年齢や性別に関係なく気になっている人が多い「鼻のブツブツ」。

鼻のブツブツがあるとメイクは綺麗に決まりにくいし、なんだか清潔感に欠ける印象に。そして鼻は顔の中心部分なので他人から目につきやすく、接近戦では特に目立ってしまいます。

そんなみんなのお悩みである鼻のブツブツを綺麗にするための正しいケア方法をご存じでしょうか? 実は綺麗にしようとしているのにもかかわらず、間違ったケアをしてしまっている方々も少なくはありません。

今回は鼻をツルツルにする方法についてご紹介していくので、鼻のブツブツでお悩み中の方は是非最後まで見てみてくださいね。

【監修医師からのワンポイント】

毛穴は美容のご相談でも常に上位にあがってきます。毛穴つまりを起こしにくい生活を普段から心がけることが重要。食事やスキンケアが直結します。スキンケアだけでもお肌は見違えるように変わります。

鼻のブツブツの正体とは

鼻の毛穴にブツブツとしたふくらみがあると気になりますよね。このブツブツの正体は「角栓」です。

毛穴の奥には「皮脂腺」とよばれる、皮脂を分泌する場所があります。皮脂が分泌されることで肌の表面に潤いを与え、乾燥を防いだり、紫外線などの外部からの刺激から皮膚を守ったりすることができています。このように肌の健康にとって必要不可欠な皮脂ですが、過剰に分泌されると逆に肌トラブルの原因ともなってしまいます。

毛穴の奥で過剰に分泌された皮脂と産毛や角片が混ざり合い、塊を形成することがあります。これが角栓です。角栓によって毛穴が塞がれてしまうと、新たに分泌された皮脂がスムーズに排出されなくなってしまい、毛穴に詰まってしまいます。これがニキビの原因となったり、鼻のブツブツとしたふくらみになったりするのです。

また、角栓は空気に触れて酸化すると、毛穴が黒く見えるようになります。この鼻の黒ずみが目立っている状態は「いちご鼻」と表現され、これもまた、多くの人が悩む肌トラブルの一つとなります。

毛穴のブツブツを目立たなくさせるために大切なこと

日々の洗顔をしっかりと行う

毛穴を綺麗な状態に保つためには当然日々の洗顔は重要になります。
特にメイクを落とさずに寝てしまうのは毛穴を詰まらせる原因となるので絶対にやめましょう。

しかし洗浄力が強すぎるクレンジングや洗顔料を使用したり、ゴシゴシと力を入れて洗顔を行ってしまうと逆に肌の刺激となり、皮脂の分泌を促す原因となります。自分の肌質やメイクの濃さにあった洗顔料を使用し、優しく短時間の洗顔を行うように心がけましょう。

毛穴に効果のある美容成分をスキンケアで取り入れる

丁寧に洗顔をした後には化粧水や乳液などでスキンケアを行うのが一般的ですが、このとき使用するスキンケア用品の成分にまでこだわるとさらに毛穴ケアがうまく進むことでしょう。毛穴ケアに効果的な成分をご紹介していきます。

ビタミンC

ビタミンCは肌によさそうというイメージをみなさん漠然とでも持っていると思いますが、実はビタミンCは毛穴ケアに関しても効果的な成分の一つです。

ビタミンCは皮脂の分泌を正常化する働きがあるため、過剰な皮膚分泌を防ぐことができます。そして、ビタミンCはコラーゲンの生成を促して肌にハリを出し、引き締める効果もあるため、開いた毛穴を目立たなくする効果があります。
スキンケアで使用されているビタミンCにはピュアビタミンCとビタミンC誘導体という2つがあります。

ピュアビタミンCはビタミンCのいいところをそのまま取り入れることができるので即効性があります。しかし刺激も強いため、肌が敏感な方だと強いひりつきを感じることもあります。

一方、ビタミンC誘導体はピュアビタミンCに比べると効果の出方がマイルドなので毛穴が目立たなくなる実感を感じるのに時間がかかりますが、肌への刺激も少ない成分になります。

以上の特徴を踏まえた上で、自分の肌質に合わせたビタミンCを使用するようにしましょう。

ビタミンA(レチノール)

ビタミンAはスキンケアの成分ではレチノールという成分名が一般的です。レチノールはシミやシワに効果がある成分として有名ですが、毛穴に対しても効果があります。

レチノールは皮脂の分泌量を正常にして、肌のターンオーバーを促す働きがあるからです。
肌のターンオーバーを促す働きが強いために、使いはじめは肌が乾燥し、かえって毛穴が目立っているのでは?と感じることもありますが、肌がレチノールに慣れればそのような症状はなくなります。

ですが、最初から高濃度のレチノールを使用すると赤みや皮剥けなどが出やすいので、低濃度のものから始めるか、クリニックで医師の指導のもと使用するようにしましょう。

肌のターンオーバーを整える

肌のターンオーバーを整えることは、目立たない毛穴をつくることにも繋がります。
ターンオーバーを整えるためには、栄養のある食事を摂るようにする、脂質の多い食事を取りすぎない、睡眠不足にならないようにする、ストレスを溜め込まない等、さまざまなことに気を付ける必要があります。

