人気企画「美人女医インタビュー」第四十回は、東京・渋谷センター街のど真ん中に位置するアーククリニックの河合朝奈(かわい あさな)先生です。
レーザー治療に関して、造詣が深く、日々研究している河合先生。ピコレーザー治療でのマニアックなひと工夫も解説してくれました。真っ白で、透き通るような肌の持ち主の気になる美容法は? 紫外線対策、エイジングケアについての説得力あるお話は必見です。
仕事中心の日々のなかでも育児と両立をしているママ女医の河合先生のわかりやすく丁寧なインタビューをどうぞ!

目次

  • ・医師を志した理由
  • ・大学卒業後の経歴
  • ・美容医療を志した理由
  • ・得意な施術について
  • ・アーククリニックの特徴について
  • ・ピコレーザーのメリットについて
  • ・来られる患者様に多いお悩みについて
  • ・痛み対策について
  • ・女性のエイジングケア開始時期について
  • ・自身で結果が出た美容医療施術について
  • ・アーククリニックの将来像
  • ・オフ、休みの過ごし方について
  • ・ワークライフバランス、働き方について
  • ・憧れの医師について
  • ・SNSで注目している医師について

形成外科時代に美容のバイトを並行してやっていましたので、形成の技術を身に着けながら、自然と美容についての知識も深めていけました

アーククリニック河合朝奈医師

ー河合先生が医師を志した理由を教えてください。

河合先生(以下K):祖父母の代から開業医でしたので、私にとって医師になることは、自然な選択でした。

ー医師以外は考えたことはありましたか?

K:大学入学をきっかけに東京に上京して、東京の生活は楽しく、様々な企業の方の考えやお話などを聞く機会がありました。自分が知らない広い世界がたくさんあると気づいたので、他の職業も魅力的に思ったことはあります。しかしすでに医学部に入っていましたので(笑)。

ー大学ご卒業後の経歴について教えてください。

K:初期研修は東京高輪病院という中規模の総合病院でした。初期研修の間に結婚をしたので主人の都合で名古屋に引っ越し、名古屋では第一赤十字病院の形成外科に入局しました。そこで3年ほど勤務をして美容医療に入りました。形成外科時代に美容のバイトを並行してやっていましたので、形成の技術を身に着けながら、自然と美容についての知識も深めていけました。

ーご主人も医師ですか?

K:主人は医師ではなく、全く違う業界で、経営者をしています。

ー今は東京でご一緒に?

K:名古屋で3年過ごしている間も、主人も私も東京と名古屋で仕事があったので、何度も行き来はしていました。今も名古屋に家がありますが、東京と名古屋のどちらでこのコロナ期間を過ごすか考えた結果、今は東京をメインで過ごしています。

美容のバイトをしていたときはひとり一人の時間を確保して診療でき、ヒアリングに時間をかけられ、こちらから質問ができる環境がありました

アーククリニック河合朝奈医師

ー美容医療を目指したきっかけは。

K:医師になり、最初は大きい病院で保険診療をするわけですが、大きい病院での保険診療となると、午前中の外来枠で20~30人の患者様を診察します。午後は小さいオペも含めて5〜10件ある日もあり、その間に動いていると、人数と時間に追われているので、外来の一人あたりの時間が5分であったり、短い方で2~3分になってしまい、十分な時間が確保できない環境でした。そのような環境は、私が理想とする診療スタイルではなく、患者様に全然寄り添えてないと感じていました。

一方で、美容のバイトをしていたときはひとり一人の時間を確保して診療でき、ヒアリングに時間をかけられ、こちらから質問ができる環境がありました。私に美容皮膚科を指導して下さった師匠のような先生がいるのですが、その先生の患者様第一で考えられた診療に感銘を受け、こういう姿勢でありたいという理想があります。

そもそも美容は好きな分野ですので、今後のキャリアを考えたときに自分が働きやすい環境でやっていきたいなと思ったのが、美容に移った理由になります。

ーでは、得意な施術について教えてください。

K:ずっと好きなのはレーザー治療全般です。様々な種類のレーザーがありますので、マニアックなことも含めてレーザーについて勉強するのが好きです。あとは手先を使う施術としてヒアルロン酸やボトックスなどの注入系の治療でお顔立ちを少し整えたり、エイジングケアを主に得意としてます。

ー先ほどおっしゃったレーザーに関するマニアックなこととは、具体的にどのようなことでしょうか?

