「美人女医インタビュー」、今回は東京都目黒区にある自由が丘クリニックの梶原朋恵先生です。自由が丘クリニックは、自由が丘の駅から、高級住宅街を抜けて、大通り沿いにある大きなクリニックです。ここでは、形成外科、皮膚科、美容外科、美容皮膚科のスペシャリストたちが専門に特化した診療を行っており、その皮膚科・美容皮膚科部門を担当しているのが、梶原先生です。
安心感を与える落ち着いた語り口で、なぜ美容に進出したか、ご自分の美容法、ワークライフバランスについての考えなど、しっかり話してくれました。

最初は父親を病気で亡くしたことがきっかけで医師を志しました

ーお医者さんを志した理由を教えてください。

梶原先生(以下K):きっかけは、10歳頃に父親を亡くしたことが大きいですね。その時に医師を目指そうと思いました。その後、皮膚科医になりたいと思ったのは、私自身アトピー性皮膚炎で中高生の頃に顔に皮疹が出ていたことが大きいです。赤みを人に見られて恥ずかしいという思いがありました。そのせいで、うつむいて歩いたりという辛い思いを経験したため、皮膚科に興味を持つようになりました。

ーお父さまも皮膚科医ですか?

K:父親は医療関係ではないです。

ーそうなんですね。一代というか、先生からということですね。

K:そうですね。親戚にはいますが、家族には医者はいないです。

ーアトピーはつらいですよね。先生は今までたくさんの患者さんを診られていると思いますが、アトピーの患者さんは藁にも縋る思いで来院されるのでは?

K:はい、アトピー性皮膚炎はお薬を正しい塗り方で塗っていただくことで、いい状態を保つことができると思います。ただ、ステロイドに対する恐怖心だったり、間違った知識があったりすることで、しっかり薬を塗れない人も多く、そのせいで良くならなかったり、悪化したりすることにも繋がるのではないかと思っています。

他には、日常のストレスや食生活なども皮疹の増悪に関係してきますね。医学的根拠のない民間療法なども多いので、そういうものに頼って標準治療が疎かになり、治療に難渋されている方もいらっしゃいます。

ー大学をご卒業されての経歴を教えてください。

K:はい。私が卒業する一年前から研修医制度が義務化されました。なので、愛媛大学医学部を卒業した後は、せっかくだったら研修医の指導システムがしっかり整備されているところでという気持ちから、東京の聖路加国際病院に二年間研修に行きました。

皮膚科に興味がありましたが、皮膚科は内科とも深く関連しているので、内科から始めてその後皮膚科を専攻しました。そのまま、聖路加国際病院に7年程度勤務しました。

ー愛媛から東京で勤務されたということですね。

K:はい。そのあとは結婚して主人の仕事の関係で北京に3年ほど行き、現地で外国人用の病院で皮膚科医として勤務しました。日本に戻ってきてから、自由が丘クリニックでの勤務を開始しました。

自由が丘クリニック梶原朋恵先生

皮膚科をやっていくに際して、やはり美容のことも分かっていたほうが、患者様にいろいろな治療の選択肢を提供することができると思いました

ーそうなんですね。ずっと皮膚科でこられてて、今は、保険診療だけではなくて自由診療、美容医療のほうもされているということで、美容の領域も診療しようと思った理由はありますか。

K:はい。皮膚科の患者様を診ていると、皮膚のお悩みで来られるので、痒い、赤みがある、腫れている、痛いということはもちろん、それ以外にも「このシミは?」とか「たるみをどうしたらいいですか?」など相談されることが多いです。

美容治療に関して、最初は知識が乏しかったため、どのようにアドバイスしていいのか困ったことも多々ありました。そういった経験から皮膚科医としては、美容のことも分かっていた方が、患者様に色々な治療の選択肢を提示することができると考えるようになりました。

ーやはり美容の相談は多いんですね。聞かれる患者さんは、アンチエイジング目的の40代〜50代のか方が多いですか?

K:年齢層は幅広いです。若い方の場合はニキビの赤みやニキビ跡などのお悩みが多いですね。40代以上の方は、患者様によって気にされることが異なるので、シワやたるみ、美白など様々な相談を受けます。

ニキビの赤みに関しては、炎症は飲み薬や塗り薬で抑えられるのですが、そのあとに残った血管拡張となると塗り薬では治療は難しくなります。しかし、美容もやっているクリニックであれば、レーザーや光治療といった選択肢をおススメすることができるところが利点だと思っています。

ーなるほど。ごく自然にというか、現場で診察されていてそういう要望が多かったので、そちらもされたと。

K:そうです。最初はそうせざるを得ないような感じでしたが(笑)、今では積極的に診ています。

ーいつも診てもらっている信頼のおける先生に聞きたいというのは通ってる患者さんとしてはあるでしょうね。いつもの先生に美容のほうも相談したいなと。分かりました。
美容の続きですけど、先生の美容医療の得意な施術はありますか?

