美容クリニックで受けられる痩身治療には脂肪吸引手術、脂肪溶解注射、冷却脂肪融解、糖尿病治療薬、ボディハイフなどたくさん種類がありどれがいいのか迷ってしまいますよね。それぞれメリット、デメリットがあるので今回は身体への負担が少なく、痩身だけでなく筋肉増大も期待できるエムスカルプトNeoに焦点を当ててそれぞれ治療を比較していきます!

【監修医師からのワンポイント】

医療でしか取り扱えない、高密度焦点式電磁波とシンクロ派の同時照射(特許技術)により効率的に脂肪細胞を減らし同時に筋肉量を増大させる施術です。皮下脂肪の厚い方や内臓脂肪の多い方でも適応があり効果を感じられるのが特徴です。痩せるだけでなくボディーメイクもできること、筋肉量の増加によりリバウンドの可能性が低いことも魅力です!

美容医療で叶う痩身とは

美容クリニックで受ける痩身治療の多くは部分痩身となります。部分痩身とは体重減少を目的とするものでなく、気になる箇所に対して集中的にアプローチして輪郭を整えるものです。そのため、全体的な体重減少はあまり望めません。

それに対して糖尿病治療薬や漢方薬などの飲み薬は全体的な痩身効果が期待できます。以下で詳しく説明しますが、食欲を抑えたり、むくみを改善したりと全身に作用するため、もちろん内服薬だけで痩せることは難しいのですが、どちらも継続できれば全体的な痩身が期待できます。

エムスカルプトNeoとは

エムスカルプトNeo(ニオ)とは身体への負担がなく30分間寝ているだけで筋肉増強+脂肪減少を期待できる機械です。
どのように施術していくかというとまずアプリケーターをお悩みの部分に当て固定します。その後は横になっているだけで機械が自動的に筋収縮により筋肉を増大させるのと、42〜43℃に温めることで脂肪を減少させます。

筆者もエムスカルプトNeoの施術を受けたことがあるのですが、じんわりとアプリケーターを当てている箇所が暖かく、筋トレを行っているときのような若干の鈍さがある程度で大きな苦痛なく30分過ごせました。

▼施術の様子

エムスカルプトNeo症例

・お腹/4回施術

・ヒップ/4回施術

このように脂肪を減らすだけでなく同時に筋肉増強もできるのでヒップアップ効果ものぞめます。なかなか他の痩身治療だと、細くすることは可能でも引き締まったボディラインを作ることが難しいためこのような効果を出せることがエムスカルプトNeoの強みになります。

どうしてエムスカルプトNeoは脂肪減少と筋肉増大できるの?

エムスカルプトNeoは臨床研究で以下のデータが結果として出ています。

  • ・平均+25%の筋肉増加
  • ・平均ー30%の脂肪減少
  • ・平均19%の腹直筋離開改善
  • ・最大ー5.9cmの腹囲減少
  • ※1クール(=3回)施術時のCT、MRI、超音波検査による評価

HIFEM(ハイフェム)による筋肉増加

ハイフェムというのは高密度焦点式電磁波で筋肉が位置するような深いとこにアプローチできるといった特徴があります。この特性を活かし、普段の筋トレでは再現できない強度、頻度で筋収縮を引き起こすことで筋肉増加が可能となります。

1回の筋収縮が終わる前に次の筋収縮を引き起こすことができるため30分間の施術で約2万回の筋収縮が実現できます。普段の生活のなかで2万回も腹筋など筋トレを行うことは不可能ですよね。寝ているだけで自身ではできない回数の筋収縮を短時間で引き起こせることがエムスカルプトNeoを受ける決め手のひとつです。

シンクロ波による脂肪減少

シンクロ波というのは皮下組織を加熱できるという特徴があります。脂肪細胞が一定の時間42〜43℃以上で保たれるとアポトーシス(細胞の自然死)が始まり脂肪減少に繋がります。アポトーシスがおき身体の代謝に合わせて数週間で外に排出されることで1クール(=3回)で平均ー30%の脂肪減少効果が期待できるというメカニズムになっています。

