顔を大きく見せて、一気に見た目年齢をアップさせる頬のたるみ。ほうれい線やブルドックラインの原因にもなり、頬がたるんでいるだけで、10歳以上老けて見られてしまうこともあります。加齢による肌の衰えが大きな原因ですが、実はそれ以外にも頬のたるみが起こる理由があります。ここでは頬がたるむ原因や改善方法についてお話していきます。

目次

  • 1.頬のたるみって?
  • 1-1.頬のたるみって?
  • 1-2.頬のたるみが起こる原因
  • 2.頬のたるみを改善する方法
  • 2-1.頬のたるみを改善するコスメ
  • 2-2.頬のたるみを改善するエクササイズ
  • 2-3.頬のたるみを改善するツボ
  • 2-4.頬のたるみは10代から? 生活習慣の見直しも!
  • 2-5.美容外科で頬のたるみを改善する 
  • 3.まとめ

頬のたるみって?

頬のたるみといっても、実はそのサインはいろいろ。「え? これも頬のたるみと関係あるの?」と思うものもあるかもしれません。ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。

1-1.頬のたるみって?

頬のたるみは徐々に進行していきます。まずはどんなふうに頬のたるみが現れるのか見ていきましょう。

■フェイスラインがぼやけてくる

30代後半から40代になると、自分が写った写真を見て、なんとなくフェイスラインがぼやけているように感じることがあります。これも頬のたるみの前兆のひとつ。毎日、鏡を見ているだけでは気がつきにくいので、ときどき自分の写真を撮って客観的な目で眺めてみることも大切です。

■毛穴が目立ち始める

頬がゆるんでくると、毛穴が下に引っ張られて目立ち始めます。毛穴が縦長になったように感じることも。いわゆるたるみ毛穴です。ただ、たるみによって毛穴が開くというよりも、もともと開いていた毛穴のまわりの肌がたるむことで毛穴が広がって見えると言った方がいいかも。たるみ毛穴はたるみのケアだけではなく、毛穴を引き締めるor肌をふっくらさせて毛穴を目立たなくするケアの両方が必要になります。

■口角が下がってくる

頬の重力に耐えられなくなると、自然と口角が下がってきます。「怒ってるの?」「楽しくない?」と言われるようになったら要注意。頬のたるみとともに、筋力が低下しているのかもしれません。

■ほうれい線、ブルドックライン

頬のたるみが進行すると、まずほうれい線が現れます。ほうれい線は乾燥によってできることもありますが、多くの場合、頬のたるみが原因です。さらにたるみが進行すると、頬の肉を支えきれなくなっていわゆるブルドックラインが現れます。最近は若い人でもほうれい線に悩まされる人が増えているようです。

1-2.頬のたるみが起こる原因

ほうれい線、ブルドックライン

出典 http://gahag.net/

頬がたるむ原因は加齢だけではありません。ちょっとした習慣が頬をたるませてしまうことがあるので、当てはまる点がないかチェックしてみてくださいね。

■加齢によるもの

加齢によって肌のターンオーバーが低下し、コラーゲンやエラスチンといった肌のハリを保つ成分が作られにくくなると、肌は重力に耐えられなくなってたるみます。

■紫外線によるもの

紫外線によって起こる肌トラブルがシミだけだと思っていませんか? 紫外線は肌表面の細胞を傷つけてシミや炎症を引き起こす「UVB」と肌の真皮層まで届いて、シワやたるみの原因になる「UVA」の2種類があります。

UVAは真皮層にあるコラーゲンを変性させて、肌のハリを低下させます。UVBと比較すると、肌に急激な変化が現れるわけではないのですが、確実に肌を老化させます。UVAはガラスや雲もすり抜けて肌に到達するため、くもりの日や家の中で過ごすときにも注意が必要となります。

■姿勢やクセが影響しているもの

姿勢やクセが影響しているもの

出典  http://www.photo-ac.com/

パソコンやスマホを操作する時間が多くなっていませんか? 前かがみの姿勢が続くと、アゴを前に出すようになり、肌が下にひっぱられるようになってしまいます。顔もつねにうつむきがちになるので顔の筋肉は常に脱力状態に。姿勢が悪いと、肌のたるみと筋力の低下が同時に起こり頬をたるませてしまうのです。

