美容皮膚科でできる切らない治療など、負担が比較的少なくなり、選択肢が広がってきつつある婦人科治療。閉経前後の女性、産後の女性、ホルモンバランスを崩した若い女性のデリケートゾーンの悩みを解消するレーザー治療機の「フェムタッチ」について、U CLINIC SHINJUKU(ユークリニック新宿)の日原文華医師に詳しくお話を伺ってきました。

日常なかなか意識しない膣のエイジングケアも大切とのこと、比較的痛み、ダウンタイム少なく治療できるフェムタッチを検討してみてください。

膣粘膜に直接レーザーを照射、蒸散させて傷をつけることでコラーゲンの新生や血管新生を促します。それにより粘膜が厚くなり、膣粘膜のリジュビネーション(若返り)をしていく治療になります

U CLINIC SHINJUKU日原文華医師

ーフェムタッチの効果、特徴を教えてください。

日原先生(以下H):フェムタッチは膣用のCO₂レーザーになります。閉経後の女性は、エストロゲンが低下することによって膣粘膜が萎縮していきます。膣粘膜が萎縮するとかゆみ、乾燥、性交痛の症状がみられ、これまでの治療方法は膣の中にジェルを入れる方法、手術でサイズを小さくする方法、ホルモン補充療法が主要でした。
手術はあくまでサイズダウン目的なので粘膜自体に効果は特にありません。

ホルモン補充療法は粘膜によい作用をしますが、ホルモンを投与することに対して抵抗のある方や、婦人科系のがんや流産の既往のある方は適応がなく、すべての方に対応できる治療ではありませんでした。
そこへ登場したのが、CO₂レーザーのフェムタッチです。膣粘膜に直接レーザーを照射します。粘膜を蒸散させて傷をつけることでコラーゲンの新生や血管新生を促します。それにより粘膜が厚くなり、膣粘膜のリジュビネーション(若返り)をしていく治療になります。

ーフェムタッチのメリット・デメリットはありますか。

H:メリットは痛みを伴わないことです。デメリットは、婦人科系のがん、ヘルペス、カンジダ、性器の感染症のある方が適応にならないことです。他には、一定の効果がない方もいらっしゃるので、効果については個人差があります。

ー照射をしてどのくらいの期間で効果は出てきますか。

H:コラーゲンの新生、血管新生が行なわれて1カ月程度で粘膜が厚くなっていきます。

ーフェムタッチの挿入時の感覚や痛みのレベルはどのくらいでしょうか。

H:挿入はそこまで痛みはないです。照射の際、痛みのレベルを患者様に10段階でお聞きすると、1または2程度で「特につらい痛みはない」とおっしゃる方がほとんどです。麻酔も必要ありません。

お悩みの内容としては、かゆみ、乾燥、性交痛になります

U CLINIC SHINJUKU日原文華医師

ーそうなんですね。照射する際に違和感や不快感などを感じることはありますか。

H:少し違和感を感じる方もいますが、基本的に特別違和感を感じる方は今のところいません。また、チクチクする感覚を訴えられる方も聞いたことがないです。

ー来院される患者様の年齢層とお悩みについて教えてください。

H:年齢層は、女性ホルモンが下がってくる閉経後の女性が多いです。当院の患者層は、40代から50代後半の方が多いです。お悩みの内容としては、かゆみ、乾燥、性交痛になります。

膣内の症状に対しては奥から手前まで360度全体を照射します

U CLINIC SHINJUKU日原文華医師

ー症状によって照射する場所は変わりますか。

H:膣内の症状に対しては奥から手前まで360度全体を照射します。膣の入り口や外陰部のかゆみ、乾燥に対しては、外陰部用の照射が可能です。

ー外陰部もフェムタッチで治療を行う。

H:はい、フェムタッチと同じレーザーで照射しますが、外陰部は痛みを伴います。そのため、麻酔クリームを使いながら施術を行います。

ー外陰部の色みにも効果はありますか?

