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東京・浜松町にある東京美容皮膚科クリニック院長の二宮先生にアンチエイジング治療、特にサーマクールFLX、ウルセラについて解説してもらいました。
アンチエイジング機器の代名詞といっても過言ではないこの2機器。実際に毎日クリニックで治療にあたり、多数の症例を見てきたからこその解説は貴重です。アンチエイジング治療の変遷、機器の進化、類似の機器についてなど、普段医師からはなかなか聞けない情報満載です。治療を検討している方は是非ご覧ください。
目次
- ・若返りの種類について
- ・切る施術
- ・切らない施術
- ・サーマクールFLXについて
- ・サーマクールを受ける際の注意点
- ・ウルセラについて
- ・ウルセラを受ける際の注意点
- ・多様化するレーザーについて違いを知りたい
- ・女性はいつからアンチエイジングをするべきか
- ・年齢や症状に合った施術の選択方法
- ・アンチエイジング治療をする際のクリニックの選び方
正面で鏡を見た状態と、上を向いた状態で鏡を見てください。上を向いた状態がたるんでいないのが分かりますでしょうか?
ー今日は、アンチエイジング治療、特にサーマクールとウルセラについてお聞きします。よろしくお願いします。
二宮先生(以下N):よろしくお願いします。まずエイジングの最たる特徴のたるみについて言うと、たるみの始まりは頬が落ちてきて、ほうれい線が目立つようになり、口角横にもマリオネットラインが目立ってきます。お顔のたるみは、皮膚の下垂だけでなく、脂肪や筋層の下垂によってもでてきます。下垂・萎縮・拘縮という先生もいらっしゃいます(骨の萎縮に対して、過度なヒアルロン酸注入を行うのは、僕は好きではありません)。
ー30代になってから、頬とフェイスラインに段のようなものが出てきて気になるという方もいます。
N:まず、正面で鏡を見た状態と、上を向いた状態で鏡を見てください。上を向いた状態がたるんでいないのが分かりますでしょうか? 基本的にフェイスリフトのゴールはこの状態になります。重力が働いている状態ですから、どうしても歳を重ねると頬が落ちてきます。
頬は顔の中でもボリュームがある部分ですので、頬のボリュームを軽くすると、下顔面に掛かってくる重力が少なくなります。フェイスリフトというのは、耳の前から後ろにかけて切開し、剥がしてSMASを処理して、余った皮膚を切除して、引き上げる手術です。耳の前で切って糸で結ぶと、人間の体は張力が働いて、傷が離れてしまうので、中できちんと縫わないと、傷が開いてしまいます。当然傷ができるというリスクはあります。
患者様でフェイスリフトの手術をされたことがあっても、秘密にする方もいらっしゃいますが、分かります。傷ができ、耳垂(=みみたぶ)が伸びていることもあります。美容師さんもシャンプーをされている時にもみあげの横に傷があるので結構ご存知のことと思います。一昔前のたるみを取る手術は顔や中顔面との距離が遠いところに傷をつくるので、頭の中がはげてしまうケースもあります。上手な医師を選んでください。
日本人は切る手術にそこまで積極的ではない患者様が多いので、いきなり切開する施術に踏み切る人は少ないと思います
ーできるなら切らないで、たるみを軽減する方法はありますか?
