長期連載企画「美人女医インタビュー」第十九回は、東京駅八重洲中央口から徒歩2分、八重洲形成外科・美容皮膚科の伊藤和子先生です。もともと形成外科で乳房の再建などに携わり、その後美容領域へ。インタビューは苦手とおっしゃってましたが、常に笑みを絶やさず、丁寧に伝えようという姿勢が印象的でした。女性特有の症状の相談も多く、言いにくいこともなんでも相談できそうな雰囲気がしました。

 伊藤和子先生

皮膚科、形成外科を志したのは、目に見えるものを治療していきたいという気持ちが強かったのが理由です

ー最初にまずお医者さんを志した理由を教えていただけますでしょうか。

伊藤先生(以下I):はい。弁護士や医師のような資格職に就きたいと考えていたのですが、最愛の曽祖父が亡くなる現場に立ち会ったのが、とても印象的で、それをきっかけに本格的に医師を志すようになりました。

ー大学は地元に行かれたのですか?

I:大学は福岡の久留米大学です。

ー医学部に行かれて、大学で学ばれたこと、大学卒業後のご経歴を教えていただけますか。

I:はい。地元が宮崎県ですので、宮崎大学で初期臨床研修をさせていただきました。内科、外科、救急、麻酔科をひととおりローテートしました。そのあとは、もともと興味があった皮膚科か形成外科のどちらかを専門にしようと考え迷いましたが、手術が面白く手を動かすことが好きでしたので最終的に形成外科に進みました。東京女子医大形成外科に入局し、本院や関連病院勤務、美容クリニック勤務を経て、現在の八重洲形成外科・美容皮膚科勤務に至ります。

ー形成外科で交通事故に遭った患者さんのお顔を治したりとか。

I:はい。腫瘍や外傷で失われた組織の再建、また乳房再建にも興味がありました。皮膚科、形成外科を志したのは、目に見えるものを治療していきたいという気持ちが強かったのが理由です。

ーなるほど。その後、本格的に美容医療のほうに進まれた理由を教えてください。

I:病気や事故で失われた組織を再建するのが形成外科の分野のひとつなのですが、美容医療では患者様の希望をくみとりながら、自分が美しいと思う形に「造形する」という部分に再建と通ずる面白さを感じこの道に進みました。もともと美容にはすごく興味がありましたので、自然と進んだという感じです。

ーわかりました。その後、美容クリニックにお勤めになられて。

I:そうですね。美容クリニックに入職させていただいて、レーザーや注入治療を主にしていました。

「先生にお願いしてよかった」と言われたときは嬉しいです

 伊藤和子先生

ー大学にいらっしゃる頃、主に携わられていた形成外科は保険診療ですよね。美容になると自由診療になるので、患者さんは選んでクリニックに来られるということで、そのところで気持ちの違いというか、患者さんに対してや、あと先生ご自身で、変わりはありますでしょうか。

I:保険診療は病気を治すのがメインにはなりますので、もちろんきれいな傷跡などを目指すところに関しては,美容と共通するものはあるのですが、美容医療は患者様の希望も重視しつつ、自分の美しいなと思うところにもっていくのが、大きな違いかなと思います。

ーここのクリニックは東京駅からほんとに歩いて2分で着きます。かなり立地がいい場所だと思うんです。来られる患者さんのこういう悩みが多いとか、特徴はありますでしょうか。

I:当院は、保険診療と自費診療を受付しておりますので、様々なご相談の方がいらっしゃいます。
八重洲という土地柄、よく来られる患者様はやはりこの周辺で働かれてる会社員の方が圧倒的に多いです。女性社員の方でブライダルの準備に休憩時間を利用して来られたりとか、夏は多汗症治療の脇のボトックス注射も多いです。また、ありがたいことに、通われている患者様のご紹介でいらっしゃる方もとても多いです。

ー昼休みにオフィスからそのまま来られる。

I:昼休みのときに抜けてこられ、オペをしてそのまま戻る方もいらっしゃいます。

ー元気になる点滴でしょうか?

