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美容クリニックに勤務する筆者は、様々な美容施術や美容外科のオペを受けたり、クリニック専売のスキンケアを使用しています。患者さんの痛みや不安を理解するためということはもちろんなのですが、肌や顔にコンプレックスがあるため少しでも自分の理想とする自分になるべく、数えきれないくらいの施術を行っています。
様々な施術を行ってきて特に気に入っているのは、20代後半に入って顔のたるみが気になるようになってきたため受けたサーマジェンです。たるみ治療といえば、ハイフも人気ですし私自身もとても好きで、特にリニアを定期的に継続して行っていたのですが、ダイエットで8キロほど痩せたことによって皮膚の表面がたるんでしまったのです。
リニアやハイフだとさらに顔が痩せてコケてしまったりと、ハイフだとなかなか効果を実感できなかったのですが、サーマジェンは私の悩みにピタッとあっており、効果を直後から実感することができました。患者さんの中にもハイフは効果がわかりづらかったという方や痛くて続けられないという方、値段がネックという方が少なくありません。
そんな方にお勧めなのがサーマジェンです。しかし、サーマジェンはまだまだマイナーな機械のため知らない患者様も多いかと思います。肌の引き締まりやコラーゲンの産生ができるサーマジェンとはどのような施術なのか、今回は詳しく解説していきます。
画像出典 Wi Clinic
サーマジェンとは
サーマジェンとは、RF(ラジオ波)を用いたたるみ治療のできる機械のことです。同じような仕組みで有名なものとして、サーマクールやイントラジェンが挙げられます。まず、ラジオ波とは高周波の電磁波を利用したもので、体内に熱を発生させることができます。
研究もなされており、作用機序としては即時的なコラーゲンの熱収縮とそれに引き続く熱損傷の修復過程で得られるコラーゲンの産生と考えられています。熱損傷の修復過程では、数カ月持続すると考えられており、それは線維芽細胞への影響であると考えられていますが詳細はこれまで不明でした。
研究によると、真皮全体のⅠ型およびⅢ型コラーゲンが3カ月後に優位にかつ顕著に増加していたのです。このことからラジオ波の施術で肌のコラーゲンが増加することがわかります。また、皮膚が引き締まることも臨床的に確認されているため、ただコラーゲンが増えてハリが出るだけでなく肌の引き締まりについてもしっかりとしたエビデンスがあるのです。
サーマジェンは、東京の東京美容医療クリニックやWiclinicで院長をされているレーザーキングこと高先生によって作られた機械です。より日本人の肌に合わせて作られた機械のため患者さんの効果実感もとても高いことが特徴です。
皮膚の真皮層から脂肪層の上層(皮下組織)に熱を広く与えることにより、熱での引き締めと真皮内に熱が加わることによりヒートショックプロテインが放出され、コラーゲンやエラスチンの増加が可能な機械です。
また、サーマクールと比較しても痛みも少なく脂肪層の減少はしないため、お顔が痩せやすいという方にも安心して施術することが可能です。私も頬がコケやすいタイプの顔のためハイフを照射することによりげっそりと老けた印象になるのが嫌だったので、サーマジェンを照射したのですが、コケることなくもたついていた皮膚がピタッとフェイスラインに密着して引き締まっている実感が直後からありました。さらに、1カ月後には肌にハリもでておりとても満足しています。
画像出典 Wi Clinic
サーマジェンの痛みやダウンタイムについて
施術中の痛みとしてはほとんどなく、ラジオ波をしっかりと重ねて当てていくため時々熱いなと感じる程度です。筆者は痛みに強いので参考になりにくいので、痛みに弱い患者さんに話を聞くと熱いと感じる時はあるけれど、我慢できないほどではないし、熱いと伝えると施術者がスライドで当ててくれたりパワーを調整してくれるので安心できるとのことでした。
施術する側としても熱はしっかり入れたいのですが、熱がこもって熱すぎると火傷のリスクはあるため細心の注意を払って施術しています。痛みが苦手な方も安心して受けていただける施術ですが、もし心配な方は痛みが苦手な旨を施術者にお伝えくださいね。
ダウンタイムも施術直後の赤みやむくみ程度でほとんどありません。洗顔やお化粧も直後から可能ですし、制限もほとんどないので非常に受けやすい施術です。
サーマジェンの料金は?