N:手術は別に悪いことではありませんが、リスクがあります。二重の手術も余った皮膚が多い場合は切らないと修正できないものは、修正できません。順番としては、まずフェイスリフトがあって、約20年前にサーマクールが出てきました。
たるみ治療人気ナンバーワンとなりましたが、1回50万円ぐらいの治療でした。その割にすごく痛い治療でした。未だに「サーマクールは痛い」というイメージを持たれている患者様は診療していて多くいらっしゃいます。サーマクールは、中顔面の頬のボリュームを落とす効果があり、施術後変化を実感できると思います。
サーマクールは、中顔面の頬のボリュームを落とす効果があり、施術後変化を実感できると思います
ーはい、痛いイメージはあるかもしれません。
N:今回8年ぶりにサーマクールが、CPTから、フルモデルチェンジし、サーマクールFLXが登場しました。2007年に登場したサーマクールNXTから、痛みはだいぶ少なくなっています。出力設定や、過度の重ねうち照射により、皮膚温度が過熱しすぎると、熱く感じます。
■サーマクールFLXとは
サーマクールは、高周波(RF)で肌のたるみやしわを改善する高周波治療器です。
高周波の熱で真皮層内のコラーゲンが収縮し、肌が引き締まります。
また、高周波の熱で真皮細胞が傷つき、修復される過程で大量のコラーゲンが生成され、活性化されます。
その結果、治療から1ヶ月程度で美肌効果を実感できます。
特にブルドッグのようになってしまった顔や首のたるみ、ほうれい線などのしわの改善に効果を発揮します。FLX:Faster=より早く aLgorithm=手順 eXperience=経験
FLXは、施術時間を最大25%短縮(F)することができ、新たに最適化されたエネルギーの伝達アルゴリズム(L)により、患者さまにとってより快適で優れた結果(X)をもたらす効率的な治療を提供することができます。
ー痛み止めなど飲まずに施術できますか?
N:必要ないです。当院ではサーマクールの場合は、麻酔のクリームをする患者様もほとんどいません。ただ、頬や、顎のあたりは、少し熱く感じることがあります。希望される場合は、どちらもできます。サーマクールのメーカーは認定医制度を出していますが、看護師が施術を行っているクリニックが多いです。
FLXに関しては、治療費が保たれていますので医師が行っている施設が多いようです。当院は比較的リーズナブルな価格設定でご提供しています。サーマクールFLXは、中顔面の頬のボリュームを落とす効果があり、施術後に変化をすぐに実感できると思います。
① コラーゲン線維の収縮による即時的な引き締め効果と輪郭改善効果
② 創傷治癒過程でおこる長期的なコラーゲンのリモデリング
高周波(RF)で真皮層に熱を持たせると、その熱でコラーゲンが収縮します。コラーゲンが収縮することで角質、表皮、真皮の層が全体的に引き締められ顔のタイトニング効果につながります。そして、その状態でコラーゲンが再生されるので、小じわや毛穴開大の改善をし、肌にハリ感を与えます。
サーマクールはチップの先端がコーティングされていて、そのチップは使い捨てになっています。消耗品のチップを繰り返し使用するとコーティングが剥がれてきたり、火傷をする恐れがあります
ーそうなんですね。凄いです。
N:あまり技術の差はないのかもしれないですが、こけているところは当てないようにしています。未熟な施術者がやると、浅いところに熱がいきます。深いところに熱が加わるようになっている機器を、下手にやると熱が浅い層に加わるので、皮膚が火傷してしまう場合があります。
サーマクールはチップの先端がコーティングされていて、そのチップは使い捨てになっています。消耗品のチップを繰り返し使用するとコーティングが剥がれてきたり、火傷をする恐れがあります。実際に消耗品のチップは高価です。サーマクールはチップを一度装着すると使えなくなります。だから、治療費が高いということもあると思います。
冷却ガスが中に入っていて、皮膚に接触する部分が冷たくなって、熱を当てます。サーマクールという名前は熱と冷却というところからきています。
▼二宮医師(東京美容皮膚科クリニック)監修のサーマクール施術詳細(概要、ダウンタイム、費用、リスク等)はこちら
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サーマクールCPTとは
皮膚を冷却しながら電気エネルギーの高周波RF(ラジオ波)による熱作用を加えることで内部のたんぱく質を変性させ、皮膚を引き締めます。同時に創傷治癒効果によってコラーゲンの生成・再生、繊維芽細胞の生成が起こり、長期的な引き上げ(リフトアップ)効果や肌の引き締め(タイトニング)効果が期待できます。
タイトニング効果は施術直後から実感でき、数カ月後にわたってリフトアップ効果が現れます。持続期間は最長6カ月程度とされています。サーマクールCPTでは振動を与えつつ、断続的に高周波を照射するため、従来のサーマクールと比較して痛みや熱感が緩和されています。また、高温状態が均一に保たれるため、より効果的に肌を引き締めることが可能になりました。
おもな治療部位は、頬(法令線)、首、輪郭・アゴ周り、口もと(マリオネットライン)、額など。目元専用の機種「サーマクールアイ」では目元への施術も可能です。この記事は、
東京美容皮膚科クリニックの
二宮幸三医師が監修しています。 -
サーマクールFLXとは
サーマクール最新の第4世代モデルがサーマクールFLXになります。