I:はい。高濃度ビタミンC点滴や、二日酔い点滴、プラセンタ注射など、毎週受けに来てくださる患者様もいらっしゃいます。

ー美容医療の医師をしていてよかったことや、こういうことを言われたときが一番うれしかったというのはありますか。

I:ありきたりですが、保険でも美容でも良い治療結果が出て、患者様に喜んでもらえる瞬間が一番この仕事をしていて良かったと感じます。「先生にお願いしてよかった」と言っていただけたり。
当院は女性のVIO(女性器周辺)の手術が多いため、「女性の先生を探していました!」という患者様に会えたときも嬉しいです。
新しい治療を患者様に提供する前にまず自分で試して治療結果を判断できることも楽しいです。

ーなるほど。なかなか相談できないんですもんね、男性の先生だと。

I:手術だと「やはり女性の先生がいい」と言われる方がいらっしゃるので。なかなかどこに受診していいかがわからなくて、産婦人科や皮膚科に行って、「うちではちょっと取れない」と言われて、やっと形成外科にたどりつきましたというような患者様もいらっしゃいます。形成外科でどのような治療ができるのかがもっと一般に認知されて、受診していただけるようになるといいですね。

ーどんなにオペがうまいと言われても、なかなか男性の医師に相談はちょっと……ですね。

I:手術部位的には少し相談しにくいかもしれませんね。あとは乳房や背中の皮膚腫瘍の手術も多いです。

ーそれは保険診療でしょうか?

I:保険診療ですね。

ーほかのクリニックとは、そういうところで、差別化になりますね。八重洲形成外科・美容皮膚科は女性の先生が3人いらっしゃいますよね。なので安心して行けるかもしれませんね。

I:そうですね。

施術中はこまめに声掛けをしてコミュニケーションをとるようにしています

ー次の質問なんですけど、ヒアルロン酸、ボトックス、注射でもレーザーでも、美容医療に行くときにちょっと二の足を踏むのは痛みだと思います。多分やってみたら、そうでもないんでしょうけど、行くまでは過敏になるというか。

I:怖いかもしれませんね。

ー怖いという気持ちがあると思うんです。そこで、こういう痛み対策をしてるというのはありますか。

I:よく冷やすということは気を付けてます。あとは圧覚が痛覚よりも早く脳に伝わることを利用して、注射部位の周辺皮膚に圧をかけながら注射を行っています。

ー圧があるほうに気がいくというか。

I:はい。それからこまめに声掛けをしてコミュニケーションをとるようにしています。

ーそうすると患者さんの気が紛れて。

I:患者様に少しでもリラックスして施術を受けていただくために、手を動かしながらもお仕事のことやと子育てのこと等、世間話をして雰囲気づくりに努めています。

過剰な若返りではなくて、ナチュラルなアンチエイジング施術が得意です

 伊藤和子先生

ー先生が得意な施術はありますか?

I:形成外科出身ですので、顔面の解剖を熟知しているため、ヒアルロン酸やボトックスを用いて、自然な若返りを目標とするコンビネーション治療が得意です。

ーアンチエイジングということですね。

I:アンチエイジングですね。あんまり過剰な若返りではなく、ナチュラルなのが得意です(笑)。

ーよく言われるのが施術する女医さんの顔に似るという。

I:もちろん患者様ごとに、もともとのお顔に似合う美しさのバランスがありますので、どの患者様も同様に施術を行うわけではありませんが、女医さんの顔をみると治療のゴールが想像しやすいかもしれませんね。

ー先生は拝見しても、すごいナチュラルですよね。

I:いえいえ、全然(笑)。

ーこういうふうになりたいという女医さんを探せばいいですね。アンチエイジングはずばり何歳から始めたほうがいいですか。

I:一般的にお肌の曲がり角と言われる20代後半から、軽いアンチエイジングの治療を始めるのが一番いいのではと思います。自分もそうでしたので。

ー26~27歳ぐらい?

I:そうですね。

ーレーザーとかですか?