サーマジェンは関東では取り扱っているクリニックが多いのですが、関西や九州だととても少ないです。そのため、西のほうで取り扱いのあるクリニックを探すのが少し大変だと患者さんにもご指摘を受けたことがあります。
サーマクールやイントラジェンは比較的探すと取り扱っているクリニックはありますが、料金がサーマジェンと比較すると高い傾向にあります。開発された高先生が院長を務められているクリニックでは、全顔44,000円ととてもリーズナブルな価格で施術を受けることが可能です。クリニックによって料金に多少のばらつきはありますが、比較的継続しやすい金額のクリニックが多いかと思います。
やはり継続治療が必要?
患者さんからの質問として1番多いのが、続けないと意味ないでしょう?という質問です。これは美容医療にとって大きな課題かと思うのですが、日々加齢により皮膚はたるみ、肌のコラーゲンは減少しています。そのため、一度サーマジェンの施術を受けてそのまま数年経過するともちろんたるみやシワは増加してしまいます。
ただ、コラーゲンやエラスチンが増加して肌の弾力が増え、引き締まるのは1カ月から3カ月程度持続してゼロになるわけではありません。そこからまただんだんと重力や加齢により、たるみが生じてくるのです。
サーマジェン施術後のハリや弾力が出た肌状態を維持・向上するためにも3カ月に1度サーマジェンを継続されるとより満足度が上がりますし、肌の弾力が出るためたるみも改善します。エイジングを起こさないというのは今の美容医療では不可能であり、エイジングを遅らせ、できる限りゆっくりとエイジングが起こるように調整するということが重要です。
サーマジェンと併用すると良い施術
HIFU
サーマジェンは脂肪に対しての効果はほとんどないため、脂肪によるもたつきやたるみ・シワに対してハイフを併用することはとてもおすすめできます。スマス筋膜と呼ばれる頬の外側(耳の前あたり)に位置する筋膜にしっかりとハイフで熱を入れてあげると頬が引き上がりより若返った印象を与えることもできます。
また、重力や加齢により下に下がった脂肪を元の位置に戻すようにハイフを照射するとさらにたるみ改善がわかりやすくなるため、骨格や脂肪の下がっている位置などしっかりとアセスメントして照射してくれるクリニックで受けるとなお効果実感できます。筆者の勤務するクリニックでは、ハイフを半年に1回行って、サーマジェンはそのメンテナンスのようなイメージで通われている患者さんも多くいらっしゃいます。
スレッドリフト
スレッドリフトとサーマジェンの併用もおすすめです。スレッドでしっかりと脂肪と皮膚を引き上げた後、皮膚は柔らかいためもたつきやすく、スレッドの効果がすぐになくなったとおっしゃる方もいます。そんな方はサーマジェンをスレッドから1カ月後に行うことで皮膚のたるみを引き締めることができるため効果の持続実感がとても良いです。1年に1度スレッドを行ってサーマジェンを3カ月に1度される方も多く、スレッドの弱点をサーマジェンで補うことができます。皮膚が柔らかく動きやすいタイプの方に特におすすめです。
ショートスレッド(ショッピングリフト)
ショートスレッド(ショッピングリフト)とサーマジェンの併用は肌の弾力と引き締めがより良く行えるため、脂肪は少ないけれど、口周りやほうれい線の皮膚のたるみが気になる方にはおすすめです。
皮膚が薄かったり柔らかかったりする方で脂肪によるたるみがなく、コケやすいというようなタイプの方にぴったりです。ショートスレッドで針と糸による刺激と糸が溶けることで皮膚のコラーゲンやエラスチンが産生され、皮膚が引き締まったりハリを出すことができます。
ただ、内出血や痛みがあるためあまり頻繁には行いたくないという方が多いのです。そんな方は半年から1年に1度ショートスレッドを行い、メンテナンスでサーマジェンを行うと肌のコラーゲンやエラスチンが増加するため、ショートスレッドの頻度が少なくても効果が維持されやすいです。ダウンタイムがあるとなかなか施術できないとおっしゃる患者さんにおすすめしていて、満足度も高くなっています。
ヒアルロン酸
意外かもしれないのですが、ヒアルロン酸の併用も満足度が高いのです。ヒアルロン酸は足りないところを埋めてあげたりボリュームを出すことに使用されます。特にほうれい線は凹みによるものも多いため、貴族部位やほうれい線にヒアルロン酸を入れてあげて、たるみはサーマジェンで改善してあげるとマイナス5歳の自然な若返りを実感できると思います。