自由が丘クリニック梶原朋恵先生

得意な治療は、レーザー治療、美肌治療、皮膚科全般です。ここのクリニックは専門特化していますので、質が高い医療を受けられるのではないかと思います

K:ここの自由が丘クリニックはそれぞれの医師の得意分野で担当を分けているので、私は、皮膚科、美容皮膚科です。得意な治療は、レーザー治療、美肌治療、皮膚科全般ですね。

ーヒアルロン酸注入などはされていますか?

K:注入はしていないです。注入のスペシャリストである(理事長の)古山先生と(院長の)佐藤先生が注入を担当しています。美容外科手術の専門は(総院長の)中北先生です。完全に専門に特化しています。

ー国内屈指というか、美容クリニックでここまでの分業と大きな施設はなかなかないですよね。

K:そうですね。そこがこのクリニックの強みですね。

ー将来的には注入もしたいという考えはありますか。

K:やってみたいというのはあります。時間を見つけては専門医である古山先生や佐藤先生の治療を見せていただいて、少しずつ勉強しています。

ー普段はレーザー治療を主にされている。

K:そうですね。レーザーや光治療になります。

ーなるほど。この自由が丘クリニックの特徴はありますか。先ほどでましたが、ここまで大きい施設は珍しいかもしれません。

K:そうですね。多くの医師が在籍しているので、注入は注入専門のドクターが、手術は手術専門のドクターと担当が分かれているところが、他のクリニックにはない特長だと思います。普通は大体一人のドクターが注入から手術、皮膚のシミ取りなど全部されることが多いのではないでしょうか。

当院は専門性を大事にしているので、その分、質の高い治療を行えるのではないかと思います。また自由診療だけでなく、保険診療も積極的に取り組んでいます。あとは脱毛治療やケミカルピーリングなど、他院では医療スタッフの方がされている施術をドクターが直接行っているという点も特長的です。

ースペシャリストが揃っている。

K:揃っています。あとは自由診療だけではなくて、保険診療もしているので、形成も皮膚もですね。ですので、例えば眼瞼下垂で保険適用があれば保険で手術させていただいています。保険でできる治療も提供してるので、診察させていただいて、患者様にそれぞれの治療法のメリット、デメリットを説明して、どちらがいいか選んでいただくということができます。患者様の治療の選択肢は広いと思います。

ーそれは広いですね。

K:自由診療のみだと、どうしても保険範囲内で処方できる治療や塗り薬が自費になってしまいます。当院は保険で出せるものは保険でお出しすることができるので、そこは患者様にもメリットがあると思います。

ー患者さんにとってもいいですね。

K:そうですね。あとは自由診療ではなくて、保険診療だけで来られている患者様も多くいらっしゃいます。

ーこの辺に住んでる方でしょうか?

K:はい。お近くの方でアトピー性皮膚炎の治療で定期的に診察や薬の処方で来られる方や喉が痛くて、風邪気味の方なども来られますね。お子様からご年配の方まで、幅広い層の患者様がいらっしゃいます。

ー風邪などは内科ということで?

K:内科ですね。高血圧、糖尿病などの専門的な薬の処方はしないのですが、喉が痛いとか、ムカムカする、下痢など急性期の症状に対して、診察しています。

自由が丘クリニック梶原朋恵先生

30、40代の患者様から上は70〜80代ぐらいの方までいらっしゃいますね。多いお悩みはシワ、たるみ、シミなどです

ー分かりました。この自由が丘という地に特有というか、来られる患者さんに多い悩みはありますか。この辺はいわゆる高級住宅街と言われていますね。

K:そうですね。美意識が高い方が多いと思います。

ー自由が丘の駅からここに来るまでにお城みたいな家がいっぱいありますね。

K:ありますね(笑)。どちらかというと、年齢層は高いかもしれません。若い方は20代の方もいらっしゃいますけど、多いのは30、40代の患者様から上は70〜80代ぐらいの方までいらっしゃいますね。多いお悩みはシワ、たるみ、シミなどです。

ー40代以降の方がアンチエイジング治療をしに来られるという。

K:そうですね。それと身体の不調があって、分子栄養学的な血液検査をして、どんな栄養素が足りてないかの検査もしているので、それで来られる方もいらっしゃいます。少し疲れが取れにくいとか、身体が不調で調べてほしいというような患者様です。

ー身体の中の健康状態を調べる?

