身体に黄金比があるのと同様、顔にも黄金比と呼ばれているバランスがあります。また、それを細かく分類すると、顔全体のバランス、パーツ位置のバランス、各パーツの大きさということになります。それでは、理想的な顔の黄金比について、専門家の見解を伺ってみることにしましょう。

目次

  • 1.顔の黄金比を解き明かす
  • 1-1.顔の黄金比ってなに?
  • 1-2.美容ドクターの黄金比論
  • 1-3.自分の顔が黄金比に近いか簡単にチェックする方法
  • 1-4.顔の黄金比に近い顔を持つタレント
  • 1-5.「白銀比」とは?
  • 2.黄金比に近づけるには?
  • 2-1.輪郭の修正
  • 2-2.額
  • 2-3.目と目の間の幅修正
  • 2-4.人中短縮術
  • 2-5.鼻の整形
  • 3.まとめ

1.顔の黄金比を解き明かす

日本人は昔から正方形、白銀比(1:1.41)が好きで、欧米人は細長い、いわゆる黄金比(1:1.62)のほうを好むと言われてきました。黄金比は古代ギリシャのパルテノン神殿から名刺やクレジットカードなど身の回りのものにも多く使われています。

顔全体の比率についても横1:縦1.62の黄金比が美しいとされています。それでは、美容外科医は美容整形において、黄金比をふまえ、どのように顔面の各パーツを見ているのでしょうか。

1-1.顔の黄金比ってなに?

顔の黄金比

実際の黄金比は1:1.62ですが、顔の黄金比(というかバランスよく見える比率)は、例えば額から眉頭:眉頭から鼻の下端:鼻の下端から顎の先までが1:1:1などと説明されます。

あとは目の横幅は顔全体の横幅の1/5で、5等分されていればなお美しい、両目の間隔と目の横幅がイコールが良い等です。ただこれはなにかで決められていることではなく、専門家によって顔の比率をはじめ、美の基準は微妙に異なると考えられます。

顔の黄金比に近い外国人女性

1-2.美容ドクターの黄金比論

「黄金比に近いほど美人」であるということができますが、その人が美人に見えるかどうかは輪郭とのバランスや各パーツ同士の調和なども大切な要素です。例えば「目を二重にしたい!」というときでも、顔の中で調和のとれた大きさにしないとバランスが悪くなり「目は大きいけれど、美人とはいえない」顔になってしまうかもしれません。

美容外科のドクターたちはそれぞれ「美しさの基準」を持っているので、黄金比に近づけるための施術を受けるなら、ドクターがもつ美しさ基準に納得できるかが重要なポイントになりそう。
ただ単に、患者さんの希望を受け入れるだけではなく、ときには「全体の顔バランスを考えると合わない」という厳しいアドバイスをきちんとしてくれる医師こそが優秀なドクター、クリニックであると言えるでしょう。クリニックのHP、ブログなどで発表された美容ドクターによる黄金比論の一部をまとめました。

  • ●顔のそれぞれのパーツが美しくても、顔の輪郭が全体のバランスのキモになるので、理想の黄金比率に近づける工夫を行う必要がある
  • ●顔は正面からだけではなく、横向きからもバランスを見なくてはならない
  • ●顔の黄金比を考えるとき、顔のパーツのなかでも特に重要なのが「鼻がどうあるか」という点。パーツや顔の輪郭だけではなく顔の黄金比率は、鼻も大きく影響していることが考えられる。

1-3.自分の顔が黄金比に近いか簡単にチェックする方法

ぱっと見で自分の顔が黄金比に近いかどうか知るには下記の画像を自分の写真に重ねてみるのがおすすめです。
ちなみに、「世界でもっとも美しい顔2017年」男性ランキング1位に選ばれた韓国の防弾少年団(BTS)の V(ブイ)ことキム・テヒョンさんは、まさに黄金比にぴったりの顔なのだそう。

