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「ポテンツァ」というワードを最近、美容医療業界では頻繁に耳にするようになってきました。美容医療の中ではニードルRFといえばポテンツァというくらい有名になった機械ですが、まだまだ新しい機械ですので、初めて耳にする方も少なくはないでしょう。
ニードルRFにもシルファームやモフィウスといった機械がありますが、どのように違うのかがわかりにくいというお声も多く、今回は同じニードルRFでもそれぞれどのような特徴があるのかについて細かく解説していきます。
ポテンツァはここ2〜3年で広まってきた新しい機械ですが、東京や大阪を中心に導入している美容クリニックが増加し続けています。なぜこのように人気になったのか、ポテンツァとはどのような機械なのでしょうか?
【監修医師からのワンポイント】
ポテンツァはニードルRFということで毛穴やニキビ跡の凹凸など、質を良くする治療ではありますが、同時に血管拡張による肌の赤みや肌に増えたシミではないメラニンを改善させる効果がとても良く、いわゆる色むらを良くすることができます。質だけでなく色も良くし、痛みはありますが満足度は高く、私のイチオシ治療です!
ポテンツァとは
ポテンツァとは、ニードルRFのひとつで肌に針を刺して穴を開け、肌に針を刺しているうちにRF(ラジオ派)を出すことのできる機械です。毛穴やニキビ跡治療でよく使われるニードル療法であるダーマペンの進化版とも言われています。
ただ、このポテンツァはニキビ跡治療だけでなくチップを変えると肝斑治療や毛穴治療、たるみ治療も可能な機械なのです。多彩な効果を発揮する機械のため、毛穴やニキビ跡だけでなく様々な悩みに合わせて対応可能になっていることから多くの注目を集めています。
ポテンツァは先ほど紹介したニードルRFの中でもドラッグデリバリーモードや肝斑モードなどに分けられ、さらにニードルを刺すことなくたるみを改善することのできるRF(ラジオ波)をも搭載している機械です。このように多彩なモードがある機械は他にはなくポテンツァの大きな特徴と言って良いでしょう。ポテンツァと名前は同じであってもモードによって全く違う施術ができるので、お悩みに合わせてどのモードを使うのかしっかりと医師の診察を受けてから治療をされるのがおすすめです。
次に、ポテンツァの多彩なモードを詳しく解説していきます。
ドラッグデリバリーモード
まず、1番オーソドックスなものはドラッグデリバリーモードです。これはニードルRFで肌に針を刺し熱を加えるだけでなく成長因子やPLLA素材のマックームなどを肌の真皮層へ均一に入れ込むことが可能になったモードです。
また、熱を入れることにより血管新生の抑制や血管拡張の赤みを改善するという効果もあります。それにより、ニキビ跡の赤みや赤ら顔に悩む方には数回ポテンツァの施術をすると赤みが軽減されるためとても人気があります。
ダーマペンや水光注射との違いとは
今までのニードル療法では、ダーマペンのように針で穴を開けた後に薬剤を塗り込んだり、水光注射のように薬剤を注入して入れ込んでいました。そのため、薬液が漏れたり穴を開けた層に入らず浅い層に入ってしまったりと均一に薬剤を入れ込むことが難しかったのです。
しかし、ポテンツァは陰圧と陽圧を使うことによって薬剤を入れたい層に均一に入れ込むことができるようになりました。このドラッグデリバリーモードにより均一に薬剤が狙った層に入れこめるため、ニキビ後のクレーターや毛穴に対してとても効果が高く、他にはないテクノロジーといえます。
ドラッグデリバリーはニキビ跡のクレーターや毛穴に悩む方にとって画期的なモードといえるでしょう。ニキビ跡のクレーターや毛穴治療だとダーマペンで10〜15回程度してもなかなか満足されなかった方が、ポテンツァのドラッグデリバリーモードでは3〜5回でも満足される方が多く、今まで何をやってもニキビ跡のクレーター改善に満足できなかった方に特におすすめできる治療です。
マックームなど導入される薬剤
ただ肌に熱を加えるだけでなく正確で均一に薬剤を導入することにより、薬剤の効果を最大限にすることができるのです。特にポテンツァのために開発されたマックームという薬剤は手術で使われる溶ける糸(PLLA)が含まれており、組織ボリューム増殖反応によって肌のコラーゲン産生を活発にしてクレーターや毛穴を目に見えて改善することが可能です。
