スポンサーリンク

Contents

• ボトックスとは
• ボトックスの種類
• ボトックスの副作用
• ボトックスの価格
• 注入する箇所
• まとめ

太陽の光が眩しかったり、体をどこかにぶつけて痛みがある時に出てくる眉間のシワは年代問わず起こり得ます。ただ、そのシワは年齢を重ねれば重ねるほどに残ってしまうのです。咄嗟の時だけでなく、常におでこや眉間のシワがあるととても老けた印象を与えてしまいます。

子どもにおばあちゃんの絵を描いてと言うと、シミではなくシワを描くことが多いことからもパッとみて年齢を感じてしまう部分だということがお分かりいただけるかと思います。ある調査で自分と友人の顔で、気になるポイントを考えた結果では1位はどちらもたるみなのですが、自分で気になる2位はシミで、友人の顔で気になるポイント2位はシワだったのです。※1

著者の勤務するクリニックではシミを気にして来院された方でも、シワの方が気になる方が少なくありません。そういった場合は確かにシミも気になられるとは思うのですが、シワを治療するとより若々しく見えると説明しています。

また、シミはコンシーラーやファンデーションで隠れるのですがシワは隠すことがほぼ不可能です。シワの治療を先に行い、気になるシミだけ治療するという方も少なくありませんし、満足度も高くなっています。

ただ、シワの治療といってもヒアルロン酸はまだまだ抵抗があるし、費用も高いと悩んでいる方も多くいます。そのような方にはまず、ボトックスをお勧めすることが多いです。筆者も美容クリニックで働くようになってまず受けたのがボトックスで、今でも継続して行っているくらい気に入っています。多くの方が気軽に受けられる魅力的な治療であるボトックスについて今回は解説していきます。

出典　https://totalfacialtreatment.jp/

ボトックスとは

まず、ボトックスとはなんなのかというところですが、ボトックスとはボツリヌストキシンという菌の産生するA型ボツリヌス毒素を利用しているものです。菌や毒素と聞くととても怖いという方もいますが、毒素を分解・精製して無毒化した天然のタンパク質を使用しているため菌や毒素は含まれていないので安心してくださいね。

ボトックスは、医師が針とシリンジを使用して筋肉や皮下に注入することによって注入した箇所に効力を発揮します。注入されたボトックスは神経の端から出るアセチルコリンという信号をブロックすることができます。

そうすることで、信号が筋肉へ伝わらず筋肉の動きを止めるのです。また、汗を出せという信号もブロックすることにより多汗症の改善も可能です。このように、ボトックスは筋肉に直接刺激を与えたり組織を壊すことなく動きを止める（筋肉を休ませる）ことができるため、3カ月から長くて半年程度で徐々に筋肉への信号が戻り筋肉も通常通り動かせることができます。

ボトックスは打ち続けないと効果ないんでしょうと患者さんに言われることも多いのですが、確かに3カ月から半年で筋肉が元通り動くため再度注入することが必要です。ただ、長く休んでいた筋肉というのは筋繊維が細くなるため、半年すぎてもまだあまり動かなくなった方もいます。一度シワができてしまうと消すことは多くの金額をかけても難しいため、継続してボトックスを打つことは意外とコスパも良いのです。

ボトックスの種類

ボトックスといってもいくつか種類があります。大きく分けると韓国製のものとアメリカのアラガン社製のものです。アメリカのアラガン社製のボトックスビスタはFDA（日本の厚生労働省のような機関）で認可を受けており、安全性が高くボトックスと呼べるのは厳密にいうとこのボトックスビスタだけです。これは、温度管理をしっかりとしているため不活化（タンパク質が働かない状態）することがなく安心して使用できます。

出典　https://totalfacialtreatment.jp/

韓国のヒューゲル社製イノトックスやボツラックス（韓国国内向けと国外向けで名前が違う）は成分的にはボトックスビスタと変わらないのですが、ジェネリック医薬品のように後発品です。成分はほとんど同じであるため効果も変わらないと言われていますが、輸送の際に温度管理が厳密ではなかったりするため、効きが悪い場合もあると言われています。