一度に全てを改善することは難しいとは思いますが、できる範囲で自分の生活を整えていきましょう。
そうするとで、毛穴以外の肌のトラブルも軽減していき、美しい肌を手にすることができるでしょう。

意外と間違えている人が多い、やってはいけないスキンケア

毛穴のブツブツを気にして自分では念入りにケアをしているつもりでも、実は毛穴にとって逆効果なことをしている方もいるのです。
やってはいけないスキンケア方法についてもしっかりとおさえておきましょう。

毛穴パック

毛穴パックはシートタイプの貼って剥がすタイプのものを多く見かけますが、剥がしたときに角栓がびっしりとついている様子を見えるため、「たくさん取れて嬉しい!」、「スッキリした気がする!」と、満足度が高いケアの一つです。

毛穴パックをすると、シートを剥がす際の皮膚へのダメージが大きくなりやすいため、毛穴が逆に開いてしまうという噂も聞きますが、実は使用方法を間違えなければそのような心配はほとんどありません。ですが使用方法を誤ってしまうと、毛穴のブツブツが目立つ原因となってしまいます。

そうならないために、まずは製品に書かれている使用頻度は必ず守るようにしましょう。適切な使用頻度よりも頻繁に行ってしまうと、肌へのダメージが大きくなってしまい、毛穴の開きを助長してしまいます。

また毛穴パックをしたあとは角栓だけではなく、角質や皮脂なども一緒に剥がされてしまうため、非常に乾燥しやすくなっています。乾燥が進んでしまうと、乾燥を防ごうと皮脂分泌が過剰となり逆効果となります。毛穴パック後は適度な保湿を行うようにしましょう。

ゴシゴシと洗顔する・洗顔回数が多い

念入りすぎる洗顔も毛穴のブツブツをさらに悪化させる原因となります。

毛穴のブツブツが気になると、毛穴の中の汚れをしっかりと洗い流さなければいけないと考えてしまい、ゴシゴシと洗顔をしたり、洗顔の回数を増やしたりしてしまう方がいらっしゃいます。ですが、念入りすぎる洗顔は皮膚にダメージを与えたり、必要な皮脂まで落としてしまうため、余計に毛穴が開き、目立ってしまいます。

毛穴のブツブツには皮脂などの油分が含まれています。脂は脂に溶けやすい性質があるため、オイルクレンジングを指先でくるくると馴染ませる洗顔を行うとよいでしょう。このときのポイントは極めて優しい力で短時間で行うことです。そうすると毛穴がすっきりとした実感を得られるでしょう。

指やピンセットなどで無理矢理角栓を押し出す

無理矢理角栓を押し出すことは絶対にやめましょう。

力を加えて角栓を押し出すと「ニュルニュル」っと取れるため、なんだか気持ちいいのは分かります。

ですが、毛穴の中に角栓があることは当然のことで、それがなくなると「角栓を作り出さなきゃ」と過剰に作り出そうとしてしまいます。そうすると角栓を取った直後はいいのですが、その後は今まで以上に目立ってしまうでしょう。

毛穴の表面に出てきている角栓については優しく削り落としても大丈夫ですが、中に詰まっているものを無理矢理押し出すことはやめてくださいね。

いつものケアにプラスしたい! おすすめの美容医療

日々の毛穴ケアにプラスして、美容医療の手を借りてみるのもいいでしょう。
日々のケアでは使用できない薬剤やレーザーを使用することによって、より効率的に毛穴のブツブツを撃退することができるでしょう。
毛穴のブツブツや黒ずみに効果のある治療法をいくつかご紹介していきます。

サリチル酸マクロゴールピーリング

サリチル酸マクロゴールピーリングは薬剤を顔に塗布して一定時間置くことで、皮膚表面の古くなった角質を取り除き、肌のターンオーバーを促す治療法で、ケミカルピーリングの一つです。

一般的に健康な肌は約28日で生まれ変わると言われていますが、年齢を重ねたり、ストレス、乱れた食生活などによってその周期は簡単に乱れて、35日周期、40日周期と遅れてしまうことも珍しいことではありません。肌の生まれ変わり(=肌のターンオーバー)が乱れてしまうと、肌表面に古い角質が残りやすくなります。この古い角質の蓄積が毛穴の開きや黒ずみを目立たせる原因となります。

サリチル酸マクロゴールピーリングにより皮膚表面の古くなった角質を取り除くことで、新しい肌の再生が促され、毛穴の黒ずみや角栓を改善する効果が期待できるほか、毛穴の開きやニキビ・ニキビ跡に対しても効果があると言われています。

施術中に少しピリッとする刺激を感じる方もいらっしゃいますが、大きなダウンタイムはなく、美容医療初心者の方でも手軽に受けやすい施術です。1回で劇的な変化が出る施術ではありませんが、月に1回程度の頻度で5〜6回繰り返すことで肌質の変化を感じやすくなるでしょう。

ハイドラフェイシャル

ハイドラフェイシャルもサリチル酸マクロゴールピーリングと同様、ケミカルピーリングの一種です。水を流し込みながら行うことで、水圧を利用し毛穴の奥にある皮脂を取り除き、さらに薬剤で肌の状態を整えていく治療になります。

