「膝の黒ずみが気になってしまって、ミニスカートを履けない」
「膝の色が黒ずんでいるため、ほかの人から指摘をされてしまった。つらい」
「本当は短い丈のものが好きなのに、膝が出ると思うとどうにも……」
このように悩む人は多いのではないでしょうか。
「黒ずんだ膝」というのは、気付いたらできていたということも多くあり、自分自身でとても気になるものです。

女性だと、夏場でスカートだと他人からもよく見える「膝の黒ずみ」ケア法について、市販のクリームから美容皮膚科までみていきます。

膝の黒ずみが起きる原因とは何か

膝の黒ずみが起きる原因とは何か

肌の黒ずみのなかでも、膝の黒ずみはとてもよく目立つ部分です。長いスカートやパンツを履けば隠れるものではありますが、その黒ずみを気にして、ファッションに制限ができるのは悲しい限りですよね。

では、このような膝の黒ずみが起きる原因はいったいどこにあるのでしょうか。

紫外線によるダメージ

膝に限らず、黒ずみの起きる原因は基本的には「肌にダメージがいくこと」です。

私たちの体は、ダメージを受けると、それから体を守ろうとします。初めに受けた刺激に対抗するために、肌をより丈夫に、より傷つきにくく、より頑健にしようと働き始めるのです。
この「防衛機能」の働きの途中に生じるのが、メラニン色素です。これはメラノサイトが動くことによってできるものであり、肌を黒くしてしまいます。

メラニン色素は、紫外線のダメージを受けたときによくできるものとして知られています。
日焼けをした肌が黒くなっていくのはこのためです。膝の黒ずみにも同じことが起きています。

ただし、メラニン色素が製造される理由は「紫外線」だけではありません。たしかに紫外線は一つの大きな要素ではありますが、紫外線以外にも「摩擦」などが肌のダメージとなり得ます。

摩擦によるダメージ

この「摩擦による刺激」は、「下半身の黒ずみ」と合せて考えるとわかりやすいでしょう。
下腹部は顔や肩、腕などとは違い、下着やスカート、ズボンに守られています。そのため、紫外線は届きません。
しかしこの部分にも黒ずみが起きることはあります。これは、下着などによる摩擦によって起きているところが大きいと考えられています。

私たちの膝は、膝立ちになったり立ち上がったりするときに、よく摩擦を受けます。
また、短いスカートやショートパンツを履くことを好む人であるのなら、知らず知らずのうちに紫外線も浴びています。

紫外線や刺激から肌を守るものとして、「皮脂」が挙げられます。顔の小鼻まわりによく分泌し、ときには邪魔者扱いされてしまうこの「皮脂」ですが、皮脂は肌を守るためにとても重要な成分でもあります。皮脂は肌に、潤いのベールをかぶせます。このベールは、肌に入ってくる紫外線や摩擦のダメージを弱くし、肌を守る役目があります。

しかし、膝の場合は、皮脂腺があまり多くはないため、このような「皮脂の分泌による肌のガード」をあまり期待することができません。また、汗をかきにくい部分でもあるため、汗(水分)による保護が受けにくいというのも難点のうちの一つです。

このように、膝は、「摩擦によるダメージ」と「紫外線によるダメージ」の両方を受けやすい箇所と言えます。
そのため、黒ずみが生じやすくなるのです。

黒ずみを生じさせる行動とは

黒ずみを生じさせる行動とは

膝の黒ずみを生じさせる具体的な行動について見ていきましょう。

「紫外線がだめだ」ということからもわかるように、膝部分をさらした服を着ることはよくありません。また、肌にフィットしすぎるジーンズやスカートを履いた場合、たとえその丈が長かったとしても、肌は常に服に擦れている状態になってしまいます。そのため、このような服も黒ずみのリスクとなります。
ただ、「やっぱりミニスカートを履きたい!」という人もいますよね。その場合は、下地作りとして、まずは膝の保湿を行ってください。
そのうえで、ボディ用の日焼け止めをしっかり塗り込むことが大切です。

ちなみに日焼け止めは、数値が高ければ高いほどよい、というものではありません。
数値が高い日焼け止めは、どうしても肌に負担がいってしまいがちです。
そのため、TPOにあった日焼け止めの度数の選び方が大切です。日常生活ならばSPFは20以下、PA++以下で十分でしょう。

もう一歩、「摩擦」について踏み込んで考えてみましょう。

洋服以外にも、肌が擦れてしまう要因があります。膝立ちなどがそうです。
また、畳や床のうえで足がこすれるような行動をとることもよくありません。
「座っているときは立ち上がるのが面倒なので、膝で動いてしまう」という人は要注意です。膝立ちの姿勢は膝に非常に大きな摩擦を生じさせますし、その状態でじりじりと動いてしまうと、肌のこすれは一層ひどいものになります。

若いときは新陳代謝が活発なので、若いときにできた摩擦による黒ずみや紫外線による黒ずみは、大人になってからできるそれに比べて、格段に消えやすいと言えます。
しかし日常的に足をこすり続けている場合などは、それがそのまま色素沈着となって残ってしまうことがあります。

