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最近では、切らない目の下のたるみ(クマ)取りという施術をSNSでもよく目にするようになりました。目の下に黄色い脂肪が乗っている動画を目にした方も多くいると思います。そういった動画や投稿では、目の下にある眼下脂肪というものを除去しています。SNSで目にするだけでなく、目元のクマ治療は実際にとても人気の高い治療になっています。
日本人を含めたアジア人では、骨格的に頬の骨よりも眼球が前に出ている方がおり、そのような方では10代から目の下の膨らみによるクマが気になってしまいます。そのため、筆者がカウンセリング相談を受ける方は40代以上の方が多いのですが、10代や20代の若い方も少なくありません。
もちろん、骨格的な要因ではなく色素沈着や血流が悪いことが原因である色クマで悩んでいる方もいます。そのような場合はオペではなくスキンケアや外用薬を提案させていただき改善することも多くありますので、ご自身で原因がわからないクマに関しては早めにカウンセリングされると良いでしょう。
40代以降ですと、ほとんどが膨らみや皮膚によるクマになるので手術が必要だということを考慮してカウンセリングに来られると心の準備もできると思います。目の下のたるみだけでなく、凹みも目立ってくるのが40代以降の方でとても増えます。これは、加齢により脂肪や骨が減ることが原因としてあげられます。
凹みによりたるみがより目立つようになるため、ただたるみをとるだけでは改善できない部分です。このたるみと凹みどちらも一度に改善できる方法がひとつだけあり、それがハムラ法・裏ハムラ法です。
眼窩脂肪移動術・経結膜下脂肪移動術などと呼ばれる手術であり、たるみの原因である自身の脂肪を利用して凹みを改善することができるとても良い手術です。他のクマ治療との違いやダウンタイム・デメリットについて詳しく解説していきます。
Contents
出典 https://www.oc-lower-eyelid.com/
目元のクマの原因
膨らみによるクマの原因として1番大きいものは眼窩脂肪が出てくることです。加齢によって骨が少なくなることや眼球や脂肪が重力によって下に下がることで眼球のクッションになっている眼窩脂肪が前に押し出されることで膨らみが出てしまいます。
また、元々眼窩脂肪が多いタイプの方もいるので加齢によるものとは限りません。さらに、眼窩の骨が触れる場所に靭帯があり、その靭帯にたるんだ皮膚や脂肪が乗っかるように見えてより膨らみが目立ってしまいます。わかりやすい例えで言えば、お腹が出ている人にきつくベルトをしめるとお腹が目立つといった感じです。
そのため、たるみの原因である脂肪だけを取り除いても靭帯によってクマが目立つタイプの方もいます。自分のクマがどういった原因であるのかをまず知ることが重要です。例えば、皮膚の余りが大きいのにも関わらず脂肪だけをなくすとシワッとした皮膚感はそのまま残ってしまいます。それによりたるみが目立つようになってしまったという方も少なくありません。
流行りだからといって脱脂(脂肪除去)のみを行うことによるデメリットもあるので注意しましょう。特に目元は皮膚が薄い部分ですので、日々の摩擦や紫外線によりたるみが目立ちやすい部分です。
クマとりの方法
クマとりと一言で言ってもいくつか種類があり、方法で効果やダウンタイム、価格も変わってきます。また、プラスで行うとより良い施術に関してもそれぞれ説明していきます。
経結膜下脱脂
こちらは、よく切らないクマ取りといわれる手術です。切らないと言っても皮膚を切らないだけであっかんべーとした時に見える結膜(粘膜)を切ることで脂肪を取り除く方法です。皮膚を切らない分ダウンタイムは短くなり、仕事でなかなか休みが取れない方やまず何かやってみたいという方に良い方法です。
ただ、脂肪をとりすぎると目がくぼんでしまったり元々のくぼみ感は改善が難しいものです。脂肪によるたるみのみを除去するといったイメージです。
皮膚のシワっと感が目立ちやすい場合があるため、サーマジェンやイントラジェンなどの皮膚に熱を与える治療やスネコスやプロファイロのように肌にハリを与える治療を併用すると皮膚のシワっと感が緩和されます。そもそも、この手術が適応ではない方も少なくはないので注意しましょう。
裏ハムラ法(経結膜下脂肪移動術)
