人間の身体から分泌される分泌物にはすべて色と臭いがあるといわれています。ですが、特に脇の下の臭いはご自身だけではなく、他人に不快感を与えてしまうことも少なくありません。
脇の下の臭い、それは皮下のアポクリン汗腺とエクリン汗腺から分泌される汗が原因となっていますが、実は、汗には水分だけではなく、タンパク質や糖質、アンモニアが含まれています。
そして、これらの成分を餌として表皮の常在菌が増殖することにより、独特なきつい臭いを発生させることになります。この状態をワキガと呼び、これを改善する適切な方法に、医療機関で治療できる「ミラドライ」と「ビューホット」があり、どちらも切らないワキガ治療法として知られています。
それでは、現在医療機関で行われているワキガ治療の「ミラドライ」、そして「ビューホット」について、両者の特徴や違い、メリット・デメリットについて解説します。
マイクロウェーブ(電磁波)をお肌に直接照射して、皮下のアポクリン汗腺とエクリン汗腺に直接働きかけ、それらの汗腺を破壊するワキガ治療法です。
マイクロウェーブの特徴は、水分を完治するとその部分に熱を発生させ、その熱によってアクポリン汗腺とエクリン腺を破壊してしまうことにあります。
なんといっても、皮膚を切開することなく治療を行えるという点が、最も大きなメリットでしょう。また、ボツリヌストキシン注射もワキガ治療としてよく知られている方法ではありますが、ボツリヌストキシン(ボトックス)注射は永続的な効果を期待することができず、3カ月~6カ月前後でその効果はほぼ消えてしまいます。
では、ミラドライではどうなのでしょうか?
それでは、聖心美容クリニックの見解をご紹介します。
「今までの多汗症・わきが治療では、傷を作らずに根本から解決することが出来ませんでした。切開手術は根本解決が可能な反面、切開後の傷が気になってノースリーブを着られない、汗やニオイは気にならなくなったけれど手術跡を見られたくない…という新たなお悩みを抱える方もいらっしゃいました。ミラドライは切開しないため傷を作らず、きれいな腋下を保てることが大きな特長です。マイクロ波で壊された汗腺は再生しないため、多汗症・ワキガが再発しにくく、長期的な効果を実感いただけます」
とのこと。
また、しむら皮膚科クリニックの志村英樹院長も、
「ミラドライは皮膚を切ることなくワキガ・ワキの多汗症治療を行う治療です。マイクロ(電磁)波エネルギーを利用して、汗腺(水分子)をターゲットとし、ワキガ・ワキの多汗症の原因であるアポクリン腺、エクリン腺の機能をなくしていきます。 失われた汗腺は再生しませんので手術同様、長期間の効果をもたらします」
出典 http://www.shimuraskinclinic.jp/
と述べています。
そして、ここで気になってくるのが安全性の問題でしょう。ミラドライの安全性について横浜マリアクリニック・小林幸子院長は、
「最大の特徴として、手術のように切開しない手術法になるので、切開箇所に生じるトラブル等の心配もなく、治療後に皮下の炎症による違和感は若干残ることもありますが、1ヵ月もすればほぼ元の状態に戻ります。
ミラドライ治療はボトックス治療を除くとわきが・多汗症治療法の中で最も安全性の高い治療法になります」
出典 http://cecile-w.com/miradry/
と、述べています。
つまり、ミラドライは安全性が高いということ、そして、長期間に渡る持続効果を期待することができる施術であるということですね。
ミラドライがマイクロウェーブの力を借りて行うワキガ治療法であるのに対し、ビューホットはRF(高周波)マイクロニードルを使用して行うワキガ治療法です。また、ビューホットの場合では、照射針による高周波が直接アポクリン汗腺やエクリン汗腺に届くため、再発の確率が低いと考える医師が多いようです。
具体的な治療法について銀座みゆき通り美容外科の水谷和則院長は、
「表皮層を冷却板で冷やしながら、高周波の照射針をわきの下の皮膚を貫通して汗腺の深さまで刺入して、針先から高周波を照射します。照射針の深さは0.1mm単位で調節できるため自在に深度のコントロールができ、深度によって照射の出力を変えながら段階的に照射することもできます。したがって極めて安全に、極めて正確に、ピンポイントで汗腺だけを熱変性させることができ、他の組織にダメージを与える心配がありません」
と、説明しています。
ミラドライがマイクロウェーブをお肌に照射するワキガ治療法であるのに対し、ビューホットは皮下に照射針を指し込んでアポクリン汗腺とエクリン汗腺を熱変性させて行う治療法、ここがミラドライとビューホットの違いです。
照射針を指し込むと聞くと、ちょっと怖くて危険な感じがしますが、これに関して、医師はどのような見解持っているのでしょうか? ビューホットのメリット・デメリットとは?
