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でこぼこ状になったニキビの跡や、目立つ毛穴、しみやシワ、たるみといったエイジングまで幅広い肌の悩みに対応できるのがダーマペンです。その名の通り、ペン状の器具を使って肌に小さな穴をあけ、肌が持っている創傷治癒効果によって肌のコンディションを改善するというもの。穴をあけるというと、ちょっと怖いイメージがありますが、ダーマペンとはどんな治療なのでしょうか。

目次

1.ニキビ跡の治療や肌の若返りに・ダーマペンとは

1-1.ダーマペンの効果とは

ダーマペンの効果とは

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ダーマペンとは高密度に並んだ、髪の毛程度の細さの針で、細胞の成長因子(グロースファクター)と呼ばれる成分を注入するために、肌の真皮層まで無数の穴をあける医療器具のことです。アメリカのFDAで認可を受けています。

■ニキビ跡や毛穴の開き、シワやたるみなどの改善

人間の肌には、傷がつくとコラーゲンを増やして自ら傷を治そうとする創傷治癒作用があります。ダーマペンで穴をあける意味はそこにあります。また、ダーマペンを施術したあとに、イオン導入やエレクトロポレーションなどで、同時に新しく生まれ変わる肌の元となるたんぱく質の一種である成長因子を注入することにより、肌の細胞分裂が活性化し、肌のターンオーバーが促進されます。このようにして新しく健康な肌に生まれ変わることができるのです。
創傷治癒作用は具体的に見ると下記のような流れをたどります。

・ミクロの傷ができることによって、マクロファージと呼ばれる細胞が創傷面の組織を取り込んで表皮細胞が傷を覆う
・繊維芽細胞がコラーゲンを生成→毛細血管が発達→さらにコラーゲンが生成

ダーマペンによって肌が新しく生まれ変わると、ニキビ跡などが目立たなくなったり、お肌のハリがアップしてたるみや小じわも軽減。創傷治癒効果は数週間にわたって作用するので、治療後2カ月程度で肌の状態がピークになります。

■二の腕のブツブツの改善にも

二の腕にできるブツブツ状の毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)と呼ばれる症状。痛みやかゆみなどはないもののザラザラした見た目に悩んでいる人も多い症状です。ダーマペンによる創傷治癒効果によって毛穴に詰まった角質が排出されると、このブツブツもかなり滑らかになります。

■肉割れの線や妊娠線にも

太ももやお尻にできやすい、筋肉がつきすぎることによって起こる肉割れのラインや妊娠線の改善にも効果があると言われています。ストレッチマークは出産後や過剰に筋肉を鍛えた後などにも見られるトラブル。学生の頃、部活に励んだおかげで肉割れのラインが気になるという20代の女性もいます。
体の肌は顔に比べてターンオーバーに時間がかかるため、効果を実感できるまで回数を要しますが、肉割れの線がかなり薄くなった!という声もあがっています。アファームと呼ばれるフラクショナルレーザーと併用するとさらに高い効果が期待できます。

■薄毛の治療にも使われるダーマペン

クリニックによって異なりますが、ダーマペンを薄毛(AGA)の治療に用いているところもあります。頭皮に無数の穴をあけて、毛髪成長因子やミノキシジル(育毛成分)を浸透させることで、毛髪を再生させるというもの。女性の薄毛にも効果があるとされています。薄毛だけではなく、髪のハリやコシのなさに悩んでいる方、円形脱毛症にお悩みの方にも適しています。AGA治療に力を入れているクリニックで相談してみましょう。

■針が刺さる深さによって効果が変わる

ダーマペンは針が刺さる深さを0.25ミリ単位で調整することができます。針の長さは2.5ミリが最深でこの長さになると肌の真皮層まで到達することになり、肌のターンオーバーだけでは治らない、ニキビ跡や傷あとさえ治療することができます。

浅いニキビ跡や傷跡がない所、おでこなどの皮膚の薄いところでは、角質層や肌の表皮部分など浅い部分で十分に効果が出ます。ダーマペンは一人一人の肌状態に応じた治療ができるという特徴があります。浅い位置まで針をさすか、深い位置まで針を刺すか、患者さんの肌の状態や悩み、どのくらいのダウンタイムに耐えられるかなどに合わせて深さを決める必要があると言えるでしょう。

■成長因子の他に美容成分も注入

ダーマペンで注入される薬剤はクリニックによって異なる場合があります。成長因子の他、保湿成分やビタミン、アミノ酸などをブレンドしたものが使用されます。

  • ・肌の成長因子
  • 線維芽細胞成長因子(FGF)
  • 上皮細胞成長因子(EGF)
  • ・ヒアルロン酸やグリセリンなどの保湿剤
  • ・ビタミンB群やビタミンC、ビオチンなど
  • ・アミノ酸
  • ・プラセンタ

1-2.ダーマペンの痛み・ダウンタイムはどのくらい?

