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夏といえば紫外線。6〜8月は一年で一番紫外線が降り注ぐ時期です。紫外線によってさまざまな肌トラブルが起こってしまう可能性があります。

  • ・日焼けによる肌のヒリヒリ
  • ・日焼けからシミになってしまう恐怖
  • ・肌のくすみ感
  • 他にも夏特有のトラブルでは
  • ・エアコンによる肌の乾燥
  • ・皮脂やテカリ

これらのお悩みを少しでも自宅ケアで抑えていきたい! そんな時できるだけしっかりと効果を出すために、医療機関で販売されているコスメを使用してみようかなと考える方が最近では増えています。
でも、数多くある医療専売コスメの中から、どのコスメが自分に合っているのかわからないという声も多く聞きます。
今回は夏の肌トラブルについてとトラブル別に効果的なコスメをいくつかチョイスして紹介していきます。

【監修医師からのワンポイント】

夏のお肌を守るなら、医療機関専売コスメがおすすめ! 紫外線、乾燥、皮脂からお肌を守るために、自分にぴったりのアイテムで透き通る素肌を手に入れましょう!

本当に怖い!? 紫外線ダメージ

知ってた? 肌の老化の原因の8割は光老化

人の皮膚の老化は①自然に生じる生理的老化と②紫外線に曝されダメージを受けることによって生じる光老化に分けられます。
光老化は紫外線の影響により皮膚内部で活性酸素が生じることで、細胞を傷つけ酸化ストレスが溜まることによって進行します。ですから、例え10代の若年層であっても紫外線によって老化が進むということです。生理的老化と光老化の割合はなんと2:8!

ちなみに、紫外線の他にもスマートフォンやPCから発生するブルーライトや光に含まれる赤外線なども光老化に関係すると言われています。私たちはあらゆる光から肌のダメージを受けながら生活しています。

諸悪の根源、紫外線

紫外線にはUVA、UVB、UVCの3種類あります。この中でUVCは波長が短いためオゾン層で跳ね返されほぼ地表には届きません。肌に対して問題となるのはUVAとUVBの2つです。

主にしわ、たるみの原因となるUVA

UVAは紫外線の90%以上を占めており、曇りの日でもあまり照射量は減衰しません。窓ガラスを透過するため、室内でも注意しなければいけない紫外線です。波長が長いため肌の深いところ(真皮層)まで届いて、コラーゲンやエラスチンを変性させ、しわやたるみの原因になります。またメラノサイトを活性化させてメラニンの生成を促し、しみやそばかすの原因にもなります。日焼け後肌が黒くなる(サンタン)はUVAの影響です。

主にシミの原因となるUVB

UVBはUVAに比べると波長が短いため、比較的皮膚の浅い部分へダメージを与えます。日焼け直後のヒリヒリや赤み(サンバーン)はUVBによるものです。メラノサイトを活性化し、しみやそばかすの原因になります。

肌トラブルと美容成分

日焼けダメージ

日焼けをしないためにそもそも紫外線対策を行う必要があります。皆さんがよく使用する日焼け止めには紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類があります。

紫外線吸収剤

化学物質が紫外線のエネルギーを吸収し、熱などの別のエネルギーに変換することで日焼けを防ぎます。伸びが良く白浮きしないためメイクの下に使いやすいが、肌の上での化学変化により肌が弱い人は肌荒れしてしまうことがあります。
成分としてはメトキシケイヒ酸エチルヘキシル、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンなど。

紫外線散乱剤

天然の鉱物が含まれており、その反射で物理的に紫外線を跳ね返して日焼けを防ぎます。ノンケミカルの日焼け止めは紫外線散乱剤のものを指します。白浮きしやすいのですが、かぶれなどの症状が起こりにくいため肌の弱い人でも使用しやすいのが特徴です。
成分としては酸化チタン、亜鉛鉱石など。

しみ・くすみ

しみはメラノサイトが活性化することによってメラニンが多く作られてしまい生じてしまいます。通常、紫外線を浴びて3〜4日後にメラニンが増え始めると言います。ですから紫外線を浴びた72時間以内に何らかの炎症を抑えるケアを行う必要があります

くすみもいくつか原因はありますが、メラニンが関わって顔色が暗く見えてしまうことがあります。また、メラノサイトの活性には活性酸素が原因となるため、活性酸素の除去を助けるような成分を使用する必要があります。