若いのにうっすらとほうれい線が浮かんでいる人を見かけませんか? これはスマホやパソコンの普及が進んだことが影響していると考えられます。

また、頬づえをつくクセのある人も要注意。目元の肌がひっぱられてシワになりやすいだけではなく、骨格がゆがんでフェイスライン全体がたるんでしまうこともあります。骨格がゆがんで起こるたるみの解消は時間がかかるもの。頬づえはつかないようにしましょう!

■急激なダイエットなど体重の減少

急激なダイエットなど体重の減少

出典 https://visualhunt.com/

無理なダイエットで急激に体重を落とすと、頬がたるんでしまうことがあります。特に食事制限だけのダイエットは筋肉も落ちてしまうので要注意。1か月に落とせるのは体重の5%をめどにしましょう。60キロの人なら1カ月に3キロまでということ。また、筋トレや顔の表情筋エクササイズ、リフティング効果のあるコスメなども併用して、たるみを防ぐようにしましょう。

■口呼吸が頬のたるみの原因に?

気を抜いているとき、ぽかんと口が開いてしまうことはありませんか? もしかしたら、口呼吸が習慣になっているのかもしれません。口呼吸を続けていると、舌の筋力が低下し、口角が下がって頬もたるみやすくなります。

口を閉じたとき、舌の先がどこに当たるかチェックしてみましょう。上下の歯に当たったり、どこにもつかなかったりする場合、舌の筋力が低下している可能性があります。正しい位置は上あごの真ん中、前歯の生え際部分になります。舌打ちをするときに、ちょこんと舌が当たる部分といえば分かりやすいでしょうか。

口をぽかんと開けて口呼吸していると、以下の筋肉がゆるみ、衰えていきます。

  • ・口輪筋→口のまわりの筋肉
  • ・大頬骨筋(だいきょうこつきん)、小頬骨筋(しょうきょうこつきん)→笑うときに使う、口角をあげる筋肉
  • ・笑筋→笑ったり、口を横に広げたりするときに使う筋肉

口呼吸を続けていると、子供でも顔がゆがんだり、しもぶくれになったりすることがあるほど。気がつくと口が半開きになっているという人はしっかり口を閉じて鼻で呼吸することを意識しましょう。

2.頬のたるみを改善する方法

頬のたるみとひとことで言っても実にさまざまな原因があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。ひとつひとつ原因を取り除けば、たるみを遅らせることは不可能ではありません。ここからは頬のたるみを改善するいろいろな方法を説明していきます。

2-1.コスメはあくまでもたるみを予防するもの

頬のたるみは主に筋力の低下や姿勢の悪さ、頬づえ、口呼吸といった習慣が原因になっています。そのため、コスメだけで頬のたるみを改善するというのは簡単なことではありません。コスメはあくまでもたるみを予防するためのもの。とはいえ、まったく使わなければ、たるみはますます進行してしまいます。筋力アップやたるみを招く習慣を改善することも並行して行うようにしましょう。

・オバジ ダーマパワーEXリフトクリーム

オバジ ダーマパワーEXリフトクリーム

出典  http://www.obagi.co.jp/

保湿成分アスパラゴプシスアルマタエキスを配合。角層の奥まで届き、バネのようなハリをもたらしてくれるクリーム。税込11,000円。

「obagiのリフトクリーム。 ドラッグストアで¥10000。 使っていくうちに、頬のたるみが気になりだして使い始めたら、効果あり‼」

出典 http://girlschannel.net/

「たるみにきく化粧品は聞いたことないなあ。 私もしわはないけどたるみが気になってます。 最近は気づいた時に顔のリンパを流す感じにしてます。随分とスッキリしてきたと周りからも言われます」