また、エクソソームを薬剤として使うと、情報伝達物質であるエクソソームが創傷治癒過程において組織の修復を促してクレーターや毛穴をふっくらとさせてくれます。
ダーマペンや水光注射で導入されるボトックスは熱に弱いためポテンツァでは導入が難しいため、ボトックスを薬剤として導入したい方はダーマペンか水光注射をおすすめします。
痛みは強め? ポテンツァドラッグデリバリーモードの痛みについて
麻酔クリームを30分しっかり効かせてから施術をしていきます。麻酔は効くのですが私の感覚だと、ポテンツァの痛みは強いです。ただ、1回でも毛穴に効果を感じるためとても満足度が高かった施術です。
患者さんの中にも今まで様々な施術をされてきた方が1番痛いけれど効果も1番実感できると何人もの方がおっしゃるくらいとても人気なモードです。針を刺すだけでなく熱を加えるためやはり相当の痛みは伴います。しかし、気になるところだけパワーを上げて他の部位はパワーや針の長さを調整することにより痛みをマイルドにすることもできます。
ポテンツァドラッグデリバリーモードのダウンタイム
ダウンタイムは赤みが2〜3日、針穴のざらつきが1週間程度と内出血のリスクも少なく次の日は仕事や学校に行ってもわからない程度です。RF(ラジオ派)が出血を起こさないようにするためダウンタイムがダーマペンやフラクショナルレーザーと比べてとても短いことも特徴のひとつです。
施術後に成長因子の入ったパックやエレクトロポレーションを行うと鎮静効果があり赤みがより引きやすくなります。
費用は薬剤によって変わりますが、薬剤なしで50,000円程度です。
ポテンツァの肝斑モード
今までの肝斑治療はトランサミンの内服やハイドロキノンの外用薬、レーザートーニングが中心となっていました。ただ、肝斑は慢性炎症のためトーニングでも悪化するリスクやトーニングにより白斑(肌の白抜け)が起こるリスクもあります。
そこで、ポテンツァの肝斑モードはドラッグデリバリーチップよりも細い針を使用して炎症を引き起こすメラノジェネシスを抑制し肝斑を作らないような肌にしていくことが可能になりました。それにより、悪化を繰り返している肝斑の方にもリスクが少なく対応できるようになったのです。
痛みが少ない肝斑モード
肝斑モードは麻酔クリームを使わずに施術する方もいるくらい痛みも少なく、ダウンタイムもほとんどなく毛穴改善やハリが出るメリットもあります。5〜8回ほど施術すると肝斑が見違えるほど良くなった症例もあります。
肝斑モードのダウンタイム
ダウンタイムは赤みが当日〜2日程度で乾燥や軽度のざらつきが1週間程度。
価格は30,000円程度。
ダイヤモンドチップ(RF=ラジオ派モード)
ダイヤモンドチップとは、サーマクールやイントラジェン、サーマジェンのようにRF(ラジオ派)を用いて肌に熱を与えることのできるモードです。バイポーラ(双極)とモノポーラ(単極)という2種類のラジオ波を連続で照射することで、皮膚の浅い層から深い層まで均一に熱を加えることが可能になりました。
RFで肌に熱を加えることにより、たるみ改善やハリを出すことができるのです。他のモードと違いダイヤモンドチップは針を刺さないことがポイントで、肌の上を滑らせるように熱を与えていきます。
直後からたるみ改善やハリを実感でき、肌の引き締め効果も高い施術です。直後効果だけでなく、熱を与えることによって2〜3週間後には肌の中でコラーゲンが生成されるためさらにたるみ改善やハリを実感できます。
施術の間隔としては1カ月おきから3カ月おきに施術することが推奨されています。モノポーラのみのサーマジェンと比較すると痛みや熱さがマイルドな分、サーマジェンの方が効果の持続は長いため、ダイヤモンドチップはサーマジェンよりこまめに施術を継続する必要があります。
ダイヤモンドチップ(RF=ラジオ派モード)の痛み
ポテンツァのダイヤモンドチップは他のRF(ラジオ波)と比べて痛みや熱さがとても少なく、ストレスなく続けやすい施術というところが特徴です。痛みのマイルドなサーマジェンでも熱さを感じてしまい施術が辛いという方は、ポテンツァのダイヤモンドチップを試されるのもおすすめです。
実際に痛みが苦手なスタッフも、これなら苦手意識なくたるみ治療ができると喜んでいました。
ダイヤモンドチップ(RF=ラジオ派モード)のダウンタイム
ダウンタイムは直後の赤み程度。
価格は100ショット20,000円程度。
他のニードルRFとの比較
ポテンツァと似ているニードルRFの機械としてシルファームやモフィウスなどがあります。ポテンツァとどのような違いがあるのでしょうか?
