出典 https://www.cutera.jp/

くすみやシミ、肝斑や毛穴の開きや肌のゴワつき……。追い打ちをかけるように現れる肌トラブルやエイジングサインにうんざりしていませんか? 肌全体を新しく生まれ変わらせたい、家にいながらしてそんな希望を叶えてくれるのがオバジの「ゼオスキンヘルス」です。トレチノインやハイドロキノンを使って肌を生まれ変わらせるというメカニズムはオバジニューダームと似ていますが、ゼオスキンヘルスは効果を出しつつ、ダウンタイムのダメージを最小限にとどめた新しいシステム。ここではゼオスキンヘルスについて詳しく説明していきます。

目次

1.家にいながら新しく美しい肌を手に入れる! ゼオスキンヘルスとは?

1-1.ゼオスキンヘルスとは

ゼオスキンヘルスとはハリウッドセレブやモデルの顧客を多く持つ、アメリカの美容医療の権威であるゼイン・オバジ医師が開発した医療機関向けのスキンケアプログラム。アメリカに続いて、2013年から日本の美容皮膚科などで導入されています。

彼の長年の研究に基づいた皮膚の再生メカニズムに着目した「スキン・ヘルス・レストレーション理論」に基づいたスキンケアラインを医師の元で使用しながら、健やかで美しい状態に導いていくというお手入れの方法です。

■スキン・ヘルス・レストレーション理論とは

Restoration(レストレーション)とは「元に戻す」という意味。加齢や長年の光老化によるダメージが蓄積された肌は通常の化粧品を使った表面的なケアでは生まれ変わらせることはできません。肌の細胞が持つ機能や美しく健康な肌に生まれ変わる機能そのものを改善することこそが、肌トラブルやダメージを一掃した健やかで美しい本来あるべき肌の姿に戻す方法であるというのが、この理論を唱えるオバジ医師の考え方です。

■医療用に開発された効果の高い化粧品を使ったスキンケア

このように言われると難しいイメージを持つかもしれませんが、端的に言えば洗顔、化粧水、美容液、UVケアまでのスキンケアアイテムを医療機関向けに開発されたアイテムに一定期間、切り替えてお手入れをしていくというもの。

  • ・トレチノイン 肌のターンオーバーを促進する作用
  • ・ハイドロキノン 美白作用

この2つの成分をメインとし、単体で使うときよりも高い相乗効果が得られるように考えて作られています。機械や器具を使うこともなく、シンプルに取り組めるスキンケアプログラムであると言えるでしょう。

1-2.ゼオスキンヘルスのバリエーションと効果

ゼオスキンヘルスでは肌の状態や目指す肌、患者さんのライフスタイルなどによって、6つに分かれたお手入れの方法から最適なものを選んで実施します。

「ハイドロキノンにアレルギーがある」「顔全体の美肌を目指したい」「仕事で人に会うので、顔が赤くなるのは困る」などのニーズに合わせてシンプルなプログラムを選んだり、アイテムをプラスしてカスタマイズが可能です。

・セラピューティックプログラム(肌を整えるケア)

セラピューティックプログラム(肌を整えるケア)

出典 https://www.cutera.jp/

シミやそばかす、肝斑、くすみ、小じわが気になる方や顔全体の美肌を目指す方に。4%のハイドロキノン配合の美容クリーム「ミラミックス」。
なお、グリコール酸と乳酸、赤くなるのを防ぐ成分を配合したローション「グリコジェント」はAHA(アルファハイドロキシ酸)の規制のためラインアップから除外されています。

・メンテナンスレベル1
レチノールとアスコルビルグルコシド配合の美容クリーム「ブライトネックス」を使用。肌の代謝する力を高め明るいトーンの肌を目指します。ハイドロキノン配合のアイテムは使用しません。

・メンテナンスレベル2
ブライトネックスに加えて、レチノールと加水分解セリシンを配合した美容クリーム「レタマックス」をプラス。レチノールを中心としたハイドロキノンのアレルギーがある方でも対応できるプログラム。大きく開いた毛穴や日焼けによるダメージ、肌のくすみなどが気になる方に。

・デイリースキンケアレベル2 エイジングスキンケア

デイリースキンケアレベル2 エイジングスキンケア

出典 https://www.cutera.jp/

ビタミンEや保湿成分セラミドを配合した画像の「デイリーPD」、コラーゲン生成機能をサポートする「Gファクターセラム」で密度の高い引き締まった肌を目指すプログラム。肌のトラブルを未然に防ぎ、よりハリのある肌へ。ベースとなる組み合わせには、レチノール、ハイドロキノンを使用したアイテムはありませんが、肌の状態に合わせて他のアイテムをプラスするカスタマイズが可能。