黒ずみを作らない予防方法について

黒ずみの原因がわかったところで、次からは黒ずみへの対策を考えていきましょう。

まずは、「予防方法」からです。

摩擦や紫外線によるダメージが黒ずみの原因であるのなら、それをブロックすることが大切です。

まずは、自分の衣服を見直しましょう。
外で長時間すごすときに丈の短いスカートやパンツを選んでいませんか?
肌にフィットしすぎる衣服も危険要因なので、あまり頻繁には履かないようにします。
日焼け止めを使うのも一つの手です。現在はボディ用の日焼け止めも多数販売されていますから、これを使うとよいでしょう。

「膝をきれいにしたいから」ということで、お風呂場で、硬い素材のものを使って膝を洗うのも考え物です。あくまで優しく洗い上げることを心がけましょう。

お子さんがいる方ですとなかなか難しいかと思いますが、膝立ちのスタイルはあまりとらないようにします。「子どもがいるときにはさすがにそこまで気が回らない」という場合は、一人での行動のときだけでも気を付けるようにしてください。

ホームケアの方法を考える

スクラブ

予防をすることはとても大切ですが、同時に、「できてしまった黒ずみをどうするべきか」ということも考えていきたいものです。
ここでは、まずは、自宅でできるホームケアの方法から模索していくことにしましょう。

基本は、膝の黒ずみをケアするアイテムを利用して行います。

そのときの候補として出てくるものの一つが、「スクラブを使った方法」です。
スクラブは「研磨剤」「洗浄剤」のような意味合いで使われる言葉です。汚れを除去して、停滞していた角質をすっきり洗い落としてくれます。塩を使ったものなどが有名です。
これを使って膝を磨いていくのです。

スッキリした爽快感があるのがとても魅力で、夏場のケアなどにも向いています。反面、刺激がやや強いやり方であるのも事実です。肌の弱い人は要注意です。

保湿効果の高い美容液、パック

もう一つ、クリームやパックによるケア方法も紹介しておきましょう。
これは「保湿をして黒ずみのケアをする」という方向からアプローチするものです。

上でもお話したように、肌が潤っている状態というのは、ダメージを受けにくい状態です。また、保湿をすることで肌を若々しい状態に保つことができるため、その意味でも有用です。保湿効果の高い美容液を使ったり、パックを使ったりという方法が用いられます。
コラーゲンやヒアルロン酸、セラミドなどは特に保湿効果の強い成分ですから、積極的に使っていくとよいでしょう。

コラーゲンやヒアルロン酸、セラミドというと、私たちは「顔の保湿」をイメージしてしまいがちです。
しかしこれらの成分は、顔だけではなく、膝の保湿にも極めて有用です。そのため、膝の黒ずみ対策用として作られている商品のなかにも、セラミドを配合したものが販売されています。

やっぱりこの方法が最強!? 美容皮膚科・美容外科による治療

ホームケアは確かにある程度は有用なものです。しかしながらその効き目にはどうしても個人差があります。また、即効性もありません。当然ながら効き目も基本的にはゆるやかです。

「どうしても、この膝の黒ずみをどうにかしたい」という人の場合は、美容皮膚科・美容外科を頼ることをおすすめします。

美容皮膚科による膝の黒ずみの除去は、ホームケアよりも効果的です。美白ケアのためのアイテムを処方してくれるところもありますし、レーザーで治療してくれるところもありますが、どちらもとても有用です。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは膝の黒ずみ治療によく使われる方法です。これは肌の表面の古くなった角質をグリコール酸などで除去するやり方であり、顔のケアなどにもよく使われます。膝は顔よりも皮膚が厚く、より強い薬剤で治療できる利点があります。またエレクトロポレーションなど色素沈着改善のため、クリニックで配合した薬液を浸透させる治療とも併用される場合があります。

レーザー、光治療

レーザーを使った場合、顔のシミを消すのと同じようにシミに対して働きかけることが可能です。「レーザートーニング」と呼ばれる方法であり、メラニン色素を丁寧に除去していきます。
この方法は美肌効果もあると言われており、膝の総合ケアにも役立ちます。

また、光を使った治療もあります。色素沈着を改善するものであり、クリニックでは脱毛とセットで行われることもあります。施術部位やクリニックによって値段もかわるので、こちらもあわせてチェックしておきましょう。女性にとって気になる脱毛を行った後は、ツルツルピカピカのきれいな膝で時間を楽しむことにしましょう。

ハイドロキノン、トレチノイン

「レーザーや光まではちょっと」という人は、塗り薬で対応しましょう。
「顔にできたシミをとる」ということで有名なハイドロキノンは、膝の黒ずみにも有効です。市販品は2パーセント配合までが基本です。非常に強い成分でもあるため、高濃度のものはクリニックで処方してもらいましょう。
もう一つ紹介しておきたいのが、「トレチノイン」です。これもハイドロキノンと並んで、黒ずみに効果を示すものとして知られています。ニキビ跡にも有効であるとされているこれは、ピーリング効果とコラーゲンの増加に役立ちます。
この2つはよく併用されます。

膝の黒ずみは、気になる人にとっては非常にやっかいなものです。
自分の脚に自信が持てるようになるために、改善に取り組んでいきましょう。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

moeko

moeko

美容系全般に造詣が深いライター。

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