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首をびよーんと引っ張る癖のある方いらっしゃいませんか? ドキッとしたそこのあなた。首を見てみると、首のたるみやシワになっているかもしれません。首は顔と繋がっているため鏡で目に入ることが多く、お悩みを相談されることが顔と同じくとても多いパーツです。

シワだけでなくイボやシミ・くすみも目につくため、お悩みの方がとても多いのです。株式会社アースケアが行なった調査によれば100人中68%の女性が首に年齢が現れると回答しています。

半数以上が顔だけでなく、首の老化により年齢を感じているのです。顔を隠して首だけを見ても若いのか年齢を重ねているのかがわかるというのは、とても興味深いなと思いました。また、コロナによりマスクをつけることが習慣化してからは化粧品原料等を製造する丸善製薬株式会社が実施した調査結果によってもわかる通り、首へのスキンケアをする方がコロナ禍前よりも増加しています。

これにより、首に年齢を感じて改善したいと思いスキンケアをするようになった方が多くなったことが読み取れます。確かに、筆者の勤務するクリニックの施術件数から、コロナ禍前よりも首に対する施術に興味を持たれる方や首の施術を希望される方の増加がみてとれます。マスクにより顔が隠れることによって目元と首元を見られることが増えたため、気になるパーツになったのでしょう。

顔はメイクで多少アラをカバーできますが、化粧のできない首はそうはいきませんよね。ネットにもマッサージやスキンケアなどが紹介されていますが、本当に改善するのか疑問を持たれる方や改善しなかったという方がとても多くいます。ここではシワの種類や美容医療によるその改善方法、自宅でのケアについても紹介していきます。

首のシワの種類

首のシワに関して、スキンケアや日常生活でのケアで改善可能な軽度なものから美容医療が必要なものまで様々あります。皮膚が柔らかい方は若いうちから気になる方もいらっしゃるため、早めにケアを始めると良いでしょう。

乾燥による小ジワ

乾燥による小ジワはスキンケアによる保湿でも改善可能なものが多く、皮膚の水分が失われることによって起こります。これは若い方であっても起こることのあるシワであり、特にアトピー肌の方で悩まれている方が筆者のクリニックでも多くいます。

花粉や黄砂など季節的にアレルギーが出やすい時期に関しては治療や保湿をしっかりすることが先決です。まずは症状を落ち着かせなければプラスアルファの治療は難しいため、保険適応の皮膚科へ相談されてくださいね。

縦ジワ

縦ジワは筋肉の影響によるものであることが多いシワです。顔や体にはたくさんの筋肉があり、筋肉の動きでできるシワはたくさんあるのです。イーっと力を入れると首に縦ジワがたくさんできるのですが、それは広頚筋(こうけいきん)といってフェイスラインを下に引っ張っている筋肉によるものです。

広頚筋はフェイスラインを引っ張っている筋肉のため、力を入れている時など無意識に鍛えられていて、気づく方は少なく指摘されて驚く方がほとんどです。加齢により顔や首の皮下脂肪・皮膚が垂れ下がることにより目立つ方が多いですが、ジムなどの運動をされている方や癖で広頚筋が発達している方は10代20代でも目立つ方はいます。

ボトックスで改善する場合が多く、フェイスラインも綺麗になるため複合的な効果に喜ばれる患者さんもいます。

横に深く長いシワ

横一直線に長く深いシワはネックレスラインと呼ばれることもあり、悩む方が1番多いシワです。生活習慣により起こることが多く、デスクワークでパソコンを使用される方やスマートフォンを使用する際にストレートネックになる方で悩まれている方が多い印象です。

また、枕の高さが合っていないと、首にシワができやすいといわれることもあり、傾向として、枕が高めの方が多く、枕を低くするようにアドバイスをすると多少マシになったと言われる方もいます。緊張した時や不安な時に首を触る癖がある方は無意識のうちに皮膚を引っ張ったりすることで、皮膚が伸びてしまうため気づいたら首を触らないように意識しましょう。

首を触る癖のある筆者の友人はまだ20代前半の頃から首のシワを気にしており、気づいたのは大学の頃だったということもあり、癖ひとつでコンプレックスを増やしてしまう可能性もあります。