出典 http://girlschannel.net/

「色んな化粧品試したが リンパのフェイスマッサージしたら、顎の線が見えるように。 今までの化粧品代 返して欲しい」

出典 http://girlschannel.net/

■紫外線カット剤は通年使用して

たるみの原因となるUVAを効果的にカットする日焼け止めを常用しましょう。保湿やリフティングコスメにいくらお金をかけても、紫外線を浴び続けていたのでは意味がありません。日焼け止めを選ぶときには、UVBをカットする効果を表す数値であるSPFだけではなく、たるみを初めとする深刻なダメージの元となるUVAをカットするPA値も必ずチェックしましょう。

・アスタリフトホワイト パーフェクトUVクリアソリューション

アスタリフトホワイト パーフェクトUVクリアソリューション

出典  http://shophealthcare.fujifilm.jp/

「極めて高い効果がある」とされるPA++++の日焼け止め。アスタキサンチンやコラーゲンなども配合し、日中のくすみも防いでくれます。ライトアナライジングパウダーのはたらきで、透明感のある肌に。下地として使用できます。

・ロレアルパリ リバイタリフト UV ブロック アクア エッセンス

ロレアルパリ リバイタリフト UV ブロック アクア エッセンス

出典 http://www.cosme.net/

ロレアルパリのエイジングケアラインであるリバイタリフトの日焼け止め。UVAカット効果が高いPA++++に加え、SPF50。肌荒れもしにくく、ファンデのノリもよくなると評判。レジャー用にも最適です。

2-2.頬のたるみを改善するエクササイズ

放っておくとどんどん進行してしまう、頬のたるみ。頬の筋力を鍛えてたるみを防止しましょう。

頬の筋力をアップして口角をあげるエクササイズ

口を閉じた状態で口角をきゅっとあげます。唇を歯に押し付けるようなイメージで行いましょう。その状態で笑顔を作るようにして口角をさらに上げます。口角をあげて、緩めるという動きを30回程度繰り返しましょう。呼吸は自然に行い、歯を食いしばらないようにします。簡単にできるので、パソコンを眺めながら仕事中に行ったり、家事をしながらトライしてもOKです。

頬の筋力を強化するエクササイズ

両頬に空気を入れるようにして思い切りふくらませます。その後、思い切り吸い込むようにして頬を真空状態のようにへこませます。ゆっくりと10回繰り返しましょう。

フェイシャルフィットネスPAO

フェイシャルフィットネスPAO

出典 http://www.mtgec.jp/

口にくわえて30秒振るだけで頬のたるみやシワ、ほうれい線を予防できるエクササイズ器具。表皮、真皮、皮下組織を支える口輪筋や大頬骨筋、小頬骨筋、笑筋といった表情筋をまんべんなく鍛えることができます。シンプルな器具でありながらモニターの94%が満足したと答えています。

2-3. 頬のたるみを改善するツボ

気がついたときに刺激することでさまざまな効果をもたらしてくれるツボ。頬のむくみを改善してくれるツボを覚えておけば、いつでもどこでもたるみ防止ケアができます。イタ気持ちいいくらいの強さで押せば、こわばった顔がほぐれるような感覚でリラックス効果も得られますよ!

・下関(げかん)
こめかみより少し顔側(目尻と耳の穴の線上の中間地点)にあるツボです。口を開けたときに少し膨らみ、口を閉じるとへこむ部分があります。これが下関です。このツボをゆっくりと押し上げるようにして5~10秒刺激します。血行を促進して代謝をアップしてくれるので、むくみを改善し、たるみを防いでくれます。顔がむくみがちな人はそれだけ皮膚が引っ張られるため、頬のたるみが起こりやすくなります。むくみはこまめに解消するようにしてくださいね。

・散笑(さんしょう)
小鼻の脇と口角をつなぐライン上の中心、ちょうどほうれい線の真ん中部分にあるのが散笑です。このツボを外側から内側に円を描くようにしてくるくるマッサージします。頬のたるみを予防してくれるツボです。

・燕口(えんこう)
口角の部分、唇の両端にあるのが燕口です。こちらも外側から内側に円を描くようにしてくるくるマッサージしましょう。口周りのたるみやしわを予防してくれます。

2-4.頬のたるみは10代から? 生活習慣の見直しも!

