筆者は現役の美容ナースとして、日々カウンセリングから施術までたるみ治療を行っています。30代半ばからたるみやたるみによるシワはご自身でも気になりだす方が多く、一度の施術では終わらず納得できるまで長期間かかる根気のいる治療と言えるでしょう。

また、他人から見た時にはシミよりシワやたるみの方が年齢を感じるということがわかっています。そのため、見た目年齢を下げることを目的としたアンチエイジングでまず第一に取り掛かるのはたるみやシワ治療がおすすめです。そのたるみの原因も様々です。なぜたるみは引き起こされるのかについて、まずは解説していきます。

【監修医師からのワンポイント】

たるみとは、加齢や生活習慣、外的刺激などが原因で生じます。部位別の原因は皮膚・皮下脂肪・靭帯・スマス筋腱膜と関係があります。原因をしっかりと検索し、かかりつけ医と治療を考えていきましょう。治療も大切ですが、普段から紫外線対策と生活習慣を見直し、たるみ予防を心掛けることも大切です。

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たるみの原因はさまざま

まず、たるみの原因として1番大きいものは加齢です。重力により徐々に皮膚や脂肪がたるむというのはもちろんのこと、顔の老化はそれだけはありません。加齢によって顔の土台である骨の萎縮が起こります。これにより目がくぼんだり頬やこめかみがこけるだけでなく、皮膚や脂肪が余ってしまうことでたるんでしまいます。

さらに、たるむだけでなく頬やこめかみのコケが起こることで顔が特に老化して見えるひし形のシルエットになってしまいます。また、日々の生活でこすったりマッサージしたり頬杖をついたりと、どうしても肌に圧をかけてしまいます。これにより顔のリガメント(靭帯)が伸びることでたるみが起こってしまいます。顔のリガメント(靭帯)はホタテの貝柱のように繊細であるため、徐々にちぎれたり伸びたりして皮膚や脂肪を支えきれなくなってしまうことが原因といわれています。

さらに、光老化もたるみの原因です。光老化はシミだけだと思っている方も少なくありませんが、たるみにも関係しています。UV-Aは波長の長い紫外線のため肌の奥の真皮層に到達し、真皮にある皮膚のハリを保つ弾性繊維という場所が、破壊されてしまい皮膚のハリがなくなってしまうためシワやたるみができてしまいます。

若い頃は肌のターンオーバーも正常で紫外線のダメージを修復できますが、加齢により肌のターンオーバーも遅くなり皮膚が薄くなることで紫外線のダメージを修復できずシミやシワたるみにつながってしまいます。

他にも、皮膚のさらに奥にある脂肪層は深層と浅層に分けられ、それぞれの脂肪が加齢によって萎縮して量が減り弾力も落ちてしまいます。顔の脂肪は複数のかたまりに分けられて配置されていますが、それが加齢で萎縮したり下垂するためたるみやシワ、顔の陰影に大きく影響しています。

また、脂肪層よりさらに深い位置にある筋膜層も老化により緩んだりたるんできます。耳の前に手のひらサイズ程度あるスマス筋膜(SMAS筋膜)は、特に顔のたるみに関係の深い筋膜です。スマス筋膜は顔の深い位置にあるため、たるみ治療のなかでも対処できるものが限られる難しい部分です。

たるみ治療にも様々な種類があります。手術(フェイスリフト)や糸リフトなどダウンタイムの大きいものからボトックスやヒアルロン酸注入といった比較的ダウンタイムの少ない治療があります。その中でも、昨今人気の治療がHIFU(ハイフ)です。

HIFU(ハイフ)とは?

