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白い肌は、美人の象徴の1つです。白い肌を手に入れるために、さまざまな美白化粧品を使用し、試行錯誤している女性も多いでしょう。しかし、そのような美白化粧品を使用しても、美白効果を実感できることは少ないのではないでしょうか? そこで、白い肌を手に入れたい女性のためにオススメなのが「ハイドロキノン」と呼ばれる成分です。では早速、ハイドロキノンについて詳しくまとめていきます。

目次

1.肌の漂白剤 ハイドロキノンとは一体どんな成分?

1-1.ハイドロキノンの概要

ハイドロキノンの正式名称は、ヒドロキノン(hydroquinone)です。英語での発音が「ハイドロキノン」に近いため、一般的にハイドロキノンと呼ばれるようになりました。また、ハイドロキノンは強い美白作用をもたらす成分で、ビタミンC・プラセンタエキス・コウジ酸など様々な美白成分の約10〜100倍の美白効果があると言われています。一般的に、ハイドロキノンクリームとして購入することができます。アメリカでは食品医薬品局(FDA)に認可を得ています。

日本では、ハイドロキノンを初めて聞く方もいるかもしれません。ですが、欧米では肌のブリーチ剤(漂白)として、ハイドロキノンはごく普通に使われています。また、ハイドロキノンの歴史は古く、美容目的以外にもよく使われている成分でした。具体的な用途としては、写真の還元剤・染料の原料・酸化防止剤などが挙げられます。

1-2.ハイドロキノンの効果

ハイドロキノンの効果

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ハイドロキノンの効果は、主に2つあると言われています。1つめは、シミ・ソバカスを薄くする効果が期待できること。2つめは、シミ・ソバカスの原因となるメラニン色素の合成を抑える働きがあることです。これら2つの効果について詳しく説明するために、まずはシミ・ソバカスができるメカニズムから解説していきましょう。

●肌とメラニン色素の関係性

まず、肌の表面にシミ・ソバカスとして現れる黒い色素。これを「メラニン色素」と呼びます。肌は上から表皮・真皮・皮下組織の3つの構造に分かれています。この3つの構造の中で、メラニン色素が作られる場所は、表皮の部分です。表皮もいくつかの構造に分かれていて、厳密に言えば、メラニン色素が作られる場所は「表皮の一番下の層」で起こります。表皮の底にはメラニン色素が作られるメラノサイトという細胞があり、この細胞が活性化することによって、肌にシミ・ソバカスとして現れます。

メラニン色素が作られる詳しい原理としては、表皮の底にあるメラノサイトの中で、「チロシン」と呼ばれるアミノ酸の一種が、「チロシナーゼ」という合成酵素と合わさることがきっかけでメラニン色素が合成されます。チロシンとチロシナーゼが合わさると、さまざまな物質に変化し、結果的にメラニン色素となるのです。

一連の流れをまとめると、このようになります。

【チロシン→ドーパ→ドーパキノン→メラニン色素(シミ・ソバカス)】

チロシンとチロシナーゼが合わさり、ドーパという化合物に変化します。このドーパがさらにチロシナーゼと合わさり、ドーパキノンという化合物に変化。ここから酸化や重合を経て、メラニン色素が作られるのです。

●ハイドロキノンがシミ・ソバカスに与える作用

ハイドロキノンは、メラノサイトに対して強い毒性を発揮します。これにより、メラノサイトの活動を抑える働きが生まれ、シミ・ソバカスを薄くする効果が期待できます。

さらに、シミ・ソバカスになるメラニン色素を作り出す引き金となる「チロシナーゼ」の発生そのものを抑えるとともに、チロシナーゼがもたらす肌への酸化を防ぐ働きがあると言われています。ハイドロキノンは、シミ・ソバカスを薄くする効果が期待できるのに重ね、根本的にシミ・ソバカスの発生を抑える働きもあるのです。

