テレビ番組でその症状が紹介されてから、注目が集まっている眼瞼下垂(がんけんかすい)。頭痛や肩こり、軽いうつ症状やおでこのしわまで、女性にとって気になる症状の原因にもなると考えられています。日本人の8割が眼瞼下垂になるとも言われている今、「私も眼瞼下垂なのかも?」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
さらに最近、増えていると言われるのが、二重まぶたにするために二重埋没法、二重切開法の手術を受けて元に戻ってしまった方が再度、二重にするために眼瞼下垂の手術を検討するというケース。眼瞼下垂が起きている人の場合、手術で二重にしても元に戻ってしまうことが多いからです。
眼瞼下垂の手術を検討するにあたって気になることに、「自由診療で受けるか、保険診療で受けるか」「手術後の経過はどんな風に変化していくのか」といったポイント。ここで、実際に眼瞼下垂の手術を受けた方のブログを紹介しながら、それぞれの手術の詳細、自由診療と保険診療の違いなどについて考えていきます。
ブログを見る前に、まず眼瞼下垂手術について、基本的なことを理解しておきましょう。
眼瞼下垂の手術は大きく分けて「切開する方法」と「切らない埋没法」の2種類があります。
出典 高須クリニック
挙筋短縮法
挙筋前転法
「挙筋短縮法と挙筋前転法はともに、挙筋の操作の方法です。眼瞼挙筋とミュラー筋は重なり合っており、挙筋短縮法の場合、眼瞼挙筋を切除して短縮するため、重なっているミュラー筋を同時に切除することになります。一方、挙筋前転法は、挙筋を折りたたみ短くする方法であり、ミュラー筋を損傷することはありません。そのため、前転術は健康的に眼瞼下垂症を改善できる術式として注目を集め、多くの医師が注目し実践されてきた手術です」
出典 水の森美容外科
また、切開する場所には「まぶたの皮膚表面を切開する方法」と「まぶたの裏側(結膜側)を切開する方法」の2つがあります。
埋没法はこの眼瞼挙筋またはミュラー筋を折りたたんでタックを作るように留める「タッキング埋没法」と皮膚をカットして短く縫い縮める「短縮埋没法」を行う方法の2種類があります。二重の埋没法とは別の手術になりますので、混同しないようしてくださいね。
埋没法の眼瞼下垂手術は実施しているクリニック自体が少なく、「切らない眼瞼下垂手術」だと思ったら、実際には「まぶたの裏側を切開する方法だった」ということも。埋没法で眼瞼下垂手術を受けたい場合は事前に確認するようにしてください。
最大の違いはまぶたを開けるときに使う筋肉である眼瞼挙筋やミュラー筋といった眼筋にアプローチするかしないかという点です。
例えば、眼瞼下垂手術の切開法である挙筋短縮法は眼瞼挙筋を短く縫い縮めることで、まぶたを開けやすくします。二重の手術の切開法はまぶたを切開して、二重を作るだけで眼瞼挙筋の処理はしません。
埋没法も同様で二重埋没法はまぶたに穴をあけて糸で留めるだけ。眼瞼下垂手術の埋没法の場合、眼瞼挙筋を糸で留める処理をします。
眼瞼下垂が起きている人は眼筋になんらかの問題があって、まぶたが持ち上げにくくなっている状態。眼瞼下垂の人がただの二重手術をしても元に戻りやすいのは、眼筋の処理をしていないからと考えることができます。
出典 真崎クリニック
「真崎医院の眼瞼下垂症手術は、埋没式挙筋短縮法で行います。この方法は、 真﨑院長が考案した独自の方法です。簡単に説明しますと、加齢などにより緩んでしまった挙筋を糸で結ぶことにより、正常な状態に戻します。切開法と違い傷跡もなくダウンタイムもありません」
出典 真崎クリニック
眼瞼下垂の手術と二重の手術はよく混同されることがあります。「眼瞼下垂の手術をすると二重になる」と言われていますが、それはなぜでしょうか。
「眼瞼下垂症手術は『切る手術』です。切るとキズができます。どんなに丁寧に手術をしても、皮膚には瘢痕はんこんという硬い部分ができます。その瘢痕の部分で、折り目ができます。ふつうに眼瞼下垂症手術をすると、二重になります」