ここまで、なぜたるみが起こるのかについて詳しく解説してきました。
ここからは、たるみ治療について特にHIFU(ハイフ)とはどのような治療なのか詳しく解説していきます。

HIFUとは、高密度焦点式超音波(High Intensity Focused Ultrasound)のことで医療の現場ではエコーや前立腺がんの治療などに使われる技術を応用した機械です。筋膜層・脂肪層・皮膚層といった狙った層に超音波を正確に照射できます。
熱を加えることでタイトニングされ、熱で傷を作りその傷ができた部位を修復しようとして、コラーゲンやエラスチンが増殖することでハリが出て引き締まりリフトアップを実現することができます。

さらに、狙った組織を凝固させる十分なエネルギーを発生させたり、狙った組織以外の周囲の組織を傷つけないこと、特に感染したり出血するような副作用が少ないという特徴があります。
日本で最初に登場したのは、2009年に発売されたアメリカのウルセラという機械です。ウルセラはFDA(日本の厚生労働省にあたるアメリカの機関)で承認を受けている機械で、点状に超音波を出してたるみ治療ができる安全性も確立された機械です。

日本では医師が照射するのが一般的で、機械についたモニターで筋膜や脂肪層などを見ながら高出力で施術していきます。そのため、痛みが強くブロック麻酔をして行うこともあります。私自身、以前働いていたクリニックで取り扱っていましたが、痛みに耐えている患者さんが少なくありませんでした。

ただ、その分効果と満足度はものすごく高く、持続時間が半年から1年ほどと長期間、医師の施術になるため、価格も数十万円するというものです。HIFUの原点と言っても過言ではないウルセラは、疼痛と高額という点から、治療に踏み切る方も少なく、実際、受けられる患者様も年に数人と少なく、継続率も低い印象でした。それらの点を改善した、韓国で作られた機械がウルトラセルQプラスです。

ウルトラセルQプラスの特徴

ウルトラセルQプラスは韓国で作られた機器で、1ショットあたり1.5秒と施術時間も短く痛みも少ないため、患者さんもストレスなく受けられます。施術する側も丁寧にヒアリングしながら施術することが可能です。

照射直後もタイトニングや引き上がりを実感できますが、1番効果の出る時期は創傷治癒過程において1カ月後と言われており、その効果は3カ月程度持続します。エイジングにより徐々にシワやたるみが生じるため、3カ月から半年に1度はHIFUを受けるという習慣をつけるとたるみ・シワの予防・改善になります。

さらに、ドット(点)とリニア(線)といった2種類のカートリッジを使い分けることによって患者さんに合わせたオーダーメイドの治療が可能になった機器です。

ひとりひとり顔の特徴が違うため、コケやすい方や脂肪の多い方、皮膚がたるんだ方など今までは様々な治療とHIFUを組み合わせてたるみ治療を行なっていました。しかし、ウルトラセルQプラスはひとつの機器でオーダーメイド治療が可能です。

▼顔だけでなく身体にも治療できるボディハイフの医師監修記事はこちら


出典 https://jp.jeisys.com/

例えば、二重顎のもたつきが気になるが頬はこけさせたくないという場合はリニアで顎下をタイトニングするように照射してドットでスマス筋膜層(4.5mm)を引き上げ浅い層(2mmや1.5mm)に熱を加えます。そうすると、たるみは引き上がり皮膚のハリも出るのに痩せやすい部分がコケないという治療も可能です。

施術者側のウルトラセルQプラスを使用するメリットとしては、カートリッジが他の機械にくらべとてもスリムで照射する際に当てたくないところは避けることができることや、ハンドピースが他の機械に比べ軽いため長時間施術していても疲れずにしっかりとアセスメントしながら照射することができるところです。

患者さんにとってもこの施術者側のメリットは、治療に関わってくる点ですので、痛みが少なくオーダーメイド治療ができる点と合わせて大きなメリットかと思います。
私自身、ウルトラセルQプラスを使用し施術して他の機械と比較するとスピードとハンドピースの軽さ、患者さんの痛みの感じ方がマイルドという点を特に感じており満足度もこんなに違うのかと驚くほどウルトラセルQプラスは良い機械だと思います。

実際、施術される側になると、4.5mmの1番深い層に届くカートリッジはチリチリっと重い感覚がある程度で、痛みを我慢しなくて良いのに直後から顎下やフェイスラインがスッキリしてとても満足できました。