「頬のたるみが起こる原因」でもお話したように、たるみは日頃の姿勢や習慣、クセなどの影響を受けます。まず、意識したいのが姿勢です。スマホが普及したことによって、若い頃から猫背になり10代、20代から頬のたるみが起きたり、うっすらとほうれい線が浮かんだりしている人が増えています。

若い世代の人は「まだ、たるみなんて起こるわけがない」と思い込んで、そのサインを放置してしまいがち。姿勢を改善しないまま、20代に差しかかると今度はコラーゲンの生成が徐々に減るなど、じわじわとエイジングが進み始めます。その結果、周りの人よりも早く老け顔になってしまうのです。

コスメやエクササイズをいくら頑張っても、普段の姿勢が悪ければお手入れも焼け石に水です。以下の点に注意して、頬のたるみを招く姿勢やクセを改善しましょう!

  • ・無意味にスマホをいじる時間を減らす
  • ・頬づえはつかないようにする
  • ・口は閉じて鼻呼吸を
  • ・意識して姿勢を正すようにする
  • ・パソコンの位置や椅子の高さが正しい位置にあるか確認する

正しい姿勢

出典 http://www.fujitsu.com/

2-5. 美容外科で頬のたるみを改善する

一度、起きてしまった頬のたるみをセルフケアで根本的に解決することはかなり難しいと言えます。本気で頬のたるみをなくしたい!というときにはやはり美容外科に頼るのが一番。頬のたるみへのアプローチは高周波や光の治療、糸を使ったリフティング、メスを使う手術の3種類があります(費用はすべて税込となり、料金の他に初診料がかかることもあります)。

■高周波や光の治療

・ウルセラ

高周波や光の治療

出典 http://www.ultherapy.com/

日本の厚生労働省にあたる米機関FDAが初めてリフティングの分野で認可したマシン。肌の下にあるSMASと呼ばれる筋膜の一点に集中して超音波を当てることで、ダメージを与え皮膚が回復するときの作用を利用して肌を引き締めるというもの。SMASは切開して行うリフティング手術で引き上げる筋膜。これまでの照射系のマシンでは届かなかった部分にアプローチすることで高いリフティング効果が期待できるとされます。

ただし、赤みが出たり、人によっては強い痛みを感じることも。ウルセラとサーマクールを併用するとさらに効果があがるため、この2つを組み合わせたコースを用意しているクリニックもあります。費用は20~30万円程度です。

・サーマクール

・サーマクール

出典  http://www.shirono.net/

高周波のラジオ波(RF)の熱によって肌を引き締め、ダメージが修復する過程で起こるコラーゲンの再生によってたるみを改善するというものです。施術直後には肌が引き締まり、その後1~3カ月かけてコラーゲンが再生されていきます。費用は18~32万円程度で効果を持続させたい場合、数回にわたって施術を受ける必要があります。

「レーザー光線の何倍もの強さをもつRF波(6.78MHz)の熱エネルギーを使って、皮膚深部から皮下組織、脂肪層に至るまで熱刺激を与えます。コラーゲン組織が産生されることで、皮膚が引き締まり、たるみが改善されます」

出典 シロノクリニック

「サーマクールの人体への作用を分かりやすく言えば、肉を鉄板で焼けば、熱でサイズが縮みます。それと同じ作用が即時変化です。これは顔の形によっては分かりにくい場合もあります。
さらに、人の体は創傷治癒と言って、傷を修復する力があります。熱で縮んだコラーゲンは、その張力を保ちつつ再構築されます。これがサーマクールの主たる変化で、効果が出るのに1~3カ月かかります」

出典 みやた形成外科・皮ふクリニック

・フォトRF
脱毛や光美顔に使用されるIPLとRF波の力で肌を引き締めながら美白効果が得られるもの。たるみだけではなく、毛穴の開きやシミ、くすみが気になる人にも適しています。ほうれい線が目立たなくなったという人も。費用は9,800~30,000円程度となります。

