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夏も本番になってきており、暑さからマスクを外す方がより一層多くなっている印象があります。そうなると気になるのはシミよりもたるみという方が増えており、シミの治療中でもたるみの相談を受けることがとても多いです。
たるみ治療といえば皆さんが思い浮かぶものとしてハイフやスレッドリフト(糸リフト)が多いのではないでしょうか。数年前まではスレッドリフトはまだまだハードルが高く、芸能人はしている人が多いのかなと言われる患者さんが多かったのですが、ここ最近はご友人がしていて効果がよかったから自分も気になっていてと話される方が増加しています。
それほどスレッドリフトが身近になってきたのではないかと思います。ただ、まだまだ痛みや価格から一歩踏み出せないそんな方も少なくはありません。身近になってきたスレッドリフトですが、近年種類も増えておりどのような特徴があるのか詳しく解説していきます。
スレッドリフトとは
スレッドリフトとは、糸を皮下に挿入して引っ張り上げたり引き締めたりということができる施術のことです。糸の種類も長いもの・短いもの・溶けないもの・溶けるものまで様々です。
近年では溶けない糸は他の施術(ハイフやラジオ波)の邪魔をしたり長期間異物が体内にあることによりアレルギーや違和感が出るため取り扱っているクリニックは少ない印象があります。今回は多くのクリニックが扱っている溶ける糸の素材についても特徴をご説明いたします。
溶ける糸といっても数種類あり、オペの中縫い(皮膚の下で組織を止める)に使用されるものです。スレッドは体内には体液といって細胞の中にある液体により加水分解されることによって溶けていきます。まず、PDO(PDS)はポリジオキサノンといって体内に挿入すると半年から1年程度で吸収されていきます。コラーゲンを生成する力が高いためショートスレッドといって短い針を刺して引き締めやハリを出す施術にも使用されます。
次に、PCLポリカプロラクトンという持続期間が2年から3年と他の素材よりもゆっくり吸収されるもので柔らかくしなやかであるため、口元などよく動く部位に入れても違和感が少ないという特徴があります。
他にも、PLAポリ乳酸といって1年から1年半程度持続しPDOやPCLよりも質感が固くしっかりと引き上げを行うことができます。このように糸の素材でも複数の種類がありそれぞれの特性によって効果や持続が変わってきます。
スレッドリフトの種類
上記でご説明した通り素材にも複数種類がありますが、コグ(トゲ)やメッシュ、細さや長さなどお悩みに応じて様々なスレッドの種類があります。スレッドはお悩みに応じて適切なものを選択しなければ期待した効果を出すことが難しいため、どれがあっているのかしっかりとカウンセリングで見極めることが重要です。
皮膚が柔らかく、触ると動きやすい方
まず、皮膚が柔らかく脂肪の少ないコケが目立つような方には皮膚のコラーゲンが減少しているという問題点があるため、皮膚のコラーゲンを増加させて適度な弾力を出す必要があります。そのためには長いスレッドでの引き上げもよいのですが、短く美容針のような髪の毛よりも細いスレッドを挿入するショートスレッドが向いている場合が多いです。
ショートスレッド
ショートスレッドとはショッピングリフトとも呼ばれ、美容針のような細い針にさらに細いスレッドがついており口元やほうれい線、顎下に20から100本程度しっかりと挿入していくものです。
たくさんのスレッドを挿入することにより皮下組織に刺激を与えコラーゲンの産生を促します。さらに半年から1年程度で糸が吸収されるのですが、その吸収される過程でもコラーゲンを増加することができるのです。皮膚が柔らかく、触ると動きやすい方は1年に1回から2回程度継続すると良いでしょう。
Vリフト
Vリフトとはショートスレッドのひとつであり、素材はPDOでできているため半年から1年程度で吸収されていき、ハリや引き締めをしてくれるものです。口横であれば20本から60本程度、顎下やフェイスラインなど広い範囲であれば120本程度使用されます。適応である患者さんからの口コミもよく、継続される方がほとんどです。サーマジェンやイントラジェン、ハイフなど熱を加える治療と併用するとなお実感が良いです。
- 痛み:麻酔クリームを塗布し冷やしておくと我慢できる程度。痛みが苦手な方は笑気麻酔を使用するとリラックスできます。
- 効果:1カ月後から実感できる方が多く半年から1年程度持続。
- ダウンタイム:内出血が2週間程度。直後から化粧可能なためコンシーラーやファンデーションで隠すこともできます。
- 価格:本数によって変わりますが50,000円から150,000円程度(クリニックによっても差があります)。
ビタミンリフト
ビタミンリフトとは、PCLの素材にビタミンCを練り込んで作られており、肌質を良くすることも可能なスレッドです。口元でも糸が柔らかいため違和感なく施術することができます。
肌荒れを起こしやすいフェイスラインや口元に人気があります。1年から1年半かけて吸収されるため効果の持続も長いのですが、Vリフトに比べるとコラーゲン生産は劣るためハリ感や引き締め重視の方はVリフトの方が良いでしょう。
- 痛み:Vリフトと同様。
- 効果:1カ月後から実感される方が多く1年から1年半程度持続。
- ダウンタイム:Vリフトと同様。
- 価格:価格は本数によりますが70,000円から180,000円程度。
脂肪のもたつきもある方