独自のテクノロジーにより、照射毎にエネルギー量をチェックすることで、常に正確なエネルギーを送り届けることができます。
そのため、照射箇所全体が均一に加熱され、安全でより効果的な治療が可能になりました。
照射時に振動を与えると、痛みの感覚よりも振動の感覚の方が脳によく伝わるため、痛みを感じにくくなります。(ゲートコントロール理論)
サーマクールFLXはバイブレーション機能が進化し、縦のみだった振動が多方向に振動を与えながら、しっかり熱エネルギーを送り届けるため、痛みを感じにくく、確かな効果を実感していただけます。また、肌表面を冷やしながら照射することで、肌を保護して痛みを抑える効果があり、痛みが苦手な方でも快適に治療を受けていただけます。
また、従来のものよりもチップが大きくなり、治療時間が25%*短縮したことで、より気軽に治療を受けていただけるようになりました。(*CPT3.0㎝²との比較)この記事は、
東京美容皮膚科クリニックの
二宮幸三医師が監修しています。
サーマクールは基本的にはダウンタイムがありません。初期の頃(20年前)は痛みがあったので患者様に施術するのを僕も、ためらっていましたが、引き締め効果があり、顔のボリュームダウン、小顔効果には、優れています
ーチップはどのくらいのショット数ですか?
N:サーマクールのバージョンによって設定するショット数が変わります。FLXは300、600、900とあります。900ショットを選択される患者様は、アジアではあまりいらっしゃいません。美容の開業医は学会や勉強会に参加して、どの機器を導入しようか考えると思います。
2008年に美容皮膚科というカテゴリーができ、当院はもともとは外科手術を行っていましたが、フォトフェイシャル・サーマクール・色素系レーザーがあったので、美容皮膚科という診療科目もやることになりました。そのときはここまでサーマクールの人気が続くとは思っていませんでしたし、新しくウルセラ(HIFU)という機器が出てくるとも思っていませんでした。
従来あった高周波の治療、IPLのフォト専用治療よりも深い層に、作用するのがサーマクールの特徴で、深いところの筋膜の上の脂肪層に熱を加えて顔を小さくする機器でした。切らないフェイスリフトと謳われ、これが約20年前からあって、3回のモデルチェンジを経て、息の長い機器になっています。
その後、ウルセラが出てきました。皆さんレーザーとおっしゃりますが、高密度焦点式超音波法です。正式にはハイ・インテンシティー・フォーカスド・ウルトラサウンド(High Intensity Focused Ultrasound)といいます。その頭文字がHIFUなのでハイフと呼ばれています。ウルセラがFDAの認可を取得しているので、引き上げができるとパンフレット等に書けるようになりました。
多様化するレーザーについて、ハイフと高周波は果たしてレーザーなのかということにも繋がってきます。ハイフは熱凝固を起こした点と点が縮まっていきます。皮膚内に熱凝固点をいっぱい作って、けがを治そうという働きで皮膚が縮まります。点と点が線になり、全部が縮まると面が、引き上がるということになります。
サーマクールはたるみ治療ナンバーワンと謳っていますが、引き上げ効果はありません。ボリュームを落とすことによって、結果的に引きあがったように見えます。顔にボリュームがある人は、たるんでくると頬が落ちてブルドックのような顔になります。たるみが取れるというよりも、頬のボリュームを落としてあげるとすっきりします。
サーマクールは基本的にはダウンタイムがありません。初期の頃(20年前)は痛みがあったので患者様に施術するのをためらっていましたが、引き締め効果があり、顔のボリュームダウン、小顔効果が一番に出ます。毛穴が締まる効果もありますが、現在は毛穴に対するレーザーも充実していて安価でできるので、美肌効果という面では、サーマクールは第一選択の機器ではないと思います。
■サーマクールFLXはこのような方におすすめ
①顔のたるみが気になる
②顔のボリュームを落としたい
③フェイスラインがたるんでいる
④小顔になりたい
⑤毛穴を引き締めたい
⑥肌のハリが欲しい
多くの女性の方が1年間に美容に使うお金は限られていると思います。エンディメッドプロをメンテナンスとして併用することにより、サーマクールを受ける期間を延ばすことができます
ーなるほど。
N:現在サーマクールCPTの価格崩壊が一部で起きています。チップを使いまわしているケースで、問題になっています。
ー新聞でも取り上げられました。危ないですね。
N:サーマクールは高周波です。高周波は基本的には熱を加える治療になります。近年診察していてサーマクールの人気がハイフに押されている実感がありました。2018年11月に日本に改良されたサーマクールFLXが入ってきてから、サーマクールの人気も再燃しつつありますが、やはり治療費が高いので悩まれる方は非常に多いですね。
高周波の治療はたくさんありますが、当院では私がいいと思った機器しか取り扱っていません(開業医の先生のほとんどは皆さんそうでしょうが)。エンディメッドプロというイスラエル製の高周波の機器があります。エンディメッドプロの特徴はハンドピースが2つ付いていて、目の周りに当てられる小さいヘッドが付いています。イスラエルの本社から、2回ほど東京美容皮膚科クリニックに責任者に来院頂き、意見交換し、消耗品がないので安価で患者様に提供しています。
ーエンディメッドプロはサーマクールと併用できますか?
