顔にできるしわのなかでも女性を不機嫌・老け顔に見せてしまうのが眉間のしわです。笑うとできる目尻のシワと違って眉間のしわは「いつも怒っている人」というネガティブな印象を与えてしまい、ハッピーなできごとも遠ざかってしまうかもしれません。では眉間のしわを解消・予防するにはどうしたらいいのでしょうか。

目次

  • 1.しわの種類と原因を見きわめる
  • 1-1.しわの種類
  • 1-2.しわができる原因
  • 2.眉間のしわはなぜできる?
  • 2-1.眉間の縦ジワができる原因
  • 2-1-1.表情グセによってできる縦ジワ
  • 2-1-2.視力の低下によって起きる縦ジワ
  • 2-1-3.横向きに寝ることで起こる縦ジワ
  • 2-2.眉間に横ジワができる原因
  • 3.眉間のしわを解消する方法とは
  • 3-1.眉間のしわ改善のセルフケア
  • 3-1-1.表情ぐせの改善・マッサージ
  • 3-1-2.化粧品やテープで眉間のしわをケア
  • 3-1-3.家庭用マッサージ器や美顔器で眉間のしわをケア
  • 3-1-4.眉間にしわができる習慣を見直す
  • 3-2.眉間のしわを美容皮膚科、美容外科でケアする
  • 3-2-1.ボトックス注射
  • 3-2-2.ヒアルロン酸注射
  • 3-2-3.再生医療によるPRP注射
  • 4.まとめ

1.しわの種類と原因を見きわめる

年齢を感じさせるサインのひとつ、しわ。なかでもやっかいなのは気がつくと深く刻まれている眉間のしわ。目元や口元に比べると乾燥しにくいように感じるパーツですが、年齢とともに眉間にくっきりとしたしわがある人は増えていきますよね。では眉間のしわはなぜできるのでしょうか。

1-1.しわの種類

ひとことでしわといっても、いくつかの種類があります。

  • ・乾燥によってできるちりめんジワ 目尻や目の下など
  • ・乾燥をケアせずにちりめんジワが深くなったもの 目尻や目の下など
  • ・たるみによって顔の脂肪が支えられなくなってできるシワ ほうれい線
  • ・表情のクセによってできる表情シワ 眉間のしわ、おでこのしわ、ほうれい線、マリオネットライン、バニーライン(笑った時、目と目の間にできるしわ)
  • ・肌が圧迫されることでできる一時的なもの

などです。

1-2.しわができる原因

しわができる原因はパーツによって異なります。

・乾燥とコラーゲン不足

目じりや口元など皮脂腺が少なく乾燥しやすいパーツはまず、ちりめんじわやうっすらとしたしわができて、それが徐々に深くなっていくというパターンをたどります。乾燥が続くと、肌のハリを保つコラーゲンが不足し、ますますシワが深く刻まれやすくなります。

・たるみ

ほうれい線や高齢の方の目尻の深いシワはたるみによって起こることが多いようです。頭皮や額がたるむことによって眉間の少し下あたりに横ジワが入ることもあります。

・表情のクセによるもの

いつも同じ表情をしていると肌にそのクセがついてしまいます。肌にハリのある若いうちは、すぐに元に戻るのですが、加齢とともにコラーゲンが減り、肌のハリが低下すると表情シワも残りやすくなります。例えば、ほうれい線。ほうれい線はたるみによって起こることが多いのですが、つい口角がさがった表情を続けていると、頬の脂肪を支えている表情筋が衰え、ほうれい線につながる……ということも。また、おでこのしわは目を開くときに眼輪筋だけでなく眉毛をあげたり、おでこの筋肉を使って見開くようにするクセがあるとできやすいと考えることができます。

・横向けに寝ること

眠るときに横向きにならないと眠れないという方はいませんか? 横向きに寝ると、下になるほうに顔の肉が寄せられます。長時間、その姿勢でいるとほうれい線や眉間のシワとしてクセになってしまうことも。毎晩、同じ方向で横向きになって寝ているという方は特に要注意です。

2.眉間のシワはなぜできる?

