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ほうれい線とならんで老けた印象を与えてしまうマリオネットライン。顔のしわのなかでも特に見た目年齢をあげてしまう要素ですが、このマリオネットラインはなぜできるのでしょうか。ここではマリオネットラインができる原因と改善方法について詳しく解説していきます。

目次

1.老け顔の象徴! マリオネットラインを消すには

1-1.マリオネットラインとは

マリオネットラインとは口角からあごに向かって伸びるシワのこと。操り人形や腹話術の人形などにある口が開くときのラインのようなシワであることからこう呼ばれています。

頬のたるみが原因のひとつなので、マリオネットラインができている人の多くがほうれい線にも悩まされているようです。そのため、「二重ほうれい線」と呼ばれることも。マリオネットラインは一時的に現れる小じわと違って深いシワなので、一度できてしまうと解消するのが難しいと言われています。

マリオネットラインがあるとぐんと老けて見えてしまい、若々しさが失われてしまうことに。できるだけ早く手を打ちたい深刻なエイジングサインであると言えるでしょう。

1-2.マリオネットラインができる原因とは

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■加齢によるたるみ

マリオネットラインができる一番の理由は加齢による頬のたるみ。「マリオネットラインがあって、ほうれい線がない」という人はあまりいません。ほうれい線は頬がたるむことによって起こるシワ。そのたるみが悪化することで、マリオネットラインが現れるケースが多いからです。

年齢を重ねるにつれ、肌の内部でハリをキープしているエラスチンやコラーゲンといった成分が変化し、スプリングが弱くなるようにして肌の弾力が失われていきます。同時に肌の生まれ変わりであるターンオーバーが低下すると、新しく作られるコラーゲンやエラスチンの量も減っていくことに。

このようにして、皮膚そのものや皮下脂肪が支えきれなくなり、肌がたるんだ部分に深いしわができてマリオネットラインとして現れます。人のよってはほうれい線がそれほど目立たず、マリオネットラインが現れる人もいますが、ほとんどの人がほうれい線とマリオネットラインがセットでできるケースが多いようです。マリオネットラインは、普通40代半ば以降に現れますが、早い場合、30代後半でマリオネットラインに悩まされる人も。

■筋肉の衰え

口の周りの表情筋が衰えることでマリオネットラインが現れるケースもあります。頬を持ちあげる筋肉が衰えて頬がたるむ→ほうれい線ができる→マリオネットラインが現れます。

1-3.マリオネットラインをお手入れで改善する方法

気になるマリオネットラインを改善するにはどんなお手入れをすればいいのでしょうか。

■たるみによってマリオネットラインができている場合

残念ながら、たるみが原因のマリオネットラインは一度できてしまうとなかなか改善させることができません。ほうれい線もマリオネットラインも両方ある、という場合、家庭でのお手入れで解消することは難しいでしょう。

■マリオネットラインを予防するエクササイズ

背筋を伸ばした状態で、アゴ先をやや上に上げ、唇を閉じた状態で口角を思いきりあげます。両手は重ねて鎖骨の上におきましょう。そこから頭を後ろに反らせます。
鎖骨に置いた手を軽く押さえるようにしながら、口角をあげたままで5秒数えたら、初めのポーズに戻ります。10~20回繰り返すと効果的。首の前にある広頸筋と頬を持ち上げる頬筋を意識して行いましょう。

■生活習慣やクセを見直してマリオネットラインを予防&改善

誰とも話さずに表情筋を使わない生活を送っていると、口周りの筋肉がたるみ、マリオネットラインやほうれい線ができやすくなります。できるだけ、表情豊かに過ごすようにしましょう。

また、頬杖をつく習慣があったり、猫背の人は顔のゆがみや筋肉の衰えを招きたるみによるシワができやすくなります。頬杖をつくのはやめて、背筋はできるだけピンと伸ばすようにしましょう。

さらに肌のたるみを招く睡眠不足や喫煙もNG。エクササイズや美顔器を使ったお手入れをしていても、ムダになってしまいます。生活習慣を見直すことは顔全体のたるみを予防することにつながると覚えておきましょう。

2.マリオネットラインを美容外科・美容皮膚科で改善させる方法とは

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たるみによって起こるマリオネットラインを本気でなんとかしたい!というときは、やはり美容外科・美容皮膚科で相談するのが一番。では、美容外科・美容皮膚科ではどんな方法でマリオネットラインのケアができるのでしょうか。ここからは切らない方法を中心にマリオネットラインを改善してくれる施術を紹介していきます。