N:エンディメッドプロを取り扱っているクリニックは多くあると思いますが、当院の使い方としては、サーマクールのメンテナンスとして取り入れることをオススメしています。サーマクールは半年とか1年に1回のペースで施術します。普通は多くの女性の方が1年間に美容に使うお金は限られていると思います。サーマクールを1回やって、エンディメッドプロをメンテナンスとして併用することにより、サーマクールをやる期間を延ばせることができます。
サーマクールに手が届かない、継続できないことを解消したいと思い、なるべく効果を持続させながら、患者様の経済的負担を軽くしたいという思いでやっています。サーマクールは20年程やっていますが、サーマクールの患者様のリピーターは約7割、ウルセラは約9割いらっしゃいます。
ウルセラに似た名前をつけたHIFUを扱っているクリニックもありますが、機器は全てメンテナンスにも関わるので、きちんとしたクリニックはウルセラ、サーマクールの正規品を置いています
ーサーマクールをやった後は、エンディメッドプロをどのくらいの間隔で施術するのがいいですか?
N:月に1回程度の間隔で施術することをオススメしています。サーマクールを導入していないクリニックはエンディメッドプロがサーマクールの効果を越えたと宣伝している場合もありますが、肌の浅い層にエンディメッドプロは入るので、サーマクールを越えるまでには至っていないと思っています。
ただ、20代あたりで、ふくよかな方で少し顔をすっきりとさせたいという方には良い機器だと思います。現在のアンチエイジング機器の2トップはサーマクールFLXとウルセラです。類似品を扱っているクリニックもありますが、機器は全てメンテナンスにも関わるので、きちんとしたクリニックはウルセラ、サーマクールの正規品を置いています。機器に関して私もかなり調べていて、半年前にウルセラの類似器機をブログに30個程まとめた記事があるのでぜひ参考にしてください。
ーハイフにいたっては、類似器機が多すぎると感じています。
N:患者様から「ハイフはどれが一番効果的ですか?」という質問を本当によく、受けます。当院は外国からのお客様もいらっしゃいますが、皆さんウルセラの類似器機での治療を希望されません。ウルセラ以外はっきりと興味がないとおっしゃります。
当院は外国からの患者様もいらっしゃいますが、皆さんオリジナルの正規品以外好まないので、ウルセラ以外興味がありません
ー気になりますね。
N:ウルセラがあって、韓国製のダブロ、ウルトラフォーマⅢ、ウルチェ(ULCHE)、ウルトラセル、コントレックス、ゼロハイフ、ウルトラハイフ、ソノクイーン、一度は聞いたことがあるかもしれません。
基本的にはこれらはウルセラの類似品です。当院は外国からの患者様もいらっしゃいますが、皆さんオリジナルの正規品以外好まないので、ウルセラ以外興味がありません。日本人観光客の方でタイや中国に行って「先生、ウルセラやってきました。でも、機器が違いました」という患者様がいらっしゃいました。というのは、ウルセラという名前で類似器機を使用しているケースがよくあるようです。
■ウルセラとは
ウルセラリフトとは、医療機器「ウルセラ」を用いて超音波(HIFU*)の働きでメスを使わずに本格的なリフトアップを可能にした治療法です。
治療後のダウンタイムもほとんどないため、治療直後から普段通りの生活をしていただけます。
ウルセラリフトは「短時間で確実にリフトアップ治療」ができる安全性の高い治療法です。
ウルセラは、FDA*で初めて『リフトアップ』の効果があると認められ、唯一、承認を受けている医療機器です。*FDA(Food and Drug Administration,米国食品医薬品局):日本の厚生労働省にあたるアメリカの行政機関
*HIFU(ハイフ=High Intensity Focused Ultrasound) 高密度焦点式超音波治療法
▼二宮医師(東京美容皮膚科クリニック)監修のウルセラ施術詳細(概要、ダウンタイム、費用、リスク等)はこちら