I:レーザーや光治療、ハイフやピーリングなど、何かお肌の変化が気になり始めたらもう治療を開始すると良いと思います。理想をいえば、たるみ治療に関しては予防的に20代後半から30代前半で開始していただけると良いと思います。

保険診療から入り、当院のように、自費医療も両方設けているクリニックで、美容が気になれば、聞いていただいたりするのもいいと思います

 伊藤和子先生

ー光治療、フォトフェイシャルとか。それともちょっと重なるんですけど、日本は美容医療に対して保守的というか、韓国は全然そういうことはないと思うんですけど、今後、例えば20代後半で自然に「昨日レーザーやってきたよ」とご飯食べながら話せるような、そういう環境になるために何が必要ですか。

I:難しいですね。何が必要か。やはり発信力ある人、今で言ったらSNSで美容家さん、芸能人の方とかが「こういう治療を自分はやってます」というふうにもうちょっと発信してくれると皆さんの垣根がなくなるかも……(笑)。

ー美容皮膚科に関しては、前よりはテレビ、雑誌で公言する芸能人の方は増えた印象があります。

I:そうですね。初診で来院されて、いきなり侵襲的な治療をしますというところではないので。保険診療でニキビ治療などから始められる患者様も多いので、保険診療で受診された際に、自費での治療も興味があれば聞いていただいたりすると良いと思います。

ーなかなか美容外科のほう、いわゆる整形のほうは、またさらにちょっと言いづらいというか。

I:そうかもしれません(笑)。

ーレーザーは、基本的にはやらない理由はないという結論でいいんですかね。科学的に証明されてるということで。やらないというのは、そういう負い目みたいなのがあるという理由だけで。本来だと20代後半ぐらいからもうやったほうがいいと。

I:はい。気になってる方は、治療をしたほうがいいと思います。

ー女性の20代後半は、若く見えるか見えないかの分岐点というか。

I:そうですね。30歳頃から少しずつ差が出てくるのではないかと思います。あとは、私もそうだったのですが、20代後半は結婚適齢期ですので、自分のブライダルのときには、もっときれいになりたいと、女性はすごく頑張るじゃないですか。ブライダルエステに通ったりする方も多いと思いますが。それと同じように、ブライダルをきっかけとして美容皮膚科にも通っていただけると嬉しいです。

ーきっかけはそういうところから始めてっていう。

I:やはり一番きれいになりたいときだと思いますので。

ーそうですね。美への投資という意味でも。

I:そうですね。

ー紫外線は相当気を付けたほうがいいという。

I:紫外線対策に関しては、若ければ若い時からの方が良いと思います。私は学生の頃テニスをして、紫外線をたくさん浴びてしまったのを後悔しています(笑)。

ー早めに紫外線を浴びないように気をつける。

I:はい。当たらないようにとか、あとは外用、内服とかの紫外線対策、日焼け止めですね。

ー今、飲む日焼け止めもいろいろ出ていますよね。

I:外回りの営業マンの方をはじめ、男性も飲まれてる方が多いです。男性はあまり塗ったりするのが好きではないので。

自分の美容法はトレチノイン、プラセンタ注射、サプリ、漢方などです

 伊藤和子先生

ー分かりました。先生が今までされてきた美貌を保つための美容法を全部教えてください。

I:紫外線対策はしっかり行っています。あとはトレチノインの外用が好きです。皮が剥けてつらい期間はあるのですが、剥けた後は、すごくツヤやハリが出て効果が目に見えて好きですね。それからプラセンタ注射もよく自分で打っています。

ーそれはやっぱりいけるもんなんですか、鏡を見ながら。

I:鏡を見ながらやってます。

ートレチノインになると、敷居が低いというか、初めての方でもやりやすいかもしれないですね。

I:そうですね。外用からなら、レーザーよりは、試してみやすいのではないでしょうか。

ーやりやすいという。結果も出ますか。

I:はい、出やすいと思います。

ーツヤ、ハリが出てくるという。あとはサプリとかはどうですかね。

I:サプリは、ビタミンC、トランサミンは飲んでます。あとは最近よく飲んでるのが漢方薬です。

ーそうなんですか。漢方はご自分で調合されていますか?

I:そう、調合というか、自分の体質を考えながら、これ合ってるかなとか、体調を見ながら、これ飲んでみようかなみたいな。

ー漢方薬は体調よくなりますか?

I:そうですね。

ーだるさが取れたりとか?

