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エイジングサインの中でも老けた印象とちょっと怖いイメージを与えてしまう、ゴルゴ線。ゴルゴ線とはご存知の通り、マンガ『ゴルゴ13』の主人公の顔にあるような、目頭から斜めに入るラインのことを指しています。ゴルゴ線は疲れた印象を与え、老け顔に見せるだけではなく女子力を半減させてしまう力のある、やっかいなサインです。ではゴルゴ線の原因とゴルゴ線を消すための対策について詳しくお話していきます。

目次

1.女子力を半減させる! ゴルゴ線を消すには?

ほうれい線やおでこのしわ、目元のしわなど多くのしわが加齢に伴うサインであるのに対し、ゴルゴ線は若い人にでも現れることがあります。まずはゴルゴ線が現れる原因から考えていきましょう。

1-1.ゴルゴ線とは

ゴルゴ線はミッドチークラインと呼ばれることもあります。目頭から頬を横切るように入るライン。しわのようにも見えることもありますが、実はしわとは違い、何らかの原因で顔の皮膚にくぼみができて影ができることで浮かぶラインです。そのため他のしわのように乾燥を改善する保湿ケアでは改善させることができません。

このラインがあると疲れた印象を与え、見た目年齢が上がってしまいます。さらに「ゴルゴ線」と呼ばれるそのイメージのせいか、女性らしい印象からは程遠いイメージを与えてしまい、女子力が半減してしまうのがネックです。

1-2.ゴルゴ線ができる原因とは

ゴルゴ線ができる原因はいくつかあります。ひとつずつ見ていきましょう。

■表情筋の衰え

皮膚のすぐ下にある顔の表情を作り出す筋肉がゆるむと、肌や脂肪をささえきれなくなってたるみが起こります。すると肌にくぼみができて影となり、ゴルゴ線ができるのです。

そして、加齢が進むと顔全体が痩せてくるため、余計に筋肉の衰えが目立ち、ゴルゴ線が深くなっていくのです。

■スマホやPCの長時間使用や猫背姿勢

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「1日パソコンとにらめっこして残業を終えたあと、鏡を見たらうっすらゴルゴ線が浮かんでいた……」そんな経験を持つ若い女性が増えているようです。皆さんにも経験はありませんか?

パソコンやスマホの画面を覗くとき、つい猫背になってあごを突き出すような姿勢になりがち。すると首の後ろの筋肉が縮み、首前面の筋肉が下方向へ引っ張られます。すると頬の筋肉も下垂し、頬がたるみゴルゴ線やほうれい線の原因となるのです。画面を見ている間は無表情になることがほとんどなので、表情筋の衰え、たるみにもつながります。

このような姿勢を続けているとひどい肩こりや首の痛みに悩まされることも。慢性的な肩こりが気になる方は要注意です。電子機器を使う時は姿勢をただし、目線を下げすぎないようなポジションで使うことが大切です。
また、疲れた状態が続くと頬の脂肪の水分量が減り、さらにゴルゴ線が目立つようになってくるので注意してくださいね。

■もともとの骨格や靭帯の発達具合によるもの

ゴルゴ線に悩む方の中には「10代のころからゴルゴ線がある」という人もいるのではないでしょうか。骨格や顔の靭帯の発達具合はひとそれぞれ異なり、場合によっては非常に若い頃からゴルゴ線が現れる人もいます。

1-3.ゴルゴ線は年齢を問わずできる?

 

ゴルゴ線は年齢を問わずできる?

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ゴルゴ線はしわではありません。もちろん年齢による表情筋の衰えでゴルゴ線ができることもありますが、スマホやパソコンの使い過ぎや姿勢の悪さ、喫煙による血行の低下といったさまざまな原因によって20代後半くらいでもゴルゴ線ができることも。年齢を問わずに起こるトラブルと考えていいでしょう。

1-4.ゴルゴ線を消すセルフケア

できてしまったゴルゴ線を薄くするケアを紹介しましょう。目の下の筋肉を鍛えてたるみを減らすことでゴルゴ線を薄くすることができます。地道なケアですが、続けることで将来のゴルゴ線を予防することにもつながります。

■目の下のたるみを軽減するエクササイズ

正面を向いた状態から、両目で上を見ます。上まぶたはそのままの状態でまぶしいときの目のように下まぶただけを持ち上げて目を閉じる寸前で止めて5秒キープします。下まぶたに力が入った状態で薄目にするようなイメージで行ってください。おでこにしわを寄せないように注意してくださいね。

2.美容外科・美容皮膚科でゴルゴ線を消す方法

 

美容外科・美容皮膚科でゴルゴ線を消す方法

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ここからはより積極的にゴルゴ線にアプローチする美容外科・美容皮膚科での施術を紹介していきます。

2-1.ゴルゴ線を消す注入系の施術

注入系の施術はいくつかありますが、共通していることは「どこにどれぐらい注入するか、高い技術とセンスが求められる難しい施術」であること。クリニック選びは慎重に行ってください。

■ヒアルロン酸注射

顔のくぼんだ部分に持続性のあるヒアルロン酸を注射することで、肌をふっくらさせてゴルゴ線を目立たなくするもの。いきなり大量のヒアルロン酸を入れると不自然なしこりのようになってしまうことがあるので、はじめは少量を注入して様子をみるのがポイントです。

