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年齢を重ねるごとに気になってくるのが顔のたるみです。特に頬の部分がたるむと顔全体の印象に大きな影響を与えます。頬のたるみが目立ってしまうと実年齢よりも上に見られてしまう原因にもなります。「いつまでも若々しい印象でいたい」。
これは男女問わず、多くの人にとって共通の希望かと思います。たるみを全くもってゼロにするというのは不可能ですが、年齢よりも若く見られるために有効な頬のたるみの予防法と解消法について今回はご紹介していこうと思いますので、是非参考にしてみてください。
【監修医師からのワンポイント】
顔のたるみとは歳を取れば必ず出てくるものですが、そのたるみ方のスピードを遅らせたり、たるみを改善する方法があります。毎日の生活でできることや、美容医療を上手く利用してアンチエイジングすることが可能ですので、是非一度読んでみてください。
頬のたるみが引き起こされる原因とは
まずはなぜ頬はたるんでしまうのか、ということについて理解しておきましょう。
たるみが引き起こされる原因は大きく分けて3つあり、一つ目は肌の弾力が低下してしまうこと、二つ目は肌内部の組織の機能低下によるもの、そして三つ目が表情筋の筋力、筋量の低下ということになります。
まずは一つ目の肌の弾力の低下についてです。私たちの皮膚は浅いところから順に「表皮」、「真皮」、「皮下組織」の3層から成り立っており、この中の「真皮」の部分が特に肌の弾力に関係してくる部分となります。真皮層には皮膚のハリや弾力を生み出すもととなるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸が存在しています。若いころにはこれらが豊富にあるため、ハリのある肌を保つことができますが、加齢や生活習慣によって徐々に減少していき、コラーゲンなどの質自体も劣化していきます。すると肌全体の弾力がなくなっていき、たるみが目立ってしまうのです。
続いて肌内部の組織の機能低下についてです。肌内部の組織とは具体的にいうと皮下脂肪や靭帯、骨などのことを指します。人は年齢を重ねると脂肪や骨が痩せていき、脂肪と骨を繋ぎ合わせる靭帯も支える力が弱くなってきます。そうすると肌内部の膨らみがなくなり、皮膚だけ余ってしまう状態になるので、それがくぼみとなって目立ってしまいます。
そして加齢と共に顔の表情筋の筋力および筋量も低下していきます。顔にはたくさんの表情筋が存在しており、そのおかげで私たちは豊かな表情を作ることができています。ただ表情のクセなどからよく使う筋肉とそうでない筋肉とが出てきてしまい、使わない筋肉については体の筋肉と同様段々と衰えてきます。表情筋にも皮膚や皮下脂肪を支える働きがあるため、それが衰えることによって全体的に重心が下に下がってしまい頬がたるんでいるように見えてしまいます。
これらが組み合わされることで頬のたるみが引き起こされているのです。
加齢以外にたるみを助長する要因とは
頬のたるみを引き起こす原因として加齢が大きく関わってくるということは誰しもが理解していることです。しかし、同じ年齢でもたるみが強く出ている人とそうでない人が存在します。年齢以外にもたるみの程度に差をつける要因についても理解しておきましょう。
たるみを助長する要因としては紫外線、活性酸素などが挙げられます。
紫外線は「UV-A」「UV-B」「UV-C」の3種類があり、波長の長さが異なります。UV-Cについてはオゾン層で吸収されてしまうため、私たちに影響を与えることはありません。UV-AとUV-Bのうちシワやたるみを引き起こす原因となるのはUV-Aの方です。波長の長いUV-Aは真皮層にまで届き、コラーゲンやエラスチンを破壊してしまいます。コラーゲンやエラスチンは肌の弾力を保つ役目があるため、そこが破壊されてしまうとたるみが助長されてしまいます。
活性酸素は体内の物質が酸素と結びつきエネルギーを作り出す際に出る老廃物のようなもので、肌や身体のサビと呼ばれることもあります。活性酸素はウイルスや細菌から私たちの身を守ってくれる役割がありますが、過剰に発生すると細胞や体内のタンパク質を壊し、体内の老化を早め、肌の機能が低下してしまいます。肌の機能が低下するとコラーゲンやエラスチンが減少したり劣化したりするため、たるみが促されるのです。
以上の二つの要因を完全に取り除くことはできませんが、少しでも影響を軽減することでたるみのスピードを遅らせることが可能となります。
老化のスピードを遅らせる! 簡単にできる頬のたるみ予防法
ここからは頬のたるみ予防に効果的な方法をいくつか挙げていきたいと思います。難しいことはなく、日常生活の過ごし方を少し変えてみるだけで大丈夫です。詳しく見ていきましょう。
紫外線対策をする
たるみの予防法の中でも最も重要となるのが紫外線対策です。紫外線による老化現象のことを「光老化」と呼びますが、顔や手などの紫外線を浴びやすい箇所は老化原因の約8割が光老化によるものとも言われています。
日焼け止めクリームを塗る、日焼け止め薬の内服をする、日傘をさすなどして紫外線から肌を守るように心がけましょう。