ダーマペンの痛み・ダウンタイムはどのくらい?

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「肌に針で穴をあける」ときくと、かなり痛みが強いイメージがありますよね。実際には麻酔クリームを塗ってから施術を行いますが、多少の痛みは伴います。しかし、効果は高い治療です。麻酔クリームは塗布してから15分〜40分程度おく必要があります。

実際に施術を受けた人によると、骨が近いおでこや鼻で痛みを感じやすいようです。あまりにも痛みが強い場合は施術者に伝えて、針の長さを短くしてもらうようにしましょう。

■施術後15分程度冷やすことで赤みも引き、痛みも軽減

美容クリニックで施術を受けた場合、ダーマペンの後は冷却してから帰宅します。施術後人によっては3日〜1週間程度赤みが残ることもあります。施術直後は顔に血がにじんでいることもあるので、驚く方もいるかもしれません。しばらくすればおさまるので安心してくださいね。

■針の長さによりダウンタイムが異なる

「ダーマペンはダウンタイムがほとんどない」という声も聞きますが、これにはちょっと語弊があると言えます。針の長さによっては、施術直後は出血して、術後2日程度は赤くなることもあります。

これまでクレーター状のニキビ跡の治療はなかなか難しく、フラクショナルレーザーが用いられることがほとんどでした。しかし、フラクショナルレーザーだけでは、改善しない患者さんがいました。フラクショナルレーザーより、深く穴を開けられるダーマペンは、非常に効果的ですが、ダウンタウンタイムがありますので、施術後のスケジュールに余裕があるときに受けることをお勧めします。

ダーマペンは1回で効果がある?

ダーマペンは1回で効果がある?

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1回でも効果があると言われていますが、複数回施術を受けることでより高い効果が期待できます。クレーター状のニキビ跡やシワには5回程度施術を受けることが勧められています。施術のタイミングは2~4週間に1回程度となっています。

ニキビ跡や妊娠線などの改善はダーマペンとエレクトロポレーションの治療を平行して行うことで、より早く効果を実感することができます。

1.3-ダーマペンの副作用

注入される成分にアレルギーがない限り、副作用はありません。安全な施術と言っていいでしょう。ただし、施術後1週間程度、赤みが引かない人もいます。また2~3日は皮膚が腫れることもあるので、大切なイベントの直前などに受けるのは避けるべきでしょう。

■ダーマペンを受けられない人

金属アレルギーのある方や妊娠中の方、ケロイドになりやすい方は施術を受けることができない可能性があります。

1-4.ダーマペンの失敗例ってあるの?

ダーマペンはセルフでできるものもありますが、深さを間違えると傷あとになってしまうことがありますので、美容外科・美容皮膚科で受けることをおおすすめします。

ダーマペンは出血や炎症を伴うので、ひどいニキビができているときには施術できませんが、肌に傷を作って状態を改善していくという方法である以上、ニキビが一時的に悪化することもあるでしょう。数回受けているうちに落ち着いてくることがほとんどですが、気になる場合は施術を受けたクリニックに相談するようにしてください。

▼ダーマペンをもっと深く知りたい方はこちらの医師監修記事も

2.ダーマペンの施術

ダーマペンの施術

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手軽に受けられる印象のあるダーマペンですが、クリニックでの実際の施術はどのように行われるのでしょうか。また、通販サイトなどで見かける自宅でできるタイプのダーマペンの効果についても詳しく紹介していきます。

2-1.ダーマペンの施術の流れ

カウンセリングでダーマペンの施術について説明を受けた後、肌の状態をチェックします。その後、洗顔し、麻酔クリームを塗って、15~40分程度待ちます。麻酔クリームをふきとってから、施術箇所を消毒し、成長因子や保湿成分を含んだ製剤を塗ります。その後、ダーマペンを使って肌に成分を浸透させていきます。最後に15分程度肌を冷やして終了です。麻酔時間も含めて施術は90分程度で終了します。
なお、クリニックにより施術の流れは微妙に異なり、ダーマペンで孔を開けた後に、再度成長因子を塗布する場合もあります。

