朝、起きるとなんだかいつも目が腫れぼったい……。そんな風に感じることはありませんか? まぶたがむくんでいるとそれだけで目が小さく見えてしまい、顔全体が地味な印象になってしまいます。逆に言えば、まぶたのむくみを解消するだけで、目がすっきりとひとまわり大きく見えることもあるのです。ここでまぶたのむくみが起こる原因やむくみを予防&解消するいろいろな方法について解説していきます。むくみが解消すれば「私ってこんなに目が大きかったの?」と思うかもしれませんよ!

目次

1.まぶたのむくみについて知っておこう!

まぶたがむくんでいると肌の内部ではどんなことが起こっているのでしょうか。また、むくみを引き起こすいろいろな原因について詳しく説明していきます。

1-1.まぶたがむくむとはどんな状態?

原因によっても異なりますが、まぶたがむくんでいるときは体もがむくんでいることが多いようです。そもそもむくみとは本来、血液にのって心臓に戻されるべきである血液中の水分が体に残ってしまうことで起こるもの。体の中でも顔はむくみやすいと言えますが、まぶたの皮膚は他のパーツに比べて薄いのでむくみが顕著に表れやすいのです。

まぶたがむくんでいるとそれだけで目が小さく見えてしまいます。見る人に対しても「疲れている」「不摂生なのでは?」「地味顔」というマイナスの印象を与えるため、損をすることに。また、まぶたがむくむと皮膚が引っ張られるので、むくみを繰り返している人はシワやたるみが起きやすいというデメリットもあります。

1-2.まぶたのむくみの原因

まぶたがむくむ原因はいろいろあります。生活習慣によるものも多いので、改善できる点がないかチェックしてみてくださいね。

■和食の塩分は洋食より高め? 塩分の摂りすぎ

味の濃い食べ物をたくさん食べると体は体内の塩分濃度が高くなりすぎないように水分を溜め込もうとします。むくみの一番の原因は、このような塩分のとりすぎにあるようです。「そんなに味の濃いものは食べていないけど?」と思うかもしれませんが、スナック菓子や加工食品、麺類のつゆ、みそ汁、スープ類などには塩分が多く含まれているので、注意したいですね。

また、ヘルシーであることから世界的に注目が集まっている和食ですが、実は洋食よりも塩分が高め。みそやしょうゆといった調味料、漬物などにも塩分が含まれているため、知らず知らずのうちに塩分過剰になっていることも少なくありません。

筆者はヨーロッパで生活していたころ、ほとんどむくみと無縁でしたが毎年、日本に帰国して和食を食べ始めるととたんに足がパンパンにむくんでくる……という経験があります。

■水分の摂りすぎ

水分の摂りすぎ

女性のなかには美容やダイエットのために1日2リットル水を飲んでいるという人が多いのではないでしょうか?水分を摂りすぎると、内臓が冷えて代謝が低下し、水分をうまく排出できなくなります。また、腎臓が尿を作り出す処理スピードを上回る頻度で水を摂ると当然、体はむくみやすくなります。

水の飲みすぎは東洋医学でいう水毒(すいどく)の状態を招き、全身の冷えを招くだけではなく、体のだるさや疲れやすさの原因になることも。水分は食事にも含まれているので、水を飲むのは1日1~1.5リットル程度にとどめるべきでしょう。また、睡眠中は腎臓の機能も低下するため、寝る前に水分を摂りすぎるのはNGです。

■アルコールの過剰摂取

アルコールの過剰摂取

飲みすぎた次の日、まぶたがパンパンになっていてぎょっとした経験は誰でも一度はあるのではないでしょうか。これは水分やアルコールの代謝が低下することで起こります。

お酒を飲んでいて、はじめのうちは何度もトイレに行きたくなるのに、次第に行かなくても済むようになってくると感じることがありますよね。これはアルコールや水分を代謝するスピードが変化するからです。体内のアルコールが少ないうちは、アルコールや水分を代謝するはたらきが正常に機能しているため、飲んだ分だけトイレに行きたくなります。その後、飲む量が増えるにしたがって、代謝が追いつかなくなり、体内に水分(アルコールも)が残りやすくなるのです。その結果、酔いがまわり、体はむくむ……ということになるのです。

さらにお酒を飲むときのおつまみはどうしても味の濃いものになりがち。体内の塩分量が増えれば、その分むくみもひどくなります。飲んだ最後にラーメンを食べて、スープを飲み干すようなことがあれば、翌日のむくみは必至と心得て。お酒を飲むときは、あっさりしたおつまみを選び、適度に水も飲むようにしましょう。

