デリケートゾーンは、その呼び名の通りあらゆる意味でデリケートな部分なだけに、なにか悩みが発生したとしても他人に聞くこともできず、本当に困ってしまいますよね。誰にも聞くことができないデリケートゾーンの悩みと、そのケア・解決策について考えてみることにしましょう。

目次

  • 1.デリケートゾーンの悩みってどんなもの?
  • 1-1.デリケートゾーンの黒ずみの原因
  • 1-2.自宅でできるデリケートゾーンの黒ずみ解消方法
  • 1-3.美容外科・美容皮膚科でデリケートゾーンの黒ずみを治療する方法
  • 1-4.デリケートゾーンのニオイの原因とは
  • 1-5.デリケートゾーンのかゆみの原因
  • 1-6.自宅でできるデリケートゾーンのかゆみ解消方法
  • 2.まとめ
  • 1.デリケートゾーンの悩みってどんなもの?

    ひとことでデリケートゾーンの悩みといっても、年齢や体調によってさまざまな症状があります。具体的にどんなことで悩んでいる人が多いのでしょうか。

    デリケートゾーン専用の化粧品ブランド『D-Speace』シリーズをリリースした、株式会社ペキュリア・ダグが20~50代までの女性を対象に実施した、デリケートゾーンに関する悩みの調査結果を紹介します。

    まずは「デリケートゾーンで悩んでいることは何ですか?」という質問に対する答えをみてみましょう。

    • 1.黒ずみ・・・・57人/14.54%
    • 2.におい・・・・86人/21.94%
    • 3.かゆみ・・・・79人/20.15%
    • 4.たるみ・・・・・8人/ 2.04%
    • 5.シワ・・・・・11人/ 2.81%
    • 6.形・・・・・・13人/ 3.32%
    • 7.ムレ・・・・・33人/ 8.42%
    • 8.おりもの・・・67人/17.09%
    • 9.乾燥・・・・・・8人/ 2.04%
    • 10.その他・・・30人/ 7.65%

    出典 http://www.dreamnews.jp/

    また、デリケートゾーンの悩みにどんな対処をしているのかも気になるところ。皆さんはどんなお手入れをしているのでしょうか。

      • 1.入浴時によく洗う・・・・・・・・・・・・124人/53.91%
      • 2.入浴時に専用の石鹸等でよく洗う・・・・・・35人/15.22%
      • 3.専用の化粧品を使う・・・・・・・・・・・・・2人/ 0.87%
      • 4.美容整形をする・・・・・・・・・・・・・・・2人/ 0.87%
      • 5.普通の化粧品をデリケートゾーンに使う・・・・4人/ 1.74%
      • 6.ビデなどで洗浄する・・・・・・・・・・・・11人/ 4.78%
      • 7.薬品などを使用しケアする・・・・・・・・・・4人/ 1.74%
      • 8.定期的にクリニックやエステなどにかよう・・・6人/ 2.61%
      • 9.何もしない・・・・・・・・・・・・・・・・24人/10.43%
      • 10.その他・・・・・・・・・・・・・・・・・18人/ 7.83%

    出典 http://www.dreamnews.jp/

    調査結果によると「クリニックに通う」「薬でケアする」と答えているのは全体の5%もいません。皆さん、悩みがあっても積極的にケアすることはあまりなく、「恥ずかしくて病院などには行けない」「どうしたらいいのか分からない」という人が多いと推測できます。ここからは、上位3つにあがった「黒ずみ」「におい」「かゆみ」を取り上げて原因と対策方法について、ご説明していきます。

    1-1.デリケートゾーンの黒ずみの原因

    デリケートゾーンの黒ずみが起こる原因は大きく分けて、「ムダ毛の自己処理によるもの」「肌への摩擦」の2つがあります。

    ■ムダ毛の自己処理による肌の黒ずみ

    Vラインのムダ毛処理をセルフで行っていると、処理を行った部分に黒ずみが生じることがあります。これは肌が刺激を受けるとメラニン色素を増やして自らを守ろうとする性質があるためです。

    デリケートゾーンは非常に皮膚が薄く、ちょっとした刺激にもすぐに反応してしまいますので、Vラインをセルフで処理したいのであれば、事前に処理を行いたい部分にクリームや、よく泡立てた洗浄料などを塗ってから安全カミソリもしくは電気シェーバーでの剃毛はお肌への負担が少ないので慎重に処理を行いましょう。これにより、Vラインが受ける刺激はかなりの確率で弱まります。