K:はい。身体の状態を栄養バランスの面から評価しています。

ー食事とかですか?

K:はい。食事療法として食事を調整するのはもちろんですが、やはり食事だけでは栄養素が十分に摂れないことがあるので、血液検査をして、不十分な栄養素を効率的にサプリメントで補うというものです。その他に筋膜リリース注射という治療も提供しています。

自由が丘クリニック梶原朋恵先生

20代後半、30代ぐらいから肌の老化がどんどん加速してくるので、その頃からアンチエイジング対策をしておくといい状態でキープできると思います

ー分かりました。次に、女性のアンチエイジングについて。いつからアンチエイジング対策をするべきかを年齢で教えてください。

K:人によって気になりだす時期、気になる箇所は違ってくるので、一概には言えませんが、気になりだしたら対策するのでいいかなと思います。

ただ、一般的にいって20代後半、30代ぐらいから肌の老化がどんどん加速してくるので、それぐらいからしておくといい状態でキープできると思います。加齢とともにどうしても肌は衰えていくので、それを少しずつ底上げするみたいなかたちで、少し老化を遅らせるというようなかたちです。ですので、20代後半、30代に入ってから少しずつ始めるのもいいと思います。

ー最初にやるアンチエイジングでおすすめはありますか。まずこれをちょっとやっておいたほうがいいという。

K:個人のお肌によっても違いますが、一番さまざまなものに効くという施術が光治療だと思います。シミにも効くし、赤みにも効くし、ハリもだしてくれます。ですので、一つの施術で初めてということであれば、光治療がよいかもしれません。

ー初めてでもやりやすいですか?

K:そうですね。いろんなものに効果がありますので。

ーダウンタイムもそんなになくて。

K:ほとんどないです。もう10年以上定期的にされてる患者様がいて、その方は確かに肌の状態がとてもいいです。

ー光治療で、肌が明るくなるみたいな。

K:明るくなるし、シミとか、年を取ってくるといろいろな色が出てくるんです。赤、茶色、くすみとか。そういうものが全部なくなってくるみたいな感じですね。色の不均一さもなくなって、肌のハリも出てきて、赤みもなくなっていくという感じです。

ーオールラウンドというか全般的によくなるという。

K:何にでも効くという感じですね。一番人気がある施術です。実際に効果を実感されるので、定期的に治療に来られる患者様も多いです。

(自分で)注入はしてみたいと思いますね。注入した直後から変わるので、かなり変化が実感できると思います

自由が丘クリニック梶原朋恵先生

ー分かりました。先生ご自身の結果が出た美容法、先生がこの美貌をどうやって保たれているかが知りたいです。化粧品や施術など。

K:普段は保湿と日焼け止めをしっかりするのと、あとはときどきピーリング剤が入っている洗顔石鹸でピーリングをしています。
   
ボトックスもしたいのですが、子供がまだ小さくて授乳しているので、現在注入系ができないです。でも、注入はしてみたいと思いますね。注入した直後から変わるので、かなり変化が実感できると思います。

ーそのほかに例えば運動、睡眠、あとお酒を控えるとか、ありますか? 中身からきれいにするという話もちょっとでたので、例えばサプリとかですね。

K:サプリはビタミンB群、Cなどを摂っています。食事は特に気をつけているというのはあまりないですが、毎朝酵素入りのジュースを飲んでいます。

ー睡眠は普通に取られていますか?

K:睡眠はしっかり取るようにしています。睡眠が短くなると、肌の調子も少し悪くなるかなというのは、自分自身も実感しますね。乾燥しやすくなったり、お化粧ののりが悪かったりというのは睡眠とやはり食事も関係あるかなと思います。

ー秋、冬も紫外線対策は必要ですか。

K:はい。夏ほどは強くはないですけど、曇ってても紫外線はありますので、年中日焼け止めは塗ったほうがいいです。

ー年中ですか。

K:年中ですね。私は朝起きて基本は顔を洗ったらすぐに塗るようにしています。

ー出かけるときは必ず塗りますか?