・デイリースキンケア1

デイリースキンケア1

出典 https://www.cutera.jp/

美容クリームを「デイリーPD」のみにしたシンプルなプログラム。ピーリング効果のあるスクラブ洗顔料・エクスフォリエーティングポリッシュを洗顔後に使うことで、より明るいトーンの肌を目指す。

・プロテクション・プリベンション
美容クリームをデイリーPDのみにし、スクラブ洗顔料も使用しないプログラム。ゼオスキンヘルスの中で最もシンプルなプログラムです。肌トラブルがそれほど気にならない人が現状維持するために最適なプログラム。肌のトラブルを未然に防ぐことができます。

1-3.ゼオスキンヘルスの治療期間とダウンタイム

ゼオスキンヘルスの治療期間とダウンタイム

出典 http://free-photos.gatag.net/

ゼオスキンヘルスは「反応期」「耐久期」(治療期ともいう)を経て、健やかな肌である「完成期」にいくというもの。個人差はあるものの、それぞれの期間は4~6週間かかります。
この3つの治療期をあわせた約18週間を、まずトレチノインとハイドロキノンを中心に行うプログラムを行い、これをセラピューティックといいます。

■反応期

反応期には肌の赤みやかゆみ、ピリピリ感があります。色素沈着のトラブルは一旦濃くなったように感じることも。乾燥がひどく、粉を吹いたような状態になるのもこの期間です。肌が生まれ変わるにあたって必ず通過しなければならないプロセスでもありますが、この点がゼオスキンヘルスのデメリットであるとも言えるでしょう。

特に最初の2週間は反応が強くでるので、ここで諦めてしまわないよう、気になる方は人と合わないですむ期間にスタートさせるなどの工夫が必要です。ただし、反応期の症状が強く出るほど、完成期の肌の状態がいいという報告も。めげずに頑張りたいところですね。

また、有効成分の使用量がまちまちだと肌が慣れるまでに時間がかかり、症状がおさまるまでの時間もそれだけ長くなってしまうことがあります。使用するアイテムは順序や量、回数などを厳守するようにしましょう。

■耐久期(治療期)

このころになると肌の抵抗力がアップして、赤みやかゆみ、乾燥なども出づらくなってきます。肌の改善が目に見えてくるのは耐久期から。徐々に肌の弾力がアップしてしわが目立たなくなり、目立つ毛穴も少なくなっていくはずです。

■完成期

ここまでくると、肌はかなり丈夫な状態になっています。気になっていたトラブルが改善されるのはもちろん、新しいトラブルが起こりにくい健康で強い肌を手に入れることができます。完成期が過ぎたら、肌の状態を維持するプログラムに変更していきます。

開発者のオバジ医師によるとトレチノインとハイドロキノンは長い間使用していくと耐性といって効果が弱まる傾向になります。そこでトレチノインの代わりにレチノールを、ハイドロキノンの代わりにアルブチンなどの別の美白剤を組み合わせるメンテナンスプログラムに変更していきます。
治療用であるセラピューティックと維持用であるメンテナンスを3〜4カ月くらいで交互に行うのがオバジ医師の新しい考え方となっています。

1-4.ゼオスキンヘルスとオバジニューダームとの違い

同じような肌質改善プログラムにオバジニューダームがあります。ゼオスキンヘルスはオバジニューダームに比べて保湿力が高く、皮むけなどの症状も軽くなっています。また、トレチノインの効果が出やすくなるよう、皮脂の量をコントロールする処方になっています。

2.ゼオスキンヘルスの処方

ゼオスキンヘルスの処方

出典 http://free-photos.gatag.net/

画期的な肌質改善効果が期待できる、ゼオスキンヘルス。医療機関専門のアイテムなので、トライしてみたい方は美容皮膚科で診察を受ける必要があります。ここからは医療機関でゼオスキンヘルスを処方してもらう際のプロセスや使用する際の注意点、価格などについて説明していきます。

2-1.ゼオスキンヘルスを美容皮膚科で処方してもらうには

ゼオスキンヘルスはレチノールやハイドロキノンなど医師の処方が必要な成分を配合したアイテムが含まれています。そのため、ゼオスキンヘルスを使い始めたい場合、まずは取扱いのある美容皮膚科をはじめとするクリニックの診察を受けなければなりません。