    また、除毛クリームという方法もありますが、多くの除毛クリームはお肌への刺激が強いため、デリケートゾーンへの使用はおススメできません。

    そして、処理を行ったあとには必ず保湿を行い、お肌を保護することをお忘れなく。デリケートゾーンは身体の中で最も皮膚が薄い部分ですので、適切なスキンケアを行わないと乾燥や黒ずみなどが起こりやすくなります。

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    ■肌への摩擦

    デリケートゾーンの悩みに関する調査に対する回答では、53.91%の人が「入浴時によく洗う」、15.22%の人が「入浴時に専用の石鹸等でよく洗う」と答えています。きちんと洗おうとするとついついゴシゴシこすりたくなってしまうもの。実はこうした洗浄時に起こる摩擦が黒ずみを招いていることも少なくないのです。

    特にナイロンタオルやスポンジなどでごしごしこすると、肌が黒ずむ可能性が大です。もともと膣には自浄作用があるため、肌を強くこする必要はありません。よく泡立てた洗浄料で優しく洗うようにするのがポイントです。産婦人科では、シャワーの水洗いを指導しています。デリケートゾーン専用ソープでもよい菌を殺してカンジダなどのトラブルを起こす方が多いからです。

    1-2.自宅でできるデリケートゾーンの黒ずみ解消方法

    ■デリケートゾーンの黒ずみを防ぐための自己処理グッズ

    出典 http://www.veet.jp/

    刃が肌に直接、触れないタイプのシェーバー。刃先を変えることで、顔にもビキニラインにも使うことができます。肌に触れないので、黒ずみが起こるリスクも最小限に抑えることができます。

    ・パウダーフレッシュ(pHケア フェミニンウォッシュ)150ml

    出典 http://phcare-shop.net/

    通常のせっけんやボディソープはアルカリ性であるため、弱酸性が保たれているデリケートゾーンには刺激が強すぎることも。最近は、デリケートゾーン専用の弱酸性洗浄料が市販されているので、試してみては。pHケアはデリケートゾーンと同じ弱酸性で洗う洗浄料。刺激がほとんどなく、かゆみや荒れが起こりがちなデリケートゾーンを優しく洗うことができます。*デリケートゾーン専用でもかゆみが起こることがあります。

    1-3.美容外科・美容皮膚科でデリケートゾーンの黒ずみを治療する方法

    ■医療脱毛(VIO脱毛)

    最近、ワキや腕、脚とならんでデリケートゾーンの脱毛を考える人が増えています。脱毛をすることで自己処理する回数が減れば、肌への負担も減って黒ずみが軽減することもあります。そこでおすすめなのが医療脱毛によるお手入れです。

    美容外科や美容皮膚科では、レーザーによるデリケートゾーンの脱毛を行っており、脱毛後のスキンケアもしっかりと行ってくれます。エステティックサロンや脱毛サロンでもデリケートゾーンの脱毛を行っていますが、これらの場所で行う脱毛は、安全性と清潔性については少々疑問が残ります。また、使用している脱毛機器の性能が異なるため、医療機関に比べて脱毛効果も低くなっています。

    一方、美容外科や美容皮膚科で行う脱毛は医療脱毛と呼ばれており、医学の原理と根拠に基づき医師が脱毛処理を行いますので、その安全性は高いと考えてよいでしょう。エステティックサロンなどと比較した場合に、医療機関での脱毛は割高な料金設定となっていますが、安全性と期待できる効果を重視するのであれば、医療脱毛がおススメです。

    デリケートゾーンもお肌の一部であることに間違いはありませんので、さまざまなトラブルが発生することもあるでしょう。トラブル回避のためにデリケートゾーンの脱毛を行いたいのであれば、施術だけではなくその後のスキンケアもきちんと行ってくれる医療機関での脱毛がおススメです。

    1-4.デリケートゾーンのニオイの原因とは

    ■雑菌によるもの

    私たちの身体のいたるところに存在している汗腺は、デリケートゾーンにも存在しています。たとえば、こんな経験はないでしょうか、汗をかきやすい季節やスポーツで汗をかいたあと、お手洗いで下着をずらしたらなんとなくイヤな臭いがする……。

    この原因は、デリケートゾーンの汗腺から分泌された汗と尿、オリモノなどの分泌物が混じり合い、雑菌が繁殖したことにあります。さらに、この状態に生理が加わるともっとイヤな臭いが発生してしまいます。