眉間のしわというと、縦じわを気にする人が多いのですが、年齢を重ねるにつれて横ジワができることもあります。縦のシワと横のシワ、それぞれの原因について詳しく考えてみましょう。

2-1.眉間の縦ジワができる原因

2-1-1.表情グセによってできる縦ジワ

眉間の縦じわができる一番の原因といえば、表情のクセによって起こることが多くなっています。実際に、みなさんの周りにも「若いのに眉間にしわがある」「他の部分にシワがないのに、眉間だけにくっきりしわがある」という人がいるのではないでしょうか。

うまくいかないことがあってイライラしているとき、ふと鏡を見ると眉間にしわが寄っていたという経験はありませんか? こんな風にイライラしているとき、怒っているとき、考えごとをしているときなど気がつかないうちに額から眉にかけて力が入り、眉間にしわが寄ってしまうことがあります。

これを繰り返していると皮膚にクセがつき、次第にしわが深く刻まれてしまいます。さらに年齢とともに肌のコラーゲンが減少すると、表情のクセが元に戻りにくくなるため、しわもできやすくなるのです。眉間にしわが寄っていると、周りにネガティブな印象を与えてしまうことも。女子力も低下しそうですね。

人によっては仕事で忙しいときなど、考えごとをしなければならない時期は眉間やおでこにしわが寄りやすいという人もいるようです。この状態が続くと、眉間だけではなく額にもくっきりしわが寄ってしまうかもしれません。意識して顔の力を抜いてリラックスするようにしたいですね。

2-1-2.視力の低下によって起こる縦ジワ

視力が悪いことが原因となる眉間のしわ

視力が低く、遠くを見るときや見えづらいとき、目を細めてしまう……そんなクセはありませんか? このクセも眉間のしわを作る大きな原因です。この習慣が続いてしまい、長期間、視力が低いまま矯正せずにいると、若い人でも眉間にしわが寄りやすくなることが。

また、いつもメガネやコンタクトをしていても、視力が低下していて知らず知らずのうちに目に合わなくなっていることもあるかもしれません。視力の低下と頭痛は密接な関係がありますが、このことも眉間のしわを招いている可能性があります。頭痛が起こるとつい額に力が入ったり、眉を寄せたりしてしまいますよね。メガネやコンタクトを変えるとすっと頭痛がおさまるということもあるようです。

さらに、人より光のまぶしさを感じやすいという人や老眼がはじまる世代も注意が必要です。視力の低下や老眼、目を細める動作を減らすためにもサングラスを積極的に使用することも考えてみてはいかがでしょうか。

さらに最近はパソコンやスマホの画面を長時間、眺めることで眉間にしわが寄りやすくなっている人もいます。若いうちから眉間にくっきりしわが刻まれてしまったら嫌ですよね。眼精疲労や視力の低下にもつながるため、パソコン、スマホの作業は時間を決めて行うようにしましょう。

2-1-3.横向きに寝ることで起こる縦ジワ

日頃から毎晩、横を向いて寝ていることで眉間の縦ジワを悪化させてしまうこともあります。それだけではなく、下になった方の頬にほうれい線ができたり、フェイスラインがたるんでしまうことも。眠るときは、できる限り仰向けに寝るようにするのがポイントです。

2-2.眉間に横ジワができる原因

20〜30代の方はあまりピンとこないかもしれませんが、アラフォー世代になると眉間から鼻頭にかけて、うっすらと横じわができることもあります。「サルみたいでイヤ!」と深刻に悩んでいるひともいます。この横ジワはなぜできるのでそうか。

顔をくしゃっと寄せたときに縦ジワが入ることもありますが、大きな理由は頭皮がたるむことによって引き起こされる、額のたるみ。眉間のすぐ下あたり、鼻頭に横ジワがある方の多くが額にも横ジワができているはずです。眉間の下あたりに横ジワができてきたら、頭皮や額のたるみ防止対策を考える必要あります。

3.眉間のしわを解消する方法とは

眉間のしわを解消する方法とは

女性を老け顔にするだけではなく、不機嫌な近寄りがたい表情にしてしまう眉間のしわ。しわが浅いうちであれば、眉間のしわは気にならない程度まで改善することも不可能ではありません。では眉間のしわを解消するにはどのようなケアをすればよいのでしょうか。

3-1.眉間のしわ改善のセルフケア

3-1-1.リラックス・マッサージで眉間にしわが寄るのを防ぐ

眉間のしわは表情によってクセづけされることで起こります。眉間にしわが寄るときには頭部から額にかけて力が入っていることが分かります。イライラしたり考えごとをしたりするときについ眉間にしわがよってしまうという方は意識して額から眉にかけて力を抜いてみてください。またどこでもできるマッサージを覚えて、日ごろからしわを予防するようにしてみましょう。

①頭部のマッサージ

無意識のうちに力を入れてしまう頭部は気がついたときにマッサージしてリラックスさせてあげましょう。後頭部から頭頂部にかけて指の腹で円を描くようにマッサージしたあと、髪の生え際から両手で手ぐしを入れるようにして頭頂部に向かって押し上げます。頭部のマッサージは眉間だけではなく、額のしわの予防にもつながります。美容院でヘッドスパを受けてみてもいいでしょう。