2-1.ボトックス注射

口角をさげるときに動く口角下制筋の力が強い、あるいは過度の緊張がかかっているといった理由で口角が下がりがちな方にはボトックス注射が有効です。ボトックス注射は神経から伝達される筋肉を動かす命令を遮断することで筋肉の動きを制限するもの。
施術時間は5分程度でマリオネットラインが目立たなくなります。効果の持続は半年程度で費用は30,000~50,000円程度となっています。

2-2.ビスタシェイプ

ヒアルロン酸注入とボトックス注射を併用する方法。ヒアルロン酸でボリュームアップしてたるみやしわを防ぐ支柱としながら、若々しくふっくらした印象の肌にし、さらに必要な箇所にボトックス注射を打って筋肉の動きを抑え、自然にマリオネットラインを薄くします。

従来のヒアルロン酸注射のようにしわに直接打つのではなく、必要なパーツに少しずつヒアルロン酸を注入していくイメージ。顔全体を見て、しわやたるみができにくくするため、全体的に若返るのが特徴です。
部分的なリフティングというより、顔全体にアプローチしますが、マリオネットラインがある方の多くが他のパーツのたるみやしわにも悩んでいるため、効率的な施術であると考えることもできます。

たるみ具合によってヒアルロン酸を使う量が変わってきますが、費用の相場は部分的に注入した場合で90,000~130,000円程度となっています。

2-3.エランセ

外科手術の縫合やハッピーリフトなどにも使用される、吸収される糸のPCL(ポリカプロラクトン)とCMC(カルボキシメチルセルロース)を使用した注入剤がエランセです。吸収される成分のみでできているため、安全性が高いことがメリット。アメリカのFDAの承認も受けた薬剤です。

さらに、注入時に刺激を与えることで、コラーゲンが作られる働きを促進。注入系の施術のなかでは効果の持続期間が長く、2~3年はボリュームを維持し、マリオネットラインが目立たない状態をキープできる施術です。個人差はあるものの、マリオネットラインのようによく動くパーツのリフティングには適した質感の薬剤だと言われています。

ただし、エランセの成分にはヒアルロン酸のように溶解剤がないため、元に戻すことができません。そのため、クリニックによっては一度、ヒアルロン酸注射などでリフトアップしたイメージをつかんでからエランセの施術を勧めているところも。効果の持続期間によって、エランセSとエランセMを使いわけており、費用は80,000~150,000円程度が一般的です。

2-4.PLAリフト

コグ(突起)のついたPLA(ポリ乳酸)を極細の針でSMAS層に挿入するリフトアップ方法。強度の強い糸なので高いリフトアップ効果が期待できます。挿入した糸は1年半から2年程度で溶けて吸収されるため、異物が残る心配はありません。

また、糸が挿入されたことによる刺激で肌のコラーゲンが生成される機能を促すこともでき、肌のハリもアップします。引き上げと引き締めが同時にできるというわけですね。

ダウンタイムはほとんどありませんが、施術直後はしばらく針穴が目立つ場合も。リフトアップ効果は落ちるものの、こめかみや耳の下など目立たない部分から糸を挿入することができます。費用は糸1本当たり40,000円くらいから。

2-5.ウルセラ

高密度焦点式超音波の熱によるダメージを肌に与えることで、3D方向から肌を引き締める方法。外科手術によって引き上げるSMAS筋膜にアプローチできるので、機器を用いたリフトアップ施術のなかでも効果が実感しやすい方法。リフトアップとスキンタイトニング(肌の引き締め)効果の両方が期待できます。

「切らないリフトアップ」として信頼度の高い施術で、マリオネットライン改善の場合、費用は150,000円程度からとなっています。

3.まとめ

見た目年齢を一気にあげてしまうマリオネットラインは早めにケアをはじめることが大切。まだ、ほうれい線やマリオネットラインがないという方も、たるみの予防ケアは是非、続けてほしいものです。

また、美容外科での施術は吸収される注入系の施術が多いものの、たるみの状態を見きわめて施術を選ぶことが大切です。まずはクリニックでどんな施術が適しているのかカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

Emiri

Emiri

美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。


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監修:

稲葉岳也 医師

いなばクリニック

東京慈恵会医科大医学部卒業。大学病院にて経験を積み、横浜市でいなばクリニックを開院する。一般皮膚科をメインにしつつも、美容皮膚科治療も積極的に行っています。
特に、多くの機器を導入しているレーザー治療、光治療においては地域の美容かかりつけクリニックとしてリピーターが多い。HIFUテクノロジーのウルトラセルQプラスなど話題の機器も抑えています。

東京慈恵会医科大医学部卒
慈恵医大附属病院
聖路加国際病院
いなばクリニック院長

この記事の監修ドクターが所属するクリニック

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