「胸を大きくしたいけれど、術後の痛みが怖い」「いかにも豊胸した!というのではなく、ほどよくバストアップしたい」という人から注目を集めているのが、コンデンスリッチ豊胸術です。見た目や手触りが自然、ダウンタイムが短いなど、さまざまなメリットがあると言われているコンデンスリッチ豊胸がどんな方法なのか、デメリットも含めて詳しくご紹介していきます。

  • 1.コンデンスリッチ豊胸とは
  • 1-1.コンデンスリッチ豊胸のメリット
  • 1-2.コンデンスリッチ豊胸のデメリット
  • 1-3.コンデンスリッチ豊胸の施術プロセス
  • 1-4.コンデンスリッチ豊胸のダウンタイムと術後経過
  • 1-5.コンデンスリッチ豊胸の口コミ
  • 1-6.コンデンスリッチ豊胸を受けた人のブログ
  • 1-7.コンデンスリッチ豊胸、しこりができるのは失敗?
  • 1-8.CRF(コンデンスリッチファット)認定クリニック
  • 2.コンデンスリッチ豊胸・まとめ

【監修医師からのワンポイント】

脂肪注入豊胸は、ご自身の脂肪を胸に移植してバストアップを行う方法です。自分の組織を使うためとても安全性が高く、見た目だけでなく触り心地まで自然になるので、
大変人気のある豊胸術です。中でもコンデンスリッチ豊胸術は、採取した脂肪を遠心分離機にかけることで余計な成分を最大限取り除き、1回のバストアップ効果を最大限まで引き上げることができる方法です。そんなコンデンスリッチ脂肪注入豊胸の知識を、メリット・デメリット・実際の口コミなどを通してご紹介していくので、ぜひ最後までご覧になってくださいね。

1.コンデンスリッチ豊胸とは

コンデンスリッチ豊胸とは

出典 https://youtu.be/

コンデンスリッチ豊胸とは、自分の体から採取した脂肪をLIPOMAX-SCという遠心分離機にかけて、老化した細胞や死活細胞、採取時に注入した麻酔液などの不純物を取り除き、質を高めた濃縮脂肪細胞(コンデンスリッチファットCRF)を注入する豊胸術です。

脂肪に含まれる不純物は術後の石灰化やしこり、脂肪壊死の原因となります。従来の脂肪注入による豊胸術は、こうした不純物が残った脂肪を使用していたため脂肪定着が低かったり、脂肪壊死が起きたりするリスクがありました。

これに対して、不純物を取り除いたコンデンスリッチを使用する方法は、脂肪の定着率が大幅に上がり、従来の脂肪注入による手術よりも高い豊胸効果が得られると言われています。また、注射器で細かく挿入していくことができるため、微調整が可能で理想のバストラインを作りやすい方法のひとつです。

LIPOMAX-SCは日本の厚生労働省に当たる米国FDAが認可した医療機器であるため、論文に基づいた効果が認められています。

1-1.コンデンスリッチ豊胸のメリット

まずコンデンスリッチ豊胸のメリットを挙げてみましょう。

  • ・脂肪の定着率が7〜8割程度と高く、豊胸効果が得やすい。
  • ・元に戻る可能性が低い
  • ・術後のしこりや石灰化、脂肪壊死が少ない
  • ・手術時間が短い(2時間半程度)
  • ・細い注射針を使うので、傷跡がほとんど残らない
  • ・自分の脂肪を使うので、拒絶反応やアレルギー反応がない
  • ・手触りや動きが自然で、経年による不自然がない
  • ・レントゲンに映らない
  • ・マンモグラフィー、エコーといった乳がん検査が可能
  • ・脂肪吸引と注入を行うため、理想のボディラインを描くことができる

これまで豊胸手術の第一選択肢だったシリコンバッグの、「見た目や手触りが不自然」「エコー以外の乳がん検査が受けられなくなる」「人工物を挿入しなければならない」「傷跡が大きい」といったデメリットを克服したのが、コンデンスリッチ豊胸です。