ただ、毎日の習慣で濃くなってしまうため、意識するだけで多少改善する可能性もあります。深く刻まれたものに関しては日々のケアのみでは改善が難しいものもあります。そのような方は美容医療の施術を受けることで改善することが多いため、より深くなる前に早めの施術をおすすめします。早く受けていたらもっとマシだったのではと後悔する患者さんが多いので、気になったらすぐに相談してくださいね。

首への美容医療

シワの種類によって改善可能な施術が異なりますので、それぞれのシワに合った治療を選ぶようにしてくださいね。オペが不安な方はまず切らずに、ダウンタイムは極力短くて改善できる治療を検討されると良いでしょう。

オペになると大掛かりでダウンタイムや痛みも怖いとなかなか踏み切れないという方も多いため、ここでは注入やダウンタイムのほとんどない治療を中心に解説していきます。

ミラクル注射

ミラクル注射とは、溶ける糸の成分(注射なので、糸をいれるわけではありません)が入った製剤を首の横ジワ(ネックレスライン)に沿って注入することにより、肌のコラーゲン量を増やして皮膚をふっくらとさせ、シワの改善が期待できる施術です。

溶ける糸の製剤であるため体の中に異物が残る心配もなく、カニューレを使用するためダウンタイムもとても短いことが特徴です。効果は注入から1カ月ほどかけて出てくるため、半年に1度を数回行うことでより効果を実感することができます。

短いスパンで何回も注射しなくて良いのが嬉しいと患者さんからも好評です。特にネックレスラインが気になる方にオススメの施術であり、他にネックレスラインに効果的な治療が少ないため筆者も患者さんに提案することが多く、実際に施術された方は痛みも少ないのに改善した実感があったと喜ばれます。

ボライト

ボライトとはアラガン社のヒアルロン酸のひとつで広く点状に注入していくものです。肌育としても使用される製剤で、肌のコラーゲン量を増やすだけでなく乾燥も防止してくれるので乾燥による小ジワに悩んでいる方にもおすすめです。

ネックレスラインはそこまで深く無いけれど、細かいシワがあるという方に特に適しているでしょう。また、コラーゲン量を増やすことができるため、将来のシワの予防にも効果的です。早めに何か予防も兼ねたケアがしたいと考える方にもダウンタイムが短く、痛みも麻酔クリームを使用すればほとんど気にならないため適している治療です。

エレクトロポレーション

エレクトロポレーションとは、電気の力を使用して薬剤を真皮層まで届けることのできる施術です。保湿効果が高く、ダウンタイムもない治療であり、鎮静効果もあるため肌荒れしやすい方にもオススメです。

美白効果のあるトラネキサム酸や保湿効果のあるヒアルロン酸・セラミドなどの有効成分を顔だけでなく首にも導入できるので、乾燥によるシワだけでなく、くすみが気になる方にも人気のある治療です。特に、季節の変わり目で肌が敏感な時や冬で乾燥が強く出る時期に選ばれることが多く、筆者も好んで定期的に行なっています。リラックス効果もあり全く痛みもなくリラックスできる治療のため初めて何か施術を受けたい方によく提案しています。

▼エレクトロポレーションをもっと深堀りするならこちらの記事も

マッサージピーリング

トリクロロ酢酸とコウジ酸が有効成分のピーリングで、塗り込んでから拭き取るだけで真皮層までピーリング剤が浸透し美白効果やコラーゲン量を増やすことができます。副作用やダウンタイムがほとんどないため、痛みが苦手な方にもオススメできます。

ハリ感が出る治療でシワの予防から改善を行うことができ、エレクトロポレーションと併用すると保湿効果や鎮静効果があるためより効果的です。月に1回程度を継続する必要がありますが、注入治療に抵抗がある方でも気軽に行えてシワの改善ができるためナチュラルにケアしたい患者さんに人気です。

▼ケミカルピーリングの知識を深めるならこちらの記事もチェック

自宅でできる首のシワケア

なかなか美容クリニックは敷居が高いという方には、自宅でできるケアや意識するだけで首のシワが改善できる方法について解説していきます。日々の積み重ねで老化は防止できる(遅らせることができる)と筆者は常日頃から考えておりますので、日々のケアも怠らずに行いましょう。

保湿・日焼け止め

まず、ケアの基本として毎日保湿と日焼け止めを習慣づけることが大切です。光老化が肌の老化の8割の原因と言われているため、シミ・シワ・タルミの全ての原因となる紫外線対策は顔だけでなく必ず首も行いましょう。