保険診療の眼瞼下垂手術は肩こりや頭痛などの症状の軽減や視野改善といった、機能回復を目的としています。そのため、機能回復だけではなく「理想的な二重のラインを叶えたい」「目が大きく見えるようなキレイな二重にしてほしい」といった希望がある場合は自由診療で手術を受けるのがベストと言われています。
また、眼瞼下垂の方は通常の二重にするために埋没法、切開法の手術をしても元に戻ってしまうことが多く、このようなケースでも最終的に自由診療で眼瞼下垂の手術を受けることが多くなっているようです。
この方は4か所止めの切らない手術と目頭切開も行っています。術後、45日時点でほぼ、二重が完成している様子。やはり、切らない眼瞼下垂の手術はそれだけダウンタイムも短くて済むということが分かります。
眼瞼下垂の手術は糸で留めるだけの埋没法もありますが、実際、埋没法だけで眼瞼下垂の症状の改善とキレイな二重まぶたを叶えることができるケースはそれほど多くありません。この方も目頭切開手術をプラスしています。手術当日から7日目までの経過写真やダウンタイムの過ごし方などについてのアドバイスも紹介されています。
「そのまま保冷剤をするより横を冷やすだけで十分だとか。そして、寝る時は熱さまシートを額に貼って寝ました!寝る時も枕を高くして、血液があんまり頭にこないようにすると次の日の腫れはマシになるそうです」
出典 http://biyou-seikei.main.jp/
もともと奥二重だったまぶたが眼瞼下垂によって一重になってしまい、挙筋短縮法と目頭切開の手術を受けた方のブログです。眼瞼下垂とは?といった基本的な情報から眼科、形成外科、美容外科で受ける手術のメリットデメリットなどもまとめて紹介してくれています。
さらに「いくらかかった?」「どの手術方法?」「人に会えるまでどのくらいかかった?」など、皆さんがまず知りたい!と思う情報がよくある質問コーナーにまとめられていて、とても分かりやすくなっています。手術直後から23日後まで手術後の経過画像も一覧で見ることができる、ダウンタイムの経過が心配な方にも参考になるでしょう。
もともとはきれいな二重だった方がアラフォー世代になっておでこのシワが気になりだし、眼瞼下垂の手術に踏み切った様子をつづるブログです。まず、形成外科で保険診療の手術を受け、その結果に満足できず美容外科で修正手術を受けられています。
初回の手術を受けた形成外科では気に入らなければ何度も直してあげると言われていましたが、実際に修正を依頼すると拒否されただけではなく、心ない言葉を投げかけられたそうです。その後、美容外科で再手術。左右の二重の幅が違う?ということでさらに再手術を受けるか悩んだものの、抜糸後は「むしろ可愛くなった」と満足されたよう。
画像を見ると、まったく問題のないきれいな二重になっているように見えますが、やはりご本人は気になるのですね。手術を受ける方は誰でも同じように、心配するもの。また、形成外科で保険診療の手術を受けたあとだったので、美容外科で手術を受けた際「他院修正費用」として15万円、費用が上乗せされたそうです。手術を受けるときは、よく考えて決めるべきとアドバイスされています。
眼瞼下垂の手術は肩こりや首の痛み、頭痛などが慢性的に起きている、視界が狭くなってきているなどの症状があれば保険診療で治療を受けることができます。ネット上では「保険診療の手術は仕上がりの美しさが二の次にされる」と言われていますが、最近は保険診療でも医師がこだわりを持って手術をしてくれるところもあるよう。ただし、残念ながら眼瞼下垂の手術は失敗例も多く再手術を受ける方もいます。保険診療手術は費用が安く、さらに加入している医療保険がおりるケースもあるなど、メリットが大きい手段ですが、手術を決めるときは信頼できるクリニックと医師を根気よく探す必要があると言えるでしょう。