    美白や炎症に有効な成分

  • ・トラネキサム酸
  • ・ビタミンC誘導体
  • ・パルミチン酸レチノール
  • ・フラーレン など

エアコンによる肌の乾燥

冷房の効いた室内は湿度が低くなりやすく乾燥しやすくなります。乾燥しているところで長時間過ごすと、肌の角質も水分が奪われ、ごわつきカサつく原因になります。
また、エアコンだけではなく紫外線の影響でも肌は乾燥しやすくなります。さらに汗をかきそのままにしておくと、汗の蒸発と共に肌の潤いまで奪われてしまい乾燥が進む原因となってしまいます。

    乾燥に有効な成分

  • ・セラミド
  • ・アミノ酸
  • ・プロテオグリカン など

皮脂・テカリ

夏は汗をかくため皮脂分泌が増えます。特にTゾーンはテカリやすく、肌荒れも起こしやすいです。多量の皮脂は紫外線によって酸化し、肌を刺激してしまう可能性があります。

    皮脂抑制に有効な成分

  • アゼライン酸
  • ビタミンC
  • ピーリング剤(よく使用されるもの:サリチル酸、乳酸、グリコール酸) など
  • このトラブルにこのコスメ

    日焼け対策にはこのコスメ

    プラスリストア UVローション/UVミルク

    美容クリニックで働く看護師には定番中の定番。プラスリストアのUVローションとUVミルク。UVローションがSPF50+、PA++++。UVミルクはSPF30、PA++。フラーレンが配合されており、日焼け止め効果に加えて活性酸素の発生を防いでくれる働きがあります。

    UVローションはウォータープルーフで汗に強くレジャーで活躍間違いなしですし、UVミルクはお湯でオフできるため日常使いにぴったりです。

    セルニュープラス UVクリーム

    赤みやくすみをしっかりとカバーするベージュタイプのサンスクリーン剤。SPF50+,
    PA++++でしっかりと紫外線から保護しながらも石鹸で落とせるお手軽さ。ビタミンEが配合されており、抗酸化力もあります。

    しみ・くすみ対策にはこのコスメ

    プラスリストア TAホワイトクリーム

    プラスリストアから販売されている美白クリーム。トラネキサム酸とグリチルレチン酸ステアリルが配合されており抗炎症が期待できます。またビタミンC、アルブチン、プラセンタなども配合されており、美白効果と消炎、潤いを与えます。しみの気になる箇所にポイント使用でOK。

    ナビジョンDR TAホワイトローションn

    トラネキサム酸と4MSKが配合されており、メラニンの生成を抑えしみ・そばかすを防ぎます。保湿成分のステムランDGが配合されていて、みずみずしい使用感が特徴です。

    ITOシリーズ Fジェル

    紫外線から守ってくれる抗酸化成分がこれでもかと配合されています。フラーレンのほか、ビタミンEが配合されており活性酸素の除去を助けてくれます。また、アミノ酸誘導体であるナールスゲンは肌の細胞が持つ酸化ストレスに対抗する力を活性化しコラーゲンやエラスチンなどの産生を高め、肌のハリや弾力を甦らせます。

    さらにパルミチン酸レチノールが配合されているため、紫外線からお肌を守ってくれるほかターンオーバーを促進してくれます。

    ゼオスキン シーセラム

    レモン250個分のビタミンCが配合されており、抗酸化と美白の効果があります。また、毛穴の開きや皮脂のコントロールにも使用でき、滑らかで透明感のあるお肌を作り上げます。スクワランが配合されているため、ビタミンCのスキンケア品によくある乾燥する感じは出にくいです。

    ガウディスキン エクラリバイブ

    最強の美容クリームといっても過言ではないくらい、様々な美容成分が配合されています。日々のスキンケアが面倒という方はエクラリバイブを使用することをお勧めします。パルミチン酸レチノール、7種類の高機能ペプチド、両親媒性ビタミンC(APPS)、人型セラミド、アミノ酸などが含まれており、しみ、しわ、ニキビ、テカリ、炎症、バリア機能など多くのお悩みにアプローチすることができます。