患者さんにも説明すると首は日焼け止めを塗っていない方や忘れやすいという方がとても多い箇所です。それだけ日焼け止めを塗っていない・忘れる方が多いということは、日焼け止めを塗るだけで周囲の方と差をつけることもできるのではないかと思います。

また、乾燥による小ジワは保湿により防止することができるため、顔にスキンケアを塗布したら手に余ったものを首にもしっかり塗りましょう。そうすることで首の乾燥も防止できますし、美容成分を首にも塗布することができます。

注意点としては、レチノールやピーリングなど刺激の強い製剤は首の皮膚には合わない場合があります。刺激の強いスキンケアは避けてクリームなど刺激のないものを塗布するようにしましょう。

スキンケアではペプチドやセラミドなどの保湿成分や、ドクターズコスメもオススメです。特に、筆者はゼオスキンのGファクターセラムがシンエイクという成分によりハリを出してくれ小ジワに効果を実感できてお気に入りです。Gファクターセラムは顔にももちろん使用できますし、刺激感もないので何かひとつドクターズコスメを取り入れたい方にも使いやすいと思います。

姿勢・枕の高さ

首は大人で平均4〜6キロもある頭の重量を支えており、毎日負担がかかっている部位です。そのため、デスクワークやスマホを見る際に姿勢が悪いとストレートネックになったり皮膚も進展する部分と収縮する部分に分かれます。

それによりネックレスラインが深く刻まれることや皮膚の下垂が加速するとも言われているのです。筆者もついつい楽な姿勢をとってしまいがちですが、日頃から意識をして正しい姿勢をとっておくと、不自然にシワが刻まれることやたるみを防ぐことができるのでみなさんも意識をしてみてくださいね。

患者さんの中にもストレートネックを気にしている方はいるものの、姿勢によって首のシワに影響があることを知らない方がほとんどですので、知っているだけでも意識につながるため、周りの方と差をつけることができるかもしれません。意識して正しい姿勢を長時間とり続けると疲れてしまうため、休憩しながら正しい姿勢に体を慣らしていくことから始められるのをおすすめします。

まとめ

顔の次によく見られる首のシワですが、シワの違いやケア方法などほとんどの方が知らない内容だったのではないでしょうか。知っている方は少ないため、知らない方よりも早く予防ができ、シワが深くならないようなケアも可能です。

シワは一度刻まれると改善するのに時間も費用もかかってしまいます。そのため、気づいた方や悩んでいる方は自宅でできるケアを今日から始めてみてください。シワはまず予防が重要です。特に姿勢の改善は今すぐできますし、ストレートネック予防や肩こりなど首のシワ以外にも効果的ですので意識をするようにしてみてください。

美容は日々のケアの積み重ねでほとんどが成り立っていますので、施術も取り入れつつコツコツと保湿・紫外線対策をして若々しい首元を維持していきましょう。

【記事の執筆・レビューに使用した参考文献等】

記事の正確性等の確保方法及び参考文献の取り扱いについては、Call to Beautyの編集プロセスをご覧ください。

・『スハダxスキンケア 首のシワ・たるみのせいで「おばさん」に見られてるかも。首の老化を防ぐ3つのポイントを紹介』株式会社アースケア
・『PR TIMES 消費者が今、気になるエイジングサインは? コロナ禍前と比べて確認 「エイジングケア化粧品」に関する調査を実施』丸善製薬株式会社

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

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トマト看

4年制大学の看護学科を卒業後総合病院のICUで1年勤務。その後、美容クリニックに勤務して3年目の、看護師としては4年目になる。美容クリニックはパート含め計6院の美容外科・皮膚科勤務歴があり使用した機械や介助についたオペも多い。高校生の頃から肌荒れに悩んでおり、スキンケアマニアのため市販のスキンケアやドクターズコスメの知識も豊富である。

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執筆:

トマト看看護師

4年生大学の看護科を卒業後ICUを1年経験し、救急医療や重症看護を学んだ。その後、複数の美容皮膚科や美容外科で経験を積み美容看護師として働いて3年目になる。日頃からエビデンスやその方それぞれにあった美容医療を提案している。
患者さんからの指名も多く、美容の豆知識を呟いているX(旧Twitter)ではフォロワー2,500人と支持を得ている。

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