■夜更かし、睡眠不足または寝すぎ

夜更かしをして睡眠時間が短くなると、代謝が低下し、余分な水分や老廃物が体内に残りやすくなります。また、寝すぎるのもまぶたのむくみを引き起こしやすくなります。これは体が長時間横になっていることで、水分が顔に溜まりやすくなるから。反対に起きているときは、重力の関係で脚に水分が溜まりやすくなります。さらにうつぶせに寝るとその分、顔に重力がかかりむくみやすくなるというケースも。うつぶせに寝た翌朝、むくんだ顔にシーツの跡がくっきり……ということのないよう、眠るときは仰向けで眠るようにしましょう。

■まぶたのむくみは枕の高さが原因であることも

眠るときに使う枕の高さもまぶたのむくみに影響します。体が横になっているときに水分が顔に溜まりやすいということは、少しでも顔が高い位置にあれば、むくみは軽減できるということ。枕なしで眠るとまぶたがむくみやすいとも言われています。首にシワをつくらないために枕なしで眠っているという方もいるかもしれませんが、むくみそうなときは頭を少し高くして眠るのがオススメです。

■前日の大泣きに注意・まぶたのむくみで一重になることも!

前日の大泣きに注意・まぶたのむくみで一重になることも!

嫌なことがあって前の日の夜に大泣きした……。そんな日の翌日も、まぶたがパンパンに腫れることがよくありますよね。これは泣くこと自体よりも、目をこすりすぎることが原因だと言われています。さらに涙には塩分が含まれているため、泣いた状態で目をこすると肌が炎症を起こしてしまうことも。

泣くときは、目をこすらず涙が頬に流れるまで待って、やさしく押さえるようにふき取るのがベスト。この方法なら、泣いても翌朝、まぶたが腫れることはありません。泣いたあとは化粧水などでまぶたを優しく保湿してあげるのも忘れないようにしましょう。

■生理前、生理中のむくみ

生理中、あるいは人によって生理前から体がむくむことがあります。これは排卵のために分泌される女性ホルモン、プロゲステロンに水分を溜め込むはたらきがあるため。さらに生理中は血行が低下したり、体が冷えたりすることも多いため、普段よりむくみが起こりやすい状態なのです。

ホルモンバランスは自分で調整することが難しいので、この期間は食事内容や睡眠時間などに気を配り、他の原因でむくみを悪化させないように心がけましょう。

■まぶたのむくみが長引くときは腎臓の病気が潜む可能性も

まぶたのむくみはほとんどの場合、短時間で解消しますが、体全体のむくみが慢性化しているときは注意が必要です。腎臓のはたらきが低下すると、尿を作り出す機能が低下し、まぶただけではなく、手足のむくみが慢性化してきます。むくみが起こる心当たりがないのに、症状が長引く、尿の出が悪いといった症状に気がついたら、病気が潜んでいる可能性も考えられます。できるだけ早めに医師の診察を受けるようにしてくださいね。

2.まぶたのむくみを予防・解消する方法

まぶたのむくみを予防・解消する方法

まぶたがむくんでしまう原因はいろいろあることがお分かりいただけたのではないでしょうか。続いて、まぶたのむくみを予防する方法やむくみを素早く解消する方法について考えてみましょう。

2-1.日常的に気をつけたいまぶたのむくみ防止ケア

■食事の味つけは薄めに、カリウムを適量摂取して

むくみの一番の原因は塩分の摂りすぎです。和食はヘルシーであるものの、味付けが濃くなりがち。また、外食は私たちが考えているより、多くの塩分が含まれています。できるだけ自炊して塩分が過剰にならないか注意しましょう。

・調味料は減塩タイプを。加工品は減らして

しょうゆや味噌、ソース、めんつゆなどは減塩タイプのものが売られているので上手に利用しましょう。レモンやハーブなどで香りづけをすると、塩分が少なくても満足感が得やすくなります。加工食品にも多くの塩分が含まれています。スナック菓子やインスタント食品などを食べる機会を減らし、素材そのものを味わえるようなメニューを選ぶ、できるだけ自炊するなどして機会を増やすなどして塩分を減らしましょう。

・だしをきかせる

昆布やかつお、干しシイタケなどでだしをしっかりとれば塩分が少なくても満足できます。化学調味料のだしは塩分が多いので控えめに。

・塩分を排出するはたらきを持つカリウムを摂る

カリウムには体内の塩分を排出しやすくするはたらきがあります。リンゴやミカン、バナナ、グレープフルーツなどカリウムを含む食品を摂るようにしましょう。ただし、カリウムの摂りすぎは「高カリウム血症」を引き起こすことも。

むくみを解消するサプリメントなどはカリウムが含まれていることが多いので、1日の摂取量を超えないように注意してください。また、持病のある方はサプリメントを飲む前に医師に必ず相談するようにしましょう。

2-2.まぶたのむくみを今すぐ解消したいときは?