1-4.黄金比に近い顔を持つタレント

「黄金比に近い人=美人」ということが分かったところで、女性タレントのなかで黄金比に近い人をチェックしていきます。人気のある女性タレントは黄金比をクリアしている人が多いようですね。

■橋本環奈さん

「奇跡の美少女」と呼ばれる橋本環奈さん。黄金比であることはもちろん、日本人好みの白銀比ももつまさにミラクルな顔だちです。

■ローラさん

ローラさんも黄金比の持ち主。ハーフでも美しさの基準は日本人とそれほど変わらないようです。

■新垣結衣さん

整った顔立ちの正統派美人、ガッキーも黄金比。

■のん(能年玲奈)さん

 

清楚な印象のあるのん(能年玲奈)さん。彼女もほぼ黄金比を満たした顔立ちです。

1-5.「白銀比」とは?

・黄金比(1:1.618)のイメージ

黄金比のイメージ

・白銀比(1:1.414)のイメージ

白銀比

「白銀比」というのは正方形に近い輪郭となり、「美しい」印象の黄金比に比べて、かわいらしい印象を与える輪郭のことを指すようですね。

2.黄金比に近づけるには?

黄金比に近づけるには

ここからは美容外科の施術で黄金比に近づける方法を紹介していきます。繰り返しになりますが、大事なのは全体バランス。どこか一か所、施術をして全体のバランスが悪くなることのないよう、信頼できる美的センスを持つ医師の施術を受けられるクリニックを探すことが前提です。

2-1.輪郭の修正

多くのドクターがその重要性を唱える輪郭。顔のベースだけに変えるのが難しい印象がありますが、輪郭の修正にはどんな施術が適しているのでしょうか。

■脂肪溶解注射

「小顔注射」「BNLS注射」と呼ばれるもの。ぼやけたフェイスラインや顔太りを解消してくれる注射です。脂肪を代謝させるメディカルハーブのほか、麻酔や痛み止め、血管収縮剤などが配合された薬剤を注射します。顔の脂肪を減らしつつダウンタイムが少ないのがメリット。
黄金比を考えるならどこに打つかも重要です。費用は14,000〜60,000円程度。

■ヒアルロン酸注射

引っ込んだアゴを少し出したり、シャープにすることができます。また、日本人に多いへこんだこめかみに注射することも。やつれた頬に入れて若々しい輪郭にすることも可能です。
ヒアルロン酸は徐々に吸収されていくので効果は永続的でない分、安心感がある施術です。費用は11,000〜50,000円程度となっています。

■エラボトックス

エラが張った輪郭は四角い顔に見えて男性的な印象を与えがち。エラ張り顔には骨格が問題となっていることもありますが、奥歯をかみしめるときに動く咬筋(こうきん)と呼ばれる筋肉のこわばりが原因になっていることもあります。

ボトックス注射で咬筋をゆるめるとエラ張り顔が解消するだけではなく、歯ぎしりの癖が和らぐ効果も期待できます。費用は20,000〜150,000円くらいが一般的。何度か繰り返し打つことで効果が継続しやすくなります。

■バッカルファット除去

小顔注射などで減らすことのできない、深い層にある脂肪のかたまりバッカルファット。これを除去すると小顔になるだけではなく、将来的な頬のたるみを防ぐことができます。口の中を小さく切開してバッカルファットを取り除き、糸で縫合します。
糸は溶けてなくなるので抜糸は不要。腫れづらく、比較的ダウンタイムが短い方法です。費用は18〜30万円程度。

■骨を削る輪郭形成

アゴ削り、頬骨削り、エラ削りなどがあります。全身麻酔で行う手術なので、ボトックスなどと比べてリスクがあり、副作用、合併症が出る恐れも。最近は覚醒が早く、副作用が少ない麻酔を使用して「入院なし・日帰り手術」を受けられるところもありますが、クリニックによっては2~3日の入院が必要な場合もあるようです。
さらに、骨を削るだけに手術後、強い痛みが数か月にわたって続くケースも。