H:色みに関しては効果はないです。外陰部の萎縮や乾燥、かゆみを感じられている方向けの治療になります。

若い方も施術可能です。お肌のエイジングケアと同じで、膣に関しても早めに治療することで予防になります

U CLINIC SHINJUKU日原文華医師

ー40歳以上の方が多く来院されるとお聞きしましたが、年齢制限はありますか。

H:若い方でもホルモンが低下して来院される方もいます。また、産後で膣のゆるみが気になる方もいらっしゃるので、若い方も施術可能です。お肌のエイジングケアと同じで、膣に関しても早めに治療することで予防になります。

ー施術後、ダウンタイム中に注意することはありますか?

H:施術後72時間は激しい運動、性交、湯船に浸かることは控えていただいています。また、施術後数日間は茶色のおりもののようなものが出る方がいます。その場合は、おさまるまで運動、性交は避けていただくようにお願いしています。また、膣内に傷をつける治療になるので、清潔に保っていただくことが大事になります。

▼デリケートゾーン治療に関する医師監修記事はこちら

CO₂レーザーは高いエネルギーになるので粘膜自体に傷をつける効果が非常に高くなります

U CLINIC SHINJUKU日原文華医師

ー膣の治療に関して、CO₂レーザーだとモナリザタッチ、ハイフや高周波での治療、フィラー(ヒアルロン酸など)による治療など、フェムタッチに似た施術がたくさんがありますが、それぞれの違いについて教えてください。

H:まず、フェムタッチになどよるCO₂レーザーと高周波やハイフの2つに大きく分けられます。
高周波やハイフの治療は、たんぱく凝固作用で引き締めを行っていくもので、温度が60度程度までしか上がらず、CO₂レーザーと比べると温度が低めになります。

CO₂レーザーは高いエネルギーになるので粘膜自体に傷をつける効果が非常に高くなります。高いエネルギーで照射することで粘膜上皮が厚くなるので、CO₂レーザーのほうが効果的になります。同じCO₂レーザーの中でモナリザタッチがありますが、フェムタッチと同じ原理です。

フィラー(ヒアルロン酸など)は、サイズを小さくすることが主眼になりますので、粘膜上皮に対する作用に関しては、フェムタッチのCO₂レーザーのほうが強くよい影響があります。

ーたくさん施術がある中で、どのようなことに気を付けて施術を選択するとよいでしょうか。

H:サイズダウンに関しては、手術やフィラーをお勧めしています。CO₂レーザーと高周波の両方を受けられた方があまり多くないので、どちらのほうが効果的かは、お伝えしづらいです。施術をして効果の実感を得られるほうを選択していただければと思います。

個人差がありますが、複数回の照射は必要になります。最低でも3回ぐらい施術を受けていただけると効果の実感を得られます

U CLINIC SHINJUKU日原文華医師

ー切る治療方法とフェムタッチなどの切らない治療方法のメリット・デメリットについて教えてください。

H:まず切る治療方法は、サイズダウンを目的としているので、ゆるみに関してはとても効果的でメリットがあります。ただ、ダウンタイムが長いこと、粘膜自体の改善にはつながらないことがデメリットになります。

切らない治療方法は、ダウンタイムが短く、施術を受けやすいことが一番のメリットになります。粘膜などの改善は図れますが、筋肉が伸び切ったところに関しての改善には効果を得られません。
また、一回で効果を得られない方もいますので、複数回照射をされたほうが効果の実感は得られやすいと思います。手術ですと1回で済みますので、複数回通院するという意味ではデメリットに感じられる方もいます。

ーフェムタッチの費用について教えてください。

H:1回10万円で3回だと25万円で施術できます。1回で効果の実感を得られる方もいらっしゃいますが、膣の萎縮具合によっては効果が得られるまで回数がかかります。

ーそうなんですね。治療の期間は平均的にどのくらいになりますか。

H:個人差がありますが、複数回の照射は必要になります。最低でも3回ぐらい施術を受けていただけると効果の実感を得られます。3〜5回程、受けられる方が平均的に多いです。