韓国製のコアトックスはMFDS（韓国食品医薬品安全省）の承認を受けており、安全性が高い製剤です。また、ボトックスを長期間大量に注入すると効果が出にくくなる抗体ができると言われているのですが、コアトックスは耐性ができる原因のタンパク質を除去しているため抗体ができにくいのです。そのため、ふくらはぎや肩など多量に使用する場合に適しているボトックスと言えるでしょう。

ボトックスの副作用

ボトックスはちくっと注射を行うため針跡や内出血が副作用として1番多いものです。アレルギーや痒みが出る方も稀にいますがとても少なくほぼ見かけない程度です。また、注入場所や量が左右で異なる場合、左右差がでたり、効きすぎると表情が不自然になると言われています。

おでこのシワにボトックスをしっかり打つと効きすぎて目が重くなったり頭痛がしたりという場合もありますので、額や眉間・目尻は表情は作られる範囲で筋肉の動きを弱める程度が向いているという医師も少なくありません。

また、首や肩の筋肉にボトックスを打つと頭を支えていた筋肉が緩むため他の筋肉に負担がかかりかえって肩こりが増してしまうということもあります。注入する部位によっても副作用は変わってきますので、注入する部位での副作用は何があるかあらかじめ医師に相談されることをおすすめします。

ボトックスの価格

ボトックスは注入する量を◯単位というように数字で提示しているクリニックがほとんどです。単位数が増えれば、ボトックスを多く注入しているということになるため料金も上がります。

元々、ボトックスは粉であり生理食塩水で溶かして注入できるようにしているのでどれくらいの生理食塩水に溶かしたかによって薬剤の量は変化します。同じ10単位でも、1mLで溶かしたものだと0.2mL、2mLで溶かしたものだと0.1mLの中に10単位が入っているというように薬剤の量とボトックスの単位数は別になるため注意が必要です。

特に、額・眉間・目尻・鼻根などの表情を作る際に動かす部分は人それぞれ筋肉の強さが違うため少量から注入することをおすすめします。大体、額だと少なくて4単位や6単位で満足される方もいます。その場合は、料金が少なくて済むため部位でいくらと値段を決めているクリニックよりも単位数でいくらと決めているクリニックが向いているでしょう。
ただ、顔中にしっかりとボトックスを打ちたいという方は一部位いくらと設定されているクリニックの方がお得な場合もあります。

さらに、韓国製とアラガン社製で料金が全然違います。大体、韓国製はアラガン社製の2分の1の価格で打てるため、まず試してみたい方や量をたくさん打たなければならない方は韓国製のものを一度使ってみてもよいでしょう。不安が強い方や少量で良い方はアラガン社製のボトックスは安心感があるためおすすめです。

注入する箇所

顔

顔では、額や眉間、目尻、鼻根、顎、エラなど様々な部位にボトックスを注入することができます。最近、マスクを外すようになってきて人気の箇所は顎です。意外と顎（オトガイ筋）に力が入っている方がとても多いです。筆者は職業柄電車の中の人や患者さんをよく見てしまうのですが、顎に力が入ってクセがついている方は若い方でも多いです。

そうすると顎が短く見えて横顔の美しさが減退してしまいますし、顎に力が入ると梅干しジワになってしまい、毛穴がないのに毛穴がたくさんあるボコボコとした肌に見えてしまいます。それが、ボトックスを注入するだけで抑えることができるためとても人気です。さらに、顎のヒアルロン酸の持ちも良くしてくれ、入れる量も減ります。ヒアルロン酸を入れる方はマストでボトックスをされてくださいね。

また、ネフェルティティリフトといってフェイスラインから首・デコルテにかけて広範囲にボトックスを注入することで広頚筋（こうけいきん。首からフェイスラインにかけて下に引っ張る筋肉）が緩み、抗重力筋との均衡が保たれることによってたるみや首筋のシワを改善することができるものです。

こちらもマスクを外すことで首のシワやフェイスラインのたるみが気になる方が注入されることが増えています。イーっと鏡の前で力を入れると広頚筋が目で見てわかるので力の強く筋がたくさん浮き出る方は、注入されるとフェイスラインがスッキリして筋も目立たなくなります。

