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「ボクらの時代」(フジテレビ系)という番組が好きで、たまに見ている。異なるジャンルで活躍する有名人3名が集まって、カフェなどでトークする番組だ。10月11日は、モデルの清原亜希(47)が、モデル・女優の佐田真由美(38)、『VERY』専属モデルの滝沢眞規子(37)とともに出演。ファッション雑誌で当たり前になっている「修正」の実態について、赤裸々なトークを繰り広げた。ネットでは賛否両論が巻き起こったようだ。

「ママがやってるのは嘘つきだね」

番組中、「写真の修正疑惑話」が出たのは、ほんの2~3分ほど。清原亜希が、「人間って、色んな表情があるじゃない? 撮影で、カメラマンさんに『ポーズはすごい可愛いけど、表情が……』て言われることもある。でも、いつも良い顔してる人間なんてないよね。もっと自然な部分も出せればいい」という趣旨の発言をしたところ、佐田真由美が「でも、今ってすごい綺麗に直してくれたりする」と反応。「確かに!」と、うなずくモデル3人。清原は「誌面を見て、『これ、私じゃない』って思うことがある。子どもからも、『ママがやってるのは嘘つきだね』って言われる。家にいる私と違うから」と発言した。

清原は多くの雑誌で表紙を飾る人気モデルなので、この発言でバッシングもされたようだ。これに対して、佐田は「でもさ、そんな人形ぽくなってもおかしいし。アラフォーの雑誌だからそこまで修正するのは(おかしい)」と、同調。清原が「シミとかさ、なるべく消さないで、って言ったりする」と、編集サイドに伝えていると話すと、滝沢も終始、うなずいていた。一方で清原は「でも、たまに完成した写真を見て、『コレいいな』って思うことはある」とも発言。「そうだよね、(キレイに直してもらえるのは)嬉しいけど……」と、滝沢さん。複雑な表情だ。

マリソル

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アラフォーモデルならではの悩み「修正に甘えるな」「シワを隠そうとして笑うな」

3人の会話は盛り上がる。佐田は「ヘタしたら、足とかベロンって(太く)なってるのが、細くなってたりする」、清原「あれ、あたしこんなに足長かったかな? って」と、雑誌が、モデルの「足の太さ」や「長さ」まで修正している現実を、さりげなく笑いに変えていた。控えめに笑う滝沢よりも、やや清原と佐田の方が盛り上がったところで、佐田は指を縦にして唇に当てる。「これ、ファンタジーだから言っちゃいけないか……」。また清原も、「修正に甘えちゃいけないとも思う」「ダイエットしないと」と、モデルとしての矜持をみせていた。一方で37歳の滝沢が、あるカメラマンに「シワを隠そうとした笑顔になっている」と指摘された経験を語り、他の2人から「それは、そのカメラマンさんがダメだよ! 誰!?」と、励まされる様子もあった。

精一杯の努力をしてカメラに収まっても、「素の私」が大きく画像修正されることへのモヤモヤした感情。どうしたってシワが出てくる年齢で、カメラマンからそれを指摘されることの悔しさ。華々しく見える3人の本音トーク(もちろん、カットされている部分が多いのは承知だが)は、いろいろと考えさせられた。

確かに、日本の40代は、20年前と比べればキレイになった。そもそも40代向けの美容雑誌、ファッション雑誌など、20年前はほとんどなかったのだ。それだけ、年令を重ねても「美」を保つことへのニーズが拡大したのだろう。が、雑誌は読者に「現実的な理想」を見せて、広告で儲けなければならない。読者は「頑張れば、私もああなれるかも」と、消費意欲を書き立てられる。だから、制作サイドは40代モデルのシミやシワを、巧妙に消し去り、新たな「リアリティ」を作り出す。そして読者に、カンフル剤のような「夢」を売るのだ。そのカンフル剤を打つ様子を、我が事と捉える現場のモデルたちには、様々な思いがあるのだろう。

清原亜希

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ハリウッドセレブが次々にスッピンを公開するアメリカ

ハリウッドでは最近、そんな風潮に「NO」を唱える動きも出てきている。『タイタニック』などでヒロインを務めた女優のケイト・ウィンスレット(40)と、スカーレット・ヨハンソン(30)が、次々と「本物のすっぴん」を公開したのだ。(記事引用元ハフィントン・ポスト日本版、2015年9月6日)
ケイト・ウィンスレットは言う。「肌にしわがあるのはわかっているけれども、今日はそれを超えたものを見てほしいのです。私は、本当の私を受け入れたいし、あなた方にもあなた方自身をありのままに受け入れて、ありのままの自分を愛してほしいと思います」。

スカーレット・ヨハンソン

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ケイト・ウィンスレット

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スカーレット・ヨハンソンも、「少女たちは、(セレブの)ルックスの裏に、たくさんのデザイナーやメイクの人がいること、そしてPhotoshop加工や動画編集がなされていることを、ちゃんとわかっていないのです」と主張。ここまでハッキリ物事を言えるモデルや女優は、今の日本にはいないだろう。言うまでもなく「ギョーカイのルール」があるからだ。郷に入っては郷に従え。その郷のなかで、「シミとか、なるべく消さないでって言ったりする」と発言した、清原亜希、佐田真由美、滝沢眞規子は、まだよく頑張った方だと思う。その程度には、彼女たちに実績があるということでもあろう。メディアという虚構のなかで、上手に齢を取るのは、驚くほど難しい。

yuki

北条かや

1986年、石川県金沢市生まれ。ライター。同志社大学社会学部、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。著書に『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』(いずれも星海社)。NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」、TOKYO MX「モーニングCROSS」などに出演する。
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