日焼けはシミだけではなくて、シワの原因にもなるので、あと皮膚がんもありますので、日焼け止めは年中できれば塗っておいたほうがいいです

K:はい。出かけないときも、家の中でも塗ってます。窓ガラスから紫外線が入ってきますので。

ー透過して入ってくると。

K:そうですね。日焼けはシミだけではなくて、シワの原因にもなります。あと皮膚がんとか。日焼け止めは顔、首だけでもいいので、一年中塗っておいた方がいいと思います。
身体は紫外線に当たらないとビタミンDが作られないので、年齢とともに骨粗鬆症のリスクも増えてきます。
顔や首、手の甲など気になるところだけは塗っていただいて、一日の紫外線の照射は10〜30分ぐらいでいいと言われているので、紫外線が強くない時間帯に10分ほどちょっと日に当たってビタミンDを補給するのがいいと思います。ビタミンDは摂取するよりも紫外線にあたったほうが生成効率がよいと言われています。

ー自然が一番と。

K:自然に。紫外線に当たったほうがビタミンD内服より血中濃度の上がりもいいとは言われていますので、一番効率的なのは紫外線を10分ぐらい浴びることです。あと骨を強くするためにはやはり運動もした方がいいですね。

“自由が丘クリニック梶原朋恵先生"

ー分かりました。先生のオフ、休みの過ごし方とか趣味、特技を教えてください。

K:休みはできるだけ家族と過ごすようにしてます。趣味は昔はゴルフやダイビングをしていました。

ーけっこう活発ですね。

K:大学のときは海外旅行が好きで、いろんな国に行きましたが、子供が生まれてからなかなかゴルフやダイビングの機会がなくて。今は子供中心の生活になっています。

ーあと仕事ですね。

K:はい。仕事の日は子供と過ごす時間が少ないので、お休みのときはできるだけ一緒に過ごすようにしています。

ーなるほど。その続きですけど、ワークライフバランスや働き方について。特に女性の働き方について別に医療でなくてもいいんですけど、どういう考えをお持ちでしょうか。

K:子育てや家庭と仕事を両立するのは、やはりなかなか難しいかなとは思います。私は、今、非常勤で週に3〜4日というかたちで働かせてもらっているので、周囲に助けてもらいながら何とか両立している状態です。

ーそれ以上になると?

K:それ以上だとちょっと少し厳しい……かもですね。家庭のほうがちょっと疎かになってしまうかなというのはありますね。やはり家のことがいろいろと、掃除、子供の世話だったり(笑)。

ー旦那様もお医者さんですか?

K:違います。主人が仕事が忙しいので、週末も子供をお願いして私が仕事というのもなかなか……。あまり自分のことばかり優先してしまうと家庭が崩壊しかねないので(笑)、そこはちょっと譲って、自分ができる範囲内でするというのがいいかもしれないですね。

共働きでお互いやりたいことをそれぞれ優先してしまうと、一緒に生活してると、どうしてもどこかでうまくいかなかったりすることもありますので。

ーバランスが……。

K:お互いの話し合いで、時間を設けて、家での時間を作ったり。そうしたほうがいいかなという気はしますね。

ー分かりました。さっきちょっと聞き忘れたことがあって、保険診療を今もずっとやられていて、同時に自由診療のほうもやられていて、診るときに違いというか、対応の違いなどはありますか?

K:あまりないです。一緒ですね。

ー特に分けてはいないと。

K:はい。分けてはないですね。大体の患者様は自由診療か保険診療かというよりは、ここは両方していますので、患者様のお悩みに応じて保険診療になったり、自由診療になったりというかたちになりますね。

ーなるほど。患者さんのほうもくっきり分けて来られるというよりは、先にお悩みがあってそれを相談されるという。

K:そうですね。

ー今日はありがとうございました。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

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【自由が丘クリニック公式サイト】
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撮影:Take Ohta(SIMA)

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監修:

梶原朋恵 医師

自由が丘クリニック

愛媛大学医学部医学科卒業。大学病院にて内科、皮膚科の経験を積む。2013年より自由が丘クリニック 皮膚科・美容皮膚科に勤務。大学病院で非常勤勤務も行う。
10代の頃アトピー性皮膚炎に悩まされ皮膚科医を目指し、患者様からシミやたるみの相談も聞くようになり美容医療の道へと進む。自由が丘クリニックでは各分野の専門性の高い医師が集まり、その中の皮膚科、美容皮膚科のスペシャリストとして活躍しています。

日本皮膚科学会

愛媛大学医学部医学科卒
聖路加国際病院 内科、皮膚科
虎ノ門病院 皮膚科
ラッフルズメディカル北京 皮膚科
2013年 自由が丘クリニック 皮膚科・美容皮膚科

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