垢抜けない印象を与える幅広の鼻翼や笑うと横に広がる鼻をなんとかしたい……。こんな悩みを持っている方は意外に多いのではないでしょうか。鼻は眼や口元と違ってメイクで見せ方を変えることがほとんどできないパーツ。それだけに本格的に鼻の印象を変えようと思ったら美容整形に頼るしか方法はありません。
とはいえ、顔の真ん中に位置している鼻だけに、切開する手術は怖いという人が多いのも事実。そこで注目したのが「切らない小鼻縮小」という方法です。ここで切らない小鼻縮小について詳しくお話していきます。

【監修医師からのワンポイント】

日本人の鼻は皮膚が厚く丸みを帯びた形をしているため、横に広がって見えることが少なくありません。鼻翼縮小術は、鼻翼(小鼻)や鼻孔(鼻の穴)の皮膚を切除して縮小し、小鼻の大きさや幅を小さくしてバランスを整える手術です。この手術は美しい鼻を作るための選択肢の一つですが、全ての鼻に対して適応があるわけではなく、鼻の形によっては行わない方がいいこともあります。また、小鼻の幅が広い方の多くは、鼻尖や鼻孔の幅も広く、これに対して小鼻の縮小のみを行うと鼻尖が強調されることがあるため、鼻尖形成術を同時に行うことをおすすめすることが多いです。

目次

  • 1.切らない小鼻縮小で脱・ダンゴ鼻!
  • 1-1.小鼻縮小とは
  • 1-2.切開する小鼻縮小手術のダウンタイム
  • 1-3.切開する小鼻縮小手術のリスク、失敗例
  • 2.切らない小鼻縮小術とは
  • 2-1.切らない小鼻縮小術の方法
  • 2-2.切らない小鼻縮小術・鼻ボトックス
  • 2-3.切らない小鼻縮小術・脂肪溶解注射(BNLS)
  • 2-4.切らない小鼻縮小術・糸で縮める方法
  • 2-5.切らない小鼻縮小術のメリット
  • 2-6.切らない小鼻縮小術のデメリット
  • 3.まとめ

1.切らない小鼻縮小で脱・ダンゴ鼻!

美人の条件のひとつでもある、すっきりした鼻。幅広の鼻翼や笑うと横に広がる鼻は男性的な印象を与えることもあります。反面、芸能人やモデルの整形before afterの写真を見ると、鼻の整形手術を受けると一気に洗練された垢抜け顔になることが分かります。では、従来の小鼻縮小術とはどんな風に行われているのでしょうか。

1-1.小鼻縮小手術とは

多くは、両目の内側よりも小鼻の膨らみが大きい場合に手術を行います。そのほかにも、小鼻のふくらみが気になるケースや笑ったときに鼻が横に広がる、鼻の穴が目立つという方に行うこともあります。

■小鼻縮小の効果

  • ●鼻の穴が小さくなる
  • ●鼻の横幅が狭くなる
  • ●鼻翼の面積が小さくなって鼻がすっきりする

小鼻の両側、横にせり出している部分を鼻翼と呼んでいますが、この部分の皮膚を切除して縫い縮めることで小鼻をすっきりさせます。手術の方法は3種類あります。

■内側法

鼻翼のキワ部分を切開し、内側から余分な皮膚と組織を取り除いて縫合し直すもの。鼻の外側を切らないため、傷が目立ちません。この方法は鼻翼の広がりが少ないけれど、鼻の穴が大きいのが目立つという方に適した方法です。ただし、鼻翼の広がりが大きいだけの人が内側法で手術すると鼻の穴が小さくなってしまい、コンセントの穴のような不自然な鼻の穴になってしまうことも。

■外側法

鼻の外側から切開し、鼻翼のキワ部分の余剰な皮膚を切除して縫い縮める方法。鼻翼の横広がりが大きい場合、さらに糸を使って鼻翼を縫い寄せる方法をとるクリニックもあります。余剰分を十分に切除できるので後戻りが少ない方法です。外側に傷ができますが、もともと小鼻の脇は赤みがある部分なので傷跡は殆ど目立ちません。