②額のマッサージ

気がついたときに中指と薬指の2本の指を使って額と「眉間から髪の生え際に向かって」「両手の中指と薬指を使って額中央からこめかみ方向・眉間から斜め上方向」に指をすべらせるようにマッサージしてみてください。額部分に力が入っていたことが分かると思います。マッサージをするときには力を入れすぎないようにしましょう。

その他、視力が低下しているなと感じている方はメガネやコンタクトで正しい視力矯正をして、目を細めるクセをストップさせるようにしましょう。スマホやパソコンの作業時間は30~45分程度にとどめ、休憩をはさむこと。眼精疲労も眉間のしわをできやすくするので、ブルーライトをカットするメガネを使ってみてもいいでしょう。

3-1-2.化粧品やテープで眉間のしわをケア

加齢や乾燥によって肌の弾力をキープしているコラーゲンが減少すると、表情によって刻まれたしわが元に戻りづらくなります。目じりや口元と比べて乾燥しにくい眉間ですが、しわが気になるときは化粧水でしっかり保湿しましょう。ローションパックもおすすめです。

しわを改善する効果のある成分であるコラーゲンやプロテオグリカン、レチノールなどを配合した美容液やクリームを使用するのもオススメ。

・コーセープレディア サインズリセット

コーセープレディア サインズリセット

出典 https://shop.kose.co.jp

眉間だけではなく、目じりや額、法令線などのシワを「なかったことにしてくれる」と評判の美容液。アスタキサンチンやプロテオグリカンが肌を内側からふっくらとさせてくれます。価格はオープン価格ですが、5,500円前後で購入でき、1本で4~5カ月持つというコスパの良さも嬉しいポイント。

・フォーゲットユアライン(リンクルディフューザーセラム)

フォーゲットユアライン(リンクルディフューザーセラム)

出典 http://www.456.com/

有機認定を受けたローズゼラニウムやラベンダーエキスなどのほか、回復特性のあるシリマリンという成分を含むオオアザミエキスを配合。肌を引き締めて若々しい印象に導いてくれます。アメリカのコスメなので個人輸入サイトなどを利用して購入する必要が。価格は3,300円程度とお手頃なので、デイリーケアにぴったりです。

・しわを伸ばすテープ

眉間のしわをテープで伸ばす方法もあります。専用のしわ取りテープのほかに医療用のサージカルテープを使うなどいろいろな種類があり、使い方は「寝ている間、しわを伸ばした状態で軽く貼る」というもの。就寝中は知らず知らずのうちに顔に力が入っていることがあります。特に歯ぎしりをしていると言われたことがある方は要注意。テープを貼ることで寝ている間にしわが刻まれるのを防いでくれる効果が期待できます。

しわを伸ばすテープ

出典 https://www.amazon.co.jp/

テープでのケアははがしたときは薄くなっていても、時間が経つうちにしわが再び寄ってくるということがほとんど。しわがより深くなるのを防ぐ効果は期待できるかもしれませんが、残念ながら根本的な解決にはならないでしょう。

3-1-3.家庭用マッサージ器や美顔器で眉間のしわをケア

・DHCパーフェクトウェーブ

DHCパーフェクトウェーブ

出典 http://www.dhc.co.jp/

眉間のシワは表情グセや肌のハリが低下することによって起こるケースが圧倒的に多いエイジングサイン。表情筋を鍛えるEMS効果のある家庭用マッサージ機を使用することで、しわの改善が期待できます。ただし、眉間は目に近く、刺激を感じやすいパーツでもあるため、使用には細心の注意が必要。眉間に使用できるタイプかどうかも必ず確認してから使用するようにしましょう。

美顔器の効果そのものは持続しませんが、継続的に使用することでシワやたるみの悪化を防ぐことにつながります。高価なものでも一度買えば長期間使え、美容外科で施術を受けるよりも費用が安く済むのがメリットです。
こちらのDHCパーフェクトウェーブは通常の税込み価格が65,780円と高価ですが口コミ人気も高いようです。

・オムニ マチュアラティハルカ EX

オムニ マチュアラティハルカ EX

出典 https://item.rakuten.co.jp/

EMSやマイクロカレント、温熱、冷却などのケアがこれひとつでできる美顔器がこちら。ユニークな見た目で眉間のシワはもちろん、クマやむくみ、たるみなどのエイジングサイン全般をカバーできるアイテムです。価格は税込み
17,380円。コードレスなので飽きることなく、ながらケアができるのもメリットです。

3-1-4.眉間にしわができる習慣を見直す

眉間にしわができる習慣を見直す

化粧品や美顔器で毎日せっせとケアをしても、眉間にしわができやすくなる習慣を見直さなければシワの改善効果は見込めません。眉間にシワがよる原因を徹底的に排除することも考えてみましょう。

