出典 https://www.photo-ac.com/
女性の目力を左右するまつ毛。外国人のような濃いまつ毛に憧れて、毎日、ていねいにマスカラを重ね塗りしたり、エクステをつけて目力をアップさせているという方もいるのではないでしょうか。とはいえ、このようなまつ毛ケアに力を入れすぎると、かえってまつ毛を傷めてしまい、まつ毛が薄くなったり、細くなったりすることがあります。このような傷んだまつ毛や、生まれつきまつ毛が細くて短いという人の間で人気のあるまつ毛育毛剤がラティースです。ここではラティースの効果について詳しく説明していきます。
ラティース(Latisse)はボトックス製剤で有名なアメリカの製薬会社・アラガン社が製造するまつ毛育毛剤です。有効成分はビマトプロスト(bimatoprost)と呼ばれる成分で0.03%配合されています。もともとは緑内障の治療薬(点眼薬)として開発されましたが、使用していた患者さんのまつ毛が伸びたことからまつ毛育毛剤として応用されるようになり、アメリカのFDA(日本の厚生労働省にあたる機関)で承認されました。
その効果はまつ毛を長く、太く、そして色を濃くしてくれるというもの。なぜ、まつ毛が伸びるのかについてはまだ解明されていませんが、まつ毛の成長期を長くすることで、まつ毛が伸び続けたり、本数が増えたりするのではないかと考えられているようです。
ラティースはこれまでの化粧品会社から販売されているまつ毛美容液とはまったく違った効果が実感できるため、人気の高いアイテムとなっています。また、美容目的だけではなく、「まつ毛貧毛症」の治療薬としても眼科や皮膚科などでも処方されています。
まつ毛は伸びてくると自然とカールしてくる人が多く、ビューラーやマスカラがいらなくなったという声も。さらにまつ毛の根元が太くしっかりしてくることもあって、目が二重になったという人もいます。ただし、この二重はラティースの使用をやめると元に戻る可能性が高いでしょう。
早い人では、使用後1カ月後くらいから効果を実感できるようになり、4カ月で効果が最大になります。使用者の約50%が使用後2カ月ではっきりとした効果を実感できると答えているそうです。
まつ毛は頭髪と同じように、生え変わっていますので使用をやめると徐々に元に戻っていきます。ずっとフサフサの長いまつ毛をキープしたいという方は4カ月目以降もラティースを使い続ける必要があります。
まつ毛貧毛症とはまつ毛が細く、短くなったり、少なくなったりする症状のこと。原因として挙げられるのはアトピー性皮膚炎や乾癬といった皮膚疾患や薬の副作用。その他に過剰なまつ毛ケアなどによって起こることもあります。
「『まつ毛貧毛症』とは、まつ毛が不足していたり、不十分な状態を指します。まつ毛が『少ない』『短い』、『細い』、と感じる方は、『まつ毛貧毛症』かもしれません。(中略)まつ毛貧毛症になる原因には、まつ毛ケアによるダメージ、加齢、皮膚疾患、抗がん剤等の薬の副作用などが考えられます。
マスカラ、ビューラー、つけまつ毛、まつ毛エクステなど、まつ毛のケアとして身近に行われていることが、まつ毛に負担をかけている場合があります。(中略)まつ毛貧毛症と診断された場合は、『生活習慣の指導』、『現状のケア方法に関するアドバイス』、『治療薬の処方』、『発毛可能な毛包がない場合は、植毛の説明』などを受けます。治療薬の処方がある時は、使い方について指導されます」
出典 http://www.matsugeclinic.com/
ラティースのような治療薬は生まれつきまつ毛が生えていないような、まつ毛を作り出す毛包がないケースやケガなどで毛包がダメージを受けてしまったようなケースでは効果を発揮しません。
外国人のようなフサフサのまつ毛になれるまつ毛エクステ。最近は付け放題というサロンも増えていますよね。まつ毛エクステは自分のまつ毛に接着剤をつけて人工毛をつけるというもの。人工のまつ毛がとれるときに自まつ毛も抜けてしまい、まつエクをとってみたらまつ毛がほぼなくなっていた……という声もよく聞きます。
また、エクステをつけるとまつ毛はそれだけ余分な重さを支えなければならなくなります。当然、まつ毛が抜けやすくなり、自まつ毛の本数を減らしてしまうことにもつながるのです。マスカラを落とすときにゴシゴシこすったりするのも同様。ラティースはこのような過剰なまつ毛ケアによっておきたまつ毛貧毛症にも効果があると言われています。
ラティースはメイクを落とし、洗顔をしてから使用します。コンタクトを装用している人はコンタクトを外してください。化粧水や美容液などのスキンケアはすべて済ませたあとに使用します。ラティースの使用は1日1回。2回以上使用してもまつ毛の成長に変化はありません。