■内側法+外側法

上記の2つの方法を組みあわせた方法もあります。

1-2.切開する小鼻縮小手術のダウンタイム

切開する小鼻縮小手術のダウンタイム

「鼻の手術はダウンタイムが長くて大変」と言われていますが、切開する小鼻縮小手術のダウンタイムはどのくらいあるのでしょうか。

■ダウンタイムは10日程度

手術から1週間から10日で抜糸を行います。ギプスやテーピングなどをして固定する必要はありませんが、傷や糸が見えてしまうのでマスクをして過ごす方が多いようです。痛みはややあるものの、痛み止めを飲まなくても大丈夫な程度と言われています。

デスクワークの仕事や学校でマスクをしていられる場合、お休みをしなくてもOKというケースがほとんどです。

1-3.切開する小鼻縮小手術のリスク、失敗例

■単独で行うと理想の鼻にならないことも

これはリスクや失敗とは少し違いますが、小鼻縮小をする前に知っておきたいことがあります。小鼻縮小はあくまでも鼻翼の広がりや鼻の穴の大きさを小さくする効果しかありません。そのため、タレントの○○さんのような鼻になりたいという希望がある場合、小鼻縮小だけではなく鼻尖形成、鼻中隔延長、人中短縮やプロテーゼ挿入などの施術のいずれかを同時に行わなければならないケースもあります。

■元に戻ってしまうことはある?

切らない方法(糸で寄せたり)では、後戻りは考えられますが、切る方法では、基本的に後戻りはほとんどないとされています。

■傷跡について

字のごとく、外からの手術になる外側法は内側法にくらべ、相対的に傷が目立ちます。

2.切らない小鼻縮小術とは

切らない小鼻縮小術とは

顔の真ん中にある鼻は印象を大きく左右する要素。失敗した方の中には何度も修正手術を受けているという人もいるので、施術を受けるときは納得できる方法を選ばなくてはなりません。

ここからは「横に広がった鼻をなんとかしたいけど、切開するのはイヤ」という方のために、切らない小鼻縮小術について詳しく説明していきます。なお、「鼻の内側を切開する方法」を切らない小鼻縮小と呼んでいるケースもありますが、ここでは切開を行わない方法を説明していきます。

2-1.切らない小鼻縮小術の方法

切開せずに小鼻を縮小する方法は以下、3つの方法があります。

  • ●鼻ボトックス
  • ●脂肪溶解注射(BNLS)
  • ●糸で縮める方法

ひとつひとつ見ていきましょう。

2-2.切らない小鼻縮小術・鼻ボトックス

鼻の穴を大きくする筋肉である鼻孔開大筋(びこうかいだいきん)や鼻の穴を横に広げる筋肉である上唇鼻翼挙筋(じょうしんびよくきょきん)などに筋肉の動きを抑えるボトックスを注射する方法。筋肉の動きが止められることで、鼻の穴が大きく広がったり、横に広がるのを抑えてくれます。

費用はアメリカのアラガン社製ボトックスを使用して15,000円程度。施術時間も5分程度と短く、注射の針を通す穴が開くだけなので、後に残る心配もありません。ただ、ダウンタイムや術後の痛みは少ないのものの、注射を打つときの痛みが強いという声も。効果の持続は3ヶ月〜半年程度です。

■ガミースマイルの治療にもなる鼻ボトックス

上唇鼻翼挙筋にボトックスを打つ方法は上唇を持ち上げる力も弱められるため、笑ったときに歯茎が見える「ガミースマイル」の改善にもつながります。

2-3.切らない小鼻縮小術・脂肪溶解注射(BNLS)

脂肪溶解成分を小鼻に注射して、すっきりさせる方法。植物由来の成分を多く配合した薬剤で脂肪細胞を溶解し、排出を促す治療です。BNLS注射の薬剤には脂肪溶解のほか、むくみ防止や血行改善に効果のある成分も含まれているため、腫れや炎症が起こりにくいのもメリットです。

BNLS注射は時間をかけて脂肪を排出しやすくしていく治療なので、即効性はありません。効果は3~4週間程度で徐々に表れるとされていますが、BNLS ultimateは最短3日で効果が表れるといわれています。鼻先の場合、使用量の目安は1~2cc。1ccの相場は5,000円程度となっています。通常、3〜5回程度の治療が推奨されています。