コンデンスリッチ豊胸もメリットばかりではありませんが、乳がん検査を受診する際のリスクが減るのは注目すべき点でしょう。シリコンバッグは破裂する恐れがあるため、マンモグラフィーは受けられません。また、被膜拘縮によってバストが変形してしまう恐れもあります。

自己脂肪を吸引して行うコンデンスリッチ豊胸は、脂肪が気になる部分のサイズダウンを同時に実現することができます。「ダイエットしても胸ばかり小さくなって、脚は太いまま」「豊胸だけではなく、お腹の脂肪をなんとかしたい」といった複合的な悩みにアプローチできるのもメリットと言えるでしょう。

■手術時間が短いことのメリット

脂肪を吸引する場所によって若干、差が出るもののコンデンスリッチ豊胸の施術時間は2時間半から3時間程度。特殊な機械で脂肪を濃縮するため、短時間で作業を終えることができます。

従来の脂肪注入である、「脂肪幹細胞注入」は脂肪の採取から注入までに6~12時間を要し、長時間、麻酔をかけた状態が続くか、2回麻酔をかける必要がありました。当然、体への負担も大きくリスクが高かったのですが、コンデンスリッチ豊胸は麻酔による体への負担も最小限に抑えられています。

1-2.コンデンスリッチ豊胸のデメリット

デメリットも見ておきましょう。

  • ・1〜1.5カップUPが目安。大幅なサイズアップは不可
  • ・一度に定着する脂肪の量に限りがあり、満足のいく豊胸効果を得るために2回注入することも
  • ・脂肪の定着率には個人差がある
  • ・やせ型の人は脂肪を取れないので不向き
  • ・費用が高い(1回当たり100〜130万円程度)
  • ・バスト周りだけではなく、脂肪吸引した箇所にもダウンタイムがある
  • ・医師の技術レベルによって結果に差が出やすい

■コンデンスリッチ豊胸、2回目の施術が必要な理由とは

シリコンバッグはAカップ→Dカップというような、見た目で分かる大幅なサイズアップが可能ですが、コンデンスリッチ豊胸は1〜1.5カップ程度のサイズアップしかできません。これは、一度に大量の脂肪を入れても生着しづらく、しこりや脂肪壊死が起こりやすくなることが分かっているためです。

シリコンバッグであれば、1回で十分な豊胸効果が得られますが、コンデンスリッチ豊胸の場合、人によっては、初めから2回施術を勧められることもあります。

費用はシリコンバッグが100万円以下で受けられるクリニックが多いのに対し、コンデンスリッチ豊胸は100万円を超えるところがほとんど。2回目の注入は割引があるというクリニックが多いようですが、2回施術を受ける場合、最終的に費用がどのくらいになるのか、カウンセリング時に確認するようにしましょう。

■ダウンタイムは2か所?

もうひとつ考慮しておきたいのが、同時に脂肪吸引を行うということ。これは、バスト周りだけではなく、脂肪吸引した場所にも痛みやダウンタイムがあるということになります。コンデンスリッチ豊胸を受けた人の声の中には「胸より脂肪吸引したところの方が痛い」「脂肪吸引したところがでこぼこになってしまった」というものもあります。

1-3.コンデンスリッチ豊胸の施術プロセス

クリニックによって違いはありますが、ここではベイザーリポで脂肪を吸引し、コンデンスリッチ豊胸の流れを見ていきましょう。

※ベイザーリポとは
ベイザー波と呼ばれる、脂肪細胞のみに影響を与える特殊な超音波で、血管や神経にダメージを与えずに脂肪吸引する方法。短時間でより多くの皮下脂肪を吸引できます。

①カウンセリング

手術について以下のような説明を受けます。通常、カウンセリングで施術日を決めて、当日手術は行いませんが、遠方の方であれば相談にのってくれるクリニックもあります。必要であれば、血液検査も行う場合も。