どんなに気をつけていても、朝、鏡をのぞくとまぶたがパンパンに腫れている……ということがあります。そんな時のために、緊急ケアの方法をいくつか覚えておきましょう。

■温めて冷やすケアを繰り返す

電子レンジを使って蒸しタオルを用意し、目元を温めてから、冷剤を濡らしたタオルで包んだもので冷やします。何度か繰り返していると、血流が改善されて、まぶたのむくみが解消されてくるはず。タオルは熱すぎない温度になるまで冷ましてから目の上にのせてくださいね。いざというときのために、小さめの保冷剤を冷凍庫に用意しておくといいでしょう。

忙しい朝にタオルを用意している時間なんてない!という方はスプーンを使った方法もあります。氷を入れた水と、40度程度のお湯を入れたカップを用意します。大きめのスプーンを交互につけて、丸みのある方をそっと目に当てましょう。冷やす、温めるを数回繰り返しましょう。

■カリウムを含んだミネラルウォーターを飲む

カリウムを含んだミネラルウォーターを飲む<

ヴィッテルやコントレックスなど、カリウムを含んだ硬水にレモンやライムを絞って飲んでみましょう。カリウムのはたらきが水分の排出を促し、顔のむくみをすっきりさせてくれます。ミネラルウォーターは冷たすぎないものがベストです。

■まぶたのむくみを解消するツボを刺激!

血流を促進して、まぶたのむくみを解消するツボを刺激してみましょう。

・承泣(しょうきゅう)

正面を向いたときに黒目の真下、眼窩の骨の少しくぼんだところにあります。指先で気持ちいいくらいの強さでプッシュします。目の下のたるみやクマの予防にも効果があります。

・攅竹(さんちく)

眉頭の少しくぼんだ位置ににあるツボ。むくみの改善やしわの予防にも。

・魚腰(ぎょよう)

眉毛の中央あたりにあるツボです。クマやシワの予防にも役立ちます。

■首のマッサージでまぶたのむくみを解消

首のマッサージでまぶたのむくみを解消

首のリンパが滞ると、顔に余分な水分が溜まりがちになります。リンパの流れをよくするマッサージで、むくみ
を改善させましょう。耳の下を指先で数回くるくる円を描くようにしながら強めにマッサージし、そのまま
すぐ下までさすり下ろします。鎖骨まできたら、くぼみに4本指を入れるようにしてプッシュします。蒸しタオ
ルで温めてからマッサージしても気持ちいいですよ。

2-3.まぶたのむくみ、メイクでごまかせる?

まぶたのむくみが気になるけれど、ケアしている時間がない!というときのために、メイクでむくみをカバーする方法もマスターしておきましょう。

まぶたがむくんでいるときは、ピンクやオレンジといった暖色系のシャドウはNG。余計に腫れぼったくみせてしまいます。目の際はダークカラーで引き締めつつ、まぶたは寒色系の色でグラデーションにしてみましょう。

オススメは濃いカーキ×まぶたにブラウンや濃いネイビー×グレーなどの組み合わせ。濃い色をアイラインのように目の際にのせれば、目の印象がぐんと引き締まります。下まぶたの目尻部分のみに、グラデーションのカラー(ここではブラウンやグレー)をほんのりいれて、目を垂れ目っぽく見せると、さらに目がぱっちりします。
まつ毛はビューラーでかっちりと上向きにしてから、カール効果のあるマスカラをつけましょう。まぶたがむくんでいるとまつ毛が下向きになりがち。目元からぐっとまつ毛を持ち上げるようにしてマスカラを塗るようにするとむくみが気にならなくなります。

3.エステやクリニックでできるまぶたのむくみケア

まぶたがむくみやすいという方の中には、セルフケアをしてもむくみが改善しないという方もいるかもしれません。続いてエステや美容クリニックなどプロの手を借りるむくみ解消の方法を紹介していきます。

3-1.まぶたのむくみをエステでケア

まぶたのむくみをエステでケア

セルフケアが面倒という方は定期的にプロのエステティシャンの力を借りてお手入れするのもオススメ。マンネリ化したセルフケアを続けるだけではなく、1度プロの手を借りて「むくんでいない自分の顔」を知っておくことも大切です。