こちらは珍しい「保険診療で眼瞼下垂の切らない手術」を受けた方のブログ。もともと一重で頭痛や肩こりなどにも悩まされていたところ、眼瞼下垂と診断されたそうです。保険診療となったため、手術費用は18,000円強、薬代が1,000円程度で済んだとのこと。
眼瞼下垂手術は難易度が高く、きれいに仕上げたい、切らずに埋没法で済ませたいという場合、自由診療となるクリニックが多いのですが、こちらの方が手術を受けたクリニックでは保険診療で手術が受けられたそうです。
もともと、まぶたがまつげにかぶさるようなタイプのしっかりとした一重で15歳から28歳までアイプチを使っていたとのこと。年齢が若い方でまぶた自体のたるみが少ない場合、眼瞼下垂が埋没法だけで改善されることもあります。この方も、30代前半のようですね。
「私の場合、切らなくても大丈夫ということで埋没法という形での手術になった。あくまでも『眼瞼下垂症』の治療のための手術であって美容整形ではない……が!先生はとってもいい人なので、『仕上がりはきれいに!自然に!』がモットーみたいな感じ」
出典 http://mamaraku.blog91.fc2.com/
長年、ハードコンタクトレンズを使用していた方が挙筋前転法で手術を受けたことを紹介しているブログです。40代看護師であるブロガーさんは乱視の症状が悪化してきたこともあり、手術を受ける決断をしたそう。手術後の仕上がりがかなりキレイ、かつ自然に仕上がっています。
「しっかり見開いた状態でこんな感じ。しんどい。左側がしんどい。いつも左に違和感感じる。いつも眠たい感じがするし、肩凝り頭痛もしょっちゅうあります。だんだん人と対面して話するのも左目が気になって消極的になってきたし。。(/_;)症状の改善を信じ、手術頑張ります」
出典 http://mamaraku.blog91.fc2.com/
眼瞼下垂では?と悩んでいる方の中には片方の目が二重なのに、もう片方が一重、あるいは両方の目の二重の幅に差があるという方もいるのではないでしょうか。こちらのブロガーさんもそんな悩みを抱えていたよう。夕方になると目の大きさが変わってくる、肩こりや頭痛が出てくるといった悩みも眼瞼下垂の典型的な症状のひとつです。
こちらhttp://mamaraku.blog91.fc2.com/のページでは手術前の目の様子を画像付きで紹介しています。朝、夜、寝る前とご本人が気にしている左目の様子が変化しているのが分かります。夜寝る前になると、ほぼ三重のような状態になっていますね。この方はダウンタイム中の腫れが少なく、人によってはこれほど軽度の腫れで済むこともあるというのが分かるブログです。
生まれつき一重だった方が重度ではないものの、眼瞼下垂と診断されたケース。年齢ははっきり分かりませんが、主婦の方が眼瞼下垂手術の経過をつづっているブログです。
この方は、保険診療で両目50,000円程度の費用で手術を受けたのだそう。手術後はしっかりと目が開けられるようになったとも。さらに手術13日目、傷跡が少し分かる状態でメイクをしたときの画像も紹介しています。ほとんど傷も目立たずキレイに仕上がっているようです。手術後、7カ月の画像でも自然な末広二重になっていることが分かりますね。
最近、生まれつきの一重は眼瞼下垂が起きているとする考え方が広がってきているのだとか。このブロガーさんはカウンセリングの時の様子をこんな風に振り返っています。まさにその考え方を裏付けるものになっていますよね。
「そして最後に、先生が『手術後は、こんな感じになりますよ』と言って、瞼に二か所ずつクリップみたいなものをつけられ、目を開けてみると、とても目が開けやすく、視野が広くなりました。あまりに視野が広くなり、目が開けやすいことに感激した私は、手術を受けると先生に即答し、同意書にサインしました」
「最近、一重まぶたも先天性の眼瞼下垂とすべきとの考えが出て来ました。生まれつきなので気づきにくいのですが一重の方は肩こりや頭痛を訴える方が多いからです」