2-2.ダーマペン施術後に注意すべきこと

ダーマペンの施術は顔全体でも10分程度。麻酔クリームを塗って待つ時間がありますが、すぐ終わってしまうので拍子抜けするという声もあります。でも、油断は禁物。ダーマペンは施術後にいくつか注意しなければならないことがあるからです。

■施術後は6時間は洗顔もNG! 24時間メイクができない

ダーマペンでは注入する成分の浸透を高めるために、施術後24時間はメイクができません。施術してから6時間程度で徐々に針で開けた穴がふさがってくるので、その間は洗顔やスキンケアも避けること。24時間の間は日焼け止めも使用できないので、クリニックで施術を受ける場合、紫外線が少ない時間帯にするか車で通院する必要があります。翌日の予定も確認して、外出しなくて済むタイミングで受けことをおすすめします。

■できるだけ肌に触らない

施術後数日すると、肌がカサカサになって角質がポロポロとはがれてくることがあります。これを手で取ろうとするのはNG。傷になってしまうこともあるので、絶対にやめましょう。

■紫外線ケアと保湿も忘れずに!

施術後24時間以降はメイクもできますが、紫外線にはできるだけ当たらないようにすること。ダーマペン施術後は紫外線の影響を受けやすくなっているので、しっかり紫外線カットするようにしましょう。また肌が乾燥してくるので、しっかり保湿することも大切です。

2-3.ダーマペンの施術費用

ダーマペンの施術費用

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美容クリニックにおけるダーマペンの施術費用を見てみましょう。1回当たりの相場は顔全体の場合、30,000~45,000円程度。5回コースになると110,000~180,000円程度が相場です。

2-4.ダーマペンの個人輸入

美容クリニックで使用されているダーマペンとは異なりますが、ダーマペンに似た製品が大手通販サイトや個人輸入のサイトなどで販売されています。価格は国内のサイトで7,500円程度。海外のサイトから直接購入すると4,000円程度となっています。別途麻酔クリームや成長因子、保湿剤などの成分を自分で購入する必要がありますが、クリニックで受けるよりもかなり安く、魅力的に感じる方も多いのではないでしょうか。

ただし、本物のダーマペンはアメリカのFDAが認可した医療器具です。類似品の品質がどんなものかは分かりません。このような製品を購入して実際に試している人もいますが、トラブルが起こる可能性も否定できないので、使用は避けるようにしましょう。

  • 「使用後、添加物ゼロのEGFや安定型ビタミンCを使用すると肌に焼けるような痛みを感じる」
  • 「すぐに動かなくなった」
  • 「電源コンセントの型が合わず使えなかった」
  • 「説明書が英語のみだったので、動画サイトで使い方を説明している動画を探し、見よう見まねで使った」
  • 「本物のダーマペンの効果にはかなわない」

という口コミが多く、あまり品質が高いものではないようです。ダーマペンとは違う商品ですので、万が一トラブルが起こっても自己責任です。

3.まとめ

いかがでしたか? 痛みは伴うものの、非常に効果的でニキビ跡や目立つ毛穴の改善やアンチエイジングケアができるダーマペン。効果が実感しやすい施術として人気があります。セルフケア用の類似品も販売されていますが、品質に問題があることも多いので、ダーマペンを試したい方は美容クリニックで相談してみることをお勧めします。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込です。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

Emiri

Emiri

美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。

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監修:

蘇原しのぶ 医師

しのぶ皮膚科

東海大学医学部卒業。皮膚科医として大学病院で経験を積み、都内の皮膚科にて副院長を歴任。2016年しのぶ皮膚科開院し院長に就任。
しのぶ皮膚科では、一般皮膚科治療はもちろん、美容治療はヒアルロン酸注入を中心に、先生目当てに患者様が来ている。安心してリピートできるクリニックとして人気に。さまざまなSNSで積極的に発信、テレビ出演も多数。

日本アンチエイジング外科・美容再生研究会認定医
日本皮膚科学会会員など

東海大学医学部卒
北里大学皮膚科
獨協大学皮膚科
新宿皮フ科副院長
しのぶ皮膚科院長

この記事の監修ドクターが所属するクリニック

  • 住所: 東京都港区三田5-2-18三田ハウス104
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  • 院長: 蘇原しのぶ
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