  • ・コンタクトやメガネは視力に合ったものを選ぶ
  • ・眠るときは横向きではなく、仰向けで眠るように心がける
  • ・乾燥やコラーゲンの低下を防ぐため、紫外線対策と保湿をきちんとする
  • ・頭皮や額のたるみを防ぐため、頭皮マッサージやブラッシングを習慣にする
  • ・デスクの上に鏡を置くなどして、仏頂面になっていないか確認する

毎日、デスクワークであまり人に接する機会がないという方は是非、デスクに鏡を置いてみましょう。人目を意識していないときの自分の顔の無防備さ、無表情さにびっくりしてしまうかも? 是非、口角をあげるようにしていつもニコニコしているようにしてみてください。実際にトライしてみると分かりますが「口角をあげながら眉間にしわを寄せる」という動作はなかなかできません!

3-2.眉間のしわを美容皮膚科、美容外科でケアする

深く刻まれてしまった眉間のしわは美容皮膚科、美容外科でケアしてもらうこともできます。眉間のシワにアプローチする施術のなかで代表的なものを紹介しましょう。

3-2-1.ボトックス注射

筋肉の動きを抑制する働きのあるボツリヌス毒素製剤であるボトックスを注射し、しわをできにくくするもの。効果の持続は3カ月~半年程度、費用は眉間の場合、4~5万円くらいが相場となっています。

手軽にできる施術ですが、副作用もあります。スポックブローと呼ばれる症状もそのひとつで、映画『スタートレック』に登場するミスタースポックのようなつりあがった眉毛になってしまうところからこの名前がついています。注入するボトックスの量や入れる場所を見誤ると、表情筋の動きを妨げて目を開けにくく感じることもあるそうです。口コミなどをよくチェックして、技術が高い医師が在籍していること、アラガン社製のボトックス製剤を使用しているクリニックであることを基準に選ぶようにましょう。

眉毛の動きが日ごろ大きい方は、スポックブローになりやすいので、眉間のボトックスと同時にまゆの概則の跳ね上がる箇所もボトックス注射をしてスポックブローになるのを予防します。

3-2-2.ヒアルロン酸注射

肌の弾力を保つために必要なヒアルロン酸を注射して、内側からしわをふっくらとさせる方法。ヒアルロン酸注射はクリニックによって注入に必要な量ではなく、製剤1本当たりの価格を設定しているところもあるため、価格の幅が広くなっています。眉間の場合、費用は5~10万円。持続期間は半年から1年程度と言われています。

ボトックスは眉間のしわを予防するのには適していますが、深い眉間のしわには効果が低いため、ヒアルロン酸の方が適していることも。しわの状態によっては両方を併用することもあるようです。

3-2-3.再生医療によるPRP注射

血液から採取する成長因子を含む血小板を注射することでコラーゲンやヒアルロン酸が作られる働きを高め、肌の若返りを図る方法。自分の血液から採取する成分なので、アレルギーや感染症を起こす可能性が低い。ボトックスやヒアルロン酸注射と違って効果の持続が3年程度と長め。クリニックによって血小板にヒアルロン酸をプラスしているところもあります。費用は20~30万円程度。

ただし、PRPの注射と成長因子であるbFGFを注入した場合、過度な活性化による肉芽(皮膚が盛り上がること)の症状に悩まされている方もいます。費用が高いこともあり、眉間だけではなく額のシワに悩む方が広範囲のシワ改善のために受けるケースが多いようですが、施術を受ける際には慎重になる必要があります。また効果は3年程度で消失すると言われていますが、実際には長年症状に苦しんでいる患者さんもいます。

4.まとめ

表情グセが刻まれることによってできる眉間のしわ。眉間にしわがあると、不機嫌そうに見られたり、老け顔に見られたりして印象も悪くなり人間関係で損をしてしまうこともあるかもしれません。クリニックでケアしなければならなくなるほど、深いしわが刻まれる前に、日ごろの表情グセを治して眉間のしわを予防しましょう!

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

Emiri

Emiri

美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。

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監修:

鈴木稚子 医師

六本木スキンクリニック

東京慈恵会医科大学医学部卒業。大学病院にて皮膚科医として勤務後、六本木スキンクリニックを開院する。
不自然になるような施術は行わないことをモットーに自然な美しさを意識しているそうです。学生時代から美しいものに対する意識を高く持ち、人の見た目をきれいにしたい、ハッピーにしたいという気持ちから、エイジング治療、美肌治療には力を注ぎ、様々な角度から治療のアプローチをおこなっています。

医学博士
日本医師会スポーツ認定医など

東京慈恵会医科大学医学部卒
同大皮膚科
国立大蔵病院皮膚科
六本木スキンクリニック院長