埋没法や切開法で二重になる手術を受けたものの、すぐに元に戻ってしまうケースがあります。眼瞼下垂の方や生まれつきしっかりした一重の方ははとくにこの傾向が高いよう。若い世代でもアイプチやアイテープなどでまぶたがたるんでいると、二重にしても元に戻りやすいようです。
埋没法、切開法の二重手術したあと保険診療の眼瞼下垂手術を受けた20代女性のブログ。一重だったころの画像や切開手術後、眼瞼下垂によってまぶたが下がってきて視界が狭くなっている状態の目の画像も掲載されています。
手術当日から、7日目までの様子を画像つきで紹介してくれているので、ダウンタイム中、腫れがどんな風に変化していくのか気になる方は是非チェックしてみてください。手術から1年経った状態の画像は気持ちの変化についても触れているので、美容整形手術が初めてで不安という方はもちろん、手術を何度か受けているという方にも是非、読んでほしいブログです。
「整形手術することはオススメしません。天然のほうがいいにきまっています。正直一重まぶたでも可愛い人はいるし二重まぶただからといって可愛くなれる訳でもないです。私は睨んでる?とか言われたのがトラウマになって自分の元の目が嫌になってしまいました。オススメはしませんが、私は後悔していません。正直前より明るくなれました。自分に自信がもてました。それ位言い切れる自信があるなら手術をしてもいいと思います」
出典 http://keina0413.hatenablog.com/
ブロガーさんは埋没法で二重にしたところ、すぐに戻ってしまったkeinaさん。切開法で二重にしようとしたところ美容外科の医師に「あなたは眼瞼下垂だから、埋没法でも切開法でも元に戻っちゃうよ」と言われたという、20代の女性です。
眼瞼下垂の手術を保険診療で受けたいけれど、見た目のキレイさが二の次になるのは困るというのが本音。Keinaさんは納得のいく手術が受けられるよう、7件のクリニックのカウンセリングを受けたそう。美容外科医の言われるままに高額の手術を決めてしまったり、1、2件のクリニックのカウンセリングで満足してしまったりするのはNGということを考えさせてくれます。
手術前の写真と手術後の腫れている状態の写真も掲載されているので、「私も眼瞼下垂なのかな?」と疑問を持っている方や「保険診療の場合、手術後どのくらい腫れるの?」と不安に感じている方は必見です。
「私は7件のクリニックにカウンセリングに行き、信頼できる先生をえらびました。また、軽度の眼瞼下垂だから、と高価な自費診療に手を出す必要は無いと感じます。また、『保険診療だから自費とは違って見た目が悪い!』という事はありません。某チェーン系美容外科で大学を出たばかりの先生に眼瞼下垂の手術をしてもらうぐらいなら、ベテランの形成外科の先生に保険で手術をしてもらったほうが綺麗にしあがるのは当たり前です」
出典 http://keina0413.hatenablog.com/
いかがでしたか? 眼瞼下垂の手術は保険診療で受けている方も意外に多いことが分かります。また、手術を受けた方は「自分と同じような悩みを持つ人の役に立てたら」と考えてブログを書く人が多いよう。どんな手術でどのような経過をたどるのかといったロジカルな面だけではなく、クリニックの選び方や気持ちの持ち方などについてもアドバイスをくれている方が多いので、眼瞼下垂の手術を検討している方は是非、こちらで紹介したブログをチェックしてみてくださいね。
*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。また価格は変更になる場合があります。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。
美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。
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