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ウルセラ(ウルセラリフト)とは
高密度焦点式超音波=HIFU(ハイフ=High Intensity Focused Ultrasound)と呼ばれる超音波を一点に集約し、肌の表面にダメージを与えることなく、皮下の層に熱を起こしてSMASを引き上げるリフトアップ法です。
確かなリフトアップ効果を得るためにはSMASへのアプローチが必須ですが、皮膚を切開する手術には抵抗がある方も多いでしょう。ウルセラは「切らないリフトアップ」とも呼ばれ、術後2カ月程度の時間をかけて徐々に効果が現れるため周りに気づかれる心配もありません。
ウルセラはサーマクールよりも皮膚の深い位置に超音波を照射できるとされます。おもな施術部位は、目もと、眉、首(上部)、額(側頭部)、フェイスライン、こめかみ、頬など。たるみ治療の定番サーマクールとの併用をすすめているクリニックもあります。なお、ウルセラはFDA(米国食品医薬品局、日本の厚生労働省のような機関)認可の医療機器です。この記事は、
東京美容皮膚科クリニックの
二宮幸三医師が監修しています。
ー私の友達もタイでウルセラをやったという話を聞きました。
N:今ネットで検索して、ウルセラと書いてあるページのリンクや広告を押すと、「ウルセラは扱っていませんが同様の効果の……」とページに書いてある場合があります。
ウルトラフォーマⅢは良い機器と思いますが、ウルセラをやった方のメンテナンスで使用したりするハイフの機器です
ー結構ありますよね。そして類似機器を紹介する流れですよね。
N:ただ一概に否定しているわけではなく、当院でも先に挙げた機器はいくつか導入しています。ウルトラフォーマⅢは良い機器と思いますが、ウルセラをやった方のメンテナンスで使用したりするハイフの機器です。ウルセラは皮下4.5ミリにダイレクトに熱量がしっかり起こります。ウルトラフォーマⅢを使用したハイフシャワーは2ミリなので、表面に線状痕を作らず、軽い治療になります。
ほかにもリファームSTといって、赤外線と高周波の機器と、スカーレットSは韓国のマイクロニードルという治療で、サーマクールの10分の1ぐらいの価格のチップの先端から25本のコーティングされていないニードルが出てくるものもあります。出血はしますが、かさぶたや内出血にならず、ジェルを塗らないので、目の回りにも使用できます。
ー目の下の小ジワにも効果的ですか?
N:小ジワは余った皮膚を取り除くのであれば、やはり手術が第一選択となります。「カラスの足跡」と言われるような表情ジワは、ボトックスでないと効果がありません。
毛穴を拡大鏡で見ると、加齢とともに重力で細長くなってきます。それを実際に見て、気づいてる患者様もいらっしゃいます。細長くなった毛穴が将来的に繋がって小ジワになるといわれています。そのレベルの小さなことを気にされているのか、何を気にされているのかによって選択肢は変わってきます。
スカーレットSは毛穴と顔のボリュームダウンに効果的ですが、冬だと肌が乾燥するので、やるタイミングと目的、他の高周波の治療と検討してほしいです。中顔面のボリュームダウンならサーマクール、下顔面のリフトアップはウルセラだと思います。
私は患者様がやりたいことをやればいいと思っていますので、「どこが気になりますか?」と聞いたときに最初に手で顔を引き上げる方がいます。このような方にはウルセラが適していると思います。
スレッドリフト・糸を何本も入れてひきあげるのは、あまりお奨めしません。ほうれい線の凹みに対しては、ヒアルロン酸を注入します。固いヒアルロン酸はあまり好きではありません。患者様の希望であれば注入することもあります。ヒアルロン酸注入やボトックス治療は、僕は好きな治療のひとつですが客観的に注入し過ぎている方をよく見かけますので注入しすぎはよくありません。
金の糸は非吸収糸で、異物として残ってしまいます
ー戻りますが、サーマクールFLXに進化し、以前より短時間で施術ができるということでしょうか?