・アゴ形成

口の中から骨を削る方法で外側から傷は見えません。費用は90万円程度から。

・頬骨削り

ごつごつして突き出した頬骨を削ることでバランスを整えます。口のなかと目立たないもみあげのあたりを切開するので傷口はほとんど見えません。

2-2.額

若々しい印象を与えてくれる、ふっくらとした丸いおでこ。額形成にはヒアルロン酸注射と「骨セメント」と呼ばれる方法があげられます。ここでは骨セメントを取り上げます。

■骨セメント

両方の耳の上を結ぶラインで頭皮を切開し、頭蓋骨を露出させてハイドロキシアパタイトで額の骨の形を整える方法。局所麻酔か全身麻酔で行う大掛かりな手術です。外国人のような立体的な骨格に憧れる方には適していますが、費用は120〜130万円以上と高額です。まずはヒアルロン酸注射を試してみることをおすすめします。

2-3.目と目の間の幅修正

黄金比と比べると目と目の間が広すぎる!という人が多いのではないでしょうか。目と目の間隔を狭く方法として挙げられるのが目頭切開です。

■目頭切開

目頭を数ミリ切開して、蒙古ひだを取り除き、目の横幅を大きくする方法。適切に行うことで離れ目を解消することができます。切開する方法がいくつかあり、目頭や蒙古ひだの状態に合わせて最適な方法を選ぶ必要があります。費用は両目で13〜25万円程度です。

2-4.人中短縮術

「鼻の下が短いほど美人」と聞いたことがありませんか? 人中(じんちゅう)と呼ばれる鼻の下を短くして黄金比に近づける方法があります。

■人中短縮術

鼻の直下にあたるラインで切開して、皮膚を切り取り、鼻の下を短く縫い縮める方法です。「リップリフト」「上口唇短縮術」とも呼ばれます。その名の通り、上唇が持ち上がるため笑ったときに歯茎が見える「ガミースマイル」の人は避けるべき施術です。費用は23〜35万円程度。

2-5.鼻の整形

輪郭に次いで美人であるかを左右する条件にあげられる鼻の形。大きさや形、高さなどさまざまなので鼻の施術にはいろいろな種類があります。ここで紹介する外科手術以外にもヒアルロン酸注射による隆鼻術や小鼻を小さくする脂肪分解注射などもあります。

■小鼻縮小

鼻の皮膚を一部切除し、縫い縮めることで鼻を小さくする方法。鼻の穴の大きさが気になる、あぐらをかいた鼻やだんご鼻が嫌という人に適しています。費用は17〜35万円程度。

■鼻尖形成

鼻の余分な脂肪や軟骨を除去してすっきりさせたり、耳の軟骨を移植して鼻の高さを出す方法。今、人気のアップノーズ(上向きのすっきりした鼻)にしたり、鼻の穴を見えにくくすることもできます。顔全体とのバランスが非常に重要なので、高い技術を持つ医師に執刀をお願いしたい施術です。費用は内容によって異なり、35〜50万円程度となっています。

■鼻中隔延長

鼻の先に軟骨を移植して鼻の長さや角度を変える手術。鼻の穴が見える人や鼻が上向きである豚鼻の修正ができるだけではなく、人中(鼻の下)が短くなるというメリットも。費用は45~60万円程度が相場となっています。

3.まとめ

顔の黄金比率は難しいですね。今回、医師の見解を調べていてわかったことは、理想的な顔の黄金比率を得るためには、輪郭の修正が大きなカギを握っているということでした。それぞれのパーツが美しくても、全体的なバランスが崩れてしまったのでは元も子もありません! どこのパーツであっても、今、あなたが美容整形をお考えなのであれば、顔の黄金比率を意識してからカウンセリングを受けることをおススメします。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

yamada

山田美羽

美容系ライター。エステから美容医療まで歴20年。

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