ウルトラセルQプラスのクリニック選び

患者さんにとって身近な存在になってきたHIFUですが、料金や技術など多くのクリニックの中からどのように選べば良いのかは難しい問題ではあります。
大手のクリニックであれば、3万前後など大変安価に受けることが可能です。しかし、大手のクリニックではマニュアルがありそれに沿った照射方法となっている場合があります。それにより、オーダーメイド治療の可能なウルトラセルQプラスが顔の特徴に応じて深さやパワー、カートリッジを調整できるメリットが少なくなる場合があります。そうなると、気になるたるみは引き上がらず痩せたくない場所がコケてしまうということももしかしたらあるかもしれません。

他にも、ドクターズハイフというものがあります。これは、医師がウルトラセルQプラスで施術するというものです。このメリットとしては強いパワーで照射できるというところと神経の位置のギリギリまで照射するというところです。ただ、価格が高いというデメリットや日頃の施術は看護師が行うことが多いためアセスメントを行いオーダーメイドな治療は看護師でも十分に可能であると考えます。

オーダーメイドHIFUを売りにしているクリニックも増えてきていますので、お顔に応じて看護師とカウンセリングを行い、どのような施術なのかしっかりと理解した上で行う方が満足度も高くなります。
私自身、毎日のようにウルトラセルQプラスを使用して患者さんへ施術していますが、顔面の解剖(神経・靱帯・脂肪の位置)をしっかりと意識して行うことで患者さんの満足度がグッと上がりました。逆にこれがわかっていないと満足のいく結果が出るのは難しいと思います。そのため、誰に施術してもらうかは、すごく重要なことだと考えています。

ここで、特に注意していただきたいのはコケてしまうと元には戻らないということです。ご自身の脂肪やヒアルロン酸を注入したりとプラスでお金がかかったりダウンタイムがかかる可能性があるので、安心して施術をしたいと思えるクリニックで受けることが大切です。ダウンタイムのない治療であるHIFUですが、火傷や神経損傷のリスクはありますのでクリニック選びは慎重に。

まとめ〜たるみ治療HIFUは継続が肝

日々、エイジング(老化)が進んでいくためUVケアはしっかりと行い、肌は擦らず刺激をできるだけ与えないことを意識して行うことが大切です。ただ、それだけではたるみやシワは改善できないため、予防的にHIFUで肌のコラーゲンやエラスチンを増やしたり過剰な脂肪をタイトニングすることでエイジングを緩やかにすることができると言われています。

早い方は20代後半からたるみが生じてくるため、まずは自分の顔の特徴(痩せやすいところ、脂肪の多いところ)を理解してHIFUにトライするのがよいでしょう。たるみ治療は満足いくまで終わりがない治療でもあり、一度たるむとなかなか改善が難しいため、できるだけ現状を維持しながらアンチエイジングすることが理想的です。よりご自身の満足できる5年後10年後を目指して、治療していきましょう。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

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ゆー

4年制大学の看護学科を卒業後総合病院のICUで1年勤務。その後、美容クリニックに勤務して3年目の、看護師としては4年目になる。美容クリニックはパート含め計6院の美容外科・皮膚科勤務歴があり使用した機械や介助についたオペも多い。高校生の頃から肌荒れに悩んでおり、スキンケアマニアのため市販のスキンケアやドクターズコスメの知識も豊富である。

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監修:

黒木いしえ 医師

たなか内科

川崎医科大学医学部医学科卒。
大学病院、市中病院で麻酔科医内科医として幅広い疾患治療に携わり研修を積む。
2015年に父のクリニックを継承し、現在に至る。
趣味・特技は、語学学習、旅行、映画鑑賞。

川崎医科大学医学部医学科卒業
宮崎大学医学部附属病院卒後臨床研修
潤和会記念病院麻酔科
宮崎大学医学部附属病院麻酔科
古賀総合病院内科
医療法人社団 田中重治会入職

執筆:

ゆー看護師

4年生大学の看護科を卒業後ICUを1年経験し、救急医療や重症看護を学んだ。その後、複数の美容皮膚科や美容外科で経験を積み美容看護師として働いて3年目になる。日頃からエビデンスやその方それぞれにあった美容医療を提案している。
患者さんからの指名も多く、美容の豆知識を呟いているX(旧Twitter)ではフォロワー1,500人と支持を得ている。

3次救急病院(ICU)
美容皮膚科
美容皮膚科・外科