    エアコンによる肌の乾燥対策にはこのコスメ

    AKシリーズ

    ウマガラクトシルセラミドという天然セラミドが配合されており、敏感肌の方やアトピー肌の方も使用できる優しい使い心地です。表皮のバリア機能を担う細胞間脂質のラメラ構造を形成し、皮膚の水分を保ち過剰な水分損失を防ぎます。とろみ感のあるAKマイルドローションと肌を均一に整えてくれるAKクリームがおすすめです。

    NOV Ⅲシリーズ

    NOVの中でも乾燥が気になるお肌のために作られたシリーズです。皮膚のバリア機能の3因子(細胞間脂質、NMF、皮脂膜)を補う保湿成分を配合しています。メイク落としから洗顔、化粧水、美容液、乳液、クリーム、日焼け止めまで全てこのシリーズで網羅されています。本当に乾燥が辛い時はこちらのNOVⅢシリーズがおすすめです。

    皮脂・テカリにはこのコスメ

    DRXシリーズ AZAクリア

    AZAクリアはアゼライン酸が20%配合されているクリームです。今ご自身が使用している全てのスキンケアの1番最後に加えてあげるだけなので非常にお手軽です。アゼライン酸には様々な効果があり、皮脂抑制作用だけでなく、抗炎症作用、抗菌作用、角化抑制作用、美白作用と5つの注目すべき作用があります。

    皮脂量やテカリが気になる方はもちろん、肌の赤みが気になる方やニキビ肌にお悩みの方にもぜひ使ってほしいコスメです。

    ピュアメル リセットVitC美容液

    韓国生まれのドクターズコスメ。純粋なビタミンCは本来安定性が低く、空気や光に触れると酸化しやすいため化粧水などに溶かすと活性を失う欠点がありました。しかし、ピュアメルでは13.5%の高濃度ピュアビタミンCを独自の技術によって安定化させ、美容液としてぎゅっと閉じ込めることに成功しました。

    ピュアビタミンCは浸透が早く、しっかりとビタミンCの効果を届けてくれます。高濃度のビタミンCが毛穴レスなお肌を作り上げてくれます。

    サンソリット スキンピールバー

    ピーリング剤配合の定番超人気石鹸です。カラフルな見た目が可愛く、肌のお悩み別に4種類の石鹸(AHAマイルド、AHA、ティーツリー、ハイドロキノール)を使い分けることができます。AHA、BHA、ハイドロキノンを配合しているハイドロキノールは特に人気で皮脂を抑制しながら肌のくすみ感も改善してくれます。

    マナソープMD

    こちらもピーリング剤が配合されている石鹸で、主にAHAの一種であるグリコール酸を配合しています。不要な角質・汚れをしっかり取り去り、角質を柔らかくして洗顔後のスキンケアを浸透させるのを助けます。グリコール酸の濃度が5%と10%の2種類あるため、洗い心地や季節によって使い分けている方も多いです。

    紫外線ダメージは頭皮や髪にも……

    実は紫外線は頭皮や髪にも影響があります。ヘアカラーやブリーチで髪にダメージが蓄積している方やAGA治療を行なっている方は特に注意が必要です。

    頭皮ケアにはペロバームシリーズ

    医療専売ヘアケア品としてペロバームという商品があります。シャンプー、コンディショナー、ローションのセットで販売されています。
    ハイブリットペプチドによってヘアサイクルを整えながら、脱毛を抑制し発毛を促進します。またビタミンや天然植物エキスによって髪にハリやコシを与え健康な髪を取り戻します。紫外線でダメージを受けた髪には多くの栄養が必要となるため、ペロバームシリーズでケアすることをお勧めします。

    紫外線から守るためにUVスプレーも必須

    サンソリットU・Vlockスプレー

    SPF50+、PA++++。スプレータイプのため吹きかけるだけでお手軽にUVケアが可能です。オキソチアゾリジンという成分が紫外線を浴びることで保湿成分に変換されます。速乾性でサラッとしたつけ心地です。
    髪だけでなく、もちろん顔やからだ全てに使用可能です。

    おわりに

    夏は肌トラブルが起こりやすい季節ですが、スキンケアを見直すことでできるだけトラブルを防ぐことができます。自分の今のお肌の状態を見直しながら自分にあったスキンケア用品を手に取ってみてください。医療専売コスメは、美容クリニックに直接相談していただけると、医師や看護師から最適なケア品の提案がありますのでぜひ一度クリニックにご連絡してみてくださいね。