1-3.ハイドロキノンの使い方

ハイドロキノンの使い方

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ハイドロキノンは1日2回、朝と夜の洗顔後に使用します。刺激が気になるようなら夜のみ使用するなどして、使う頻度を調整しましょう。ハイドロキノンの詳しい使い方について、以下でご紹介していきます。

●手順① 低刺激な洗顔料で顔を洗う

ハイドロキノンを使用する前は、必ず洗顔をしましょう。顔に皮脂やほこりが付着している状態では、ハイドロキノンがしっかりと浸透しません。ですので、はじめに肌を清潔にします。使用する洗顔料は、なるべく低刺激なものを使用しましょう。例えば、無添加の固形石鹸や、敏感肌用の洗顔料です。よく泡立て、顔を擦らないように洗いましょう。ここで、ゴシゴシと強く擦るようにして洗顔をするのは厳禁です。

ハイドロキノンはシミ・ソバカスを薄くしやすくする成分でもありますが、反対に刺激が強い面もあります。ハイドロキノンを使用する際は、それ以上に肌に刺激を与えることはなるべく避けるようにするのが、望ましいと言えるでしょう。

●手順② 洗顔後の手順

顔全体の美白効果を期待する場合は、洗顔後、化粧水や乳液で肌を整えた後に、使用するよう指導するクリニックが多いです。

●手順③ 綿棒を使ってハイドロキノンを塗布する

洗顔後、化粧水や乳液で肌を整えたら、綿棒を使ってハイドロキノンを塗布していきましょう。なぜ、綿棒を使用するのかというと、理由は2つあります。1つめ目、シミ・ソバカスが気になる部分にのみ塗布できるということ。2つ目は、衛生的に使用できるということです。例えば、指を使ってハイドロキノンを塗るとしましょう。

そうなった場合、ターゲットになるシミ・ソバカス以外の肌に、ハイドロキノンを塗りこんでしまう可能性があります。指の腹は綿棒と比べて面積が広いため、どうしてもターゲット以外に触れてしまいます。そして、指で直接ハイドロキノンを取ろうとすると、そこから雑菌が入ってしまい、不衛生になる恐れもあります。このようなことを避けるために、綿棒を使用しながらハイドロキノンを塗布していきましょう。

1-4.ハイドロキノンを使う注意点

ハイドロキノンを使う注意点

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●日焼け止めを塗って紫外線対策をする

ハイドロキノンを使い始めると、紫外線からのダメージを受けやすくなります。この理由としては、ハイドロキノンの性質にあります。ハイドロキノンはシミ・ソバカスを薄くするのに効果的な働きをしますが、紫外線を浴びると逆にシミ・ソバカスを濃くしてしまう性質が生まれます。

このデメリットを避けるためには、ハイドロキノンの塗布を開始したのと同時に、紫外線対策をしっかり行うことです。外出をしないからといって、紫外線対策をとらないのはNG。室内にいる時も少なからず、窓を通して紫外線は入ってきます。外出するしないにかかわらず、毎日日焼け止めを塗り、しっかりと紫外線対策を行いましょう。

●ハイドロキノンクリームは冷蔵保存で保管する

ハイドロキノンのもう1つの特徴的な性質として、酸化しやすいことです。例えば、一度開封した状態で、暖かいところにハイドロキノンを一定の時間放置していたとしましょう。一般的な化粧品なら、防腐剤が含まれているため、蓋をしっかり締めておけば酸化することは少ないはずです。

しかし、ハイドロキノンは酸化しやすいため、暖かいところに放置しておくだけで、どんどん酸化が進んでしまいます。それほど、デリケートな成分なのです。ですので、開封後は冷蔵庫に保管し、酸化をさせないように注意をしましょう。

●ハイドロキノンの濃度に気をつける

ハイドロキノンには、「濃度」があります。低濃度のハイドロキノンは1〜3%。高濃度のハイドロキノンになると、4〜5%になります。これらの濃度の違いによって、効果が出るスピードや刺激が異なります。