K:一概にシミ取りのレーザーと言っても、スキンタイプの個人差は大きいためプロトコル通りの設定の照射ではなかなか治療効果が出ないこともあります。複数の波長を組み合わせて照射をしたり、マイルドな出力で重ねて照射をすることにより良好な反応を得られるようにあれこれと工夫をします。

第一優先は、施術後の色素沈着などのトラブルを最小限にすることです。そこを守りつつ効果を最大限に引き出すための攻めの照射を行う内容は日々精度が上がっている気がします。

ピコレーザーは、もともとの粉砕レベルがかなり細かいので、エネルギー数値を高く設定しなくても十分な効果が得られます

河合朝奈医師カウンセリング

ーアーククリニックでは河合先生の得意なレーザーのメニューがたくさんありますが、その中でもピコレーザーのメリットについて教えてください。

K:メリットは、最新のレーザーと言われていて、ひとつ前のQスイッチレーザーに比べて1/1000の鋭さで塊を砕くレーザー光線となりました。従来のレーザーの粉砕レベルでは塊を粗く砕くことができていたものが、ピコレーザーになると、前の1/1000に粉々に砕いてくれます。塊が細かく砕かれれば砕かれるほど、肌が排出しやすくなり、その結果、シミ取りの切れ味がよくなります。

高いエネルギーでレーザーをあてるほど、シミをごみとして肌が認識しやすくはなりますが、ダメージも大きくなり、その後の副作用、一次的な色素沈着などの後遺症も大きくなります。しかしピコレーザーは、もともとの粉砕レベルがかなり細かいので、エネルギー数値を高く設定しなくても十分な効果が得られます。

ーピコレーザーはシミ取り以外の用途もありますか?

K:ピコレーザーを用いて、色むらを少しずつ改善させてスキンカラーを明るくするピコトーニングという施術もあります。あとは、ピコフラクショナルという施術があります。ピコフラクショナルはレーザー光を剣山のようなたくさんの針状の形にして、レーザーを皮膚に当てる施術方法です。肌に針状の傷がつくと、肌は早く回復しよう、治癒しようと働くので、毛穴が引き締まったりニキビ跡の凹凸感がなだらかになっていきます。

ーピコレーザーは鋭い光線とおっしゃっていましたが、正直痛いですか。

K:痛いですが、麻酔クリームを塗っていれば、施術を受けてる間は、びっくりされることはないと思います。

私の経験上90代のおばあさままで注射の治療等をしてきたので、その年齢層もご対応していきたいですし、来ていただきたいと思ってます

アーククリニックスタッフミーティング

ーアーククリニックの特徴について教えてください。

K:まずアーククリニックのコンセプトとして、一人ひとりの空間を大事にする構造になっています。エントランスには4つ椅子がありますが、基本すべての椅子に患者様が腰掛けて待つことはありません。ご来院されたら、すぐに診察室にご案内します。またパウダールームも完全に個室です。

自然と一人ひと空間にご案内できる造りなので、患者様に手厚くご対応できることと、必然とプライバシーの配慮になっています。このような贅沢な空間は利益重視ではなかなか難しいので、加藤院長のこだわりだと思います。結果、感染症対策にも配慮している空間になってることもいいことかと思います。

予約枠や処置時間枠も、余裕をもってお取りしているので、一人ひとりに向き合う時間確保はしっかりできています。患者様のカルテ管理も院内のスタッフ全員でしっかりと把握することを徹底するように心掛けてます。

ー来院される患者様で多い悩みはどんな悩みでしょうか。

K:渋谷センター街ですので、当初は若い方のニキビ肌の悩みなどが多いのかと思いましたが、意外にそうではなく、皮膚科に関していうとキャリア女子のような方で美容意識の高い女性が最近は多いです。素肌でメイクをしなくても綺麗に見える肌になりたい、とよくご相談を頂きます。

さらに意外だったのは、男性も多くいらして頂いている印象です。若い方からダンディな方まで、最近は清潔感を維持するために美容皮膚科治療で解決したいというご要望を多く受けるので、診療する側としても幅が広がり嬉しく思います。

ー年齢層はどのくらいですか?

K:年齢層は20代前半から60代ぐらいの方までいらしていただいています。年代の上の方にはクリニックの立地や雰囲気的に来づらいのかもしれませんが、私の経験上90代のおばあさままで注射の治療等をしてきたので、その年齢層もご対応していきたいですし、来ていただきたいと思ってます。

痛みに関して、自分が患者様側になってみる実体験も大事だと思います

河合朝奈医師カウンセリング

ー治療をする際の痛み対策はどのようにされていますか?