    ■デリケートゾーンのニオイ・すそわきがとは

    ワキガと同じように、陰毛付近からニオイが起こる「すそわきが」という症状もあります。これは臭いの元となる汗を分泌するアポクリン汗腺が陰部付近にも存在することによるもの。

    ワキガと同様、美容外科で治療を受けることができます。ワキと同様、切開する外科手術もありますが、切らない治療方法としてまずはボトックスがお手軽で人気です。

    ■デリケートゾーンのニオイの原因が病気であることも

    オリモリの臭いが気になるときにはビデでの洗浄が適切な方法ですが、いつも以上にオリモノの臭いがきつくなったり、生臭い感じの臭いが発生したりした場合には、なんらかの病気を発症している疑いがあります。

    もっとも多い症状は、カンジダ膣炎、細菌性膣炎などですが、ごくまれに淋病、クラミジア、トリコモナス膣炎などの性感染症が隠れていることもあります。気になる症状が続く場合は早めに婦人科の診察を受けるようにしましょう。

    1-5.デリケートゾーンのかゆみの原因

    かゆみの原因は「接触性皮膚炎など外部からの刺激によるもの」と「常在菌や感染症が原因のもの」の2つに分かれます。

    ■接触性皮膚炎など外部からの刺激によるもの

    デリケートゾーンは常に下着が密着しています。化学繊維の下着やきつすぎる下着によるムレが原因でかゆみが起こることもあります。アレルギーの場合では下着の素材や使用している生理ナプキンの材質などが痒みを誘発していることが考えられますので、下着、ナプキンともに天然素材で作られているものに変更してみて下さい。

    また、雑菌が原因となっている場合ではとにかくデリケートゾーンを清潔に保つことが大切ですが、アレルギーなどの事情により、石鹸やボディソープでかぶれなどのトラブルが起こりやすい方は、デリケートゾーン専用の低刺激性石鹸を使用してみてはいかがでしょうか。こちらでもダメな場合は水洗いです。

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    ■常在菌の繁殖、感染症が原因のかゆみ

    かゆみが発生する原因には、感染症やアレルギー、雑菌の繁殖などがあります。誰もが持っている常在菌であるカンジダ菌が、抵抗力の低下やストレスなどによって繁殖する「膣カンジダ」は女性の5人に1人が経験すると言われる症状です。

    その他にも感染症が原因でかゆみが起こることもあります。感染症の疑いがある場合には直ちに婦人科で検査を受けて適切な処置を行ってもらうことが大切です。かゆみを伴う症状が現れる感染症には以下のようなものがあります。特に性器クラジミアなど自覚症状がほとんどないのに、不妊の原因になるような症状もあるので、気になるときは放置せずに婦人科や泌尿器科で診てもらうようにしましょう。かゆみについては、美容外科で治療を受けることはできません。

    • ・膣カンジダ
    • ・性器ヘルペス
    • ・性器クラジミア
    • ・膣トリコモナス症
    • 1-6.自宅でできるデリケートゾーンのかゆみ解消方法

      ■市販薬を使用する

      ・小林製薬 フェミニーナ軟膏

      出典 https://www.kobayashi.co.jp/

      膣に存在する常在菌であるカンジダ菌の増殖によって起こるかゆみの改善に。かゆみが改善しない場合や再発を繰り返す場合は、早めに病院の診察を受けるようにしましょう。

      ■膣カンジダは繰り返しやすいという声

      2.まとめ

      女性なら誰でも一度は経験する、デリケートゾーンの悩み。一般的な症状もありますが、なかには病気が隠れていることもあるので、不快な症状が続く場合は早めに病院の診察を受けることをおすすめします。

      *本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

      yamada

      山田美羽

      美容系ライター。エステから美容医療まで歴20年。

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監修:

岩橋晶子 医師

産婦人科医

山口大学医学部医学科卒業。シンガポール国立大学研究留学、市立池田病院産婦人科、大阪医科大学附属病院産婦人科を経て産婦人科専門医を取得する。その後大手美容皮膚科院長、大手美容外科技術認定医を経験。
2022年城本クリニック勤務。岐阜院、四日市院、大阪院では産婦人科専門医を生かして婦人科形成・婦人科美容(小陰唇縮小、乳頭縮小など)を中心に担当。ゆかりレディースクリニック(神戸)にて婦人科外来担当。
プライベートでは、グルメ、猫好きな面も。

日本産婦人科学会専門医
美容皮膚科学会正会員など

市立池田病院初期研修医
市立池田病院産婦人科
大阪医科大学附属病院産婦人科
市立池田病院産婦人科
美容外科専門クリニック
城本クリニック

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