また、こめかみや額などコケやすい部分にヒアルロン酸を入れることにより、たるみはサーマジェンで改善され、お顔のシルエットは女性らしい丸い印象になるため、こちらも自然に若返りが可能です。先にサーマジェンを行ってからヒアルロン酸を注入すると、施術は同日でも可能です。
ヒアルロン酸にも抵抗のある方は多いのですが、足りなくなったところを埋めてあげたり少しだけ足してあげるというような細かい調整に使用するとヒアルロン酸顔にならないですし、印象も大きな変化が出るわけではなく、あくまで自然に変化できるためチャレンジされた方の満足度はとても高いです。あの時おすすめしてくれて、背中を押してくれて本当にありがとう!と患者さんに言われることも少なくありません。お顔の足し算と引き算は若返りにとても重要です。
まとめ
たるみ治療の中でも、筆者がお気に入りで継続して施術を受けているサーマジェンについてまだまだ施術をする側としては工夫できる点も多くとても奥深いたるみ治療です。お顔の解剖整理を理解してここを重点的に、角度はこうしてと施術の際には頭をフル回転させて行っています。
そうすると、自ずと直後から効果がわかりやすく患者さんの実感も良いことが多いです。ハイフは直後の効果は分かりにくく徐々に引き上がるため、そこもサーマジェンとは違うところですね。皮膚が柔らかく下垂しやすい方は特に口横とほうれい線を気にされている方が多く、指で皮膚を横にずらすように引くと皮膚が横に比較的動く方は皮膚が柔らかいと言えます。
そんな方はサーマジェンを検討されると良いでしょう。目元ギリギリへの照射も可能であり、目の開きが良くなったりもたつきが軽減するためサーマジェンを目元だけ行うメニューもとても人気があります。オペは怖いけれど目元の開きやたるみをなんとかしたいという方も多いため、まずはサーマジェンの目元のみのメニューで試されることをおすすめします。コストも目元だけだと格安で受けられるクリニックが多いです。
20代後半から肌のコラーゲン量は減少していき、40代になると肌がとても柔らかくなり弾力がなくなってきます。赤ちゃんの肌は柔らかいですが弾力があり、ハリツヤがありますよね。そのため、肌にコラーゲンをどう増やすかというところが大切になります。
サーマジェンで熱を加えたり、ショートスレッドやポテンツァ、ダーマペンで刺激を与えたりなどさまざまな方法があります。少しずつの施術により肌のコラーゲン貯金が可能になるため、施術を継続してハリと弾力のある肌を維持して行きましょう。美容医療にとって継続が1番難しく1番大切なので、筆者も続けやすい方法で自分にあった施術を継続していけるお手伝いを全力でさせていただきます。
【記事の執筆・レビューに使用した参考文献等】
記事の正確性等の確保方法及び参考文献の取り扱いについては、Call to Beautyの編集プロセスをご覧ください。
・『Aging-skinに対するラジオ波治療後のコラーゲン・幹細胞の 組織学的検討』
横山侑祐
*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。
トマト看
4年制大学の看護学科を卒業後総合病院のICUで1年勤務。その後、美容クリニックに勤務して3年目の、看護師としては4年目になる。美容クリニックはパート含め計6院の美容外科・皮膚科勤務歴があり使用した機械や介助についたオペも多い。高校生の頃から肌荒れに悩んでおり、スキンケアマニアのため市販のスキンケアやドクターズコスメの知識も豊富である。
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執筆:
トマト看看護師
4年生大学の看護科を卒業後ICUを1年経験し、救急医療や重症看護を学んだ。その後、複数の美容皮膚科や美容外科で経験を積み美容看護師として働いて3年目になる。日頃からエビデンスやその方それぞれにあった美容医療を提案している。
患者さんからの指名も多く、美容の豆知識を呟いているX(旧Twitter)ではフォロワー2,500人と支持を得ている。
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