「フォトRFオーロラは、光治療にRF(高周波)を加えることにより、 光が届かない肌の深い部分の細胞にも働きかけ、コラーゲンの再生を促します。 「シミ・そばかすの美白」+「ひき締め・リフトアップ」のW効果を発揮します」

出典 ウォブクリニック中目黒

■糸を使ったリフティング

これまで難しいとされていた、顔正面のたるみを改善する方法としてあげられるのが糸を使ったリフティングです。外科手術よりは効果が低いものの、高周波やフォトRFなどの照射する施術よりは効果が高め。
クリニックによって呼び方に違いがありますが、糸を使ったリフティングには大きく分けて2種類あります。

・糸の力で物理的にたるみを引き上げる方法

・糸を挿入することで肌に刺激を与え、コラーゲンやエラスチンの再生成を促す方法

①糸の力で物理的にたるみを引き上げる方法
突起のついた伸び縮みするタイプの糸を使ってリフティングする方法。糸は吸収されません。顔の正面のたるみにアプローチできるので、頬のたるみやほうれい線の改善に適しています。費用は30~40万円程度。

・スプリングスレッドリフト

「スプリングスレッドリフトとは、伸縮性のあるシリコンの糸を皮下に挿入し、たるみを引き上げるリフトアップ術です。一般的なフェザーリフトやフェイスリフトはお顔の側面を引き上げる施術ですが、スプリングスレッドリフトはお顔の中心部(ほうれい線・マリオネットライン・ゴルゴライン・目周り・フェイスラインのたるみ)まで改善できます」

出典 六本木境クリニック

②糸を挿入することで肌に刺激を与え、コラーゲンやエラスチンの再生成を促す方法
・ウルトラVリフト

吸収性の糸を顔に挿入して立体的に肌を支え、リフトアップするもの。使用する細い糸は8カ月程度で次第に吸収されていきます。糸が肌に存在している間はコラーゲンの生成を促進し続けてくれるため、たるみの改善だけではなく、肌のハリも実感できます。糸は心臓の手術にも使用されるほど、安全性の高いものです。費用は頬のみの場合、12万円~、顔全体の場合、糸80本を目安として20~22万円程度が目安となっています。

「ごく細い針の中に仕掛けた数センチの長さの吸収性糸(PDO/PDS)を多数挿入することによって、顔のリフトアップを図る施術、ウルトラVリフトは、韓国で始まった治療法で、もともとは鍼灸の領域で効果持続性の鍼(置き鍼)として腰痛や肩こりに用いられていたものを美容に応用、これを美容外科医、皮膚科医が導入し、顔面のリフトアップ効果まで併せ持つようになったという変遷を持つ治療法です(ショートスレッド、リードファインリフト、ショッピングスレッドなど取り扱いメーカーによって呼称が異なります)」

出典 みやた形成外科・皮ふクリニック

「ハンモックのように立体的な足場が作られた皮膚内部は、たるみを持ち上げ、また重力により下がってくる皮膚のたるみを支える効果もあります。また、挿入された糸の周りにコラーゲンが絡みつくように高密度に形成され、糸が皮内で吸収されたあともこのコラーゲンが網目状にはたらき、さらなるリフトアップ効果を持続させるフェイスリフトとして人気です」

出典 広尾プライム皮膚科

■フェイスリフト(切開するリフティング手術)

頬のたるみを解消するための手術は、引き上げる場所や層ごとに呼び方が異なります。どこがどのくらいたるんでいるかによって選択される手術が違ってくるため、まずはカウンセリングで相談してみましょう。軽度のたるみに適応となる切開部の小さい手術はミニリフトと呼ぶ場合もあります。

①皮膚だけを引き上げる方法
耳の付け根のあたりを切開して、皮膚だけを引き上げて縫合する手術。軽度のたるみに効果がある方法です。傷口は全体に引き上げる方法と比較すると3分の1程度の大きさで済みます。費用は40~60万円が一般的。