特にたるみの原因となるUV-Aは波長が長いため、雲や窓を通り抜けてしまいます。そのため曇りの日や、室内で過ごす日も油断はできません。朝のスキンケアの仕上げには必ず日焼け止めクリームを塗り、2〜3時間おきにこまめに塗り直すことを癖づけておきましょう。
栄養バランスのとれた食事を摂る
肌に必要な栄養が確保できていないと、体全体に十分に行き渡らず、肌の代謝が滞りたるみが進んでしまいます。特にタンパク質は肌や髪を作るのに重要な栄養素となるので意識して摂るように心がけましょう。
またビタミンA、C、Eは肌の老化を進める活性酸素を取り除く効果が高いと言われています。
忙しいとついつい手を抜いてしまう食事ですが、食べたもので身体は作られるため、一食一食を大切に摂るようにしましょう。
睡眠時間を確保する
成長ホルモンは私たちが日中に受けたダメージを修復したり、新しい細胞を生み出したりする働きをしており、肌を若々しく保つためにとても重要なホルモンなのですが、この成長ホルモンがたくさん分泌されるのが睡眠中と言われています。睡眠不足になってしまうと、成長ホルモンがしっかりと分泌されず、肌が受けたダメージを修復できなかったり、コラーゲンやエラスチンなどが生成されず、たるみが進行してしまいます。
まとまった睡眠時間の確保が難しい場合には、寝る前にスマートフォンを見ないなどして、睡眠の質を上げるようにし、成長ホルモンがより多く分泌できるように日頃の睡眠を見直してみましょう。
禁煙する
タバコは健康を害する原因として有名ですが、美容面でも大きな害を与えます。タバコを吸うことで体内には活性酸素が大量に発生します。活性酸素は過剰に発生するとたるみを助長してしまいます。
また、活性酸素を除去するのに役立つビタミンCを破壊するため、より活性酸素が悪さをする環境を作り出してしまいます。
タバコを吸っていいことは何もありません。長く美しくいたい方は頑張って禁煙に努めましょう。
表情を作ることを意識する
加齢とともに表情筋が衰えるということをお伝えしましたが、最も衰えさせるのは「無表情」です。特に近年は感染症対策のためマスクを着用したり、他人との交流を控えがちになっており、それにより今まで以上に表情を作ることが少なくなり、表情筋が衰えやすい状況となっています。
マスクをつけていても口角を上げる、鏡を見るタイミングで顔全体を動かしてみるなどして意識的に表情を作るようにしてみましょう。
以上が簡単にできるたるみの予防法となります。即効性はありませんが、日々の積み重ねが数年後の若々しい自分を作ることができます。いきなり全部を変えることは難しいかもしれませんが、できることから少しずつ始めてコツコツと積み重ねていきましょう。
より若々しくいるために 頬のたるみにおすすめの美容医療
日常生活に取り入れやすいたるみの予防法をご紹介しましたが、「よりたるみのスピードを遅らせたい」、「すでにたるみが進行してしまった頬をなんとかしたい」という方には美容医療の力を借りることをおすすめします。頬のたるみにおすすめの美容医療についてご紹介していきます。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は深く刻み込まれてしまったシワに膨らみをもたせることができる施術です。
年齢を重ねると骨や脂肪が痩せていき、そこが窪んで溝となることでたるんだ印象を与えてしまいます。老けた印象を与えやすいほうれい線もそのような理由で目立ってしまう場合もあります。
ヒアルロン酸を注入することでシワ(溝)をボリュームアップさせ、目立たなくすることができます。注入直後から効果を実感でき、ダウンタイムも少ないことから人気のある施術となっています。
ヒアルロン酸は体内に徐々に吸収されるため繰り返し注入する必要があり、ヒアルロン酸の種類にもよりますが一度の注入で大体1年程度もつと言われています。
全てのシワに効果があるわけではなく、ヒアルロン酸が適した注入箇所があるので箇所や注入量については医師にしっかりと確認をしましょう。
HIFU
HIFUは高密度焦点式超音波の意味で、超音波が皮下組織やSMAS筋膜にアプローチして顔のたるみを改善させる治療法となります。
皮膚は「表皮」、「真皮」、「皮下組織」の3層からなりますが、SMAS筋膜は皮下組織のすぐ下にある肌を支える土台のような役割を果たす部分です。加齢と共にこのSMAS筋膜は衰えていき、その結果肌を支える効果が弱まりたるみが生じてしまいます。
今までSMAS筋膜にアプローチするためには外科的治療が必要でしたが、ダウンタイムなくSMAS筋膜を引き上げることが可能となったHIFUは今ではたるみ治療の中でも特に人気のある治療となりました。
しかし、完全に頬のたるみが出てからだとそれを持ち上げるまでの力には乏しいため、たるみ予防の一環として取り入れるのがベストと言われています。
スレッドリフト(糸リフト)
スレッドリフトは時間の経過とともに溶けて体内に吸収される特殊な糸を用いて行うリフトアップ治療になります。