ラティースは点眼薬のような瓶に入っています。スティック状のブラシのついたアプリケーターが付属されているので、その先端にラティースを1滴つけて、上まつ毛の生え際に塗っていきます。下まつ毛には塗らないようにしてください。アイラインを引くようなイメージで行うとうまくできます。
アプリケーターは必ず清潔なものを使用し、瓶の口に付着しないように注意します。ラティースがまつ毛の生え際からはみ出してしまったら、ティッシュでふき取っておきましょう。アプリケーターは再利用しないこと。また二度付けすると雑菌が繁殖しやすくなるので、やめましょう。
目に直接触れるマスカラを初めとするアイメイクアイテムには雑菌が繁殖しやすいと言われています。ラティースも感染を防ぐために使用期限が過ぎたものは使わないようにしてください。アプリケーターは再利用しないこと。正規品のラティースには60本の使い捨てアプリケーターが付属していますが、正しい使用量を守っていれば、足りなくなったり、余ったりすることはないはずです。
また、まつ毛エクステも雑菌が繁殖しやすくなっています。ラティースを使う時はエクステを外してからにしましょう。
塗ったあと、まつ毛のラインからはみ出た部分はふき取っておきましょう。下まぶたについてしまってそのままにしておいたところ、産毛が濃くなってしまったという口コミもあります。
ラティースはもともと緑内障の治療薬だったため、眼圧に影響を与える可能性があります。眼科の診察を受けるときや眼圧検査をするときにはラティースを使用していることを医師に伝えるようにしましょう。もともと眼圧が高めの方や緑内障の治療をしている方は医師に相談してからラティースを使用するようにします。
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使用した人の85%が効果を実感しているというラティース。愛用者からは「もう手放せない」という絶賛する声も上がっていますが、ラティースには以下のような副作用も報告されています。
実際に使用した人からは「目の周りに赤紫っぽい色素沈着ができて、くまのように見える」「茶色いクマのような色素沈着が起こる」という声がよく聞かれます。使用を中止すると元に戻るようですが、しばらく色素沈着が治らなかったという声も多いため、気になる人は使用を控えた方がいいでしょう。なかには1カ月以上たってもクマのような色素沈着が消えなかったという声もあるため、大切な予定がある方は直前の使用を控えた方がいいでしょう。
ラティースに添付されている使用上の注意でもラティースは下まぶたに塗らないようにとなっていますが、これは下まぶたの皮膚が薄く、色素沈着が起こりやすいためでもあります。
なぎとくんみたいなまつ毛になりたくてせっせとラティース塗ってたんだけどまつ毛が伸びると共にちゃっかり色素沈着も…(´•̥ ω •̥` )
まつ毛が伸びるより色素沈着の方が嫌だからやめる(´•̥ ω •̥` )
なぎとくんみたいなナチュラル長ーいまつ毛羨ましい。憧れる。好き。— ちゃーみぃちゃん。 (@szmatsu4) 2017年1月30日
@haru_ma ラティース、ルミガンとほぼ同じ様な物がケアプロストですが使用を辞めれば色素沈着は戻りますし睫毛も普通の長さに戻りますwww
あと若干瞼が皺っぽくなるとの感想がたまにありますがそこは私は感じた事ないです。ミクロゲンパスタはまだ使った事無いのですがねw— やま祐(セルフ社畜) (@yamachan8musume) 2017年1月13日
ラティースは塗った直後に強いかゆみを感じることがあります。全体の4%程度の割合と高くはありませんが、アレルギー性結膜炎の方などは特にかゆみを感じやすいようです。もともと点眼薬としても使用される成分なので、目に入っても問題はなく急いで洗い流したりする必要はありません。かゆみや赤みが続くようであれば、目をこすらずに使用を中止して、眼科の診察を受けてください。なお、ラティースを点眼するのはやめましょう。
虹彩というのは黒目の部分の外側の茶色い部分のこと。まれにラティースの使用で虹彩に褐色の色素沈着が起こることがあるといわれ、この場合、元に戻らないケースも報告されています。これは緑内障の治療薬の副作用としても起こる症状です。
ただし、色素沈着が起きても視力などには影響がなく、日本人の虹彩はもともと濃い茶色や黒に近い色をしているため、色素沈着が起きても気がつかないことが多いようです。反対に、欧米人のようにブルーやグリーンなど瞳の色が薄い人は目立ちやすいと言えます。万が一、おかしいな?と感じたら、ラティースを処方してもらった医師に相談するようにしましょう。経過を観察する必要があります。