カウンセリングを受けてどのプログラムを実施するか決め、追加で使用するアイテムや頻度を減らしたり、増やしたりするアイテムなどを選んでカスタマイズしたプランを組み立ててもらいます。洗顔料やUVケアアイテムなどは2~3種類のなかから、自分の肌質にあったものをチョイスする必要があるので、医師のアドバイスを参考に選ぶとよいでしょう。

この時に、アレルギーの有無やライフスタイル、どのくらいの肌の改善を目指しているかなどを医師にはっきり伝えるのがポイントです。

2-2.使用する際に気をつけること

■日焼けはしない

使用する際に気をつけること

出典 https://www.cutera.jp/

レチノールとハイドロキノンを配合したアイテムを使用しているため、ゼオスキンヘルスでケアをしている間はとにかく日焼け厳禁です。UVカットを使用することはもちろん、帽子や日傘、洋服、サングラスなどで紫外線をカットすることも忘れないようにしてください。画像は紫外線散乱剤を使用した、肌に優しい日焼け止め「サンスクリーンプラスプライマーSPF30」です。

■他の化粧品は使わない

ゼオスキンヘルスは全体でPHのコントロールや成分の相乗効果をねらって作られています。使用中は他の化粧品を使わないようにしましょう。

■目の周りに使用しない

目の周りの皮膚は顔の中でも特に薄い部分でとてもデリケート。ゼオスキンヘルスにはレチノールやハイドロキノンといった、目の周りの皮膚にとっては刺激が強い成分も含まれています。目の周りへの塗布は避けた方がいいアイテムもあるので、カウンセリング時に確認しましょう。

2-3.ゼオスキンヘルスの価格

ゼオスキンヘルスは洗顔、化粧水、美容クリーム、UVカットなど肌に合ったアイテムを組み合わせていきます。洗顔料と化粧水が6,000円程度、美容クリームが12,500~20,000円程度で、トータルで6万円台後半から7万円台、1カ月あたりにすると2万円前後で2カ月以上もつため、極端に高い治療というわけではありません。

■個人輸入サイトや通販サイトで購入したアイテムは使用しない

ゼオスキンヘルスは医療機関専用のアイテムです。医師の指導がなければ処方できない成分も含まれていますので、通販サイトや個人輸入サイトで使用上のアドバイスをするのは違法となります。

日本に流通しているゼオスキンヘルスは日本向けに開発された(日本の薬事法で認可されていない成分を使用していない)ものであり、ネット上で購入できるアイテムの信頼性は高くありません。まったくの偽物が売られているケースも考えられますので、購入はしないようにしてください。

2-4.ゼオスキンヘルスの口コミ

ゼオスキンヘルスは「結果が出るプログラム」として人気がありますが、反応期の症状が怖いという人も。ただし、これは肌質によって異なり、脂性肌の方や日ごろから美容皮膚科で処方されるレチノール入りの化粧品やトレチノインクリームでのケアの経験がある方は症状が軽くて済むと言われています。

■反応期の症状について

■効果がスゴイ!という声

3.まとめ

表面的なケアしかできない市販の化粧品に比べ、レチノールやハイドロキノンで結果を出すケアができるゼオスキンヘルス。「肌を全部入れ替えたい!」という切実な悩みを持つ40代の方からも絶賛されています。気になる方は、まずはゼオスキンヘルスの取り扱いをしているクリニックで相談してみてはいかがでしょうか。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

Emiri

Emiri

美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。

閲覧中の記事:

監修:

依田拓之 医師

よだ形成外科クリニック

東邦大学医学部卒業。形成外科医として経験を積み、美容外科院長を歴任。宮城県仙台市に2010年よだ形成外科クリニックを開業。2020年で開院10周年。
日本形成外科学会認定専門医の資格を持ち、現在では少なくなった総合的な美容医療を地域に提供しています。目元、鼻などの美容外科治療はもちろん、エイジングケア、美肌、男性・女性のAGA、男性診療まで幅広いメニューは安心してかかりつけ医にできそうです。

東邦大学医学部卒
東京警察病院形成外科入局
美容外科クリニック院長
よだ形成外科クリニック院長

この記事の監修ドクターが所属するクリニック

  • 住所: 宮城県仙台市青葉区花京院1丁目1-6
  • 最寄駅: JR仙台駅より徒歩3分地下鉄広瀬通駅より徒歩10分
  • 院長: 依田 拓之
  • 診療時間: 月・火・木・金9:30~12:30 14:00~18:30 第2・4土・日9:30~17:30
  • 休診日: 水・第2・4日・祝