多くの場合、フェイシャルエステを受けることで顔全体のむくみが改善されますが、むくみのためだけに高いフェイシャルエステのコースを契約するのは難しいですよね。いざというときのために、日ごろから1回ずつ支払いができる料金が明確なサロンを見つけておくといいでしょう。

3-2.実は脂肪が原因? 美容外科でケアするまぶたのむくみ

実は脂肪が原因? 美容外科でケアするまぶたのむくみ

むくんだような腫れぼったいまぶたは、目の周りについている脂肪が原因になっているケースもあります。このような腫れぼったさを根本的に改善するには、美容外科で手術を受けるのがベストでしょう。

目元を腫れぼったく見せている脂肪には

  • ・眼窩脂肪 まぶたの奥についている脂肪
  • ・隔膜前脂肪(ROOF) まぶたから眉骨の上についている皮下脂肪

の2種類があります。これらの脂肪が多いと、二重であっても幅が狭すぎて腫れぼったい奥二重になりがちです。美容外科で脱脂法の手術が行われる場合、単独での施術ではなく、

「上眼瞼のリフティングや切開法の二重手術を行うときに眼窩脂肪とROOFの切除をオプションで追加する」
「埋没法のオプションで眼窩脂肪のみを切除する」

といったケースが多いようです。もう少し、詳しく見てみましょう。

■脂肪を取り除くだけで腫れぼったさは改善しない?

「むくんでいるようなまぶたがイヤだから、脂肪だけとりたい」と考える方もいるかもしれませんね。また、一重まぶたの人の中には脂肪をとれば、自然に二重になるかも?と期待する方もいるようです。

でも、残念ながら眼窩脂肪を取り除く手術のみでは、ほんの少しすっきりしたかな?程度で、見た目で分かるほど目の腫れぼったさは改善はしません。また、脂肪を取り除いただけで二重まぶたになることもほとんどないようです。

二重にせずに脂肪だけを切除すると、まぶたにしわができてしまうことも。目の周りの脂肪は年齢とともに減っていくので、急激に脂肪を減らすと老化が進んでしまうことにもなりかねません。たるみによって目が腫れぼったくなっている人は、皮膚を切除することですっきり見える場合もあります。手術を受ける前に、信頼のできる医師に相談してどのような手術を受けるのがベストなのかアドバイスをしてもらうようにしましょう。

■埋没法では眼窩脂肪しか取れない

二重手術を行うとき、多くの人は切開しない埋没法を希望しますが、常にむくんで見えるような腫れぼったいまぶたの人は脂肪が多いため、埋没法では元に戻ってしまう可能性があります。埋没法を行うときは切開しないので、取れるのは眼窩脂肪のみで、ROOFを切除することはできません。

■まぶたの脱脂術の費用は?

まぶたの脱脂術は二重の手術にオプションとして追加する場合と、単独で行うケースによって費用は、異なります。また、脱脂術のみを行うクリニックは限られているようです。費用は両目の上まぶたが10~25万円、両目の下まぶたで25~50万円、二重手術のオプションにすると脱脂術だけで5~10万円のプラスで済むところが多くなっています。どのくらい脂肪を取るとバランスがいいか医師の高い技術とセンスが要求される手術であるため、口コミなどを参考にして信頼のできる医師を探すようにしましょう。

4.まとめ

気になる目元のむくみは毎日の生活習慣や食事内容などが原因で起こることもあります。頻繁にむくみを繰り返していると、その分、皮膚が伸びるため老化を早めてしまうことになりがちです。塩分や水分の摂りすぎは健康に悪影響を与えることも。日ごろからむくまない生活を心がけるようにしたいですね。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込です。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

Emiri

Emiri

美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。

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監修:

鈴木稚子 医師

六本木スキンクリニック

東京慈恵会医科大学医学部卒業。大学病院にて皮膚科医として勤務後、六本木スキンクリニックを開院する。
不自然になるような施術は行わないことをモットーに自然な美しさを意識しているそうです。学生時代から美しいものに対する意識を高く持ち、人の見た目をきれいにしたい、ハッピーにしたいという気持ちから、エイジング治療、美肌治療には力を注ぎ、様々な角度から治療のアプローチをおこなっています。

医学博士
日本医師会スポーツ認定医など

東京慈恵会医科大学医学部卒
同大皮膚科
国立大蔵病院皮膚科
六本木スキンクリニック院長

この記事の監修ドクターが所属するクリニック

  • 住所: 東京都港区六本木4-12-11 竹岡ビル5階
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