フェムタッチだけでも十分効果があるので、アフターケアなしでも効果は持続します

U CLINIC SHINJUKU日原文華医師

ーメンテナンスのペースはどのくらいでしょうか。

H:初期は1カ月に1回のペースで通っていただきます。効果を感じられた頃からは、期間を延ばして半年に1回、その後は1年に1回で維持をしていくのが目安です。

ー効果を長持ちさせるためのアフターケアはありますか。

H:ジェルなどを入れる方法がありますが、フェムタッチだけでも十分効果があるので、ケアなしでも効果は持続します。

ーフェムタッチの施術をして効果が出た患者様の感想はありますでしょうか。

H:性交痛がよくなった、かゆみ、乾燥が改善されて気にならなくなったという声が多いです。

CO₂レーザーに関しては、製造メーカーのルミナス社の機械を一番信用をしています。それは均一にしっかりと照射ができるからです

U CLINIC SHINJUKU日原文華医師

ーフェムタッチを国内で導入されてるクリニックは少ないと思いますが、こちらで導入された決め手はなんでしょうか。

H:フェムタッチ以外の膣用の機械は様々な種類が出回っていますが、CO₂レーザーに関しては、製造メーカーのルミナス社の機械を一番信用をしています。それは均一にしっかりと照射ができるからです。

ホクロの治療やしみの治療にルミナス社のCO₂レーザーを使用していますが、膣内の照射になると盲目的になるので、自分の目で見られないという点では、機械の性能がとても大切になります。そのため、ルミナス社の膣用レーザーを導入しました。

ー婦人科系の治療に関しての情報収集はどこですればよいでしょうか。

H:とてもデリケートな分野ですので、大々的に広告は出していなく、SNS等の広告にも出しづらいのが現状です。ご相談がある場合には診察いたします。
美容自体が徐々に浸透し始めているので、婦人科系の美容も今後増えてくるのではと思います。

▼婦人科形成・デリケートゾーン治療の医師監修各施術詳細(概要、ダウンタイム、費用、リスク等)はこちら

プライバシーに関しては一番配慮をしています。ただ配慮のしすぎで、しっかりと診察ができないのは意味がないので、患者様としっかり話しやすい環境を作ることを意識しています

U CLINIC SHINJUKU日原文華医師

ー産後で悩む方も多い気がしますが、産婦人科医からは症状の改善に関して教えてもらえないので、そこで知れたらいいのかなと思いますが。

H:産婦人科の先生でももしかしたらフェムタッチなどはご存じない先生もいらっしゃるかもしれないです。しかしこの施術方法は自由診療の分野になり、どこでもできる治療ではないので、そこは課題になります。

若い方でも産後は悩まれてる方は大勢いらっしゃると思いますし、閉経後の膣委縮に関しては8割の女性が悩んでいると聞きます。ただデリケートなお話なので、多くの女性は相談できる場所が現状少なく、相談できる場を今後作ること、情報を発信していくことが課題になります。

ーありがとうございます。先生がカウンセリングの際に気を付けていることはありますか?

H:とてもデリケートな内容になりますのでプライバシーに関しては一番配慮をしています。ただ配慮のしすぎで、しっかりと診察ができないのは意味がないので、患者様としっかり話しやすい環境を作ることを意識しています。

ー本日は貴重なお話ありがとうございました。

H:ありがとうございました。

フェムタッチの費用:1回¥110,000

フェムタッチのリスク・副作用:1回で確実な効果が出る保証はありません。粘膜に非常に小さな傷をつけていきますので、通常問題ありませんが血性の分泌物、感染のリスクがあります。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込です。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

U CLINIC SHINJUKU日原文華医師

U CLINIC SHINJUKU
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 リンクスクウェア新宿3F
電話番号:03-5366-8920
診療時間:11:00~20:00 休診日:日曜
公式サイト

※日原医師の診察をご希望の場合、ご予約時にその旨お伝え下さい。
撮影:Take Ohta(SIMA)

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監修:

日原文華 医師

U CLINIC SHINJUKU

聖マリアンナ医科大学卒業。形成外科出身。その後、美容外科、美容皮膚科、脱毛、保険診療など多くの科目を診療するU CLINIC SHNINJUKUに勤務し、婦人科形成などを担当。

聖マリアンナ医科大学 卒業
U CLINIC SHINJUKU 入職

この記事の監修ドクターが所属するクリニック

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