シルファーム
シルファームは、ポテンツァでいう肝斑チップと同じように極細の針を使って真皮層にRF(ラジオ波)で熱を与える機械です。肝斑の治療も可能で熱を加えることにより赤ら顔の軽減や毛穴の引き締まりも実感でき、痛みもとても少ないためポテンツァの痛みがどうしても苦手な方に向いている機械です。
ダウンタイムもポテンツァの肝斑チップと同じく当日の赤み程度でほとんどありません。ただ、シルファームにはドラッグデリバリーモードがなくニキビ跡のクレーターや開き毛穴には効果が薄いため、ニキビ跡のクレーターや開き毛穴にはポテンツァのドラッグデリバリーモードの方が適しています。
価格は30,000円程度とポテンツァより比較的安くダウンタイムも短いため肝斑や赤ら顔でお悩みの方はシルファームを試してみられると良いでしょう。
モフィウス
モフィウスは、ニードルRFの中でも針の長さを4ミリまでしっかり肌に刺すことができるため脂肪層にアプローチできてタイトニングが可能です。口元のぽよっとしたたるみやフェイスライン、顎下のたるみをスッキリとしたシルエットにしてくれます。RFもハイパワーで、毛穴にも効果があります。
ダウンタイムは針を深くしてRFのパワーを上げると赤みや筋肉痛のような痛みがありますが、平均的には赤みが2〜3日程度です。シワやフェイスラインのたるみが気になる方にはモフィウスがとても効果的ですが、ニキビ跡のクレーターにはポテンツァのドラッグデリバリーのほうが効果は高くなります。
たるみ治療としてとても効果が高いため人気がある機械です。価格は60,000〜80,000円とポテンツァと比較すると高くなっています。
まとめ
今話題のポテンツァですが、ポテンツァをしたいと来られる方でも何が良いのかどのような機械なのかわからない方がほとんどです。まずは、自分のお悩みからポテンツァのどのモードが合っているのか、ポテンツァより効果的な治療もあるのではないかという視点を持つということが大切です。
お悩みや肌質により適応は変わっていくため、カウンセリングに行って今の肌状態をしっかり看護師と医師に確認してもらいポテンツァを受けると効果をより実感できるかと思います。痛みがとても強い治療のため、痛みに弱い方は看護師さんへ事前に伝えると気になる部位だけパワーを上げたり針の長さを調整して痛みを最小限にすることも可能です。
また、気にならないところ(目の際や鼻の下)は避けることも可能です。少しでも心配のある方は細かく事前に相談されることをおすすめします。ニキビ跡のクレーターや開き毛穴では3〜5回程度の継続で満足度が高くなりますので、できるだけストレスなく続けていただけるように私も施術の際にはショット数の配分や針とパワーの調節を最大限配慮しています。
*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。
トマト看
4年制大学の看護学科を卒業後総合病院のICUで1年勤務。その後、美容クリニックに勤務して3年目の、看護師としては4年目になる。美容クリニックはパート含め計6院の美容外科・皮膚科勤務歴があり使用した機械や介助についたオペも多い。高校生の頃から肌荒れに悩んでおり、スキンケアマニアのため市販のスキンケアやドクターズコスメの知識も豊富である。
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監修:
居原田麗 医師
麗ビューティー皮フ科クリニック
滋賀医科大学卒業。総合病院にて研修後、大阪の美容外科で勤務。2011年麗ビューティー皮フ科クリニック開院。
勤務医としての限界を感じ、故郷の滋賀でいつか開業をしたいという想いが重なり自身のクリニックを開院。有益な情報を提供するブログが評判をよび、子育て中のママからの相談予約も多いそう。子育ても奮闘中。
2020年大阪・高槻市にも開院。
日本アンチエイジング外科・美容再生研究会正会員 認定医
高濃度ビタミンC点滴療法 認定医など
滋賀医科大学卒
美容系クリニック等
麗ビューティー皮フ科クリニック院長
執筆:
トマト看看護師
4年生大学の看護科を卒業後ICUを1年経験し、救急医療や重症看護を学んだ。その後、複数の美容皮膚科や美容外科で経験を積み美容看護師として働いて3年目になる。日頃からエビデンスやその方それぞれにあった美容医療を提案している。
患者さんからの指名も多く、美容の豆知識を呟いているX(旧Twitter)ではフォロワー2,500人と支持を得ている。
3次救急病院(ICU)
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