メイクの落とし残しや、毛穴の汚れは毛穴を詰まらせ角栓を目立たせる原因となりますが、日頃のケアだけでは十分に落としきれないこともあります。水圧を利用することで日常ケアでは難しい毛穴の深い部分の汚れまでかき出し、吸引で吸い上げることによってすっきり毛穴を実現することができます。またピーリング剤を塗布することで乱れがちな肌のターンオーバーを正常に戻してくれます。

ダウンタイムはなく、施術中も吸引により肌が少し吸われている感覚がある程度で苦痛な痛みはありません。直後から効果も実感できる点も人気の理由です。

ハイドラフェイシャルで一度取り除いた角栓も、時間が経過するとまた新たな角栓ができるので、月に1回程度の頻度で継続するのがおすすめです。また、ハイドラフェイシャルは毛穴の汚れに対しアプローチすることはできますが、毛穴の開きには効果がないため、毛穴を目立たなくしたいという場合にはハイドラフェイシャルで毛穴汚れを綺麗にした上で、毛穴の引き締め効果のある治療を組み合わせるとよいでしょう。

カーボンピーリング

カーボンピーリングは毛穴の黒ずみを改善するのに効果的なレーザー治療です。

カーボンが配合されたクリームを顔に塗り、その上からレーザーを照射します。クリームに配合されているカーボンはとても小さな微粒子のため、塗ると毛穴の中に入り込みます。その上からレーザーが当たると、カーボンとレーザーが反応して毛穴の奥に残っている角質や汚れ、余分な皮脂がカーボンとともに弾け飛ばされます。これにより毛穴の黒ずみが軽減します。

また、毛穴の中でカーボンとレーザーが反応すると毛穴内部で熱が発生し、その熱刺激によりコラーゲンの生成が促進され、肌のハリや毛穴の引き締めにも効果があります。

レーザー照射時にはパチパチとゴムで弾かれたような軽い痛みがありますが、出力の調整をすることが可能です。照射後は赤みが出る方もいらっしゃいますが、直後からメイクや洗顔が可能なので気軽に受けやすい施術です。

カーボンピーリングは顔全体の照射だけでなく、「鼻のみ」、「鼻+頬」など気になる部分のみの照射にも対応しているクリニックもあるため、できるだけコストは抑えて気になる部分だけ行いたいという希望にも応えやすくなっています。

施術の頻度としては月に1回程度を目安に、5〜6回継続して行うと徐々に変化が見えてくるでしょう。

勝負は長期戦! でも諦めないで!

毛穴の悩みは多くの人が悩む肌トラブルの一つです。

しかも現代の医療技術を持ってしても、一発で改善する方法がないのも事実。毛穴がきれいになる方法とは分かっていても、効果の出方がゆっくりなため、いまいち効果が実感できずに挫けてしまいそうな人もいることでしょう。

ですが、毛穴ケアを継続することで習慣化し、根気強く続けていけば必ず少しずつ改善していきますし、綺麗になった後はその状態を維持できるでしょう。

時間はかかりますが、正しいケアのポイントをおさえて、接近戦に負けない綺麗な肌を手に入れましょう。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

つーさん

つーさん

ナース歴11年目。岩手県出身。地元の大学卒業後、都内の大学病院にてNICU勤務→美容ナースとして5年間勤務→現在は保険診療のクリニックで勤務中。美容ナース時代は大手美容クリニックにて2年間勤務し、その後個人クリニックへ転職、脱毛クリニックでアルバイトをしていたため、美容外科・美容皮膚科を幅広く学んできた経験がある。

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監修:

田中美紀 医師

美容皮膚科医

近畿大学医学部卒。大阪府済生会千里病院、大阪大学医学部附属病院にて研修医修了後、関西医科大学附属病院へ入局。
その後皮膚科の保険治療と並行して、美容クリニックへ。
表参道スキンクリニック大阪院等に勤務。
2021年には世界4大大会であるMrs.Global Earth関西/中四国Wファイナリストに。

近畿大学医学部卒
大阪府済生会千里病院研修医
大阪大学医学部附属病院研修医
関西医科大学附属病院入局
ササセ皮膚科
りょうこ皮ふ科クリニック等を経て
2021年4月~表参道スキンクリニック大阪院勤務
2023年 りょうこ皮ふ科クリニック

執筆:

つーさん看護師

大手美容クリニックにて美容ナースとして働き始め、現在は個人の美容クリニックで勤務しており、美容ナース歴は7年目。
これまで複数のクリニックで医療脱毛、美容皮膚科、美容外科の領域を学び、幅広く経験を重ねている。
そのため、患者様に対して必要な治療をピックアップし、サポートできるのが強み。
個人クリニックでは管理職の経験があり、スタッフ育成やクリニック運営に携わってきた。

都内大学病院勤務(NICU)
大手美容クリニック(美容皮膚科・美容外科)
美容クリニック(美容皮膚科・美容外科、医療脱毛)
内視鏡クリニック
美容クリニック(美容皮膚科・美容外科、医療脱毛)