  • ・手術が適応となるかどうか
  • ・脂肪をどこからどのくらい採取するか
  • ・全身のバランスがどう変化するか
  • ・ダウンタイムやリスク、経年変化など

②施術当日

あらためてデザインについて、イメージのすり合わせを行います。執刀医がマーカーでボディラインをデザイン。その後、静脈麻酔をかけます。この時点で眠った状態になるので、脂肪吸引、脂肪注入までは痛みを感じることなく施術が終わります。

③脂肪吸引

全身麻酔をかけたあと、皮膚を3~5ミリ程度切開してカニューレと呼ばれる細い管で局所麻酔を注入します。全身麻酔と局所麻酔を併用するため、手術を通じて痛みを感じることはありません。その後、ベイザー波を使って脂肪だけを溶かしカニューレで脂肪を吸引していきます。

④脂肪をLIPOMAX-SCで遠心分離させる

吸引した脂肪は外気に触れない専用のシリンジに移します。10分程度置いておくと、麻酔液だけが分離するので、麻酔液を廃棄します。その後、LIPOMAX-SCにかけて遠心分離。分離した層のなかから、不純物を廃棄すると、健康な脂肪のみがシリンジに残ります。

⑤脂肪注入

デザインにそって、脂肪を細かく注入していきます。あらゆる角度からチェックし、不自然さのない美しいバストラインに仕上げていきます。

⑥切開部分の縫合

切開した皮膚を縫合し、テーピングをしてサポーターで固定します。

⑦術後の診察

術後2、3日で固定しているサポーターを外します。1週間後に抜糸を行い、その後は数カ月おきに経過観察をするクリニックが多くなっています。

1-4.コンデンスリッチ豊胸のダウンタイムと術後経過

コンデンスリッチ豊胸のダウンタイムと術後経過

出典:https://www.photo-ac.com/

バストは内出血が起こるため、あざができたような状態になります。この内出血は2週間程度で消失します。また、バストは硬くなったり、むくみが起きたりしますが、こちらは1〜3カ月程度で引いていきます。2週間以上経過し、内出血が消失した時点で、見た目から手術を受けたということは分からなくなるでしょう。

1-5.コンデンスリッチ豊胸の口コミ

■費用面の声

■1年たって、少し胸が小さくなったという声

1-6.コンデンスリッチ豊胸を受けた人のブログ

・「痩せ型貧乳の脂肪吸引&コンデンスリッチ豊胸ブログ」

「痩せ型貧乳の脂肪吸引&コンデンスリッチ豊胸ブログ」

出典 https://ameblo.jp/

手術直後から術後3カ月までの経過写真を掲載しているブログ。ブロガーさんはもともとやせ型だったようですが、3カ月たった時点では、ほどよくバストアップしているのが分かります。

・コンデンスリッチ豊胸後、3カ月は痩せないようにするべき?

興味深いのが『手術前に太っておけば、手術でより多くの脂肪がとれるのでは』と考えたご本人と医師とのやり取り。注入した脂肪幹細胞は脂肪そのものや血管などに分かれていきます。脂肪そのものである、脂肪細胞として定着した後は、ダイエットをして痩せても胸がしぼむ恐れはありませんが、脂肪細胞として定着する3カ月はエネルギーを十分に送り込む必要があるため、ダイエットは避けた方がいいでしょう。

「手術までに頑張って体重増やしたら色々と捗るのでは?ということ。『少しでも脂肪を増やそうとこの前から間食とか体に悪そうなものとか必死で摂取してるんですけど全然体重が増えなくて・・・』
『あ、やらなくていいです。大体の脂肪が顔に付いちゃって意味ないことになるので。むしろ術後に痩せないように頑張る方が大事です』」

・「貧乳卒業!コンデンスリッチ豊胸日記♪」

「貧乳卒業!コンデンスリッチ豊胸日記♪」

出典 https://ameblo.jp/

経過によるバストの変化がよく分かる写真が豊富。手術前に医師がペンでデザインを行った画像も掲載されています。1カ月経過した時点のバストと脂肪を吸引した脚のラインはかなり美しく仕上がっていることが分かります。

1-7.コンデンスリッチ豊胸、しこりができるのは失敗?