K:麻酔クリームを始め、様々な方法を使ってます。クーリングのサイズをたくさん準備しており、とても小さいクーリングをスポットで使ったり、顔の半分に載せれるクーリング、施術を行っている反対側全体をカバーできる大きさのものまでを使っています。

他には、人間の感覚として、痛覚よりも振動覚のほうが少し勝るので、振動を加える方法があります。振動を与えながら痛みを軽減させる、例えばブルブルするものを使用したり、いくつか対策をしています。痛みのレベルは人によって違いますので、いろいろ方法を持っているほうが、患者様にとっても施術する側にとってもメリットだと思ってます。

ー痛み対策も工夫が必要と。

K:痛みに関して、自分が患者様側になってみる実体験も大事だと思います。施術する側からは、例えばレーザー治療をして派手な音がするわけでもなく、肌が赤く腫れていたり、血が出てはないので、特に痛そうに見えなかったのですが、実際レーザー治療を受けてみるとけっこう鋭い痛みがあります。

思春期から少しでも日焼け対策をすることや、正しい保湿をすることが重要です

アーククリニック河合朝奈医師

ーありがとうございます。それでは女性はいつからエイジングケアをしていくべきでしょうか。

K:私は思春期から必要だと思っています。思春期から少しでも日焼け対策をすることや、正しい保湿をすることが重要です。なぜなら老化は些細なことから少しずつ始まります。紫外線を少し浴びて少しやける分には仕方ないことですが、それが過度になると将来的にどのような影響が出るのか、知識として必要になります。
保湿の重要性や洗顔の方法一つにしても毎日の事が積み重なるものなので、日々のケアについて若いうちから正しい知識を持っていた方が良いと思います。

本格的な美容医療のエイジングケアは、30代からは必ず必要になります。しかし最近では、20代もエイジングケアの入口にもなってきています。それは自分自身に対するイメージを持っている方が増えており、見た目を若く、今のままでキープさせたい願望があるからだと思います。個人差はありますが、始める時期が若ければ若いほど、その年齢の今の状態を保つことができるので、今の見た目に満足できなくなってきた時期がエイジングケアに最適だと思います。

ー先生はいつからケアを始めましたか?

K:私は研修医時代なので学生が終わった23~24歳の頃から、自分の趣味としてレーザー治療にかかり始めました。20代後半から少しずつボトックスやヒアルロン酸、コラーゲン製剤などを使ってエイジングケアをしています。

ー先生が行って結果が出た美容医療の施術はありますか?

K:ピコレーザーが一番気に入っています。少しシミができたらピコスポットでシミ取り、スキンカラーがくすんできたと思ったら、ピコトーニングを当てます。毛穴の開きであったり皮脂分泌気味の場合は、ピコフラクショナルを当てます。一つの機械で使い分けができますので、皮膚の角質、表皮、真皮までのレイヤー、この3つに対しての治療は、ピコレーザーがマルチに対応できるので好きです。

真皮よりも深いところにアプローチしなければならないたるみであったり、顔の造形に対しては、断然HIFU(高密度焦点式超音波)です。HIFUを当ててあげると、そこから1〜3カ月かけてダウンタイム無く引き締まっていくので好きです。

ーレーザー以外でお気に入りはありますか。

K:注入製剤の中でも、ベビーコラーゲンやエランセ、スネコスはそれぞれ特徴があり、ヒアルロン酸注入のデメリットをカバーしてくれる仕上がりになるので、ご要望によって使い分けて施術しています。どれもコラーゲン増生に着目した製剤なので仕上がりがより自然で、私もお気に入りの施術ですし患者様にも気に入って頂いています。

最初にコンセプトを「一人ひとりに時間をかけてきちんと向き合って診療する」と決めています

河合朝奈医師施術

ーでは、今後アーククリニックをどのようなクリニックにしていきたいでしょうか。

K:最初にコンセプトを「一人ひとりに時間をかけてきちんと向き合って診療する」と決めています。このことを基盤として崩さずに、今の患者様との関わり方をこのまま継続していきたいです。

ーこのまま継続していくのが理想ということですね。

K:そうですね。大事にしていきたいです。常連の方には優しく、初めて行く方にはドライな対応をされるのでは、とよく思われがちですが、今通院されてる方も、新規の患者様にもそのような思いはしてほしくありませんので、一人ひとりと向き合う時間は大事にしていきたいです。

休日は2歳半の息子中心の過ごし方ですね。ずっと公園に行って遊んでいます(笑)

アーククリニック河合朝奈医師

ープライベートのことをお聞きします。お休みのときの過ごし方を教えてください。

K:休日は2歳半の息子中心の過ごし方ですね。ずっと公園に行って遊んでいます(笑)。

ーお外遊びが好きなんですね。

K:はい、そうです。あとは買い物が趣味ですが、最近は百貨店に行けてないです。自粛気味になっていたのもあり、買い物に行けず一時期はストレスが溜まりましたが、それにもだいぶ慣れてきました。

ー息子さんにも肌のケアをしてますか。

K:毎晩のお風呂上りに頭から足の端まで保湿クリームを塗ってあげています。保湿のクリームは子供だけではなく大人にも使えるので、家族で保湿対策をしています。春夏には日焼け止めの消費量も増えるので、それはポンプ式のさらっと塗れる日焼け止めを使用しています。

ーオンとオフの切り替えについて教えてください。

K:今はクリニック中心です。患者様の予約が入ったら可能な限りこちらに在院するようにしています。最初は予約数にむらがありましたが、予約が入ってくるようになり、仕事のほうが増えてきてると思います。

ーお仕事中心のようですが、お休みはとれていますか。

K:週に1日はしっかりオフができる日を作ろうと心掛けています。あとは、夕方から予約の患者様がたくさんいらっしゃる日もあるので、半日オフにして、夕方から仕事をするパターンもあります。早く上がれるときは少しでも早く帰って家事をしたりと、今は患者様の予約に合わせて動いています。

ケイスキンクリニックの慶田朋子先生は知識の引き出しの量が多くとても憧れています

アーククリニック河合朝奈医師

ーお忙しいですね。では憧れの医師について教えてください。

K:私が学生のころから憧れている、ケイスキンクリニックの慶田朋子先生です。スキンケアについて皮膚科のドクターとして様々な知見をメディアで述べられているのを拝見すると、知識の引き出しの量が多くとても憧れています。
もう一人、滋賀県や大阪で開業されている麗ビューティー皮フ科クリニックの居原田麗先生は、容姿がとても美しいのはもちろんのこと、子育てと開業しての診療を両立されている先生で、素敵だなと思います。

ーでは、SNSやインスタを見ていて気になる先生はいらっしゃいますか。

K:今泉スキンクリニックの藤巻あいら先生です。物腰であったり、クレバーなお話の仕方など、SNSで薦められている内容が好きです。

ー本日は貴重なお時間ありがとうございました。

K:ありがとうございました。

プラス5(河合先生をよく知るための5つの質問)

Q:好きな映画は?

A:『華麗なるギャツビー』。豪邸で毎晩豪華なパーティが開かれるシーンや洗練されたファッションが印象的で好きな映画です。

Q:名古屋の好き場所は?

A:名古屋城すぐ横の名城公園のカフェやテラスの雰囲気が好きでよく行っていました。

Q:バーで注文するお酒は?

A:フルーツのシャンパンカクテルのようなものを頼みがちです。お酒弱いです。

Q:旦那様の好きなところ教えてください

A:とにかく優しいです。私の欠点も「お互いに補えば良いじゃん」と言ってくれる人なので、結婚して良かったと毎日思える人です。

Q:美容皮膚科医あるある教えてください

A:自分の生え際のシミや、ちょっとした皮膚の凹みなど、誰も何も気にしない箇所をずっと気にしています(笑)。

▼アーククリニック加藤先生のインタビュー記事はこちら

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込です。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

アーククリニックエントランス

アーククリニック
住所:東京都渋谷区宇田川町32-12 アソルティ渋谷2F
電話番号:03-6455-0076 
診療時間:10:00〜19:00 休診日:不定休
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※河合先生の診察をご希望の場合、ご予約時にその旨お伝え下さい。
撮影:田中利幸

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監修:

河合朝奈 医師

アーククリニック

東京女子医科大学医学部卒業。東京高輪病院にて初期研修期間中に結婚し名古屋へ。名古屋第一赤十字病院形成外科に3年間所属しながら美容クリニックに勤務。形成の技術を身に着けながら美容の知識も深めていき、美容医療に転身。都内美容クリニックにて勤務後、現在アーククリニックにて勤務。
得意分野は、レーザー治療全般と、ヒアルロン酸やボトックスなど注入系のエイジングケア。


日本形成外科学会
日本美容外科学会

東京女子医科大学医学部卒
JCHO東京高輪病院
名古屋第一赤十字病院形成外科
名古屋にて美容クリニック勤務
都内にて美容クリニック勤務
2022年 アークスキンクリニック院長

この記事の監修ドクターが所属するクリニック

  • 住所: 東京都渋谷区宇田川町32-12 アソルティ渋谷2F
  • 最寄駅: 各線渋谷駅徒歩5分、京王井の頭線神泉駅徒歩8分
  • 院長: 加藤 雄大
  • 診療時間: 10:00~19:00
  • 休診日: 不定休