I:はい。あとむくみだったりとか。

ーレーザーも当てられたりしていますか。

I:レーザー、光治療は月に1回は照射しています。ノーリスという機械を当てています、バシバシと。

美容室に行くように肌のメンテナンスで気兼ねなく通っていただける方が増えるといいなあと思います

 伊藤和子先生

ー分かりました。先生はここのクリニックに入職されて1年ですね。どういうふうなクリニックにしていきたいというはありますかね。

I:美容クリニックはまだ敷居が高いと感じている女性も少なくないと思いますが、当院は、スタッフもドクターもアットホームな雰囲気で、すごく親しみやすいと思いますので、美容室に行くように肌のメンテナンスで気兼ねなく通っていただける患者様が増えると嬉しいです。

ー原院長先生(八重洲形成外科・美容皮膚科 原かや先生【美人女医インタビュー第四回】)のお人柄もありますかね。

I:はい、あると思います。

ー自由診療もされていますが、例えば女医さんの名前や何々クリニックとかでなく、八重洲形成外科・美容皮膚科という名前は来やすいかもしれないですね。

I:そうですね。

ー原院長先生もチラッとおっしゃってたんですけど「かやクリニック」にしなかったのは、一人の医師を前面に出すというよりは、女医3人で回して、誰にでも相談できる女医さんが複数いる雰囲気のクリニックにしたいという意図があったと。

I:そうですね。

ー「今日、八重洲形成外科に行ってきたのよ」と、言いやすかったりするので、それは大きいかもしれないですね。

I:はい。あと形成外科は、開業医さんで掲げてるところがまだまだ少ないので、皮膚科は多いですけど、形成外科は少ないので、ネットの検索とかで来てくださる方がすごく多いですね。

ーあと場所もいうことないですね。

I:アクセスはいいです(笑)。

ーここからすぐなんですが、移転前の京橋にあったときもおじゃましたんですけど、全然ここの立地のほうがいいですね。移転前は大衆焼き鳥屋のすぐ上で(笑)。

I:から揚げがおいしいとこですよね(笑)。

ーそうそう(笑)。こっちにあると全然イメージが違いますもんね。

I:そうですね。

ー迷わないですね。東京駅の八重洲中央口から真正面ですもんね、ほんとに。

I:あと、地下を通ったら陽に当たらなくて済みますし、雨の日も濡れずに済みますから。

主人との出会いが、印象的だったので、今でも結構思い出しますね

 伊藤和子先生

ー分かりました。それでは最後の質問ですけど、若い頃の忘れられない恋愛はありますか?

I:忘れられない恋愛ですか。主人との出会いが、印象的だったので、今でも結構思い出しますね。

ーどういう出会いだったんですか。

I:出会いはエレベーターのなかでした。

ー月9のドラマですか? 相手は三上博史ですか?

I:(笑)。

ー六本木ヒルズのエレベーターとか、そういうパターンのやつですか。

I:違う(笑)。

ー普通の雑居ビルではないですよね。

I:勤務先です。

ー旦那様もお医者さんですか?

I:そうです。

ーそれが忘れられない思い出ということで。

I:あとはみんな忘れました(笑)。

八重洲形成外科・美容皮膚科所属医師のインタビューはこちら

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

八重洲形成外科・美容皮膚科

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【八重洲形成外科・美容皮膚科公式サイト】
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撮影:take ohta(SIMA)

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監修:

伊藤和子 医師

八重洲形成外科・美容皮膚科

久留米大学医学部医学科卒業。初期臨床研修後、東京女子医科大学形成外科を経て現在は八重洲形成外科・美容皮膚科勤務。
患者様の希望をくみ取った美を医師として提供することに魅力を感じ、美容医療を目指す。患者様に対して優しく丁寧な対応を心がけ、施術中にも常に患者様に声掛けをし、リラックスに努める。自身も様々なスキンケア、サプリメントを取り入れ、治療にも活かしています。

日本形成外科学会

久留米大学医学部医学科卒業
宮崎大学医学部附属病院で初期臨床研修
東京女子医科大学形成外科
美容クリニック
八重洲形成外科・美容皮膚科

この記事の監修ドクターが所属するクリニック

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