②SMASを引き上げる方法
表情筋の筋膜であるSMASを引き上げる方法。皮膚だけを引き上げる手術よりも、リフトアップ効果が高く、効果の持続性もアップするとされます。費用は70~100万円程度が相場となっています。

「従来のフェイスリフトの手術はタルミを引き上げたい部分の皮膚を剥離し、余った皮膚を切り取る手術でした。しかし、その手術方法では、術後すぐはタルミがなくなったように見えても、早期にタルミが現れる事が問題とされていました。(中略)そこで開発されたのがSMAS法と呼ばれる手術法です。SMASとは頭部、こめかみ、首の表面の筋肉や筋膜と連続して繋がっている組織で、皮膚よりも伸縮性が少ない組織です。この伸縮性が少ない組織を皮膚と同時に引き上げることで、皮膚を引き上げるだけの従来の手術とは違って、後戻りの少ない手術を実現する事が出来ました」

出典 水の森美容外科

③リガメント法
リガメントと呼ばれる顔の靭帯を切断してアンカーとして使用する方法。強力なリフトアップが可能となります。リガメントとは貝柱のように顔の皮膚を支えている繊維組織。リガメントがある部分はしっかり皮膚が支えられているため、たるみにくいのですがリガメントがない部分はたるみが起こりやすくなっています。

このリガメントをいったん切断し、アンカーとして利用することで、より効果的に頬のたるみを引き上げることができます。また、リガメント法は従来の方法よりもリフティング効果がより長続きすることも分かっています。費用は60~200万円までが相場となっています。

「従来法のフェイスリフトで耳の前の皮膚をひっぱっても、リガメントが抵抗となって前方のタルミを引き上げることができません。リガメントを解除すれば、耳前部で引き上げようとする力がリガメントより前方の口角や法令線にまで届くようになります」

出典 ヴェリテクリニック

「フェイスリフトにもさまざまな種類がありますが、中でもリガメントを支えに引き上げるリガメント法は効果的です。従来のSMAS法などのフェイスリフトに比べ、持続期間が長くなったほか、これまで難しかった法令線や鼻、口もとの横のシワやたるみに確実な効果をもたらします」

出典 高須クリニック

「手術は、傷跡がちょうど髪の毛に隠れる部分(耳の前の軟骨に沿った部分)を3~4cm切開し、後ろに引っ張ってしわとたるみを伸ばすというコンパクトな方法。結合させる部分を丁寧に縫い縮めた後、残った皮膚を切り取って縫合します」

出典 高須クリニック

・ミディアムリフト

目の下から頬、アゴから首のたるみにかけて広範囲に引き締めたいなら、ミディアムリフト法という手術が選択されます。この場合、こめかみから耳の前まで切開する必要があるため、傷は若干大きくなります。顔全体が引き締められるので、重度のたるみに悩む方や50代以降の方に選ばれている方法です。費用は80~90万円程度です。

「ミディアムリフトはこめかみから耳の前にかけて切開する手術です。手術は、切開部分から皮膚を後ろに引っ張ってしわとたるみを伸ばし、結合させる部分を丁寧に縫い縮めた後、残った皮膚を切り取って縫合します。ほとんどの傷跡は髪の毛に隠れ、耳の前の切開部も耳との境目に同化するので、時間の経過とともに気にならなくなっていきます」

出典 高須クリニック

3.まとめ

女性の見た目年齢を10歳以上あげてしまうと言われている頬のたるみ。まだ、頬がたるんでいないという方も安心は禁物。毎日のお手入れや姿勢、習慣などを見直して将来的なたるみをできるだけ予防することこそが積極的なケアにつながります。たるみがはじまってしまった人も悪化を防ぐために、ケアは続けましょう。
近年、リフティングに関する美容外科での施術はトラブルも多くなっています。口コミをチェックするなどして施術内容を十分に理解し、信頼のできるクリニックを選ぶようにしてくださいね。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。また価格は変更になる場合があります。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

Emiri

Emiri

美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。

閲覧中の記事: