二重まぶたにするための埋没法や切開法の手術と組み合わせて受けることで、タレントのような華やかなはっきり二重を手に入れることができ、目が大きくみえる目頭切開の手術。効果がはっきりとわかる手術であるものの、ダウンタイムが長引いたり、傷跡が残ってしまったりとトラブルも報告されている施術でもあります。これから目頭切開の手術を受けたいと考えている人は特に気になりますよね。今回は目頭切開の傷跡がどのくらい残るか、ダウンタイムはどのくらいあるかについて目頭切開の術式(W法、Z法、三日月法)に沿って、詳しく説明していきます。

目次

1.目頭切開の経過とダウンタイム

目頭切開の経過とダウンタイム

仕事や学校に行きながら目頭切開の手術を受ける場合、手術後の経過やダウンタイムの長さをおおまかに知っておきたいですよね。まずは目頭切開手術後の経過とダウンタイムについて考えてみましょう。

1-1.目頭切開手術後の経過

目頭切開の手術そのものは局所麻酔をして行い、15~60分くらいで終了します。クリニックによって異なりますが、手術後はアイスノンのような冷却剤で目元を冷やし、腫れを抑えるケアを行っているところが多いようです。

術後の痛みはほとんどありませんが、クリニックによっては鎮痛剤を処方し痛みが起こる前に抑えるようにしているところも。手術後は歩いて帰宅することが可能ですが、目元を隠すためにサングラスを持参するとよいでしょう。手術当日は体が温まると腫れが強くなるため、湯船につかる入浴や飲酒、激しい運動などはNGです。

その後、どのクリニックでも術後1週間程度で抜糸を行っています。言い換えれば、その間目元に糸が残っているということ。目頭切開の手術は仕事のお休みを取れる時期や学校が休みのときに手術を受けることをお勧めします。抜糸したあとはアイメイクも可能ということですが、感染症を起こしたりする可能性もあるので、できればメイクは2週間程度避けたほうがいいという意見の先生も。

どうしてもメイクする必要があるときは、アイシャドウのチップやファンデーション用のスポンジなど、清潔なものを選んで使うようにしてくださいね。使い捨てのものを購入してもいいでしょう。クレンジングのときも目元をこすりすぎないようにしてください。また、抜糸するまではコンタクトの使用は避けるようにしましょう。

傷は1~3カ月程度残りますが、メイクで隠せる程度に回復していきます。ただ、傷が残りやすい人は若干、長引くこともあります。その場合は傷が完全に目立たなくなるまでには半年から1年程度かかると思っていいでしょう。

1-2.目頭切開のダウンタイムはどのくらい?

目頭切開のダウンタイムはどのくらい?

目頭切開手術後の腫れは通常1週間くらいで目立たなくなってきます。1カ月程度で腫れがなくなり、炎症等がなくなって、完成するのは3カ月程度か個人によってはそれより長いとされています。ただ、目頭切開のほかに埋没法や切開法を行っている場合は腫れが長引きます。人によっては内出血が起こることもあります。

抜糸後はコンシーラーなどを使って傷をカバーすることもできます。また、縁が太めの眼鏡をかけるなどして目頭から視線をそらすのも効果的です。

2.目頭切開の傷跡

目頭切開の傷跡

目頭切開の手術方法には三日月法、W法、Z法などの種類があります。それぞれメリットとデメリットがありますが、選択される手術方法によって傷跡の残り方やダウンタイムの長さも若干違ってくるようです。ここからは手術方法ごとの傷跡の残り方、そして傷跡を残さないためのケアについて紹介していきます。

2-1.目頭切開の傷跡、残りやすい手術方法ってあるの?

3つの手術方法のなかで目頭切開の傷跡がもっとも残りやすいと考えられているのが三日月法です。目元を三日月型に切除して縫合するシンプルな方法なのですが、傷跡が残りやすいという欠点があります。また、傷口が癒える段階で元に戻ろうとする習性があるため、目頭の状態も元に戻ってしまうことも。デメリットが多い方法なので現在では三日月法を行うクリニックは少なくなっているのですが、実際には三日月法で受けた手術の他院修正依頼も増えているようです。

目頭は顔の中心にあり、人と話すときに視線が行きやすい場所でもあります。目頭切開の手術を受けるときは、事前にどの方法で手術を行っているか調べ、三日月法のところは避けるのが賢明でしょう。

W法やZ法は三日月法のデメリットをカバーするために考えだされた方法です。Z法は切開部分が小さいため、腫れも少なく、傷が残りにくい方法です。仮縫合を行い、目頭の形態を確認しながら、手術を行うことが可能です。

これに対して、W法はしっかりと切開するので、効果が出やすい方法です。ただし、切除部分が大きいため傷が残りやすく、元に戻しにくくなります。

単純にどちらがいいかというより、医師がどちらの方法に精通しているか、症例が多いかといった点を考慮する必要があります。傷を残さないようにするためにはどちらの方法であっても、熟練した技術を持つ医師に手術を依頼することが大切といえるでしょう。

2-2.目頭切開の傷跡を残さないためのセルフケア

目頭切開の傷跡を残さないためのセルフケア

切開を行った部分の傷は、じっと目を凝らしてみないとわからないくらいに目立たなくなることはあっても、完全に消えてしまうことはありません。以下のような体質の方は傷が残りやすいので、手術後のケアをより正しく行う必要があります。