大掛かりな手術ではなく、できる傷は麻酔液と糸を挿入する際に必要な針穴が数カ所のみで、直後は多少の赤みがありますが、翌日からメイク可能のため気軽にできると人気です。
機械で行う治療とは異なり、人(医師)の手によって引き上げていくため、「ここを引き上げたい」、「左右のバランスを整えたい」といった個人の希望に応じたカスタマイズが可能であることもメリットと言えるでしょう。
使用する糸によって持続力が異なりますが、1年ごとにメンテナンスとして繰り返し行うことを推奨するクリニックが多いです。
たるみ予防にも効果的で20代〜50代くらいの幅広い年齢層におすすめできる施術です。しかし重度の頬のたるみがある方の場合は糸で引き上げた際に余った皮膚が寄ってしまい不自然な仕上がりになってしまうので、たるみがかなり進行している場合には後述するフェイスリフトの方がおすすめとなります。
フェイスリフト
フェイスリフトはたるみ治療の中でも最も治療効果の高い外科的な施術です。
簡単にまとめると余った皮膚を切り取って持ち上げるというものになりますが、このときに皮膚だけを切り取るのではなく、肌の土台となるSMAS筋膜から持ち上げるため、フェイスラインはスッキリし、頬のたるみによって生じるほうれい線やマリオネットライン(口の両端から顎に向かって走るシワのこと)の改善にも効果的です。頬のたるみが進行し、皮膚の余りが顕著な場合にはこちらの治療が第一選択となるでしょう。
しかし、効果が高い反面、切開する範囲は広く、顔全体を引き上げるため広範囲に外科的処置を加える必要があるため、ダウンタイムが長いのがデメリットとなります。傷跡が目立たなくなり、腫れが完全に落ち着くには半年ほどかかると思っておいた方がいいでしょう。
また、治療効果がなくなることはありませんが、一度しっかりと引き上げたとしても、重力がかかる以上その後必ず少しずつたるんでいきます。いい状態をできるだけ長くキープするためにも、たるみ予防に効果的な日常生活を送ったり、先述したたるみ治療を継続的に受けたりしていくことは必要となります。
小さな積み重ねでいつまでも若々しい自分を手に入れよう!
いかがでしたでしょうか。顔の印象を大きく左右する頬のたるみを一発で改善する治療もありますが、簡単には手を出しにくいのも事実かと思います。
それよりも日頃の生活の積み重ねを大切にし、時には有効な美容医療の力を借りることでよりいい状態をキープしていくことが手軽で確実なたるみ解消法なのかもしれません。
「美容医療にも興味があるけれど、自分に適した治療がわからない……」という方はぜひ一度美容クリニックに足を運んでみて、適切なアドバイスを受けてみてくださいね。
*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。
つーさん
ナース歴11年目。岩手県出身。地元の大学卒業後、都内の大学病院にてNICU勤務→美容ナースとして5年間勤務→現在は保険診療のクリニックで勤務中。美容ナース時代は大手美容クリニックにて2年間勤務し、その後個人クリニックへ転職、脱毛クリニックでアルバイトをしていたため、美容外科・美容皮膚科を幅広く学んできた経験がある。
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監修:
澤口悠 医師
豊洲内科・糖尿病 / 形成・美容外科クリニック
関西医科大学卒業。同大学病院、地域の中核病院等に形成外科医として勤務後、美容医療の分野へすすむ。形成外科専門医。
大手美容クリニック分院長、都内皮膚科クリニック等では、形成外科疾患にとどまらず皮膚疾患の診療も行う。2023年4月豊洲内科・糖尿病 / 形成・美容外科クリニック所属。クリニックは内科、皮膚科、形成外科の保険診療に加え美容外科、美容皮膚科、エイジングケア等の自由診療を行う。自身は形成外科、皮膚科、美容外科、美容皮膚科を担当。
得意な施術は、脂肪吸引、豊胸、脂肪注入、婦人科形成、美肌治療等。趣味は筋力トレーニング。
関西医科大学 医学部 医学科 卒業
関西医科大学附属病院 初期臨床研修医
関西医科大学附属病院 形成外科
関西医科大学 総合医療センター 形成外科
大阪府済生会 野江病院 形成外科
埼玉医科大学 総合医療センター 形成外科 助教
都内大手美容クリニック 分院長
豊洲内科・糖尿病 / 形成・美容外科クリニック
執筆:
つーさん看護師
大手美容クリニックにて美容ナースとして働き始め、現在は個人の美容クリニックで勤務しており、美容ナース歴は7年目。
これまで複数のクリニックで医療脱毛、美容皮膚科、美容外科の領域を学び、幅広く経験を重ねている。
そのため、患者様に対して必要な治療をピックアップし、サポートできるのが強み。
個人クリニックでは管理職の経験があり、スタッフ育成やクリニック運営に携わってきた。
都内大学病院勤務(NICU)
大手美容クリニック(美容皮膚科・美容外科)
美容クリニック(美容皮膚科・美容外科、医療脱毛)
内視鏡クリニック
美容クリニック(美容皮膚科・美容外科、医療脱毛)
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