美容施術の中でも比較的手軽にできる二重形成術のうち、特に人気の高い二重埋没法について解説します。

二重埋没法とは

二重埋没法は、まぶたの表側の皮膚からと裏側の粘膜へ、極細の特殊な糸を通し、数カ所knot(糸の結び目)を作って固定することにより二重のラインを作る方法です。

いきなり切開する施術は不安を感じる人もおられますが、二重埋没法であれば針孔から糸でとめているだけですので、目立つ傷が残るといった心配はほとんどありません。

固定力の強い方法を用いれば半永久的な二重瞼が形成されます。

二重埋没法固定点数の違いについて

二重埋没法には、2点固定、4点固定、6点固定などの固定法があります。それぞれの違いは、糸を何箇所固定するかということです。一般的には、固定点数が多いほど、強度があり、さまざまな二重のデザインに対応ができると考えられています。ただし、固定点数が多いほど手術時間が長くなり、施術料金も高くなります。

糸を通す場所や糸のかけ方の強さなどで形成する二重のイメージが変わります。細かな部分については、一人一人の状態を見ながら希望と照らし合わせていきます。

腫れ、ダウンタイム、副作用、合併症など

ここでは、二重埋没法の術後経過、副作用、合併症について解説します。

二重埋没法の腫れ、ダウンタイム

二重埋没法は比較的術後の腫れが少ないのが特徴ですが、まぶたに糸を通す刺激による炎症や浮腫みのため3日程度はダウンタイムが必要と考えておくと良いでしょう。

また、稀にむくみや内出血が1週間以上続いたり、まぶたの違和感が気になることがありますが、時間の経過とともに消失します。二重の完成は施術後3~6カ月後が目安です。

二重埋没法のリスク、副作用、合併症

手軽に施術できる二重埋没法ですが、いくつかの注意点もあります。

・ラインの消失

まぶたの脂肪が多い場合や、皮膚が厚い、重い場合など、稀に二重のラインが消えることがあります。

・埋没糸の露出

極まれに固定した糸が異物反応により肌表面に出てくることがありますが、露出部分の切除か、糸のかけ直しで対応します。

・腫れ、痛み

腫れや痛みが続き、なかなか引かない場合は細菌感染などの可能性が考えられます。抗生物質の投与などで対応する必要があるので受診がすすめられます。

糸は瞼に永久に残ります。抜糸は可能ですが、経過が長くなると難しい場合があります。その場合は切開法による重瞼術の際に摘出を試みます。異物が残るのが嫌な方には、切開法をお勧めいたします。切開法で内部処理を吸収糸で行えば、永久の二重が形成されながら、異物は体内に残りません。

腫れぼったいまぶたに埋没法を行う場合や、幅広すぎの二重を埋没法で希望された場合、まつ毛の上に皮膚が乗って起こしにくくなったり、まつ毛の生え際が隠れて見えにくくなり、アイラインを太くしないと見えなくなったりする場合があります。そういった場合、無理に埋没法にこだわらず、切開法による二重形成術を行った場合の方が、自然で綺麗な二重瞼に形成することが可能です。

まとめ

腫れなどのダウンタイムが少なく、比較的簡単に二重を形成することができる二重埋没法ですが、どんな施術にもリスクはつきものです。
施術を検討している方は、信頼できる医師にしっかりと診断いただき、提案された術式のメリット・デメリットの説明を受け、十分に理解した上で受けるようにしましょう。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

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監修:

大場教弘 医師

プリモ麻布十番クリニック

大阪市立大学医学部卒業。大学病院では形成外科医として勤務。都内美容外科を経て、2009年プリモ麻布十番クリニックを開院。現在は理事長兼院長。形成外科専門医。
目元の外科治療全般、鼻の鼻中隔延長術などの症例が多く、他院での修正手術を希望する方も多いそう。自身のクリニック以外にも神戸大学医学部附属病院美容外科非常勤講師として活躍。

大阪市立大学医学部卒
大阪市立大学医学部付属病院形成外科・美容外科
大阪市立大学大学院医学研究科
大阪市立大学医学部付属病院形成外科・美容外科
リッツ美容外科 東京院
プリモ麻布十番クリニック理事長