裏ハムラ法とは脱脂と同じく皮膚を切らずに、結膜(粘膜)の部分に数ミリの切開を加えることで行うことができる手術です。靭帯を骨から剥離(引き剥がす)することでベルトを絞めたお腹のように皮膚のたるみが出ることを改善することができます。さらに膨らみの原因だった脂肪をへこんでいる部分(主にゴルゴライン)へ移動させて糸で固定することによって膨らみを改善し、凹みに関しても改善することができるのです。
脂肪を移動させているだけであるため、脱脂と比較すると目が落ちくぼむリスクは少なく別の製剤を注入しているわけではないので膨らみすぎるということもありません。自然な変化を望んでいるという方に適した手術と言えるでしょう。
ただ、皮膚は切除しないので皮膚のたるみが強い方は脂肪の膨らみが移動してフラットになることで目立ってしまう可能性があります。そのため、膨らみやへこみが気になるけれど皮膚のたるみは少ない方に向いた手術となります。
皮膚のたるみが気になる方は皮膚の切除が必要になりますのでこちらの手術は適応外ということになります。また、色味の改善は難しいことが多いため、脂肪による膨らみがあるかどうかが手術の適応になります。併用すると良い施術としては皮膚の切除を行わないため、脱脂と同じく熱を与える治療やブースターとして肌のハリを与える注入剤を併用すると皮膚のハリが出るためより若々しい印象を与えることができ良いでしょう。
ハムラ法(表ハムラ法)
ハムラ法とは下まつげのぎりぎりを切開して余分な皮膚を切除し、ハムラ法(目の下の脂肪移動術)を行うというものです。40代以降で皮膚のたるみとゴルゴラインなどのへこみ、脂肪の膨らみがある方が適応になる手術です。
皮膚のたるみは切除しない限りなくなることが非常に難しいものです。皮膚を切るため、もたつきやたるみがかなりすっきりとして10〜15年前の目元に戻るようなイメージを持たれるとわかりやすいかと思います。また、皮膚は10〜20年と長い時間をかけて伸びていくため40代で手術をしたとしても次に気になってくるのは60代を超えた頃ですし、一生物の手術になります。
何度も行う必要がないので、多少の値段やダウンタイムは気にならないという方が多いです。皮膚のあまりがある方は脱脂や裏ハムラ法を行っても満足度が低くなりますので、筆者は初めから表ハムラ法や目の下の余剰皮膚切除を提案することが多いです。
皮膚を切除することに抵抗がある方でも、メリットを理解されると一生物だしせっかく手術するならと表ハムラ法を選択される方が少なくありません。特に40代後半から上の年代の方ではほとんどが皮膚の余りがあるため、まずは皮膚切除が必要なのだろうなと予測が立てやすいかと思います。
併用すると良い施術としては、ヒアルロン酸やベビーコラーゲン・脂肪などボリュームを足す注入治療です。眼窩脂肪だけでは足りないくらいへこみが強い方はダウンタイムが落ち着いてから少しずつ注入することでふっくらした若々しい目元に近づけることができるためです。皮膚のたるみはきれいになくなる分、へこみが気になる可能性があると理解した上で手術されると安心できるでしょう。
裏ハムラ法・ハムラ法のダウンタイムとデメリット
裏ハムラ法(経結膜下脂肪移動術)のダウンタイムとデメリット
ダウンタイムとしては内出血が2週間程度、腫れ感やむくみ感は1カ月程度、違和感や硬さなどが3〜6カ月程度と脱脂と比較するとダウンタイムが長くなります。靭帯を骨から剥がしたり脂肪を糸で組織に固定したりと、結膜側からの手術なのですが侵襲が大きいためダウンタイムも大きくなるのです。
年末年始やゴールデンウィークなど休みが取れる時に行うことを筆者は推奨します。特に、術後2〜3日が1番腫れます。仕事もできないことはないですが、目元の手術になるため通常通りの仕事が行えない場合があります。そのため、手術日を含めて3〜4日はご自宅でゆったり過ごしていただくようにすると良いでしょう。
保冷剤を使用して気持ちのいい範囲で冷やしたり、枕にバスタオルやクッションを挟ん頭を高くしておくと腫れが大きくなりづらいといわれているので試してみてくださいね。他にも、眼窩脂肪を移動させるだけではへこみが埋まらないということもあります。
脂肪が少ない方やへこみが大きい方は起こりやすく、どうしてもへこみが気になる方はヒアルロン酸やベビーコラーゲン、脂肪を注入する必要があります。必ずしも100点の手術にならない場合や期待値が大きくなることもあるので、事前に医師と認識をすり合わせるようにしておきましょう。手術の後にヒアルロン酸やベビーコラーゲン、脂肪などの注入が必要かどうか医師に確認されると良いかと思います。
ハムラ法(表ハムラ法)のダウンタイムとデメリット
