全身のバランスがよくなり、若々しい印象を与えてくれる、きゅっと引きしまった小顔。女性なら誰もが憧れますよね。でも、リンパマッサージやむくみ予防のケアを続けているのに、なかなか顔が痩せないという方も多いのではないでしょうか。中には「痩せているけれど、顔には脂肪がついている」という方もいるかもしれませんね。そこで注目したいのが小顔注射とも呼ばれるBNLS注射です。切らずに小顔、顔痩せが目指せる方法として人気がある施術ですが、どのような効果があるのでしょうか?

目次

1.切らずに小顔、顔痩せを目指すBNLS注射とは

顔にメスを入れたり輪郭を削ったりするのは怖いけれど、少しでも顔を小さくしたいというのが女性の本音。注射だけで小顔、顔痩せが目指せるというのは嬉しいポイントですよね。まず、BNLS注射がどんなものか詳しく見ていきましょう。

1-1.BNLS注射の効果

BNLS(BRAND NEW LIPOSCUOPTING SOLUTION)注射とは脂肪溶解効果のある植物性の成分を顔に注射することで、小顔や顔痩せを目指すというもの。2011年頃から美容大国・韓国で利用されるようになった施術です。

BNLS注射は施術後、24時間で脂肪が30%減少することが確認されています。気になる頬やフェイスラインに打つことで、脂肪が減り、ほうれい線が目立たなくなるという効果が得られることもあるようです。

最大のメリットは植物性の成分なので、体に優しいという点でしょう。BNLSに配合されている成分は脂肪燃焼作用があるデオキシコール酸を筆頭に、脂肪代謝の作用があるヒバマタ、チロシン、L-カルニチン、カテキン、抗炎症作用があるオキナグサとカラクサケマン、ペルシャグルミ、アデノシン三リン酸など13種類になります。

ヒバマタとは海藻の一種でヨーロッパではお茶として飲まれていました。オキナグサとはキンポウゲ科の多年草、カラクサケマン(唐草華鬘)は香料として食品にも添加されている成分です。アデノシン三リン酸のみ、化合物ですが、美容外科で使用されている他の注射と比較すると、植物性の成分がいかに多いか分かりますよね。また、ダウンタイムがほとんどないというのも大きなメリットのひとつでしょう。

■各成分がもたらす相乗効果も期待できる

BNLS注射は効果の異なる成分を合わせて配合することで、相乗効果が期待できます。脂肪分解成分で柔らかくなった脂肪が血行促進効果のある成分によって排出されやすくなり、顔のむくみも軽減します。創傷治癒効果や抗炎症効果のある成分も入っているので、ダウンタイムも少なめです。

■基礎代謝を上げてさらに高い効果も?

クリニックによってBNLS施術後に有酸素運動やマッサージを推奨しているところもあります。代謝を上げることとで柔らかくなった脂肪がさらに排出されやすくなると考えられます。

ただし、施術当日は過度の運動やマッサージは控えるべきという意見もあるので、カウンセリング時にどの程度の運動やマッサージが適切か医師にアドバイスしてもらうようにしましょう。

1-2.BNLS注射の副作用、注意点は?

BNLS注射の副作用、注意点は?

BNLS注射は副作用が少ない施術です。治療後数日、患部がむくんだり、針の跡が内出血したりすることがありますが、回復も早くダウンタイムはほとんどありません。さらに経年変化もほとんどなく安全性と患者さんの満足度が高い施術になっています。この点がBNLS注射の人気の理由と言えるのではないでしょうか。

まさにいいことづくめな感じがしますが、以下のようにBNLS注射が向いていない方や施術を受けられないケースもあります。

■脂肪がついていない人には向いていない

BNLS注射は脂肪溶解成分を注射する治療です。そのため、たるみや筋肉のつき具合、顔の骨格そのものが原因で顔が大きく見えている人や顔の脂肪が少ない人が受けても効果は実感しにくいでしょう。医師とのカウンセリングでなぜ顔が大きく見えるのかを確認し、脂肪が原因でないと判断された場合、他の施術を勧められることもあるでしょう。

逆に言えば「顔には脂肪がついているけれど、体は痩せているのでダイエットはしたくない」「ダイエットをしても顔の脂肪がなかなか落ちない」という方には向いているということになります。

■アレルギーを起こす可能性も

植物性の成分が主体で体への負担が少ないとはいえ、人によってアレルギーを起こす可能性はゼロではありません。BNLS注射の場合、血管を保護する作用のあるペルシャぐるみ(くるみの一種)の成分が配合されているので、くるみアレルギーのある方は施術を受けることができません。その他、重度のアレルギーがある方の施術は断っているクリニックもあります。

■甲状腺疾患のある方は施術を受けられない

BNLS注射には甲状腺ホルモンの原料となるチロシンが脂肪の代謝を促進する目的で配合されているため、甲状腺疾患のある方は施術を受けることができません。

1-3.BNLS注射を打つ間隔・回数

BNLS注射を打つ間隔・回数

BNLS注射に含まれている成分は体への負担が少ない上、それ自体に抗炎症効果や創傷治癒効果のある成分が含まれています。そのため、1週間程度の短い間隔で施術を受けることが可能です。脂肪のつき具合によって、注入量を調整する必要がありますが、目に見える効果が実感できるには3回程度施術を受けることが勧められています。

1-4.BNLS注射を打てる箇所は?

