顔の中心にある鼻は、顔全体のバランスを左右する重要なパーツ。鼻の形を整えるだけで、顔の印象が変わることもあります。そんな鼻の黄金比率や、解剖学の観点からみた理想の鼻の形についてご説明します。

理想的な鼻の形をご存知ですか?

顔には美の黄金比率があります。下のイラストを見てください。左側のイラストは正面からの、右側のイラストは横から見た場合の黄金比率を表しています。

理想的な鼻の黄金比率
https://www.primo-clinic.jp/

左側のイラストは、顔の上部に1/5が5つ並んでいます。これは目の幅を基準とし、イラストのように5等分になるのが美しいとされています。鼻で考えると、鼻の付け根や鼻のふくらみ部分の位置がどこになると美しいのか、という部分で参考になります。また、目じりと鼻の角度、鼻下から唇、アゴまでの間隔などが左のイラストで示されています。

右側のイラストは、角度について主に説明しています。鼻を高くしたいという方はよくいらっしゃいますが、高くすれば良いというわけでもありません。美しい角度があるというのが、右側のイラストから分かるかと思います。

理想的な鼻の角度

横から見た場合の鼻の角度について、もう少し詳しく説明しましょう。美容整形で理想の鼻の形を目指す場合、気にしたい角度は3つあります。

1.nasofacial angle

横からみた鼻の理想的な角度1

イラストでは、眉間からアゴ先のライン、目頭から鼻先を結ぶラインを交差させています。この2つのラインが交わった時に、鼻先とアゴ先の角度が36~40度になるのが美しいとされており、プロテーゼなどで鼻の高さを決める際に、参考にするポイントです。

2.nasofrontal angle

横からみた鼻の理想的な角度2

眉間から鼻の付け根、鼻の付け根から鼻先にかけての2つのラインを交差させた場合の角度です。この角度は115~130度が美しいとされており、眉間に丸みが足りない場合はヒアルロン酸などを注入して角度を整えることも可能です。

3.nasolabial angle

鼻柱と唇の角度の黄金比
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鼻柱(鼻の穴の中心部分)と唇の角度に関する黄金比です。イラストでは100~110度と示されていますが、男女で理想的な角度が異なります。男性は90~100度、女性は100~110度が美しいとされています。

鼻が上向き(いわゆるブタ鼻)になっている方は、この角度が広くなっていますので、これは鼻中隔延長術という手術で鼻先の向きを下向きにすると改善いたします。

このように、顔全体のバランスを黄金比率に近づけることで、理想的な鼻の形に整えやすくなります。一度鏡でご自分の鼻を確認されてみてはいかがでしょうか。

解剖から考える、鼻の整形

鼻は筋肉、脂肪、皮膚、そして複数の軟骨からできています。鼻にはしっかり固定されて動かせない部分と、比較的動かしやすい部分があります。
鼻の構造

イラストで紹介している軟骨の中で、固定がゆるく動かしやすいのは、鼻先にある鼻翼軟骨です。

続いて、横から見た鼻の断面図です。

横から見た鼻の断面図
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鼻骨は骨なので硬くて動かせませんが、鼻中隔軟骨(水色部分)の中でも、前方にある軟骨は薄くて柔らかいので、鼻先を横方向に動かして形を整えることができます。

鼻の美容整形手術では、動かしにくい部分を土台にしつつ、動かしやすい部分を中心に鼻の形を整えていくように様々な技術が生まれています。
丸い鼻をスッキリさせるための鼻尖縮小術は3次元的に横からもシャープにする方法が、より美しい洗練された鼻先になるため好まれます(鼻尖縮小術3D法)。
この方法は稼働する鼻翼軟骨のみで移植形成する方法です。

鼻の横幅を控えめにしたい場合は鼻翼縮小術が適応です。鼻翼縮小術は軟骨ではなく鼻の皮膚および軟部組織の形成を中心に行います。鼻の穴が見えやすいので見えにくくしたい場合は鼻孔縁形成術も選択肢の一つです。この場合は、耳からの皮膚軟骨複合移植を行います。

鼻中隔延長術は鼻先の可動性を活かし大きく雰囲気を変える際に重宝する手術となっています。
基本的な解剖をしっかりと理解したうえで医師から適切な手術の提案を受けた方が術式の理解が深まりやすいと思います。疑問はうやむやにせず、質問はどんどんなさって下さい。

悩んだら相談してみましょう

「自分の顔にとって、どのような鼻が最も美しく見えるのだろうか?」、「どうすると、今の悩みが解決するのか?」それらにお悩みの方は、鼻の手術に詳しい美容外科医に相談してみましょう。顔全体のバランスを見ながら、理想の鼻の形のアドバイス、ご希望の鼻について提案をしてくれることでしょう。

なお、本コラムでご説明した内容は、あくまでも一般的なものです。鼻の形や顔全体のバランスは人によって異なりますから、詳しいことはクリニックで医師にお尋ねください。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込です。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

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監修:

大場教弘 医師

プリモ麻布十番クリニック

大阪市立大学医学部卒業。大学病院では形成外科医として勤務。都内美容外科を経て、2009年プリモ麻布十番クリニックを開院。現在は理事長兼院長。形成外科専門医。
目元の外科治療全般、鼻の鼻中隔延長術などの症例が多く、他院での修正手術を希望する方も多いそう。自身のクリニック以外にも神戸大学医学部附属病院美容外科非常勤講師として活躍。

大阪市立大学医学部卒
大阪市立大学医学部付属病院形成外科・美容外科
大阪市立大学大学院医学研究科
大阪市立大学医学部付属病院形成外科・美容外科
リッツ美容外科 東京院
プリモ麻布十番クリニック理事長

この記事の監修ドクターが所属するクリニック

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