また上記で筋肉増加についても説明しましたが、シンクロ波の加熱作用により筋肉も温まります。筋肉が温まっていることでハイフェムによる強い強度、頻度の筋収縮に対しての準備や適応までの時間が短縮され効果的に治療することができます。

筋肉が温まっているということは血流が良くなっているということを意味します。血液は酸素や栄養素を運ぶパイプのような役割があるため、血流が良くなることで筋肉の成長をより促進し効率良く筋肉増加が図れるようになっています。

安全性が確保された機械〜身体への負担が最小限

このように脂肪を温めて身体の外へ排出できるというと火傷のリスクをイメージされるかと思います。もちろん美容医療なので0とは言えませんが、エムスカルプトNeoは安全性を確保するためにアプリケーターが表面温度を自動で計測しています。お肌に密着できていなかったり、表面温度が上がりすぎてしまった場合はアラームがなり自動で止まるよう設計されているので火傷のリスクは限りなく低くなっています。
またアプリケーターも2種類取り揃えられており、大きいものはお腹、ヒップ、太もも、小さいものは二の腕、ふくらはぎとパーツに合わせて使い分けることができ、しっかり密着させることで安全かつ効果的な施術が可能となっています。

エムスカルプトNeoのダウンタイム

強い筋収縮を引き起こしているため1週間程度筋肉痛のような痛みが出現する場合があります。またアプリケーターを装着していた部位に直後赤みが伴う可能性がありますがこちらはその日中に消失する方がほとんどです。

エムスカルプトNeoを実際に受けてみた感想

エムスカルプトNeoを受けてみた感想ですが施術後筋肉痛が少しあり寝ているだけなのに筋トレした感覚が強くありました。筋肉痛の程度は私の場合2〜3日間笑ったりして腹筋を使うと痛むくらいだったので日常生活には支障が出ないという点もエムスカルプトNeoの嬉しいポイントです。

また筋トレを頑張っている時期、あまり行っていなかった時期どちらもエムスカルプトNeoの施術を受けたことがあるのですが筋肉を鍛えている時期ほど低い出力で施術中痛みを感じました。施術を通して自分の筋肉量を把握できるという点も面白くモチベーションに繋がります。

私は美容医療は健康の上、プラスαで成り立つものだと考えています。以下で詳しく説明しますがその他の痩身治療はどうしても多少なりともリスクがつきものです。エムスカルプトNeoは最小限のリスクで健康的に痩身、筋力増強を期待できるため健康美を目指す方にぴったりな施術となります。

施術は風景はこんな感じです!

その他痩身治療について

美容クリニックで受けられる痩身治療はたくさん種類があります。それぞれどんな特徴があるのか説明していきます。

脂肪吸引手術

脂肪を細い管(カニューレ)で吸い出していく手術になります。皮膚に5mm〜1cm程度の穴を開けそこからカニューレを通しお腹、太もも、顎下、二の腕などの大きなパーツも施術できるといった特徴があります。適正体重を超えている方や部分的にどうしても痩せられない箇所があり悩まれている方が一般的には適応となります。

脂肪吸引手術のダウンタイム

他の痩身治療に比べダウンタイムは重めとなります。術後は痛みが継続するため基本的には痛み止めを内服します。仕事も最低3日程度は休める時期に受けられるよう調整される方が多いです。
また脂肪吸引を受けた箇所は炎症が起きている状態になるため腫れたり、内出血が出現します。術後は腫れやたるみを最小限にするために圧迫固定(ガーメント)をして過ごして頂きます。

脂肪吸引手術のリスク

感染、拘縮(凸凹)、血腫、知覚異常が主なリスクとして挙げられます。 手術部位にもよりますが生命に関わる様な腹膜の損傷、塞栓(血液や脂肪などが詰まってしまうこと)や麻酔の合併症などの大きなリスクもあります。