BNLS注射は皮下脂肪がついている部分であれば、ほとんどのパーツに打つことができます。頬や額、頬骨周辺、アゴ、アゴ下、フェイスラインといった脂肪がつきやすいパーツから、上まぶたや鼻、小鼻にも打つことが可能です。小鼻や鼻先に脂肪がついている場合、BNLS注射を打つことで小鼻が小さくなり、鼻筋が通って見えるようになるという嬉しい例も。

また、BNLS注射は顔だけではなく、二の腕や下腹部、ふくらはぎ、太もも、ウエスト、お尻など脂肪が気になるボディにも打つことが可能です。

1-5.エラボトックスとの違いとは

小顔になれる注射にはエラボトックス注射があります。BNLS注射とエラボトックスの違いはどこにあるのでしょうか。

エラボトックスとは咬筋(こうきん)と呼ばれる咀しゃく筋の動きを抑制し、縮小させて小顔に導くというもの。咬筋はモノを噛むときや話をするとき、あくびをする時など日常的に使う筋肉です。顔に脂肪が少ないのに、顔が大きく見えるという人は骨格か咬筋の発達が原因であることが多くなっています。

咬筋が発達しすぎていると、コリが蓄積され顔が大きくなるだけではなく、頬骨が張って目立つようになる、目の下のクマやほうれい線ができやすくなるといったトラブルを招くことになります。夜、寝ている間に歯ぎしりをしていたり、歯をくいしばったりする癖のある人は咬筋が発達しすぎている可能性が高いでしょう。

■BNLS注射とエラボトックスを組み合わせることも可能

BNLS注射は脂肪を分解する成分を注射して顔の脂肪を減らすもの。注射で小顔になりたいと思ったら、まず顔が大きく見えている原因を正しく見極める必要があります。もし、咬筋の発達によってエラが張っていてさらに脂肪も気になるという場合、BNLS注射とエラボトックスを併用することも可能です。

またBNLS注射が一度、効果を実感したら後戻りが少ないのに対し、エラボトックスの作用は6カ月程度しか持続しないという違いもあります。

2.BNLS注射の現状

BNLS注射の現状

その安全性の高さと効果の現れやすさから、小顔のための治療として定番になりつつあるBNLS注射。クリニックによっては、BNLS注射以外の同じような植物性の成分を使用した別の名称の小顔注射を採用しているところもあります。実際にどのように施術されるのか、気になる価格について説明していきます。

2-1.BNLS注射・施術のプロセス

まずはカウンセリングでBNLS注射が適応するかどうか、判断します。骨格や咬筋の発達が原因で顔が大きくなっている場合、他の施術を勧められることもあるでしょう。

BNLS注射が適応であれば、患者さんの希望に沿って顔のどの部分にどのくらいの量を注入するかを決めていきます。肌を清潔な状態にし、麻酔クリームを塗布、あるいは希望によって笑気麻酔を使用するクリニックもあります。

続いてマーキングをした箇所に注射をしていきます。各クリニックで特殊な針や、内出血しづらい先の丸いマイクロカニューレを使用するなどして、痛みを軽減する工夫しています。特に痛みに弱いという方はカウンセリング時に伝えるといいでしょう。施術後はメイクが可能で、すぐに帰宅することができます。施術後、通常3日程度で効果が現れ始めます。

2-2.BNLS注射の価格

BNLS注射の価格

BNLS注射の料金はどのくらい注射するかによって金額が変わります。初回限定でモニター価格・キャンペーン価格を設定しているところもあるので、まずはこうしたクリニックで相談してみるのもいいでしょう。

BNLS ULTIMATEの価格の相場は1cc当たり3,000〜6,000円前後。BNLS製剤1本は1ccです。両頬・両サイドのフェイスラインにそれぞれ2~4本程度。アゴ下なら3~5本程度が目安となります。脂肪のつき具合によって量が変わってくるので、どこに何cc打つのかカウンセリングで確認するとよいでしょう。

3.まとめ

いかがでしたか? なかなか落ちない顔の脂肪を落としやすくしてくれるBNLS注射は副作用がほとんどなく、安全性の高い施術です。効果が持続しやすく、経年変化もほとんどないというメリットもあります。これなら、美容外科での施術が初めてという人でも安心ですよね。傷もほぼ残らないので、切らずに小顔を目指したい方は是非、検討してみてください!

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

Emiri

Emiri

美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。

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監修:

蘇原しのぶ 医師

しのぶ皮膚科

東海大学医学部卒業。皮膚科医として大学病院で経験を積み、都内の皮膚科にて副院長を歴任。2016年しのぶ皮膚科開院し院長に就任。
しのぶ皮膚科では、一般皮膚科治療はもちろん、美容治療はヒアルロン酸注入を中心に、先生目当てに患者様が来ている。安心してリピートできるクリニックとして人気に。さまざまなSNSで積極的に発信、テレビ出演も多数。

日本アンチエイジング外科・美容再生研究会認定医
日本皮膚科学会会員など

東海大学医学部卒
北里大学皮膚科
獨協大学皮膚科
新宿皮フ科副院長
しのぶ皮膚科院長

この記事の監修ドクターが所属するクリニック

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