低濃度のハイドロキノンは、シミ・ソバカスを薄くする効果のスピードはゆっくりなものの、低濃度のため低刺激です。対して、高濃度のハイドロキノンは、シミ・ソバカスを薄くする効果のスピードは速くなりますが、高濃度のため刺激が強くなります。

ここで、早く効果を得たいからといって、高濃度のハイドロキノンを選ぶことはオススメできません。肌トラブルが起きる可能性が高くなるからです。自分の肌や、シミ・ソバカスの濃さに応じて、ハイドロキノンの濃度を選びましょう。

1-5.ハイドロキノンの効果が出る期間

ハイドロキノンの効果が出る期間

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ハイドロキノンの具体的な効果について、ご説明してきました。美白を手に入れたい女性にとって、救世主となりえる成分です。ですが、一体どのくらいの期間で効果を実感できるのか、とても気になりますよね。そこで、ハイドロキノンの効果が出る具体的な期間について、解説していきます。

ハイドロキノンの効果が出る期間は、一般的に約1〜3カ月ほどだと言われています。ただし、この期間は朝・夜の塗布と、紫外線対策を継続して行った場合です。さらに、シミ・ソバカスの濃さや大きさによって、効果が出る期間は前後するでしょう。

例えば、頬にある小さなソバカスを薄くしたいのであれば、1カ月もしないうちに効果が出るかもしれません。もしくは、頬にあるとても大きなシミを薄くしたいのであれば、3カ月以上の期間を必要とすることもあります。また、ハイドロキノンの濃度によっても、効果が出る期間は前後するでしょう。

様々な条件が関係して、ハイドロキノンの効果が出る期間が前後するため、「一概に〇〇カ月で必ず効果が出る!」との断言はできませんが、おおよそ1〜3カ月が目安の期間と言えます。

1-6.ハイドロキノンの副作用

ハイドロキノンの副作用

出典 http://gahag.net/

ハイドロキノンはシミ・ソバカスを消す成分として、女性に最適なアイテムです。しかし、高い美白効果が期待できる反面、副作用が起きることもあります。ハイドロキノンが引き起こす可能性のある副作用は3つ。それぞれ詳しく見ていきましょう。

●白斑(はくはん)が出る

白斑とは、肌の一部分がまだらに白くなってしまう症状のことを指します。ハイドロキノンは、長期的に使用するとその部分が過剰に白くなり、白斑として症状が現れることがあります。しかし、このような白斑は高濃度のハイドロキノンを塗布した場合に起こりうる症状で、低濃度の場合は白斑になる確率は低いと言われています。

●シミ・ソバカスが濃くなる

前述の通り、ハイドロキノンと紫外線は相性がよくありません。ハイドロキノンを塗布した状態で紫外線を浴びると、シミ・ソバカスが濃くなってしまう恐れがあります。この理由としては、ハイドロキノンがメラノサイトの働きを弱める性質が関係してきます。

もともと、メラノサイトは紫外線から肌を守る役割があります。ですが、ハイドロキノンを使用すると、メラノサイトの活動は弱まってしまい、肌が紫外線からのダメージを受けやすい状態になるのです。ですので、シミ・ソバカスを濃くしないためにも、紫外線対策をしっかり行うようにしましょう。

●炎症が起きる

ハイドロキノンは、美白効果を発揮する成分です。しかし、その反面、人によっては刺激を感じる場合もあります。また、ハイドロキノンは酸化しやすいこともあり、酸化したハイドロキノンによって、肌に炎症が起きる可能性もあります。ですので、ハイドロキノンを使用する前はパッチテストを行い、ハイドロキノンを使用中は冷蔵保存をして酸化をさせないようにしましょう。