脂肪溶解注射

脂肪溶解注射とは名前の通り脂肪を乳化し溶かす働きのあるデオキシコール酸という成分の入った注射のことをさします。主に顔で使用されることが多いのですが二の腕などボディでも局所的に使用されることがあります。

デオキシコール酸濃度

主な脂肪溶解注射に含まれるデオキシコール酸の濃度は以下の通りです。

  • ・Fat X core、Fat X:1%
  • ・Kabelline:0.50%
  • ・チンセラプラス:0.80%
  • ※BNLSシリーズ:0.0001〜0.02% と極微量。主成分はセイヨウトチノキやカラクサケマンなど。
  • 脂肪溶解注射のダウンタイム

    注射痕の内出血と腫れが出現します。一般的にはデオキシコール酸濃度が低ければ低い程回数も必要となりますが腫れも少なく過ごせます。しかしデオキシコール酸以外の成分も重要でpHの調整等でダウンタイムを軽減した製剤もあります。期待する効果と許容できるダウンタイムを考慮し製剤を選択していく必要があります。

    リスク

    多量の投与では腎機能障害を引き起こすリスクや製剤によっては大豆やクルミの成分が含まれておりアレルギー反応が出現するリスクがあります。1回で劇的な効果をもたらす様な施術ではないため満足できる効果が出るまでに回数がかなり必要となる場合もあります。

    冷却脂肪融解:Cryolipolysis

    脂肪細胞はエムスカルプトNeoのように温めることでも細胞死(アポトーシス)が起こりますが皮膚の表面から4℃に冷却することでも細胞死(アポトーシス)が誘導され痩身効果が期待できます。
    こちらは直後から効果が出るわけではなく死んだ脂肪細胞が貪食されるため3カ月程度期間が必要となります。

    クールスカルプティングの場合施術時間は35〜75分で、お腹やヒップ、二の腕などが適応箇所となります。狭小の範囲や脂肪が少なすぎる場合はアプリケーターが装着できない可能性があるため比較的広いお悩み箇所に施術していきます。

    冷却脂肪融解のダウンタイム

    ダウンタイムは軽度で筋肉痛のような痛みが1週間程継続する可能性があります。

    リスク

    過冷却による凍傷、内出血、痺れが起きる可能性があります。原因は解明されていませんがごく稀ですが逆に脂肪が増えてしまう症例も報告されています。

    ▼クールスカルプティングの医師監修記事はこちら

    糖尿病治療薬(GLP-1治療薬)

    糖尿病の患者さんに使われる薬を使用することで食欲を抑えダイエットをする方法もあります。GLP-1は血糖値を下げるホルモン(インスリン)の分泌を促す役割があります。血糖値が低下することで胃腸の動きが抑制され長く満腹感を感じたり、食欲中枢に働きかけ食欲を抑えるような効果がでます。

    GLP-1治療薬には注射のタイプ:オゼンピック皮下注射、飲み薬のタイプ:リベルサスなどがあります。基本的にこれまで紹介した痩身治療は部分的にボディラインを整えるものになりますが、GLP-1は一般に言われるダイエット=体重減少の効果が期待できます。

    糖尿病治療薬(GLP-1治療薬)のダウンタイム

    オゼンピック皮下注射の場合は注射痕の内出血が起きる可能性があります。また、胃部不快感・便秘・下痢・吐き気等の胃腸障害が起きる可能性があります。

    リスク

    血糖値が高くないときにはGLP-1を使用しても下がりづらいという特性があるため比較的起こりづらいと言われていますが低血糖を引き起こすリスクがあります。

    低血糖の症状(冷や汗、動悸、手先の震え、強い空腹感、眠気、意識が朦朧とする感じ、脱力感など)が出てしまった場合はラムネや飴などで糖分を補給する必要があります。腎臓や膵臓に作用し、肝臓で代謝されるため、腎機能障害や膵炎、肝機能障害のリスクもあります。

