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出典 http://www.cinematoday.jp/

今、美容整形でもっとも盛んなのは「アンチエイジング」だ。美魔女ブームも相まって、美容整形マーケットは中高年世代に熱い眼差しを向ける。そんな女性たちもおののく美しさを保っているのが、女優の吉永小百合(御年70)。彼女のファンが「サユリスト」と呼ばれ、タモリをはじめ芸能界にも信奉者が多いことは周知の事実だが、70歳にしてあの美を保つ秘訣は一体、何なのか。あの容姿を維持するためには、多かれ少なかれ、なんらかの手を加える必要があるはずだが、吉永小百合からは一切「整形疑惑」が出ない。今回はそんな彼女の、底知れぬ美しさについて考えてみる。

目次

  • 「絶対整形していないと思う30歳以上の女性芸能人」3位に吉永小百合
  • 中村うさぎ氏が指摘した「吉永小百合は絶対、整形してる」
  • 「上品な年のとり方」という戦略
  • 吉永小百合の顔は「整形しなくても維持できる」?

「絶対整形していないと思う30歳以上の女性芸能人」3位に吉永小百合

コラムサイトgooランキングが、全国の男女500人に対し、「絶対整形していないと思う30歳以上の女性芸能人」を聞いたところ、1位は仲間由紀恵(36)、2位は深津絵里(42)、3位が吉永小百合(70)だった(「もうダマされない!絶対整形していないと思う「30歳以上の女性芸能人」は?」2015年4月15日)。アラフォーの実力派女優2人がトップなのは納得だが、70歳の吉永小百合も、堂々の3位だ。4位が木村多江、5位が広末涼子、6位が菅野美穂、7位が安達祐実という結果をみても、吉永小百合は群を抜いてトップの年齢。それだけ息の長い大女優ともいえるが、同じくらいの年齢の女性芸能人には、(ここでは名前を出さないが)整形疑惑が絶えない人もいる。なぜ吉永小百合だけが、「絶対整形していないと思う」といわれるのか。

吉永小百合『夢の続き』

出典 http://www.amazon.co.jp/

中村うさぎ氏が指摘した「吉永小百合は絶対、整形してる」

みずから美容整形を経験し、その様子を克明につづった作家の中村うさぎは、昨年、ブログで吉永小百合の美貌に触れ、次のように指摘した。

「(略)世の中の『サユリスト』とか自称してる吉永小百合ファンのおっさんたちは、彼女が絶対に整形してるはずがないって信じてるもの!清純で上品な吉永小百合が美容整形なんて俗悪な真似をするわけないってね。でも、言わせてもらうわよ。何の手も加えずに、69歳であの顔はあり得ないわよ!やってるに決まってんじゃない!(略)」(中村うさぎVSマッド高梨ガチBLOG!「吉永小百合は、そんじょそこらの60歳より、はるかに美しいんだから!」2014年8月11日

「何の手も加えずに、69歳であの顔はあり得ないわよ!やってるに決まってんじゃない!」……美容整形をした人は、同じ部位を整形した人を見ると「整形だ」と分かるらしい。中村は、メスを入れるフェイスリフトやシワ取り注射など、あらゆるアンチエイジング手術を試している。だからこそ、70歳の吉永小百合を見て「絶対にやってる」と感じるのだろう。

「上品な年のとり方」という戦略

確かに、元の容姿がずば抜けているとはいえ、70の女性が若い頃とほぼ同じ容姿を保つのは無理がある。吉永小百合も、プチ整形くらいはしているかもしれない。もしかしたら、バレないけれど大掛かりなアンチエイジング手術も……だとしたら、執刀医は相当レベルが高い。それくらい、彼女の年齢の重ね方は「自然」だ。シワもあるし、よく見れば頬も少したるんでいる。が、無理やりな若さではなく、上品に年を取っているようだ。「70歳の女性のなかで、最も美しい人」として君臨している。美しい歳の重ね方とでもいうべき、うまい戦略だと思う。

『吉永小百合プロマイド写真集 永遠の輝き』

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吉永小百合の顔は「整形しなくても維持できる」?

吉永小百合の顔は、決して派手ではない。中高年世代の有名人でいえば、杉本彩や国生さゆり系の派手顔美女ではなく、鈴木京香や高島礼子のような「男好きのする、静かな色気タイプ」だ。このタイプの顔は、大きな整形をしなくても、若さを維持しやすいのではないかと思う。よくいえばおとなしい、悪くいえば地味な顔立ちだから、(こんな表現は何だが)年を取っても”崩れづらい”のだ。

拙著『整形した女は幸せになっているのか』(星海社新書)でも触れたが、美容整形の第一人者である高梨真教氏によると、美人には「黄金比」がある(『マッド高梨の美容整形講座』マガジンハウス、2006より画像転載)。誰が見ても「美しい」と感じる人は、たいてい黄金比に近い顔をしている。下記図を見てほしい。どことなく吉永小百合っぽくないだろうか。おとなしく平均的な顔立ちだが、非の打ち所がないアジアンビューティー。ずっと眺めていても飽きない。吉永小百合が「絶対に整形していない」と思われる理由は、この「平均っぽさ」にもあるのかもしれない。彼女の顔は、黄金比に極めて近い。だから、年を取っても「”自然な美しさ”を保っている」と思われやすいのではないか。以下はもちろん憶測だが、吉永小百合が多少の”お直し”しかしなくても、綺麗な70歳でいられる秘訣は、彼女の「顔」そのものにあるのかもしれない。だとしたらもう、私たちはその美貌をあがめるしかない。

顔の黄金比図

出典 『マッド高梨の美容整形講座』マガジンハウス

北条かや

1986年、石川県金沢市生まれ。ライター。同志社大学社会学部、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。著書に『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』(いずれも星海社)。NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」、TOKYO MX「モーニングCROSS」などに出演する。
【Twitter】@kaya_hojo

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北条かやライター

1986年、石川県金沢市生まれ。ライター。同志社大学社会学部、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。著書に『こじらせ女子の日常』(宝島社)『本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)。その他の著書に『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』(いずれも星海社)がある。NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」、TOKYO MX「モーニングCROSS」などに出演。

同志社大学社会学部卒
京都大学大学院文学研究科修士課程修了
民間企業勤務を経てライター、著述家として活動

出演
『新世代が解く!ニッポンのジレンマ』(NHK)、『モーニングCROSS』(TOKYO MX)

著書
『キャバ嬢の社会学』(2014年星海社新書)
『整形した女は幸せになっているのか』(2015年星海社新書)
『本当は結婚したくないのだ症候群』(2016年青春出版社)
『王子様はどこへ消えた?――恋愛迷宮と婚活ブームの末路』(2019年青春出版社青春文庫)
『こじらせ女子の日常』(2016年宝島社)
『インターネットで死ぬということ』(2017年イースト・プレス )

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