N:約30分程短縮されました。従来のチップと比べると、3センチ平方メートルが4センチ平方メートルになり、面積として33%広がりました。以前の400ショットにこだわる必要がなくなりました。300ショットでアゴも全部できるので、その方の顔を見て左右差が気になる場合も調整することができます。
以前のサーマクールCPTに比べて深達度が180%アップ、熱量が3割増し、治療時間短縮、この3つがモデルチェンジして改善された点です。
ー他のアンチエイジング治療についてはいかがでしょうか。
N:フェイスリフトは昔からあり、その次の治療となるとスレッドリフトという吸収糸による治療になると思います。スレッドリフトは勤務医のときに施術していました。歴史的には、スレッドスリフトの前にサーマクールが出ました。
当時ミラクルリフトという韓国製の糸が流行りました。釣り針の返しの様なギザギザが付いている非吸収糸で残りますし、一度入れるとなかなか抜けません。今流行のショッピングリフトはトルネード型になっていて、吸収されるので悪くはないと思います。
金の糸を取り扱うクリニックは、糸の進化とともに減ってきていると信じたいですが非吸収糸で残ってしまうので、将来的に異物として残ってしまいます。ネーミングは抜群ですが、リフトアップ効果は少ないと思います。スレッドリフトは、施術後に糸が切れて、たるみが戻る可能性も大いにあります。
患者様の発想として「フェイスリフトの手術をしたら、今後サーマクールとかの施術する必要はない」と思い施術に至っていると思います
ーたるみを糸で支えているという。
N:他のクリニックさんで糸の施術の広告を出しているのをよく見かけます。たるみが気になる患者様はフェイスリフトや糸の手術をやっている方がとても、多いです。
患者様の発想として「フェイスリフトの手術をしたら、今後サーマクールとかの施術する必要はない」と思い施術に至っていると思います。当院も以前は外科的手術を行っていましたが、移転したタイミングでウルセラとサーマクールに特化し診療していますが、フェイスリフトや糸の施術をされた後の患者様もよく来院されます。
ーサーマクールの施術期間についてはいかがでしょうか。
N:FLXは今後、導入するクリニックが増えて価格競争である程度値段は下がってくると思います。周期はサーマクールが好きな方が半年に1回、たるみ防止として、1年に1回ぐらいです。女性の患者様はだいたい周期を決めている方が多いです。例えばお誕生日などです。ご自身にプレゼントとしてご来院される患者様も多いですね。
ー半年に1回~1年に1回の方が多いということですね。
N:はい。ウルセラになりますが、かなり好きな方で、ウルセラを5年間に18回している患者様もいます。
ーすごいですね(笑)。
N:勧めてはいませんが、気に入って3カ月に1回施術されています。皆さんには大体1年に1回の間隔と伝えています。ウルセラは費用が高いので、10分の1ぐらいの価格でウルトラフォーマⅢをメンテナンスとしてされたり、例えば遠方の方は東京にお越しになる用事があるときに、お立ち寄りくださいとお話しています。
痩せ型で年配の方はウルセラがいいと思います。頬や顎下にボリュームがある方はサーマクールで顔のボリュームを落としただけで、たるみが改善されます
ー費用的にも続けられやすいですね。
N:一昔前サーマクールで顔を小さくして、ウルセラで引き上げ、同一の日にやるウルサーマというのが雑誌『美ST』でとりあげられ、流行りました。組み合わせてやりたい人が多くいらっしゃいます。
ー小顔にもなりますね。
N:そうですね。痩せ型で年配の方はウルセラがいいと思います。ブルドッグみたいになってしまう方は顔のボリュームを落としただけで、たるみが取れます。
大げさに言いたくないですが、サーマクールは6カ月で効果が出ると書いているクリニックもありますが、直後から変わり、1カ月ぐらいで効いてきます。ウルセラも2カ月間ぐらい効果が持続します。では、2カ月後に元に戻るのかというとそういうことはありません。
■ウルセラはこのような方におすすめ
①フェイスラインをリフトアップさせたい
②頬のリフトアップがしたい
③目の開きを改善させたい
④顔のボリュームを落とさずたるみ治療がしたい
⑤顔が痩せてきてたるみが気になる
⑥切らずに、たるみをどうにかしたい
⑦若返り、アンチエイジングがしたい
肌のことに関して間違いなく言えるのが、化粧をしない人のほうが年を重ねたとき肌が綺麗です
ー女性はいつからアンチエイジングをするべきでしょうか。年齢と肌質によってアンチエイジングの方法は変わりますか?