    【記事の執筆・レビューに使用した参考文献等】

    記事の正確性等の確保方法及び参考文献の取り扱いについては、Call to Beautyの編集プロセスをご覧ください。

    『あたらしい美容皮膚科学』(2022年南山堂)
    日本美容皮膚科学会 監修
    クイーンズスクエアメディカルセンター皮膚科 部長 尾見徳弥 編
    みやた形成外科・皮ふクリニック 院長 宮田成章 編
    静岡社会健康医学大学院大学 学長・理事長 宮地良樹 編
    大阪医科薬科大学 教授 森脇真一 編
    『Bella Pelle vol.7 No.3 特集 コスメの基礎』(2022年メディカルレビュー社)
    『Bella Pelle vol.7 No.4 特集 効くコスメ』(2022年メディカルレビュー社)
    『医者が教える人生が変わる美容大事典』(2021年kadokawa)
    上原恵理 著

    *本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

    MarkeTech

    YuNi

    都内で働くフリーランス美容ナース。美容皮膚科、脱毛専門、痩身クリニックにて勤務経験あり。クリニックの立ち上げに関わり、師長を務めていたことも。現在はいくつかの美容皮膚科にて勤務しており美容皮膚施術とアートメイクを担当している。Twitterでは同名義で4000人以上のフォロワーがおり、正しい美容医療の知識の普及に努めている。飛鳥塾という講習会にて講師を務め、美容看護師の知識や技術の向上に尽力している。

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監修:

藤井真未 医師

宮崎台スキンクリニック

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。弘前大学医学部医学科卒業。University of Tennessee Exchange Program、University of Tennessee School of MedicineにてClinical Clerkshipを修了。
東京医科歯科大学で初期研修後、同大学皮膚科に入局。大学病院や地域の病院での勤務、美容皮膚科での経験を経て、2020年8月川崎市に「宮崎台スキンクリニック」を開院。
「皮膚科専門医による地域のかかりつけ医」をコンセプトに、一般皮膚科、フットケア、美容皮膚科を幅広く提供。美容分野では、IPL(光治療)、HIFU、ボトックス、ヒアルロン酸注入、各種レーザーなどを用いた美肌治療やたるみ治療を行う。また、にきびやアトピー性皮膚炎などの保険診療にも力を入れており、製薬会社などからアトピーに関する講演依頼も多数受けている。

2003年 弘前大学医学部医学科入学
2004年 University of Tennessee Exchange Program
2009年 University of Tennessee School of Medicine Clinical Clerkship
2010年 弘前大学医学部医学科卒業
2010年 都立墨東病院・東京医科歯科大学初期研修
2012年 東京医科歯科大学皮膚科入局
(東京医科歯科大学皮膚科関連病院として下記勤務)
2012年 都立墨東病院皮膚科
2015年 多摩南部地域病院皮膚科
2018年 九段坂病院皮膚科
2019年 東京医科歯科大学皮膚科・NTT東日本伊豆病院皮膚科
横浜市内美容皮膚科にて非常勤勤務を経て
2020年8月 宮崎台スキンクリニック開院

執筆:

YuNi看護師

都内で働くフリーランス美容ナース。美容皮膚科、脱毛専門、痩身クリニックにて勤務経験あり。クリニックの立ち上げに関わり、師長を務めていたことも。現在はいくつかの美容皮膚科にて勤務しており美容皮膚施術とアートメイクを担当している。

X(旧Twitter)では同名義で4,000人以上のフォロワーがおり、正しい美容医療の知識の普及に努めている。飛鳥塾という講習会にて講師を務め、美容看護師の知識や技術の向上に尽力している。

大学病院勤務(血液内科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科勤務)
大手美容皮膚科
個人美容皮膚科
大手脱毛専門クリニック
脱毛専門クリニック
脱毛専門クリニック立ち上げ協力
個人美容皮膚科(保険診療込み)
バイト勤務含め10院以上のクリニック勤務経験あり

この記事の監修ドクターが所属するクリニック

  • 住所: 神奈川県川崎市宮前区宮崎1-8-21 宮崎台南シティハウス101
  • 最寄駅: 東急電鉄田園都市線宮崎台駅徒歩1分
  • 院長: 藤井 真未
  • 診療時間: 9:00 〜13:00 月火水木金土、14:30 〜17:30 月水木金
  • 休診日: 日祝