

むくんだような状態はそのあともしばらく続き、二重が完成するまでには1カ月程度かかります。腫れが続く期間は何カ所留めたか、瞼板法か挙筋法かによっても変わってきますので、1カ月程度は様子を見ることにしましょう。ブログなどで、「腫れがひかないから失敗したのかも?」と心配している方もいますが、たいていは術後数日だったり1週間程度だったりするようです。手術後は1日に何度も鏡を見たり、手で触れたりせず落ち着くまで待つようにしましょう。

2.二重埋没法で失敗しないためのポイント

二重埋没法で失敗しないためのポイン

二重埋没法は他の美容整形手術と違い、失敗というより満足のいく結果にならなかったというケースが多くなっています。保証制度を設けて、元に戻ってしまった場合や気に入らなかった場合、抜糸や再手術をしてくれるクリニックもありますが、期間は最低半年以上開ける必要があります。また、当たり前のことですが、手術を繰り返すことは避けるべきでしょう。では、二重埋没法を失敗しないためには事前にどんな点に注意すればいいのでしょうか。

2-1.カウンセリング内容を重視する

カウンセリング内容を重視する

埋没法で希望とおりの二重を手に入れるためには、カウンセリングの内容を重視する必要があります。ポイントは「自分の希望をしっかり、何度でも伝える」「医師のアドバイスをきちんと聞き、検討する」という2点。

希望をしっかりと伝えられず、医師の言われるまま手術を受けると自分の思っていたような二重にならないことがあります。カウンセリングを受けたときの医師と執刀医が違う場合なども、しっかり自分の希望を伝えなおすこと。医師に遠慮してしまって希望を伝えられず、思っていたのと違う二重になってしまったと後悔する人が意外に多いようです。

また、医師のアドバイスをよく聞くことも重要でしょう。埋没法は金額も安く、ダウンタイムも短いので希望する人が多い施術ですが、実際にはまぶたに脂肪がたくさんついている人や皮膚が厚い人、眼瞼下垂気味の人、年齢によるたるみがある人などは埋没法の施術だけで、希望の二重にすることは困難であるケースも少なくありません。特に幅広の二重や平行二重にするなら、埋没法だけで二重を完成させるのは難しい場合があります。

その場合、部分的に切開する「プチ切開」や「目頭切開」「まぶたの脱脂」などの施術を組み合わせることで理想の二重に近づけることができます。良心的なクリニックであれば、埋没法だけでは理想の二重になれないことや合わせて行うべき施術について勧めてくれるはずですが、若い女性の中には「とにかく安く済ませたい」「絶対に切りたくないし、取れてもいいから埋没法で」と希望する人もいるようです。

簡単な手術と言われる埋没法であっても、自分の希望をきちんと聞いて的確なアドバイスをしてくれるクリニックが見つかるまで複数のクリニックのカウンセリングを受けるようにしましょう。

2-2.留める点数を増やす(一点留めなどは避ける)

留める点数を増やす(一点留めなどは避ける)

安い価格で二重埋没法の手術を行っているクリニックの中にはまぶたを1カ所だけ留めて二重を作っているところもあります。「二重クイック法」などと呼ばれる手術は1点留めであることが多く、腫れにくいというメリットがあるものの、元に戻りやすい施術です。

元に戻りにくい方法を選ぶなら、やはり二点留め以上を選ぶべきでしょう。2点、4点、6点留めなどまぶたの状態に合わせて選ぶことができます。留める箇所が多くなれば、その分、腫れも出ることになりますが固定力は強くなるようです。ただし、留める箇所を増やせばいいというものでもないので、あなたのまぶたに合った方法を勧めてもらうようにしてください。また、点でまぶたを留めるのではなく、糸をループ状に通してラインで留め、より固定する力を高めているクリニックもあります。

2-3.安い価格にこだわらない。保証制度があるクリニックを選ぶ

二重埋没法は元に戻ることが比較的多い施術であるため、一定期間、無料で再手術してもらえる保証制度を設けているクリニックもあります。期間は2年、3年、5年などで、留めの点数、かけかたにより保証年数が異なることが多いです。

最初は値段の安い方法が魅力的に映りますが、保証期間など総合的に比べてみるのも良いと思います。

3.まとめ

いかがでしたか? 二重埋没法は失敗というより「すぐに元に戻ってしまった」「思っていた二重と違う」という例が多い施術でもあります。修正手術や再手術を繰り返さないためにも、あなたのまぶたに合った方法を選ぶようにしましょう。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

Emiri

Emiri

美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。

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監修:

依田拓之 医師

よだ形成外科クリニック

東邦大学医学部卒業。形成外科医として経験を積み、美容外科院長を歴任。宮城県仙台市に2010年よだ形成外科クリニックを開業。2020年で開院10周年。
日本形成外科学会認定専門医の資格を持ち、現在では少なくなった総合的な美容医療を地域に提供しています。目元、鼻などの美容外科治療はもちろん、エイジングケア、美肌、男性・女性のAGA、男性診療まで幅広いメニューは安心してかかりつけ医にできそうです。

東邦大学医学部卒
東京警察病院形成外科入局
美容外科クリニック院長
よだ形成外科クリニック院長

この記事の監修ドクターが所属するクリニック

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