N:個人的には40歳前後の方を対象にアンチエイジングをするというコンセプトで医院を運営していますが、ハイフの登場で20代後半から意識している方が増えました。インスタグラムや写真アプリの撮影でしょうか、美意識が高いということは予防という観点では肯定しますが、病的に意識しすぎる方もいるのが実情です。
客観的に自分を見ることは難しいのでそこは線引きが必要だと思います。以前はウルセラとダブロやウルセラとサーマクールという質問が非常に多かったのですが、今はハイフの質問を多く受けます。
たるみに関しては、30代からのケアでいいと思っています。肌のことに関して言えるのが、化粧をしていない人のほうが年を重ねたとき肌が綺麗です。やはり化粧をして落とすとき、どんな高価なメイク落としを使ったとしても毎回顔を擦っていることに変わりはありません。
やはりふくよかな人はある程度の年齢をいくと、重力で脂肪が落ちるので、ほうれい線とマリオネットラインに深い影が現れます
ーどうしても摩擦が生じます。
N:顔の擦り過ぎは、肝斑の増悪因子ともなります。予防方法として保湿はしっかりされたほうがいいと思います。高い保湿剤でなくても安いものでいいと思います。また、乾燥肌、オイリー肌など肌質によって、正しいアンチエイジング方法も変わると思います。
たるみが出やすい人の特徴は、やはりふくよかな人はある程度の年齢がいくと、重力で脂肪が落ちるので、ほうれい線とマリオネットラインに深い影が現れます。ですから、顔のボリュームを落とすだけでたるみが取れたように見えるので、そういう方には、サーマクールをはじめとする高周波の治療がいいと思います。
マリオネットラインが深い人はマスクをするとすごく若く見えます。ほうれい線は小学生でもあるのですが、過度に気にしてる方が多い印象を持ちます。目尻のシワをカラスの足跡と言いますが、冬場の乾燥している時期は通常よりも乾燥によりシワが延長されてしまいます。乾燥肌の人はシワが出やすいです。目尻に関してはボトックスが第一選択になります。
年齢が出やすい箇所は首とおっしゃる方が多いですが、首というよりは下顔面だと思います。首の横ジワに関しては、台湾の医師がベロテロソフトというヒアルロン酸を注入してるライブサージェリーにも海外で参加しましたが、なかなか総合的に僕には治療に加えるまでにはいたりませんでした。ウルセラも首の横ジワに対しては効果が低いです。
施術を希望される方もいらっしゃいます。治療時の痛みや、コストパフォーマンスの上でされる方は少数です。海外では、後頚部に対するウルセラの発表を聞いてきましたが、日本ではあまり受け入れられないと思います。
治療費を払って、多少痛い思いをしたり、ダウンタイムを考えて日常生活や仕事をセーブすることも必要だと思いますので、担当医との信頼関係は大切です
ーアンチエイジング治療をする際のクリニックの選び方について教えてください。
N:最初から、HPに掲載されている治療費と異なったり、患者様の想定していなかった高額なコースやローンの契約をすすめてくるクリニックは、敬遠された方がいいと思います。
最近は、美容皮膚科領域も、いろんな医療機器があり、各クリニック、院長や医師の方針で力を入れている治療や方針が異なるので、気になることを、専門性をもって取り組まれているクリニックを選ばれるのがいいと思います。
カウンセリングする医者との相性も大事だと思います。リピーターの患者様で外科手術をしたい方に、大学病院や、知り合いの専門医師へ紹介することがありますが、紹介先の先生と相性が合わなかったら、お互いに断ってくださいという前提で紹介しています。
治療費を払って、多少痛い思いをしたり、ダウンタイムを考えて日常生活や仕事をセーブすることも必要だと思いますので、担当医との信頼関係は大切です。倫理観も大切ですね。当院では、患者様一人一人に合った、「ありがとう」と言ってもらえる満足度の高い治療を心がけています。
ー今日はありがとうございました。