脂肪のボリュームがある方は脂肪が下垂してしまい、フェイスラインのもたつきやほうれい線が出ていることが多いため、ショートスレッドではなくロングスレッドの方が適応になります。
皮膚が柔らかい方に関しても直後から引き上がるため、効果の実感はロングスレッドの方が良い傾向にあります。ただ、ダウンタイムや痛み、恐怖感はロングスレッドのほうが強いと言われており、勇気がなかなか出ないとおっしゃる方も少なくありません。
テスリフト
テスリフトは最新のスレッドリフトといわれており、従来のスレッドはコグやバーブと呼ばれるトゲがついており、皮下の組織に刺さることによって引き上げていました。テスリフトはコグだけでなく、メッシュがスレッドについており脂肪にメッシュが絡みつくことによってしっかりと引き上げることができ、絡みついた脂肪はなくなっていくため数カ月後には頬やフェイスラインがスッキリして痩せて見えるなどのメリットがあります。
また、V字に入れていくため1本で従来のスレッド2本分の効果があるとも言われています。素材はPDOですが、1年半から2年程度かけてゆっくり溶けていくため持続がとても長いスレッドです。患者さんの満足度も筆者が勤務しているクリニックでは1番高く、1回された方は継続して1年から2年に1回挿入されています。ただ、挿入する医師の手技にも技術が必要であるため、どのように入れるのかカウンセリングで説明してくれる医師を選ぶ必要があります。
- 痛み:局所麻酔のちくっとする痛みや押されている感覚。施術後は麻酔が切れると筋肉痛のような痛みがあります。
- 効果:1年半から2年程度。気になったら継続的に挿入すると持続が長くなります。
- ダウンタイム:直後の腫れやむくみ。大口を開けると1週間程度痛かったり違和感がある。血管に糸が当たると内出血のリスクがあり2〜3週間ほど。
- 価格:1本66,000円程度。
VOVリフト
VOVリフトとは、PCL素材でできたスレッドでしなやかで持続が長いことが特徴です。また、プレス成形されているため、PCLのしなやかさは残しつつ固定する強度を上げているものです。
それにより、しなやかでありつつも長期間持続するというメリットがあります。コグの先端が丸いため挿入時の痛みも緩和されているという患者さんに嬉しい特徴も持っているスレッドです。細いためひきつれも起こりにくいのですが、引き上げは弱めです。
- 痛み:施術はテスリフトと同様。施術後は痛みが少なめで痛み止めを飲まなくても大丈夫なレベル。
- 効果:1年程度。
- ダウンタイム:テスリフトに比べると痛みやひきつれは少なめ。内出血リスクはテスリフトと同様。
- 価格:1本25,000円程度。
シルエットソフト
シルエットソフトとは円錐状のコグ(コーンのような形)がついており360度皮下の組織に引っかかることができ、表面は滑らかな作りになっており、皮下組織を傷つけにくいスレッドです。
表情を作るなど皮下組織が動いた時に円錐状のコグが一定間隔で動くため、ひきつれもなく、表情を作る際など顔の動きを邪魔することもありません。円錐状のコグにより皮下組織に刺激を与える表面積が多くコラーゲンやエラスチンを産生しやすいとも言われています。シルエットソフトはPLLAとPLGAという素材でできており、米国FDA(日本の厚生労働省のような機関)で承認されているもののため安心できる素材です。取り扱っているクリニックは少ない印象ですが、特殊な形状をしており人気があります。
- 痛み:テスリフトと同様。
- 効果:1年から1年半程度。
- ダウンタイム:テスリフトと同様。
- 価格:1本35,000円程度。
まとめ
スレッドリフトは近年とても身近なものになってきており、施術されている方も増加しています。ただ、まだまだ勇気が出ないと悩んでいる方も同じくらい多いというのが現状です。そんな方にはまずショートスレッドから行っていただいたり、笑気麻酔を使用してリラックスしながらスレッドリフトを行なっていただくと良いでしょう。
ショートスレッドの方がたくさん針を刺す分、内出血が出やすいのですが直後からメイクもできるため隠しやすいのがメリットです。ただ、意外と痛みが辛いという方もいらっしゃるので局所麻酔のできるスレッドリフトの方が施術時の痛みは少ないかと思います。
ただ、押される感覚や皮下に麻酔だったりカニューレといって先の丸い長い針を入れる時の違和感や音が苦手という方もいらっしゃいますので、左右2本ずつの計4本などまずは少ない本数から始める方もいらっしゃいます。
ハイフやサーマジェンなど熱を加える治療よりも目に見えて引き上がる実感は良いため、スレッドが好きで定期的に継続される方も少なくないためどれが自分に合っているのか、お悩みや予算からお気軽にカウンセリングされることをおすすめします。
ただ、スレッドをたくさん(左右で5本ずつ以上だと多めです)入れれば良いということでもないため、適切な本数やスレッドの種類を提案してくれる医師で施術されると痛みなどの不安や効果と期待のギャップも少ないかと思います。
*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

ゆー
4年制大学の看護学科を卒業後総合病院のICUで1年勤務。その後、美容クリニックに勤務して3年目の、看護師としては4年目になる。美容クリニックはパート含め計6院の美容外科・皮膚科勤務歴があり使用した機械や介助についたオペも多い。高校生の頃から肌荒れに悩んでおり、スキンケアマニアのため市販のスキンケアやドクターズコスメの知識も豊富である。
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