ラティースもルミガンもアラガン社なんか~
瞳の色が濃くなったり(外国のメーカーだからそういう報告が複数あって)、色素沈着の副作用は聞いてたけど、改めて、やっぱ怖いな・・— たぬき猫 (@ladycatwendy) 2015年8月29日
ラティースでまつ毛が濃く、はっきりしてくると「眉毛にも使えるのでは?」と考えたくなるもの。実際に使用して、眉毛が濃くなったという人もいますがメーカーでは眉毛への使用を推奨していません。また頭髪など、広範囲にわたって大量に塗布しようとすると、使用量を大幅にオーバーすることになり、全身に副作用が起こる可能性があります。頭皮に塗るのは絶対にやめましょう。
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ラティースは眼科やまつ毛貧毛症の治療を行っているクリニック、美容外科などで処方してもらうことができます。価格は3mlで税込15,000円程度というのが一般的。これに初診料などがかかります。事前にクリニックで取り扱いがあるか、初診料や診察料などを含めていくらかかるか電話で確認しておくとよいでしょう。
@nangoku_sweets 皮膚科でラティースっていう(最近は新しい名前に変わったみたいですが)のを出してもらえるんですけど、そこの病院では扱っていないのかもしれないですね。美容系を得意としてる皮膚科に行かれると良いかも。
— Camilla (@monburanjun) 2017年1月7日
ラティースの処方は自由診療となります。残念ながら、まつ毛貧毛症であっても同様です。薬の副作用などでまつ毛が抜けてしまった方は、まずかかりつけの医師に相談してみるとよいでしょう。
「まつ毛貧毛症(睫毛しょうもう貧毛症)の治療は、自由診療で行われます。自由診療は保険が適用されないため、全額自己負担となります』
出典 http://www.matsugeclinic.com/
ラティースは通販サイトや個人輸入サイトでも販売されているようですが、個人輸入のサイトでの購入はおすすめしません。ラティースに限ったことではありませんが、個人輸入で医薬品を海外から購入した場合、万が一、重篤な副作用が起きても医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
個人輸入で販売されている医薬品の中にはニセモノが含まれていることがあります。効果がないだけならまだしも、不適切な環境で製造されていたり、有害な成分が混じっていたりすることもあるかもしれません。まつ毛育毛剤であるラティースはデリケートな器官である目に入る可能性があります。実際、ラティースの偽造品を使用してまぶたがかぶれて炎症を起こしたり、赤くはれてしまったりするケースも起きています。
ラティースを使ってみたいという方は必ず眼科医や美容クリニックなど、医師の指導の下、処方してもらうようにしてください。
いかがでしたか? 使用した人の多くが「まつ毛が伸びた」「まつ毛が濃くなった」という変化を感じているまつ毛育毛剤・ラティース。生まれつきまつ毛が少ない人はもちろん、過剰なまつ毛ケアでまつ毛が少なくなってしまったというひとは一度、クリニックで相談してみてはいかがでしょうか。目力がぐんとアップして、エクステやマスカラが不要になるはずですよ!
*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。ことわりがない場合、記載した価格は、すべて税抜きです。また価格は変更になる場合があります。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。
美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。
しのぶ皮膚科
東海大学医学部卒業。皮膚科医として大学病院で経験を積み、都内の皮膚科にて副院長を歴任。2016年しのぶ皮膚科開院し院長に就任。
しのぶ皮膚科では、一般皮膚科治療はもちろん、美容治療はヒアルロン酸注入を中心に、先生目当てに患者様が来ている。安心してリピートできるクリニックとして人気に。さまざまなSNSで積極的に発信、テレビ出演も多数。
日本アンチエイジング外科・美容再生研究会認定医
日本皮膚科学会会員など
東海大学医学部卒
北里大学皮膚科
獨協大学皮膚科
新宿皮フ科副院長
しのぶ皮膚科院長
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