ハムラ法は皮膚の切除があるため、抜糸が必要になります。ほとんどの場合は手術日から1週間後に抜糸を行うため、1週間程度は目の下ギリギリに糸がついている状態になります。下まつ毛の一部のように見えるためあまり目立たないのですが、引っ張られるような、突っ張るような感じがします。場合によってはチクチクと不快な感じがすることもあるので、糸が目に当たるなど何か違和感があれば手術直後に医師や看護師へ相談すると良いでしょう。
また、傷が治る過程で外反といって皮膚が下に引っ張られあっかんべーとしたときのように結膜が少し見えることや、それにより目が乾燥したりすることがあります。これは傷が治る過程で起こることがあるリスクで3〜6カ月ほど経つと馴染んで、気にならなくなることがほとんどです。
ただ、皮膚を多く除去し過ぎるとその症状は完全になくならないため皮膚の切除はたるみを取る程度でナチュラルな変化を希望されると安心と思います。傷跡は3〜6カ月をかけて治癒しますので、赤みや硬さ・違和感なども大体はその期間を待つというのが基本になります。
手術の後で不安に思われることはその都度聞いていただくと良いのですが、経過として起こり得るリスクとして説明されていたものであれば心配しすぎるのもストレスになるため、日にち薬と思いながら経過を見ると良いでしょう。
涙袋がなくなるというリスクもありますが、筋肉を釣り上げて固定すると若々しい頃の自然な涙袋が出てくるので筋肉の吊り上げ固定をしているかどうか手術前に確認されることをおすすめします。担当する医師によっても異なりますので、不安なことや疑問点などがあれば手術前に解決しておくと安心できます。
筆者が勤務しているクリニックでは、ヒアレインといって目を潤す点眼を念のためお渡しし、1カ月後と3カ月後に検診を行なって手術の後のフォローを行っているので、不安なことは少なく、安心できたと患者さんからお声をいただくこともあります。
筆者が手術後の患者さんから相談される内容としては目が乾きやすくなったということや傷の赤みがなかなか取れないというものがほとんどになります。傷が治る過程でほとんどは落ち着くのでそこまで心配はいりませんが、心配であれば医師に相談するとよいでしょう。
まとめ
目の下のたるみ・クマ取りと言っても手術方法によって手術後の完成度やダウンタイム・リスクなどが異なってきます。今の状態はどの手術が適応になるのかを早めに医師に相談したり、裏ハムラ法やハムラ法と言っても何点固定してもらえるのかや筋肉を釣り上げて固定するのかどうかはその医師によっても異なるため絶対に確認しておきたいポイントです。
ダウンタイムやリスクの心配が一番多いので、安心して手術に臨めるよう聞きすぎたかなと思われるほど質問するのもありです。スタッフもしっかり対応してくれると思うので、満足のできる手術ができるように下調べと確認は怠らないようにしてくださいね。
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この記事は、
牧野美容クリニックの
牧野太郎医師が監修しています。
【記事の執筆・レビューに使用した参考文献等】
記事の正確性等の確保方法及び参考文献の取り扱いについては、Call to Beautyの編集プロセスをご覧ください。
・『ハムラ法|目の下のたるみを解消』渋谷高野美容医院
・『10代のうちからクマが消えないのはどうして?目元が暗くなる原因と改善方法を解説』共立美容外科
・『目の下(目袋)の脂肪再配置【ハムラ法・裏ハムラ法】 』ヴェリテクリニック
*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。
トマト看
4年制大学の看護学科を卒業後総合病院のICUで1年勤務。その後、美容クリニックに勤務して3年目の、看護師としては4年目になる。美容クリニックはパート含め計6院の美容外科・皮膚科勤務歴があり使用した機械や介助についたオペも多い。高校生の頃から肌荒れに悩んでおり、スキンケアマニアのため市販のスキンケアやドクターズコスメの知識も豊富である。
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執筆:
トマト看看護師
4年生大学の看護科を卒業後ICUを1年経験し、救急医療や重症看護を学んだ。その後、複数の美容皮膚科や美容外科で経験を積み美容看護師として働いて3年目になる。日頃からエビデンスやその方それぞれにあった美容医療を提案している。
患者さんからの指名も多く、美容の豆知識を呟いているX(旧Twitter)ではフォロワー2,500人と支持を得ている。
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