  • ・もともと傷跡が残りやすい体質の方
  • ・アトピー肌やニキビができやすい肌の方
  • ・虫刺されの跡が残りやすい方
  • ・ケロイドになりやすい体質の方

■手術後のケア

目頭切開の手術後、ダウンタイムを長引かせず、傷の治りを早くするために気を付けるべき点がいくつかあります。

    ・寝るときは頭を高くして

    頭がひくいと顔がむくみやすくなり、腫れが長引くことになります。眠るときは頭が心臓より少し高い位置にくるように調節しましょう。

    ・目元を適度に冷やす

    腫れが大きい手術後3日程度はできるだけ安静にし、目元を冷やすようにしましょう。氷や保冷剤を目に直接あてると冷やしすぎて、逆に傷の治りを悪くしてしまいます。かつ不衛生でもあるので必ず濡らした柔らかいタオルなどでくるんで使用します。

    ・タバコは吸わない

    タバコを吸うと血管が収縮して、血流が低下します。このことで傷の治りが遅くなってしまうため、術後3か月から半年程度は禁煙するべきでしょう。

    ・傷口にさわらない

    傷が目立つとどうしても気になって手で触れてしまいがち。患部を摩擦すると炎症が治まりにくくなったり、色素沈着を起こしてしまうこともあるので、傷口にはできるだけ触れないようにしましょう。

    ・市販の消毒薬や傷跡を治すクリーム、軟こうなどは使用しない

    市販の傷跡を治すクリームや軟こうを塗っても、成分によっては傷の治りを悪化させますので、使用してはいけません。

市販の傷口を治すトリポロンなどのテープなども使わないほうが無難です。ブログでトリポロンの効果があったと書いている人もいますが、目の周囲に使うことを想定して作られているものではありません。個人差があるので使用は自己責任で行うようにしましょう。病院で処方されたもの以外は使用しないのが一番です。
傷あとが盛り上がってしまうと目頭の形状が変わり、手術の効果が得られないこともありますので、アフターケアは重要です。

2-3.美容外科で目頭切開の傷跡を目立たなくする方法

美容外科で目頭切開の傷跡を目立たなくする方法

では、目頭切開の傷を美容外科でキレイにしてもらうことはできるのでしょうか。結論から言うと、劇的に傷を目立たなくする方法は残念ながらないようです。いくつか選択肢をあげてみましょう。

■レーザーでの治療

傷を目立たなくするためにフラクショナルレーザーやYAGレーザーを照射するという方法もありますが、こちらも大幅な改善は見込めず、費用対効果を考えるとあまり有効な方法とは言えません。また、レーザー治療が受けられるのは手術後、最短で半年以上経過してからになります。眼球の近くの治療になるので、そのあたりも慎重に考える必要があります。

■傷跡修正手術

傷跡修正の手術は傷跡の部分を切除し、縫合しなおすという方法です。切開部分が元の傷口より大きくなるため、目頭という小さなパーツで傷跡修正を行うと、かえって傷が目立ってしまうことも。目頭切開の傷跡修正手術は他院修正をしているクリニックでも対応してもらえるところはあまり多くないので、事前に確認してみるといいでしょう。また、蒙古ひだ形成で傷を目立たなくしてもらえるクリニックもありますが、対応できるケースは限られているようです。

傷跡修正はもともと「傷が残らないように手術してあること」が前提です。手術をする前に、傷が残りにくい手術をしてくれる医師を選ぶことがなにより大切であることを忘れないようにしましょう。

3.まとめ

いかがでしたか。ネットで調べてみると、目頭切開の傷跡に悩んでいる人が意外に多いことが分かると思います。でも、画像を見ると本人にしかわからない程度の傷であることも少なくないようです。傷が気になる気持ちはもっともですが、修正を考えるなら手術後、最低でも半年は傷が落ち着くまで待つほうが賢明でしょう。

また、目頭切開自体、難しい手術であり、修正となればさらに難易度は増します。手術を受ける際には医師の技術レベルが高いことはもちろん、カウンセリングで傷跡に関するリスクやアフターケアなどについて詳しく説明してくれるところを選ぶようにしましょう。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

Emiri

Emiri

美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。

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監修:

牧野太郎 医師

牧野美容クリニック

福岡大学医学部卒業。大学病院にて形成外科、麻酔科などを経験。その後様々な美容外科クリニックで経験を積み副院長などを歴任。その後2018年福岡に牧野美容クリニックを開院する。
様々なクリニックでの経験から小顔治療や輪郭、ヒアルロン酸注入など多岐にわたる施術をしています。またSNSで積極的に症例をアップし、SNSを見た患者様からの相談や施術依頼が多く寄せられています。

福岡大学医学部 卒業
福岡大学病院 形成外科 入局
福岡大学筑紫病院 外科、麻酔科
札幌手稲渓仁会病院 救急部、整形外科
神奈川県立こども医療センター 形成外科
横浜市立大学病院 形成外科
福岡大学病院 形成外科 助教
福岡大学病院 形成外科 医局長
リッツ美容外科 東京院
リッツ美容外科 東京院 副院長
牧野皮膚科形成外科内科医院
清美会クリニック、ゆめビューティークリニック
八事石坂クリニック
クリニカ市ヶ谷
2018年 牧野美容クリニック院長