N:こちらこそありがとうございました。あくまで僕の私見です。サーマクール・特にウルセラが、クリニックにより、照射方法がかなり異なります。いろんな考え方の先生がいらっしゃいますので、美容クリニック選びの参考になれば、幸いです。
■東京美容皮膚科クリニックのサーマクール・ウルセラの料金
- ■サーマクールFLX
- 全顔+アゴ下 300Shot ¥217,800
- ■ウルセラ(オススメのみを抜粋)
- 頬+目下+コメカミ(3.0mm+4.5mm)
- 範囲:頬+目下+コメカミ¥184,800
- 下顔面(3.0mm+4.5mm)
- 範囲:頬+目下+コメカミ+アゴ下¥217,800
※税込価格です。
■リスク・副作用
・サーマクールFLX
<潜在的副作⽤>火傷、皮膚表面の小さな凹凸、一時的な痒み、ヒリヒリ感、麻痺感、一時的な小瘤、一時的な紅斑、一時的な腫れ、色素増強、水泡形成、ヘルペスの発症
・ウルセラ
<潜在的副作用>痛み・ヒリヒリ感、みみず腫れ、一時的な紅斑、一時的な腫れ、紫斑、色素増強、瘢痕形成、一時的な局所神経麻痺(Instructions for Useより)
*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込です。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。
東京美容皮膚科クリニック
住所:東京都港区浜松町2-3-1 日本生命浜松町クレアタワー 4階 メディカルセンター
電話番号:03-5777-0038
ウルセラ・サーマクール専用ダイヤル:0120-039339
診療時間:10:00~19:00
カウンセリングを申し込む
※二宮先生の診察をご希望の場合、ご予約時にその旨お伝え下さい。
撮影:田中利幸
二宮 幸三(にのみや こうぞう)先生
医師・医学博士。1999年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。慈恵医大病院整形外科・麻酔科にて臨床研修。2002年東京慈恵会医科大学解剖学講座第一、2005年Medical Plastic Surgery Clinic、2006年Central Clinic美容外来、2010年東京美容皮膚科クリニック開設。2019年東京美容皮膚科クリニックを日本生命浜松町クレアタワーに移転。<特許>発明の名称 疼痛の治療のための医薬。
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監修:
二宮幸三 医師
東京美容皮膚科クリニック
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。整形外科、麻酔科の臨床経験のち美容皮膚科にて勤務。2010年東京美容皮膚科クリニック開設。
モットーは「美容外科から切らない美容皮膚科医療へ」。ウルセラ、サーマクールなどのアンチエイジング機器に造詣が深い。またレーザー治療やメディカルエステも行い、幅広い美容皮膚科メニューを提供しています。ウルセラ認定医、サーマクール認定医、スマスセラ指導医取得。
東京慈恵会医科大学医学部医学科 卒業
慈恵医大病院 整形外科・麻酔科にて臨床研修終了
東京慈恵会医科大学解剖学講座第一 所属
Medical Plastic Surgery Clinicで従事
Central Clinic 美容外来 開設
2010年 東京美容皮膚科Clinic 開設
この記事の監修ドクターが所属するクリニック
- 住所: 東京都港区浜松町2-3-1 日本生命浜松町クレアタワー4F メディカルセンター
- 最寄駅: JR浜松町駅・都営各線大門駅直結
- 院長: 二宮 幸三
- 診療時間: 月~土 10:00~19:00
- 休診日: 日・祝
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