一か所に大量に脂肪を注入すると、脂肪壊死によるしこりができやすくなってしまいます。脂肪壊死とは、注入した脂肪細胞がなんらかの原因で栄養を吸収できなくなって死んでしまうことで、これも、しこりの原因のひとつとなります。脂肪壊死は感染症によって起こる場合もあります。

しこりを防ぎつつ、美しいバストラインに仕上げるためには皮下、乳腺周囲、乳腺下、筋層内、大胸筋下などに、脂肪を少しずつ注入していくことがポイント。とにかくサイズアップしたい!という患者さんの声を受けてむやみに大量の脂肪を注入すると、しこりができる原因となるため、絶対に避けるべきです。

また、しこりは体質によってできやすいこともあるので、しこりがある=失敗とは限りませんが、事前にカウンセリングでしこりができるリスクについてもきちんと説明するクリニックを選ぶべきでしょう。

■コンデンスリッチ豊胸の名医って? 結果を左右するのは、医師の経験・技術

コンデンスリッチ豊胸の手術が成功し、満足のいく結果が得られるかどうかは医師の技術レベルやセンスに左右されるといっても過言ではないでしょう。

左右のバストのバランスはもちろんのこと、デコルテから自然なラインを描いているか、横になったときにも不自然でないかなど、あらゆる面から見て美しいと思えるバストを作り出す美的センスが求められます。また、皮膚の伸び具合を見きわめて、注入する脂肪量を決める判断力や、これらすべてを実現できる技術、経験も必要になります。難易度の高い手術と考えていいでしょう。

費用の安さや、患者の希望を聞いてくれる(脂肪をたくさん入れてくれる)といった点だけでクリニックを決めず、リスクについてもきちんと説明してくれるクリニックや医師を選ぶことが大切です。

1-8.CRF(コンデンスリッチファット)認定クリニック

認可を受けたコンデンスリッチ豊胸手術が受けられるクリニックのホームページにはCRF協会の認可マークが掲載されています。類似した手術ではなく、安全性と効果が認められたコンデンスリッチ豊胸を受けるためには、CRF協会の認可クリニックを選ぶのがオススメです。

「CRF協会は医師によって組織される『日本医療脂肪移植研究会』に属し、脂肪採取から注入までの全く新しい技術である『コンデンスリッチファット』を正しく説明し、そのプロセスを理解していただく為の協会です」

CRF(コンデンスリッチファット)認定クリニック

出典 https://www.crf-association.com/

2.コンデンスリッチ豊胸・まとめ

胸を大きくしたいけれど、極端なサイズアップはしたくない、触り心地まで自然な豊胸術がいい、という方から人気の高いコンデンスリッチ豊胸。脂肪吸引も同時に行うため、医師の高い技術レベルが求められる施術です。カウンセリングではメリットだけではなく、リスクも含めて納得のいく説明をしてくれるところであるか、アフターサポートの体制が整っているかどうかをチェックして、施術を受けるか決めるようにしてくださいね。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込です。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

Emiri

Emiri

美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。

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監修:

富田さくら 医師

さくらビューティークリニック銀座

聖マリアンナ医科大学医学部医学科卒業後、大学病院で乳腺外科医として従事。主に乳がんの手術や治療を担当する。その後、大手美容外科クリニック等に転職。技術認定医を歴代最速で認定され、また院長に任命される。
2023年4月さくらビューティークリニック銀座を開業。
得意分野は、脂肪豊胸術、シリコンバッグ豊胸術、二重整形(埋没法)など。

聖マリアンナ医科大学医学部医学科 卒業
東海大学医学部附属病院 勤務
東海大学医学部附属八王子病院乳腺外科 勤務
東京中央美容外科 勤務 
湘南美容クリニック 勤務
湘南美容クリニック吉祥寺院 院長就任
さくらビューティークリニック銀座 開業