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出典 http://www5.nikkansports.com/entertainment/akb48/photo/archives/41033.html

※この記事は2015年に発表されたものです。
「変貌しすぎ!? AKB48グループの整形疑惑が浮上!」「最新の整形疑惑があるメンバー一覧」「AKB48整形疑惑画像!」――ネットを見れば、AKB48系列アイドルの美容整形疑惑をまとめたサイトがたくさん見つかる。AKB48グループのメンバーにはほとんど、「整形疑惑」がつきまとっていると言ってもいいくらいだ。なぜ彼女たちは整形を疑われ、そして叩かれるのか。

整形疑惑がつきまとうAKB48グループだが……。中学生でデビューした女の子の顔が「変化」するのは当たり前

「AKB48」は、主要メンバーがまだローティーンだった2005年に結成された。当時の映像や写真を見ると、皆あどけないし、垢ぬけてもいない。その後、彼女たちは徐々に知名度を上げていった。主要メンバーだった前田敦子や大島優子、板野友美や篠田麻里子、渡辺麻友などは、どんどん綺麗になっている。後から加入したメンバーの中にも、「可愛くなったなぁ」と感じる子は多い。もしかしたら中には、プチ整形をした子もいるかもしれない。が、人の顔は、ローティーンからの10年で相当変わる。筆者も、自分の中学生の頃のアルバムをたまに見ると、「社会人になるまでに、かなり変わったなぁ」と思う。小学生に間違えられるほど幼い容姿だった思春期から、髪型やメイクの変化、ダイエットなどによって(良くも悪くも)大人びた。単に「老けた」とも言えるが、大幅に変わったことには違いない。だから、小中学生でデビューしたAKB48の子たちの顔が、大人になるにつれて変化していくのを「整形だ!」と騒ぎ立てるのは、ちょっと短絡的ではないかと思う。アイドルなら、見た目を気にしてダイエットやメイクにいそしむのは当たり前だ。しかし、多くのAKBメンバーは10代半ばにデビューして以来、大人になる過程をファンから記録され、記憶されているから、少しでも顔が変わると「整形だ!」と思われてしまうのも仕方ない面はある。

あどけない純粋な「少女」を、開花させてあげるビジネス

AKBの整形疑惑が取り沙汰されるようになったのは、彼女たちが国民的人気グループの地位を手に入れた頃からだ。知名度が上がり、アンチも増えたという理由もあるだろうが、最初は垢抜けなかった女の子が年を経るにつれ、多くのファンをとりこにし、ちやほやされていくのが気にくわない、という人もいるだろう。AKBグループが売れたのは、ご存知のように、発売されるシングルの「センター」をファン投票によって決めるシステムや、握手会などの交流イベントが受けたからだ。「恋愛禁止」を掲げ、AKBメンバーの清純さ(といえば聞こえはいいが、まあ「処女性」である)を売りにしたのも良かった。

ファンは「推しメン」に、お金をつぎ込む。その少女は目立たず、絶世の美女でもない。でも、会いに行けるし、ダンスや歌を頑張っているから応援する。自分の「推しメン」がランキングを上げていくのは、一部のファンたちに、たまらない充実感を与えるだろう。純粋無垢な女の子たちを、自分の力で開花させてあげる喜び。AKBは、そういう欲望に支えられて存在している。少女は自然体でいるべきだ。整形で「美という権力」を手に入れようなんて、とんでもない。 AKBメンバーの整形(疑惑)を叩く人たちの中には、そんな感情もあるかもしれない。 こうして、AKBの整形ゴシップは格好のネタとなる。処女っぽさを売りにして、「私なんて……」と謙遜しておきながら、本心では、男を惑わせる見た目を手にいれたくて仕方なかったんだろう。「このビッチめ、それみたことか」と、化けの皮を剥がした気分になる人もいる。それはそれは、大きなカタルシスが得られることだろう。

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出典 http://prcm.jp/

「へぇ~……で、だからどうしたの?」感

AKBメンバーが「整形してるだろwww」と言われてしまう理由を考えてきた。まずは、彼女たちがローティーンの頃から活動しているために、20歳くらいまでの成長やメイクの変化を、整形だと疑われやすいということ。そして、AKBが純粋無垢な少女らしさを売りにしているために、少しでもそれと相反する行為(美という権力を手に入れようとする整形など)が疑われた途端、鬼の首を取ったかのように叩く人がいるということ。

ところで、拙著『整形した女は幸せになっているのか』でも少し触れたが、AKBのようなアイドルの整形疑惑は、ほとんど表沙汰にならない。ネットの噂や、ゴシップサイトの記事以上の広がりをもたない。なぜか。芸能事務所の事情もあるだろうが、言ってしまえば、その手の噂は「社会的に重要でない」からだ。要は、どうでもいい話ということだ。同じ噂話でも、国や社会にとって重要で、かつ「本当のところ」があいまいな噂(大企業の不祥事や、災害をめぐるデマなど)は、大手メディアの記事になる。が、そうした重要なニュースに比べれば、「AKBメンバーの卒業アルバムと、今の顔が全然違う」とか、「デビュー当時からの変化を検証!」なんてたぐいの噂は、本当にどうでもいいことだ。熱烈なファンやアンチ以外にとっては、「ふーん……で?」程度の話である。整形疑惑ネタの、圧倒的なまでの「社会性の低さ」には、ため息が出る。AKB48を筆頭に彼女たちの整形(疑惑)は、私たちのゴシップ心を満たす程度に「軽く」、かつ本当のところが曖昧なので、いつまでもダラダラとネットの海を漂い続ける。そんなネタをすくいとっては騒ぎ立てる人たちが、浅ましく、暇人に見えるのは当然かもしれない。

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北条かや

1986年、石川県金沢市生まれ。ライター。同志社大学社会学部、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。著書に『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』(いずれも星海社)。NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」、TOKYO MX「モーニングCROSS」などに出演する。
【Twitter】@kaya_hojo
【Facebookページ】北条かや
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北条かやライター

1986年、石川県金沢市生まれ。ライター。同志社大学社会学部、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。著書に『こじらせ女子の日常』(宝島社)『本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)。その他の著書に『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』(いずれも星海社)がある。NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」、TOKYO MX「モーニングCROSS」などに出演。

同志社大学社会学部卒
京都大学大学院文学研究科修士課程修了
民間企業勤務を経てライター、著述家として活動

出演
『新世代が解く!ニッポンのジレンマ』(NHK)、『モーニングCROSS』(TOKYO MX)

著書
『キャバ嬢の社会学』(2014年星海社新書)
『整形した女は幸せになっているのか』(2015年星海社新書)
『本当は結婚したくないのだ症候群』(2016年青春出版社)
『王子様はどこへ消えた?――恋愛迷宮と婚活ブームの末路』(2019年青春出版社青春文庫)
『こじらせ女子の日常』(2016年宝島社)
『インターネットで死ぬということ』(2017年イースト・プレス )

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