1-7.ハイドロキノンの購入方法

ハイドロキノンの購入方法

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ハイドロキノンを使い始めたいけど、一体どのように購入すればいいの? と疑問に思う方もいるでしょう。ハイドロキノンを手に入れる方法は2つあります。以下で、具体的なハイドロキノンの購入方法についてご紹介していきます。

●市販・通信販売で購入する

ハイドロキノンは、マツモトキヨシなどのドラックストアや、楽天・Amazonなどの身近な通販サイトで購入することができます。2000年代の初頭から、化粧品に配合することが許可されました。医師の診察は不要で、誰でもハイドロキノンを手にいれることが可能です。通販サイトとなると「偽物ではないか?」と不安になるかもしれませんが、大手のメーカーから出ているものも多数あります。

市販・通信販売で購入できるハイドロキノンの紹介

4%と高濃度のハイドロキノンが、1000円以下と安価な価格で購入できるEUKROMA(ユークロマ)クリーム。安価・高濃度なハイドロキノンクリームのため、人気のある商品として知名度があります。しかし、高濃度のため、副作用が出る可能性もあります。副作用が出た場合は使用を中止し、医師の診察を受けましょう。

●b.glen(ビーグレン)QuSomeホワイトクリーム2.0

b.glen(ビーグレン)QuSomeホワイトクリーム1.9

出典 http://www.bglen.net/

  • 価格:6,600円
  • 内容量:15g
  • ハイドロキノン濃度:2.0%
  • 購入方法:通信販売のみで購入可能

ビーグレン独自の浸透テクノロジーを組み合わせた、ハイドロキノンクリーム。メラトルピン(澄んだ肌印象へ導く)、TGP2(新たな悩みを作らない)、アミトース(曇り原因を閉じ込め、粉砕する)の3つの美容液成分を配合し、美容液感覚でブライトニングケアができる商品です。

●美容皮膚科・美容外科クリニックで処方してもらう

もう1つのハイドロキノンの購入方法は、美容皮膚科・美容外科クリニックで処方してもらう方法です。4〜5%の高濃度のハイドロキノンを手に入れることができます。また、医師の診察を受けることができるので、肌トラブルの心配も少なくなり、安全にシミ・ソバカスを薄くすることができます。自分の肌に合った使用法などがわかるため、美容皮膚科・美容外科クリニックからハイドロキノンを入手することをオススメします。

美容皮膚科で処方される場合、5gで2,000〜4,000円程度になります。

美容クリニックは自由診療のため、クリニックによって価格が異なります。公式ホームページ等に記載されている料金表をチェックして、価格を確認しましょう。

2.ハイドロキノンのまとめ

ハイドロキノンについて、詳しくまとめてきました。ハイドロキノンの具体的効果は2つあります。1つめは、メラノサイトに強い毒性を発揮し、シミ・ソバカスを薄くすること。2つめは、シミ・ソバカスを作り出す「チロシナーゼ」の発生を抑え、肌の酸化を防ぐことでした。このように、ハイドロキノンには高い美白効果がありますが、副作用が出る可能性もあります。肌トラブルが心配な方、本格的にシミ・ソバカスを薄くしたい方は、美容皮膚科・美容外科クリニックを受診し、医師の診察を受けてから使用するのがオススメです。ハイドロキノンで、シミがない美肌を手に入れましょう!

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込です。また価格は変更になる場合があります。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

Emiri

Emiri

美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。

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監修:

石川佳奈 医師

Bella Beauty CLINIC大阪心斎橋院

大学卒業後、美容皮膚科医として必要な技術を習得するため大学病院にて、救急診療、外科、皮膚科、麻酔科を中心に学ぶ。
湘南美容クリニック、大阪市内美容皮膚科にて院長として勤務後、Bella Beauty CLINIC大阪心斎橋院開院。
得意施術は小顔、たるみ治療、糸リフト。

日本美容外科学会
アラガンボトックスビスタ認定医など

湘南美容クリニック 勤務
大阪市内美容皮膚科 院長
Bella Beauty CLINIC大阪心斎橋 開院