この投稿をInstagramで見る

karen yahiro/美容皮膚科医(@dr_karen.y)がシェアした投稿

夜寝ている時に歯軋りや食いしばりで朝から顎がだるい方や歯医者で歯が磨耗していると言われている方には、エラボトックスが適応かもしれません。エラは食べ物を噛む時に使う咬筋という筋肉のことで、咬筋が発達しすぎるとベース型の顔になったり下膨れ顔になることでも有名です。

咬筋を休ませることにより食事に影響は全くなく、硬いものを噛むと顎が疲れる程度ですのでストレスなく受けることができます。奥歯が磨耗すると高齢になってから歯が抜けたり折れたりしやすく、力が入らなくなる場合もあるため、歯軋りや食いしばりの強い方は早めに打つと良いでしょう。

ただ、30代後半から40代以上の方はボトックスが効きすぎると皮膚が余ってしまいたるむ場合があります。医師にたるむかたるまないか相談して量を少なめに打つなどするとたるみにくいため、ハイフやスレッドなどと併用するか量の調整をすることをおすすめします。

この投稿をInstagramで見る

美容/再生医療/AGA/植毛/ウェルネス/看護師(@wbc_saki)がシェアした投稿

体

ウェディング前の女性や肩こりがひどいという方には肩ボトックスが人気です。首から肩のもりっと盛り上がった僧帽筋（そうぼうきん）という筋肉にボトックスを注入するとスッキリ首が長く見え、肩こりが楽になると言われています。

首のラインが綺麗になるため水着やドレスなどデコルテが見えるような場合におすすめできるものです。男性でも仕事でデスクワークによる重度の肩こりがある場合はとても楽になった、と言われることもあり男女どちらにも良い施術だと言えるでしょう。

暑い夏には脇汗を抑える脇ボトックスもとても人気です。重度の多汗症の方は保険適応でもあり、両脇で100単位と多量のボトックスを使用するのですが、20,000〜30,000円程度で受けていただくことができます。

脇汗による服へのシミや匂いがストレスだという方が多く、早い方で4月から注入に来られる方もいるくらいです。脇汗に対する塗り薬や制汗剤は刺激が強いこともあり、脇が色素沈着したり炎症を起こすこともありますが、ボトックスは注入の痛みさえ我慢すれば3〜4カ月持つので痛いけれどまた頑張りますと毎年夏だけ継続して打たれる方も多くいます。

この投稿をInstagramで見る

品川美容外科　池袋院　武藤佳緒里(@shinagawa_kaori)がシェアした投稿

まとめ

ボトックスは気軽に受けることのできるアンチエイジング治療です。ただ、肩こりや汗止めなど目的に応じて適応が変わってくるため、悩みや状態にあった箇所のボトックスを受けていただくことが重要です。

また、打つ場所によって副反応が起こる場合もありますし、筋肉の強さに対してボトックスが少ないと効きが悪いこともあります。そういった場合はタッチアップ（追加での調整、修正）など対応してくれるのかどうかもしっかりと把握した状態で施術を受けられると安心できるかと思います。

コスパも良く、シワやたるみを予防できるため、思い立ったら早めにボトックスを注入してみてください。筆者も額と眉間、顎はボトックスの効果が切れてきたなと思うと定期的に打つと決めていますし、ボトックスが効いている時は肌もつるんと（皮脂も減る）するのでお気に入りです。

【記事の執筆・レビューに使用した参考文献等】

記事の正確性等の確保方法及び参考文献の取り扱いについては、Call to Beautyの編集プロセスをご覧ください。

※1全国の30〜50代女性、各世代100名、計300名。調査期間／2013年8月15日（木）〜8月20日（火）（株式会社クロス・マーケティング調べ）

＊本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

トマト看

4年制大学の看護学科を卒業後総合病院のICUで1年勤務。その後、美容クリニックに勤務して3年目の、看護師としては4年目になる。美容クリニックはパート含め計6院の美容外科・皮膚科勤務歴があり使用した機械や介助についたオペも多い。高校生の頃から肌荒れに悩んでおり、スキンケアマニアのため市販のスキンケアやドクターズコスメの知識も豊富である。