■複数回打っても効果が見られないという声も

脂肪を徐々に溶解させていくBNLS注射は3回ほど繰り返して施術をすることで効果が実感できるようになります。1回の施術で目に見える変化を希望する人には向いていないと言えるでしょう。効果の出方には個人差があります。

■注射そのものが痛い!という声

ボトックス同様、「術後の痛みはないけれど注射するときが痛い」というのはBNLSも同じ。鼻がパンパンになるのは腫れているのではなく、液体の薬剤が注入されたためであり、こちらは徐々に解消されていきます。

2-4.切らない小鼻縮小術・糸で縮める方法

切らない小鼻縮小術のなかで一番、目に見える効果が出やすいのが糸で縮める方法。糸で小鼻を縫い縮め、鼻の穴が横に広がるのを防ぎます。二重埋没法のように糸で小鼻を縮める方法で、切開する方法と比較すると、傷は小さく、ダウンタイムは軽い内出血程度です。

長期的には後戻りしやすいため、しっかり目に縫い縮めますが、徐々になじんできます。費用は10〜20万程度。吸収される糸を使う場合、糸の本数によって費用が変わってくることもあります。使用する糸は徐々に吸収されていく糸を使う場合と、吸収されない糸を使用するケースがあります。

・吸収される糸
糸の種類にもよりますが、1年〜2年程度で生体に吸収される糸を使用します。糸が吸収される過程で、周辺のコラーゲン線維が増加し、糸が溶けた後もある程度効果が持続すると言われていますが、効果の持続は1年程度です。

・吸収されない糸
吸収される糸に比べて後戻りが少ないと言われています。長期的にみると、糸がゆるむことによって少し後戻りします。気に入らない場合は抜糸して元に戻すことも可能です。

2-5.切らない小鼻縮小術のメリット

切らない小鼻縮小術のメリット

切開する方法はダウンタイムが長く、ほとんど目立たなくなるとはいえ傷跡が残ることもあります。切らない小鼻縮小術はいずれもダウンタイムが短く、外から見える傷が残らないのが大きなメリット。また、施術時間も短く、メイクも直後から可能です。日常生活に影響がないので、ダウンタイムのためのお休みが取れないという方にも適しています。

注射系の治療は切開する方法や糸で止める方法よりも費用が安く「とりあえず小鼻縮小したらどんな風になるのか知りたい」という方にもおすすめです。

2-6.切らない小鼻縮小術のデメリット

切開する方法に比べて縮小効果が弱く、持続しにくいことが最大のデメリット。鼻の印象を大きく変えたいという人には不向きです。また、長期的にみると後戻りがしやすく、BNLS注射のように効果に個人差があるものは人によって「何も変わらなかった」ということも。その場合、いくら1回の費用が安くてもお金がムダになったと感じてしまいますよね。

実際に切らない方法を何度か試してみて、最終的に切開する小鼻縮小手術を受けるという人も少なくないようです。

まとめ

顔の中心に位置する鼻が変わることで顔の印象も大きく変わります。逆にいえば、気に入らない鼻になってしまうと鏡を見るのが辛い……ということになりかねません。小鼻縮小をしてみたいけれど、切るのが怖いという方、まずはどのくらい変化するのか見てみたいという方は、切らない小鼻縮小術から試してみてはいかがでしょうか。

施術を受けるときは「切らない方法だから」「プチ整形だから」といって、価格だけで決めるのではなく、鼻の手術に熟練した医師を探してカウンセリングを受けるようにしてくださいね。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込です。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

Emiri

Emiri

美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。

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監修:

曽根良子 医師

仙台タウン形成外科クリニック

形成外科専門医。手術で患者さんの人生を豊かにしたいと形成外科を志す。知識と技術の向上を追求し、女性ならではの細やかなケアを通じて、患者さんに寄り添った治療を提供。東北地方で形成外科の普及に貢献中。

東京女子医科大学 卒業
北海道大学付属病院 研修
北海道大学形成外科、函館中央病院形成外科
福島県立医科大学形成外科
タウン形成外科クリニック 勤務