※この記事は三宅看護師が高輪皮膚科・形成外科に在籍されていた当時の記事です。

今、日本で乳癌と診断される女性は、1年間に4万人にのぼっています。
多種多様な治療法の一つに乳房切除があります。

癌発生個所により乳頭・乳輪を残せる場合もありますが、乳頭・乳輪ともに切除しなくてはいけない場合もあります。乳房、乳頭・乳輪の再建方法には数種類ありますが、ここでは、乳輪の再建をアートメイクで行う場合について述べたいと思います。

アートメイク以外の乳輪の再建には、健側の乳輪に大きさがある場合には、健側の乳輪の外側を採取して移植する方法や、大腿基部の色素沈着した部位の皮膚を採取し移植する方法があります。その場合、長期間経過すると色調がやや薄くなることがありますので、その際、アートメイクを用いて色を入れていくことも可能です。

三宅看護師によるニップルアートメイク施術例

三宅看護師によるニップルアートメイク施術例

皮膚を採取して移植する場合、採取した部分と移植個所の2か所に処置が必要になり、2カ所に傷が残ることになります。傷は、極目立たないものですが、度重なる治療への精神的な苦痛や、希に移植した皮膚が生着しない場合などを考慮し、移植を選ばない方もいらっしゃいます。

キャプション 三宅看護師によるニップルアートメイク施術例

三宅看護師によるニップルアートメイク施術例

アートメイクで乳輪を作成する場合、そうしたリスクはありませんが、入れた色が徐々に退色し薄くなるため、数年に一度のメンテナンスが必要になります。また、皮膚移植に比べ皮膚の凹凸が無いので、立体感は劣ります。
乳癌の罹患率が高まり、罹患者のQOLへの意識の高まりにより、皮膚移植、アートメイク双方の技術の進歩には目覚しいものがあり、今後も需要が高まる治療法の一つであると思います。

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*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

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監修:

三宅美帆子 看護師

BMC CLINIC南青山

看護師。タカナシクリニック、高輪皮膚科・形成外科、その他全国のクリニックに於いて、医療分野におけるアートメイクの活用に尽力し、現在はBMC CLINIC南青山理事。
アートメイクアーティストとして29年のキャリアを築き、延べ38,000人以上の施術を行う。また、日本の医療アートメイク・パラメディカルピグメンテーション(色素形成)の分野において、普及と発展に努める。

アヴェニュークリニック、ヴェリテクリニック、タカナシクリニック、高輪皮膚科・形成外科等でアートメイクナースとして勤務。
BMC CLINIC南青山理事、Biotouch Japanチーフインストラクター、国際大会審査員を務める。

この記事の監修ドクターが所属するクリニック

  • 住所: 東京都港区高輪2-16-49
  • 最寄駅: 都営浅草線泉岳寺駅A2出口徒歩3分、JR高輪ゲートウェイ駅徒歩5分
  • 院長: 酒井 みすみ
  • 診療時間: 月~土 10:00-19:00 、祝 10:00-18:00
  • 休診日: 日曜