    ▼GLP-1の医師監修記事はこちら

    ボディリニアハイフ

    ハイフとは高密度焦点式超音波(High Intensity FocusedUltrasound:HIFU)のことでこちらも脂肪に熱を加えることで溶解し痩身を目指すものとなります。身体に当てるヘッド部分が比較的小さく照射の深さを変えられるので、身体のいろいろな部分の施術ができることが特徴です。直後より効果は出ますが脂肪細胞が排出される1カ月後が効果のピークとなります。施術時間も範囲によりますが30分前後で施術を受けられます。

    ボディリニアハイフのダウンタイム

    大きなダウンタイムはありませんが熱を加える施術のため一時的に赤みが出る可能性があります。

    リスク

    火傷によるひりつき、水脹れ、炎症後色素沈着や神経障害のリスクがあります。

    ▼ボディリニアハイフ、医療痩身を詳しく知りたいなら



    このように美容クリニックで受けられる痩身治療には局所的にボディラインを整えるものから体重の減少を目指すもの、1回で効果が期待できるものから一定期間に複数回施術が必要なもの、身体への負担が大きいものからほとんどないものまで沢山の選択肢があります。

    ご自身がいつまでにどの程度痩せたいか、リスクやダウンタイムはどの程度許容できるのかバランスを考えてしっかりカウンセリングで疑問点を解決し施術をうけるようにして下さいね!
    また美容医療のみで痩せるのには限界があるため最善の効果が出るように食事や運動も一緒に見直していきましょう!

    *本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

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    まいまい

    都内の美容皮膚科メインで働く正看護師。新人の教育担当も経験。現在は保険診療も併設されているクリニックで勤務中。美容と保険をうまく組み合わせ患者様のお悩みを解決したいと考えている。美容について勉強したことを発信しており、Twitterでは1,000人以上のフォロワーも。医療従事者としてエビデンス(根拠)に基づいた内容を伝えることを心掛けている。

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監修:

長谷川悠 医師

You's clinic Aoyama

順天堂大学医学部・大学院を卒業後、初期臨床研修を経て順天堂医院に所属。その間、都内の美容クリニックで非常勤として約3年半勤務し、豊富な美容施術の経験を積む。その後、複数の美容クリニックで院長として活躍し、注入系の肌治療や糸リフト、目元の施術、脂肪吸引、豊胸、婦人科美容、再生医療など幅広い手術を手掛ける。2021年3月、東京・南青山にYou's clinic Aoyamaを開院。糸リフト、ヒアルロン酸注入、ボトックス注射などの注入系治療や点滴を組み合わせ、必要に応じて機器を使用する治療を主体とし、再生医療も提供しています。

順天堂大学医学部・同大学大学院 卒業
順天堂医院 初期臨床研修、同病院形成外科・放射線科 所属
都内複数の美容クリニック 非常勤
PICO BEAUTY CLINIC新宿院 院長
東京中央美容外科福島院 院長
オザキクリニック新宿院等 非常勤
IDGクリニック日本橋 院長
2021年3月 You's clinic Aoyama 開院

執筆:

まいまい看護師

都内美容皮膚科、保険診療皮膚科その他形成外科などが併設しているクリニックで働く正看護師。自身がニキビで悩み、SNSや雑誌などで知った情報を試すも良くならなかった経験からお肌の状態が自信をなくしたり、QOLを下げる原因にならないよう美容看護師になる。

また誤った情報で悲しい思いをする方を減らすため根拠に基づいた美容法をSNSで紹介している。クリニックでは前職、現職でも指導者・プリセプターを担当。施術だけでなくカウンセリングも行っている経験から現実的に実践できるような手軽な美容から幅広く発信。

愛知県の大学病院(救急病棟)
都内美容皮膚科クリニック
都内美容皮膚科、保険診療皮膚科その他形成外科などが併設しているクリニック