東京ワキガ・多汗治療センターの北村義洋院長によると、
「切らない治療ですから、皮膚表面を傷つけることはありません。皮下の汗腺類だけに選択的に作用しますので、もちろん太い神経や血管など、重要な組織を損傷する心配はありません。
View HOT(ビューホット)による治療は片ワキ10分、原則として一回の照射で終了します。治療後の通院は不要で、包帯やガーゼによる圧迫固定がいりませんので、治療当日からほとんど普段通りの生活が可能です」
出典 http://www.wakigaclinic.net/
と、安全性を強調する説明を行っています
では、その効果はどのくらいの期間継続するのでしょうか? これに関して福岡三井中央クリニックの綾部誠院長は、
「ビューホット治療は再発のリスクが極めて低く、治療後1年以上効果が持続した効果は、その後も再発が見られることは少ないと言われています。
しかし若年層では成長期により数年後に再発が見られることは否定できない為、治療を受ける前に再発のリスクについてご理解が必要です」
出典 http://www.takansyou-fchuoh.com/
という見解を寄せています。
それでは、ビューホットでワキガ治療を行った方の口コミをご紹介することにします。
「今日もめちゃくちゃ汗かいたけど、臭いが気にならなかった! 制汗剤はまだ使えなくて使ってないけど、使わなくても気にならないなんて本当びっくり! 母にヒートテック臭ってもらったけど、あたしは臭わなかったけど、少しだけするよー とは言われた。でも以前とは違う!」
「手術前、顔が火照ってるときでも脇汗やばくて、臭いもやばかったが、手術後、汗も臭いもなくなった! 迷ってる方、相談だけでもされてください!」
「ビューホット1ヶ月後。 電気マットの上で寝ていてもほぼ汗をかかなくなり、今嗅いでみても、かさぶた?の匂い?かなと感じる様な匂いしかしない」
ミラドライ、ビューホットともに切らないワキガ治療法ではありますが、ミラドライではマイクロウェーブの照射、ビューホットでは照射針を皮下に刺し込む方法であるため、多かれ少なかれ皮膚や皮下の組織はダメージを受けます。つまり、どちらの治療もダウンタイムが必要であるということですね。
まずはミラドライですが、こちらの治療は両脇で約30分~1時間程度で終了するもので、ダウンタイムはほとんど必要ないといわれています。ただし、これには個人差がありますので、特にお肌が弱い方の場合では腫れや痛みなどの症状により、数日間のダウンタイムを必要とすることもあるようです。また、ミラドライ直後のアポクリン汗腺やエクリン汗腺の周辺は熱により火傷のような状態となっていますので、治療当日には飲酒や浴槽に浸かることは避けるべきでしょう。飲酒や入浴により血液の循環がよくなると、必要以上に治療後の痛みが強く現れたり、腫れが現れた入りすることがあります。また、治療当日からシャワーはOKとなっていますが、治療後のお肌の状態には個人差がありますので、治療後の行動についてはきちんと医師の指示に従いましょう。
一方ビューホットの場合では、治療中に表皮を冷却しますので、治療後の痛みや腫れはほとんど現れないようですが、やはり飲酒や入浴などによって治療部位が刺激を受けた場合には、痛みや腫れが現れることがあります。つまり、ミラドライと同様、治療から数日間は飲酒や浴槽に浸かるなどの行為は避けなければならないということですね。
ミラドライ、ビューホットともに自由診療扱いとなりますので、保険適用外となります。
また、妊娠中の方、心臓に疾患をお持ちの方、てんかんの持病、その他の持病や疾病がある方については、どちらの治療も受けることはできません。
そして、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患をお持ちの方の場合で、ステロイド剤による治療を受けている方は、治療を受けることができない場合もあります。なんらかの皮膚疾患をお持ちの方は、カウンセリングの段階で皮膚疾患について医師に相談し、治療の可否を確認しましょう。
ミラドライとビューホットは、ともに医師がその安全性を認めていますので、ひとまず安心して受けることができるのではないかと思います。
そうなると、気になってくるのが治療を受けることができる医療機関、そして料金ということになります。
それでは、それぞれの治療を受けることのできる医療機関の一部と治療料金をご紹介しましょう。だいたいの相場がわかりますので、参考にしてください。
ミラドライ、ビューホットともに、メスを使用することなく行える安全性が高いワキガ治療法です。また、どちらも効果が長期に渡って継続するというメリットを持っています。ミラドライ、ビューホットともに、クリニックによって料金には多少のばらつきはありますが、両脇の治療の相場は300,000円以上となっていますので、どちらの方法でワキガ治療を行うにしても、医師とのカウンセリングを踏まえ、慎重に検討すべきでしょう。
*本記事内でご紹介した内容はあくまで各医師の見解であり、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。掲載した料金は変更になる場合があります。
美容系ライター。エステから美容医療まで歴20年。
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