ゴルゴ線へのヒアルロン酸注射は目の近くにある動脈に間違って注射をするようなことがあれば、動脈を塞いでしまい失明につながる恐れがあります。韓国では実際に失明してしまったケースもあるそうです。

ヒアルロン酸注射は「プチ整形」として気軽に行えるイメージがあるかもしれませんが、ゴルゴ線解消のために施術する場合、医師の技術とヒアルロン酸の質が確かなクリニックを選ぶ必要があります。

ヒアルロン酸注射はヒアルロン酸1本当たりの価格が適用されます。クリニックによってかなり差があり、相場は20,000~100,000円程度となっています。

■脂肪注入

患者さん自身の脂肪を採取し、遠心分離器で濃縮させてからゴルゴ線が気になる部分に注入する施術。ゴルゴ線の溝がふっくらとして目立たなくなり、肌にハリを出すことができます。治療時間が10~30分と短く、異物反応を起こさないのがメリットです。
費用は140,000~350,000円程度。採取した脂肪を濃縮させる「採取作成料」と注入にかかる費用を別に設定しているところもあります。

■PRP(多血小板血漿)注入

患者さん自身の血液から採取したPRP(多血小板血漿)を注入して、肌のくぼみを改善し、ゴルゴ線を目立たなくする方法。血小板がもつ創傷治癒効果によって、コラーゲンが生成され、肌組織が再生されていくことで肌がふっくらとします。

患者さん自身の血液から採取する成分なので、アレルギーや感染症などの心配もありません。効果の持続は1年ほどですが、増大したコラーゲンが完全になくなることはないので不自然さがないのもメリットです。

PRP注入も仕上がりをイメージして適切な量を適切な場所に注入するという高い技術と経験が求められます。ヒアルロン酸注射と同様、しこりや不自然なふくらみといったリスクもゼロではないので、こちらも症例の多い確実な施術を行ってくれるクリニックを探すことが大切。
費用は一部位140,000~200,000円程度となります。

採血してPRPを抽出して注入を行うというと時間がかかりそうなイメージがありますが、施術はトータルで1時間程度と比較的短時間です。

2-2.ゴルゴ線を消す機器を使った施術

■サーマクール

肌を冷却しながら、高周波のRF波で熱エネルギーを照射するサーマクール。真皮に熱ダメージを与え、創傷治癒効果によってコラーゲンが増殖され、肌のたるみが引き締まるというメカニズムの治療方法です。
施術直後から実感できる引き締め効果のほか、数カ月かけてコラーゲンが再生されていくハリ効果が期待できるのが特徴となっています。

サーマクールなら、ゴルゴ線の改善はもちろんスキンタイトニング(肌全体の引き締め)効果が得られ、毛穴が目立たなくなりツヤもアップ。総合的なお肌のアンチエイジングケアが可能です。費用は頬のみの場合、1回100,000~180,000円程度となっています。

■ウルセラ

HIFU(ハイフ=High Intensity Focused Ultrasound) 高密度焦点式超音波治療法によって顔の深い部分にあるSMASと呼ばれる筋膜に熱ダメージを与え、創傷治癒効果によってリフトアップ効果を得る治療。
日本の厚生労働省にあたるアメリカのFDAから「リフトアップ効果のある治療器」として唯一、承認を受けているのがウルセラです。

サーマクールと同様、施術直後のリフトアップ効果と施術後、2~6カ月にかけて創傷治癒効果によってコラーゲンが再生され、肌が引き締まっていくのを実感できます。費用は頬のみの場合、150,000~200,000円程度。

2-3.ゴルゴ線を消す糸を使う治療

■ウルトラVリフト

吸収性のある糸を皮ふに刺し入れてリフトアップを図り、ゴルゴ線を解消する施術。ゴルゴ線のような顔正面のリフティングに最適です。たるんだ肌を持ち上げるようにして糸を刺し入れ、持ち上げた状態で固定します。

糸が肌に挿入されたことによって内部の組織が刺激され、周囲のコラーゲンが増殖するので、肌のハリもアップ。ウルトラVリフトの糸は吸収されるので、後遺症もなく、異物が残ったような違和感もありません。肌に異物が残るのは不安という方にオススメです。

効果の持続は7カ月〜1年程度。糸は60~100本程度刺入するのが一般的で、頬のみの場合120,000~180,000円程度が相場です。

3.まとめ

女子力を半減させるゴルゴ線はしわと違って、一度できてしまうと改善するのが難しい症状です。日ごろの姿勢や生活習慣などによって若い方でもゴルゴ線ができることもあるので、まずは正しい姿勢で過ごすことや禁煙すること、睡眠をたっぷりとることなどできることから初めてみてはいかがでしょうか。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込です。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

Emiri

Emiri

美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。


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監修:

稲葉岳也 医師

いなばクリニック

東京慈恵会医科大医学部卒業。大学病院にて経験を積み、横浜市でいなばクリニックを開院する。一般皮膚科をメインにしつつも、美容皮膚科治療も積極的に行っています。
特に、多くの機器を導入しているレーザー治療、光治療においては地域の美容かかりつけクリニックとしてリピーターが多い。HIFUテクノロジーのウルトラセルQプラスなど話題の機器も抑えています。

東京慈恵会医科大医学部卒
慈恵医大附属病院
聖路加国際病院
いなばクリニック院長

この記事の監修ドクターが所属するクリニック

形成外科 美容外科 皮膚科 美容皮膚科
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